わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

双方向性

2012年03月01日 | 日々雑感
先週、北陸福井に行ってきました。

福井は私の故郷です。

私の拙著「奇跡のむらの物語」を読んだ福井の有志が、「『食えるNPO』をつくる勉強会」なるものを企画して、その勉強会に私を講師として呼んでくれたのでした。

有志というのは、カウベル・コーポレーションという会社と福井大学教育地域科学部の先生。

実は、会社の人は、私の高校時代の友人です。


これまで、「環境NPO」とか「福祉NPO」とか、「まちづくりNPO」という分野別のNPOの集まり、あるいは「ファンドレイジング」というテーマでのNPOの集まりはありましたが、「食えるNPO」というある意味ギラギラした(笑)テーマはなかったように想います。

このテーマのもとに、福井全県から15人ほどの人が集まりました。


▼食えるNPOをつくる勉強会




しかし、ややもすると、財源の確保ために助成金をいかに獲得するのか、あるいは集客のための広報の工夫など、テクニカルな議論だけに終始してしまう懸念もあります。

そこで、今回は、私からは特に「ミッション」と「公益性」について話をしました。

そのミッションが社会に必要とされているのかどうか。

必要とされなくなったらNPOは解散すべきです。

またミッションに沿った事業なのかどうかを点検することの必要性は?などなど。

そして、社会に必要とされている事業・活動であるということは、多くの人に利益を与えるとういうことであるということ。

それを「公益」と胸を張れるような活動をしていくこと。

などなど、どこにポイントをおくと「食えるNPO」へのスタートを切れるのかについて、ちょっとだけ提示しました。


詳しくは企業秘密です。

いや、NPO秘密ですね(笑)


冗談はさておき、いかに多くの人に支えられているかでという指標(パブリックサポートテスト=PST)測っていた「公益性」だけではなく、いかに多くの人に利益を与える(支える)かという指標(パブリックベネフィットテスト=PBT)で測る「公益性」に踏み込んでいくことが、食えるNPOになるためには肝要なのです。

そして火がついた参加者のみなさんは、喧々諤々夜遅くまで、「NPOとは」「公益とは」「企画とは」「ネットワークとは」「食えるとは」などなど熱い議論が続きました。

とはいえ、1回の集まりだけで「食えるNPO」にはなれるわけがなく、このギラギラしたテーマで今後ここに集まった人びとが核になってネットワークを構築し、福井における本質的な意味での「食えるNPO」を実現させていっていただきたいと想います。


「支え合い」は双方向性。

多くの人に支えられること(PST)ばかり考えずに、多くの人を支えましょう(PBT)。

そうしてはじめて、豊かな「支え合い」の社会が生まれます。

東北地方を支えましょう。

そうしてはじめて、東北の地域、人々との、豊かな支え合いの縁が産まれます。

その活動を支えることが、「食えるNPO」の一歩となれば、これまたうれしいことです。

私たちの震災支援活動も、始まってからまだ1年。

これからも、共に支え合いましょう。

そうして初めて、本当の意味でのNPO社会が到来することでしょう。


時は3月。

震災の日がめぐってきます。


代表 辻だいち