将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

親子で体験入学

2007年01月18日 | 学校生活
来年度入学予定の方は、1月ともなると公立中学校の辞退届を役所に提出するのも終わり、もう進学についてふらふらと悩むこともなくなっている頃だ。

もう決めた事だと、さまざまな思いを断ち、4月から始まる光の村での生活を親子共々覚悟し、小学校最後の3学期を忙しく過ごされている事だろうと思う。

ただ、親元から遠く離れ、寒い中、秩父の山奥の学校で初めての寄宿舎生活、しかも今までしたこともない厳しいマラソン生活が4月から待っている・・・。

本当にうちの子にできるのだろうか?そんな事をさせていいのだろうか?と、内心、心休まる時がない・・・。まるで、世界一周のヨット一人旅に出る出航前夜のような気持ち・・・。

仮に脱走しても、近くのバス停にたどり着くだけでも相当の距離がある。そこに行くまでに山道から落ちたり、猿やイノシシに襲われたりはしないだろうか?はたまた、間違って山奥の方に行って、遭難してしまうんじゃないか?

偏食も強く、嫌いなものはとことん食べないので、栄養失調になってしまわないか?

つらくて悲しくて恋しくて、いつも泣き声が山中にこだますることになりはしないか?

思春期に入るので、女子生徒もいる寄宿舎生活では問題を起こしてしまうんじゃないか?

先生方を困らせてばかりで、毎日ひっぱたかれるような事にならないだろうか?

痛かったり苦しくても自分をうまく表現できず、周りの人に適当にあしらわれ、知らないうちに大事に到る事になりはしないだろうか?

家ではテレビやパソコン三昧だったのに、ほとんどテレビも見られない生活というと、今以上におかしくなるんじゃないだろうか?

心配事は尽きない・・・。

そんな不安が去年の今頃ずいぶんあった。

しかし、それらはひとえに、実際の学校を知らないから起こった全くの杞憂であった、と今だから言える。昨日今日できた学校ならその不安も当然だが、長い学校の歴史の中でつちかわれたハウツーがあり、少なくともうちの子に関しては、そのいずれもクリアーでき、しかもここまではいい結果が出ている。

そして、「学校を知らない」ことの解決のため、2月には学校で一泊二日の合宿をして、入浴、食事、清掃、体操、歯磨き、洗濯、整頓などを親子共々実際に体験する日が設けられている。そして、何とそれら全てに先生方がついて下さり、アバウトな世界で生きてきた子供たちを手取り足取りご指導下さるのを目の当たりに出来るのだ。

歯磨きも入浴も本来なら親が指導すべきものだと思うが、少なくともうちの場合は今まで出来ることは全てやったと一応自負はあるものの、結果として将人の身に付く事はなかった。親だと駄目で、他人様だといい、と言うか、他人様だからいいと言うことが教育には確かにあると思う。それを不肖の親に代わり24時間預かってくれ、親や兄弟のように親身になって朝早くから夜寝るまで指導してもらえるのだ。こんな有り難いことはない。

この合宿を光の村では「新入生体験入学」と称しているが、「一日駅長さん」や「一日消防署長さん」のような「おさわり」でしてみる「試し」ではなく、公式に子供の寮生活を体験できる数少ない機会なので、よく見て、なるたけ覚えておくようお勧めしたい。

ただ、あまりの手順の多さに、親といえども一度では覚えられないので、体で覚えるまで家でも反復学習すべく、メモなり写真なりを撮っておかれるといいと思う。

子供の方は入学後1学期で大体覚え、2学期で体に染み込ませ、以後は隅から隅まで確実にできるように熟成させていく感じだが、親も覚えていないと家庭学校の時にただボーと見ているだけになってしまい指導にならないので、やはり要所要所は覚えておかなくてはならないのだ。


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