将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

一人で通勤練習

2010年01月07日 | 卒業後
この冬休みは職場体験をさせてもらっている。

徒歩・バス・電車(乗り換え1回)を乗り継ぎ、約1時間の通勤を自分一人で行き来するようになった。しかし、時間のない往路は比較的直行するものの、帰りにまたマンション巡りが始まった。GPS付き携帯で大体の位置はわかるものの、何をやっているかは詳細不明。電話には出るし、すぐ帰るとはいうものの、実行が伴わない。

数ヶ月前は一人歩きしても、2~3時間で満足し、18時には一人で帰ってきていた。それが、都内の華やかな雰囲気を感じ取ってか、18時どころか連日の22時帰りとなった。それまで18時には帰ってきていた子が、21時になっても帰らないので、心配になり、さすがに警察に保護届けを出した。(警察側では、なぜか家出届として処理しようとしていた。)

パスモは持っているものの、所持金は2000円程度、昼ご飯も食べていない・・。自由にさせておけば、日に何本もお茶を買ってしまうので、お金はそれで使い果たしてしまう。ラーメン屋やケンタッキーに行って自分で注文して食べる事は知っていても、残金不足でもしや無銭飲食で捕まっていないか。マンションのエレベーターホールで文字盤や「ドアに注意」のステッカーをジーと眺めていたり、地べたに座り込んでやたらとお茶を飲んでいたりするので、不審者として通報されていないか・・・。黒系の色が好きなので、そういう服ばかりになってしまい、夜は目立たないため、交通事故にあってはいないか・・・。

そういう諸々の心配をよそに、颯爽と生き生きとした目で、意気揚々と22時に帰って来た。文化祭の劇の練習にも、声に感情がこもり、元気がいいように感じる。散歩するためには、その前の課題も自分から積極的に始める。自主性というやつか・・。

たくましいといえばたくましい。頼もしいといえば頼もしいとも言えるか・・・。しかし、どちらにしてもまともな状態とは思えない。これを一時のものと、のど元過ぎるまで、将人が飽きるまで我慢すべきか、このままでは将来どうなっていくかわからないと今から急きょ締め付けにかかるか、悩む所である。また、これまでも何万回も悩んできた事でもある。

ただ、将人ももう大きくなった。将人目線は既に親父の上である。将人の力も強くなり、押さえつけても反発の方が大きくなってきた感がある。感情的にもそうだろう。先日は、仕事に行くため、前日も自分からすんなり寝て、当日も予定の6時にちゃんと起き、とてもいい気分で向かうはずだった・・。ただ、出発する直前にまたお茶のこだわりが出た。そのため急がせたら、パニックになった。そして、生まれて初めて携帯の電源を自ら切り、丸1日行方がつかめなくなった。幸い、警察に届けてから、約1時間後の22時に元気に自分で帰ってきたが・・・。実に失踪13時間であった。

警察のお世話になるにしても、これまでは小さかったので、むしろ保護していただいていた形だが、体格的、年令的にはもう逮捕される側に回って来ている。(海外も含め、これまで10回くらい警察に呼んで頂いたことがある。)

とりあえずは、18時の夕ご飯の時間を守らせて、それに合わせて17時に帰る所を目標としてみようと思う。脅かして言う事を聞かせるか、「温かいご飯ができているからね」と穏和路線で行くかは大いに迷う所だ。

ちなみに、将人を捜しがてら都内をバスで移動していたら、養護学校の生徒さんと思われる15~17才位の4人連れが乗り込んできた。ダウン症らしき生徒さんが二人、自閉症らしき人が二人だった。混んだバスだったが、中年女性が一人で座っている二人用の椅子がひとつ空いていた。その女性が膝の上に大きな荷物を置いていたせいもあって、ダウンの子が言葉もなく、その人の後ろに潜り込み、空いた窓際の席に座ったのは少しおかしいと言えばおかしいのだが、あまり違和感はなかった。その中年女性もすんなり腰を上げて通していたし、その後も一緒に隣り合って座っていた。印象的なインクルージョンの場面だった。ああいう土地柄もあるんだと思った。

コメント
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