将人とともに together with Masato

For the parents in the world, whose children have autism.

ケンタッキーフライドチキン

2009年09月08日 | 社会生活
今でこそ、ずいぶん行く回数が減ったが、以前は毎日のようにケンタッキーフライドチキン通いをしていた。そういう時、将人を一人で列に並ばせ、自分で注文させるのだが、店員はお決まりの接客言葉で対応する。                       
                                        
店員:「店内でお召し上がりですか。」                      
将人:『フ、フライドチキンと、フライドポテトと、・・ 、烏龍茶を下さい』            
店員:「 ・・・・。店内でお召し上がりですか。」                 
                                        
将人のしゃべり方と態度で障害児というのはすぐわかりそうなものだ。それなのに、また同じ文章で再度聞き返す。どうして、「はい、フライドチキンですね。お店で食べますか」とか「中で食べますか」、あるいは「お店、チキン、食べる?」とでも言いなおせないのだろうか。もちろん、将人に関して一番いい聞き方は、「家で食べる?ここで食べる?」という聞き方だろうが、それは親しか知らないのはわかるが・・・。                           
                                        
知的障害者に限らず、身体障害者、幼児、ご高齢者、または外人など、いくらでもこの手の事は起こりうる。健常者とて、体調の悪い時、寝不足の時、酔った時など、誰でもそれに近い状態になりうる。というか、長い人生でほとんど誰でもが必ずそうなっていく運命だとさえ言える。

その時、いかに工夫して反応できるかは、ひとえにその人その人の性格、資質に依存する。だが、自分とて将人がいるからこそ、こういう経験をしてきた。普通の人はなかなかわからないだろう。しかし、少し範囲を広げれば、何らかのコミニュケーション障害は100人に一人ではきかないだろう。

外国人に慣れている欧米社会では、絵や身振り手振り(ボディーランゲージ)を活用する。一方、たとえ疲れているからといっても、頬杖をついたり、よそを向いての会話が許されるのは親しい友達同士の間だけだ。そういうのは、ネガティブボディーランゲージと言うらしい。                                     
                                        
仕事上の会話でもそういう事をするのが珍しくない 職種がある事は情けない・・・。私 の就いている業界がその最たるものかもしれない。特に疲れている時には、知らず知らずのうちにそうなりがちだ。気をつけよう。

                                  
コミニュケーションは繊細で、とても難しい。だが、将人レベルの言葉に回帰する時、根源に戻った、本来シンプルな意思疎通というものは決して困難なものではなく、それは母国語だろうと外国語だろうと同じだとさえ言えると思う。


相手の意図を確認する。自分の欲しい物を伝える。これに尽きる。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発達障害者の病院受診

2009年02月01日 | 社会生活
発達障害児者に対する医療支援の団体により、下記の通りシンポジウムが行われます。
興味のある方はご参加下さい。3月8日日曜日 場所は東京です。転記許可済み。

------------------------------
この研究班は厚生労働省の助成を受けており、少しでも行政へ提言できるといいなあと思っております。シンポジスト以外にも、自閉症に関する有名人がご参加される見込みです。

当日は医療受診支援パンフレット(医療機関への啓発配布用)を無料でお渡しできます。

ほかに、研究班では
「医療受診支援に関する詳細版の冊子」
「医療受診支援のためのグッズセット」(絵カードなどの支援グッズをセットで準備)

「医療受診支援のためのグッズの使い方」DVD・解説冊子
などを作成しています。当日会場でご紹介します。
よろしくお願いします。  * http://www.panda-j.com でも随時紹介します

----------------------------------------
■発達障害のある人の医療受診支援セミナー
 テーマ「自閉症や知的障害のある人の医療バリアフリー」
■日時;3月8日(日)10-16時
■場所;アイビーホール青学会館
  http://www.aogaku-kaikan.co.jp/access.html
  〒150-0002 東京都渋谷区渋谷4丁目4番25号
  営団地下鉄銀座線・半蔵門線・千代田線下車「表参道駅」下車
  (B1、B3出口より徒歩5分)
 定員;200名
■主な対象;医療関係者、特別支援学校養護教諭、保護者、ほか
 医療受診支援に関心のある方
■参加費;1000円(当日お払いください)
■申し込み方法;必ず事前申し込みをお願いします
所属・名前をお書きのうえ専用アドレス<info-iryo@shiraume.ac.jp>、
あるいは、FAX 042-344-1889まで申しこみください。
受け付けた旨の返信はいたしません。定員超過のときのみお知らせします。

■プログラム
受付9:30~
★10:00-10:30
基調報告
大屋滋(旭中央病院・医師/千葉県自閉症協会)
「自閉症や知的障害のある人の医療機関受診の問題点」

★10:30-12:30
シンポジウム
「自閉症や知的障害のある人の特性と医療受診の支援の工夫」
シンポジスト
「自閉症や知的障害のある人の特性と医療受診の対応」
  村松陽子(よこはま発達クリニック、京都市児童福祉センター 医師)
「総合支援学校での工夫と実践」
  平井かよ子(京都市立呉竹総合支援学校 養護教諭)
「保健室での工夫」
  清水みな子(横浜在住 保護者)
「福祉施設での工夫]
  島田正仁(のさか学園 施設職員)
「歯科での工夫」
高原牧(花ノ木医療福祉センター 歯科衛生士)
司会 村松陽子、坂井聡(香川大学教育学部)
★12:30-13:30(昼休み)
★13:30-16:00
シンポジウム
「自閉症や知的障害のある人の医療受診支援システムの構築」
シンポジスト
「自閉症や知的障害のある人のセイフティネットと医療受診支援」
堀江まゆみ(白梅学園大学)
「発達障害者支援事業における国の取り組み」
  日詰正文(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部精神・障害保健課
   発達障害対策専門官)
「一般病院における発達障害医療受診に関する意識とその改革」
  上野正(のぞみ整形外科クリニック 勤務医)
「障害者歯科の現状と課題」
伊藤政之(日本大学松戸障害歯科 歯科医)
「地域の医師会での障害者医療受診支援の取り組み」
土橋正彦(千葉県市川市医師会 会長)
司会 堀江まゆみ、大屋滋
■その他
<展示・販売>
「発達障害のある人の医療受診支援グッズ」
「発達障害のある人の医療受診支援のためのハンドブック」 

■主催;厚労省障害保健福祉推進事業(障害者自立支援調査研究プロジェクト)
「発達障害者の地域生活における法的支援・医療受診支援・地域トラブル支援に
 向けた発達障害理解啓発・研修プログラムの開発」(堀江まゆみ;白梅学園大学)
分担研究班「発達障害児者の医療機関受診支援に関する研究」
大屋滋、村松陽子、伊藤政之、坂井聡
■共催;非特定営利活動法人 PandA-J
  http://www.panda-j.com

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

息子から学んだ事

2008年12月25日 | 社会生活
良く聞く話だが、下記の特集を見ていて、あらためて本当に身につまされた。

障害者に世間の温かい対応を期待する、最近の日本の、障害者家庭側の風潮に異を感じ、やはり障害者の方が世間に寄るべきだと思い、それがために光の村にお世話になっている。

しかし、だからといって、自分が下記対応を軽んじて来たのはおかしいと思った。

特に自分の得意なこと、自分は何の問題もなくできてしまう事を、わが子や職場も含め、周りの人ができないと異様にイライラしてしまう・・。自分が苦手で、人が得意な事も多々ある事は十分すぎるほどわかっているのに・・・。このバランスが本当に悪いと自分でも思う。年をとれば、丸くなるといわれるが、あまりそう言う感じがしない。年をとったが為に、多少なりとも力を持ったせいもあり、始末が悪い・・・。反省しないとならないと思う。


発達障害とともに 反響編(朝日新聞12/19朝刊より)

■息子から学んだ
 北海道の父親(37)は「同僚への接し方を、高機能自閉症の長男から学んだ」という。
 こだわりの激しい5歳の長男が診断されたのは2年前。ショックだったが、落ち着くと「息子だけの話じゃない」と気づいた。会社にも様々な個性や能力の人がおり、特徴に応じた接し方が必要だと知った。
 それまでは仕事の要領を得ない同僚がいても、「おれの仕事を盗め」とばかりに、積極的に助けなかった。考え方を変えてからは、何に困っているのか知りたくなった。相手の話を最後まで聞き、推察して、相手に返して確認する。指示は具体的に選択肢を示す。
 息子への対処から学んだ配慮は、障害のあるなしに関係なく、どんな人に対しても役に立つと感じた。会社にとっても、かける労力より返ってくる成果の方が大きいと思う。
 「こんな配慮が当たり前の社会になれば、息子の困難は障害にはならないと思います」
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

修道院と共同生活

2008年11月02日 | 社会生活
先日ある修道院の人たちとお話しさせていただく機会があった。そこはカトリックの修道院で、5人の修道女が同居しておられた。

別の用事で出かけたので、生活そのものについてはあまり聞けなかったが、お互いの出来る範囲で共同生活をしておいでのようだった。年齢層はさまざまで、料理の得意な方は料理、裁縫の得意な方は裁縫、パソコンの得意な方はパソコン、といった具合だ。

ただ、分業にしてしまうと、お互いの気持ちが離れ、神のもとに集い、礼拝中心の共同生活を送るという本来の姿がいびつなものになってしまいがちなためか、極力、専門化、分業化を避け、「分担」しているということだった。組織が大きくなると作業量が増えるので、効率化のためには分業化、専門化ということになりがちで、「階層」が生まれる弊害も出てしまう。組織は小さく、みんなが普通に毎日、目をあわせる範囲で運営するのが賢明なようだ。

そういう文化が根付いているためか、欧米系の人たちは気楽にルームシェアする。日本では、長屋や寮でその雰囲気を感じる事ができるが、日本の場合はあくまで団体生活、世間様の方に重点があり、個人は団体生活の方に合わせる事を期待される。ところが、欧米系の場合はまず個々人のプライベートが先にある共同生活なので、一見とても魅力的だが、日本人の自分からすれば想像もつかない。

プライベートを第一にした、共同生活がもし本当に出来るなら、それは理想だ。

これは知的障害者を抱えた家族、独居老人、身体障害者本人などに対し幅広いニーズのあるライフモデルだ。旧来の日本の文化にはないものだろうが、障害者介護、独居、信仰、等々、一つの目的のもと、意を同じくして集まれば必ずしも難しい事じゃないのではないかと思い始めた。なぜなら、それ以上に、それ以外の道が困難を極めているからだ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発達障害と犯罪

2008年08月30日 | 社会生活
秋葉原殺傷事件、池田小学校殺傷事件、宮崎勤事件など不気味な事件が後を絶ちません。そんな時、必ず精神鑑定が入り、犯人に果たして責任能力が問えるかどうかが、まず争点になります。責任問題が問えないほど精神的に問題があれば、犯罪とは認められない可能性があるということです。

まるで、精神的に問題がある人は犯罪に走りやすいという逆説が成り立つかのようです。

ですが、精神障害一般を論ずることは私にはできないまでも、自分の子供や養護学校の他の子供たちを見ても、こと自閉症といわれている人たちはそういうレベルの問題を起こすはずもないし、起こしようがない人たちだと言うのが偽らざる印象です。

1歳児や2歳児が人を叩いたり、とんでもない時期・場所で普通はしない事をしたりすることがあっても、ナイフを持って人をつき殺すのではないかと不安に思う人はまずいないでしょう。

リンゴの皮を剥いた後、そのまま食卓に置いてあった果物ナイフを珍しがって持っていることがあっても、「○○ちゃん、あぶないからナイフは下に置こうね。」と注意して、机に置かせるだけじゃないでしょうか。

知的障害者の場合、そう言われて、すぐ素直に応じるかどうかは全然別の問題で、ナイフで人を刺すなどという考えはないけれど、「キラキラ光ったナイフを持つ」というこだわりには固執し、なかなか置こうとしない可能性はありますが・・・。

むしろ、女性の知的障害者が性犯罪の対象になったり、神戸連続児童殺傷事件(別名、酒鬼薔薇事件)で殺害され頭部を切断・放置された被害者も知的障害のある子だったり、被害者になる可能性の方が高いように思います。


ただ、単にエレベーター内のステッカーに興味をもっただけだとは言っても、それを見るためにエレベーターの中に閉じこもったり、何度も上下していたりすれば、そのマンションの居住者から見れば、間違いなく不審人物です。エレベーターという密室の中で乗って来る人を襲う気も全然なく、また、どこかに泥棒に入ろうと物色している訳でもないのですが・・・。

行動が普通じゃない、動作もおかしい、自分を擁護する言葉も十分にはしゃべれない。ということは、犯罪者に見られやすいし、犯罪者にまつり上げられ易いといえるでしょう。普通の意味での犯罪とは、大きくその意味が違いますが・・・。オートロックのマンションに居住者の後について入ってエレベーターで上下していれば、住居不法侵入とも言えるのでしょうか。

大変難しい問題が多く含まれていますので、そのうち、時間を作って、被害者、犯罪者、冤罪の3つの観点から調べてみようと思います。

とりあえず、奇異な行動は矯正すべく、こまめに注意し、他の事で気を紛らわせるようにしむける。あるいは逆に、飽きるほどやらせて早々に卒業させるか、はたまた閉じ込めておくか・・・。

とにかく成人するまでに、または18才までに結果をある程度出さないといけないと思います。もう体は大人ですが、顔にはまだ幼さが残っているので、行く先々でもまだ許される部分がありますが、成人すればなかなかそうも行きません。10代後半が別れ道になりそうです。

累犯障害者
山本 譲司
新潮社

このアイテムの詳細を見る


獄窓記 続 (2)
山本 譲司
ポプラ社

このアイテムの詳細を見る









コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする