1年生はまだだが、中学校後半になると調理実習が始まるそうなので、将人にもできそうな事は今からもうやらせてみる事にした。
そして、それなら自分もできないとまずいと思い、私も最近料理を始めた。
年をとると、今まで好きだったもの(焼き肉、豚骨ラーメン、牛丼、天ぷら、豚カツ、等)もなかなか口に合わなくなり、いわゆる外食ですませようにも行く所がなくなって来た。
スーパーに行っても同じだ。出来合いのお惣菜は種類も限定されており、何より塩味はきついし、脂っこいものばかりだ。
回転寿司に行っても、以前は中トロやサーモン、えんがわ、うにが大好物だったが、今はもうカッパ巻きやしめサバ、赤貝、やや脂っこい物でもせいぜいハマチどまりだ。
ただでさえ肥満傾向なのだ。体重を軽くして将人のマラソンに少しでもまた付き合える様にしたい。
メタボリック症候群も避けないと、将人の将来はどうなるのだ。長生きするのは自分の義務でもあるのだ。
それには、自分で作るのが一番だ。
冷蔵庫にある物を見て、栄養バランスを考えながら好みのメニューが頭に浮かぶのが理想だが、その域に達するまではまだそうとう時間がかかるだろう。
だが、今はネットの時代だ。いろいろネットで探してみたら、やはりとてもいいサイトがあった。
クックパッド(http://cookpad.com/)や
goo グルメ&料理(http://gourmet.goo.ne.jp/)等は
とても参考になる。
本と違って、掲載されているレシピも膨大だし、縦横無尽に素材で検索をかけられる。食材辞典のような使い方さえできるみたいだ。そして、何より無料だ。
将人が帰省した時は、何か一品、一緒におかずを作るのを当面の目標にした。
先日はカレーを作ったので、今回の家庭学校は酢豚を作ってみた。
家庭学校はいつも盛りだくさんだが、3学期は特に文化祭の練習が加わるので時間がいくらあっても足りない。本当は豚肉を揚げるところから作ってみたいが、そこまでやるとなかなか取っつきにくくもある。今は簡単な物を数多く作って、料理を身近に感じるようにする事が大事だと思う。
そこで、今回は野菜を切って、レトルトの酢豚の素と一緒にフライパンで炒めるという手順で作った。タマネギのうす皮を一枚取った後、包丁でざくざくと大きめに切るのだが、切り方を教えてやると、タマネギが小さくなって来るにつれて持ち方を自分でいろいろと変えた。最近、こういう工夫が随所に見られ、頭を使って毎日生活しているなと実感する。
調理書に書いてあるとおり作ると、見事、立派な酢豚ができた。今回は鍋物など他にもおかずはあったのだが、自分の作った物によほど愛着があるのか、いつもはポン酢で鍋物を食べるのが大好きなのに、今日に限っては酢豚を真っ先に平らげた。
将人は食べる事はもとより、料理も大好きのようだ。次回は親子どんぶりを作ってみようと思う。
カレーの時も将人は嬉々としてじゃがいもを切っていたが、そういえば、光の村では食堂にリンゴと一緒に果物ナイフがいくつもテーブルに乗せてあった。昨年の体験入学の時、それを見てびっくりしたが、「みんな、リンゴは自分で剥くんですよ」と言われ、二度びっくりした。私はこれまで1回も自分でリンゴを剥いた事がなかったからだ。
今は普通に剥けるようになったので、将人にはまだ負けない。料理も一緒に極めて行こうと思う。