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わが大地のうた♪

NPOグリーンウッド代表理事:辻英之(だいち)が今、南信州泰阜村から発信する炎のメッセージと…日々雑感!

【季節が確かに動き始めてる】 ~イノチを紡ぐコメづくり、始まる~

2017年05月02日 | 自然のソコヂカラ
私の「コメの師匠」が倒れた。

今まで、どれだけ水面下で支えられていたかを痛感する毎日だ。

私たちの知らないところで、あれここれもやってくれていたんだな。

感謝してもしきれない。

そして今こそ、師匠の技を受け継ぐ時。













水源から棚田に水を引く。

上から下に水を引くだけのこの作業が、むちゃくちゃ難しい作業だということを、これでもかというほど思い知らされる。

それでも私もコメ作りを始めて23年になる。

これまでの経験と知恵と勘を総動員して、なんとかカタチにしようともがく。

まさに自然との共生、いや自然との格闘か。

わかってはいたけれど、改めて、ミズはイノチだなと強く想う。












作業中にふと山に目をやる。

つい最近まで桜が満開だった。

満開から新緑へ。

山の恵みが食卓を彩る。

季節が確かに動き始めてる。



今年もイノチを紡ぐコメづくり、始まる。


代表 辻だいち

【泰阜村の森のようちえん「まめぼっち」】 ~この森が、こどもたちの育ちと学びを支える~

2017年04月23日 | 自然のソコヂカラ

泰阜村の森のようちえん。

「まめぼっち」と呼ばれる活動だ。



ここは、泰阜村の元学校林。

2010年3月に廃校となった泰阜北小学校の旧学校林である。

1940年代、まだ薪ストーブが主流だったころは、燃料を調達する薪炭林として利用されていたという。

時代が変わり学校から薪ストーブが消えるとともに、子どもたちの声が森林から消えた。やがて手入れのされない木が増え、暗い森になって放置されていたのだ。

それが今では、森のようちえん「まめぼっち」や、村のこどもたちの体験活動「あんじゃね自然学校」の活動場所として再生されている。





もう10年ほど昔の話。

森林に子どもたちの声を取り戻そうという願いから、私たちはツリーハウスづくりを計画した。

村の製材所や林業士、プロのツリーハウスビルダー、グリーンウッドのスタッフ、そして村の子どもたちが4回にわたってワークショップを行なった。

もちろん子どもたちのアイディアをもとに設計する。

高さ5m、床面積6畳、窓やドア、ロフトまでついた立派な小屋だ。



この学校林の思い出を村の古老に聞いたことがある。 

「いやだったのはな、薪を背負板にたねる(束ねる)ことが上手くできんかったことだな」

どうやら学校林に薪集めに行くのは楽しいことばかりではなかったようだ。

なんせ学校まで、ズルズルと変な格好で薪を背負わなければならなかったからだ。

「そうしたらな、上級生が見かねて背負板にたねる(束ねる)のをやってくれたもんだ」

当時の子ども同士で助け合っている。



ツリーハウスを建てるときも同じだ。

小6の子が小1の子に手を添えて作業を行なった。

昔と今では旧学校林の使い方、活動内容は違う。

しかし、大事なことは受け継がれている。

それは、この林に埋め込まれている教育力だ。



「2人で行動すること。1人っきりにはならないこと」

かつて山師だったおじいま(おじい様の意味の方言)は、夕暮れ迫るころ、何頭も熊をしとめたこと、熊と出会ったら逃げるのは容易ではないことを、子どもたちに伝えた。学校林の周りの木には熊の爪跡がある。

森林はどんどん暗くなっていく。

子どもたちは、ゴクリとのど鳴らしながらおじいまの話を聞いている。

その後、あれだけ言うことを聞かなかった子どもが、勝手に1人では行動しなくなった。

子どもたちは学んだ。

この森林で過ごすには、助け合うことが必要なこと、人の言うことを聞くことが必要なことを。

ツリーハウスが完成し、戻ってきたのは子どもの声だけではない。

この林に内在していた教育力も戻ってきた。



今ではこの森は、子どもたちの一番人気の場所になりつつある。

それは、この森林が村の歴史や村人の存在と切り離されないための大切なことを学べる場であることを、子どもたち自身が自覚しているからなのだ。



今日も、幼児たちが縦横無尽に森を駆け抜ける。

とても気持ちよさそうだ。

この森が、こどもたちの育ちと学びを支えている。

だから、この森に来ると、私まで心地よくなる。


代表 辻だいち


【土に生きることだけは】 ~これが命の息吹~

2017年03月29日 | 自然のソコヂカラ
家の畑を耕した。

冬の間堆肥化してきた生ゴミも漉き込んだ。

土に鍬を入れると、まだまだ寒い信州だけれど、ジワジワと汗が噴き出る。

冬を越して白くなった肌。

その肌に春の陽射しがあたると、ふつふつとわきあがってくるなんとも言えないこの感覚。

これが春の息吹、命の息吹なのかな。

それを感じるからなんだろうか、若いころから農作業はまったく苦にならない。

親父もおふくろも農家に生まれた。

両親のDNAが、そうさせるのかもしれない。


▼夜明けの泰阜村





やっぱり、土に触れていると、ワケもないけど心地よい。

やっぱりそうか。

どれだけ忙しくなっても、土に生きることだけは、失いたくない。

今年も土と向き合おう。

次男(高2)の弁当を彩る野菜を創るぞ~。



代表 辻だいち



【でも、誰も文句を言わないのだ】 ~こどもたちは、土から教えられる~

2016年11月12日 | 自然のソコヂカラ
高知大川村を早朝も早朝に出て、最寄りの伊予西条駅に送ってもらった。

急いで泰阜村に帰るためである。

昼からコメの脱穀作業だ。

暮らしの学校「だいだらぼっち」のこどもたちと約束したから、必ず戻らなければならない。

6時の特急に乗り、岡山で新幹線に乗り換え、岐阜羽島で降車。

置いてあった車に飛び乗り、途中のサービスエリアでツナギ(作業着)に着替えて、こどもたちが待つ田んぼに13時前に着いた。

さあ、そこから脱穀作業である。


▼脱穀の作業もこどもが主役




今年、だいだらぼっちのこどもとスタッフが手掛ける田んぼは、2反。

20アールの広さだ。

集落の農家と共同所有する脱穀機は1台しかなく、作業は日が暮れるまで続いた。

山岳地帯の村は、陽が山に沈むのは早い。

そうなると急激に寒くなる。







でも誰も文句を言わない。

春から作業全てをこどもたちが手がけ、ハザ掛けして天日干ししたコメが、もうすぐ口に入る。

その喜びが待ってるからだ。

こどもたちは、土から教えられる。

自然と向き合うことはたいへんだけれど、それは自分を成長させてくれるということを。

こどもたちもスタッフも、よくがんばった。

私も、早朝から移動と、午後は脱穀機を運転し続けて身体が震えている。


今日はお酒がうまいな、きっと。


代表 辻だいち


【調子がいいぜ、ライス穀物長官♪】 ~おてんとさまに干してもらったコメはうまい~ 

2016年10月14日 | 自然のソコヂカラ



稲刈りを週末に控え、稲刈り機を試運転した。

正確には結束機:バインダーという。

エンジンの調子、結束紐の確認、オイルチェックなどなど。

暮らしの学校「だいだらぼっち」のこどもたちは、この稲刈り機のことを「ライス穀物長官」と親しみをもって呼んでいる。

いつもながらにこどもたちの素敵なネーミングセンスに脱帽。

ここ数年、ご機嫌ななめだったライス。

今年は調子がいいぜ♪


▼これがライス穀物長官




現在、2反(20a)の田んぼを手掛けている。

こどもたちが1反、スタッフが1反を管理する。

こどもたちに先駆けて、まずはスタッフの田んぼの稲刈りだ。

バインダーがあるからわりと早めに終わるさ、とタカをくくっていたら、いきなりトラブル。

結束がうまくいかない。

バインダーで一番厄介なトラブルである。

四苦八苦しながら調整し、なんとか復活してその後は順調だった。






コンバインがないので、昔ながらに天日干しで稲を干す。

これをハザ(稲架)という。

感覚でしかないが、機会で乾燥したコメよりも、こうしておてんとさまに干してもらったコメの方が、断然おいしく感じる。






少ない人数で、若手スタッフはよくがんばった。

終わったあああああああっ!!!という声が、山あいに響く。

残るは、こどもたち(山村留学の)の田んぼ。

新米が待ち遠しい。







代表 辻だいち