『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

月下美人

2014年09月22日 | 日記

月下美人とはよく言ったものだ。
英名は「夜の王女」。
「儚い恋」という花言葉もある。

              


今日植物園に行ったら、しぼんだ花を2つ見つけた。
昨日の夜に咲いたらしい。
但しここは午後五時に閉園となる。
一年に一度、夜にしか咲かない花がここにあるもの何だか変だし腑に落ちないが仕方がない。
その花は咲き終わっても量感たっぷり、王女というよりも大奥のイメージに近い。
艶やかな夜を終えてぐったりと身を横たえるその花はそれなりに見応えはあった。




webで調べるとこんなステキな花を咲かすらしい。
しかも咲く夜の始まりの時、強い匂いを発し受粉を手伝うコウモリを呼び寄せるという。
うーん、匂ってみたい。
しぼんだ花からは特に匂いはしなかったが。

匂いと、色と、そのあでやかな形で使いを呼び寄せる。
植物界はハニートラップに満ちている。

嗚呼、ボタニカル!

オンシジューム(1)

2014年09月21日 | 日記


見切り品には弱い。
まだ七分咲のオンシジュームが700円で見切られていた。
買わない理由は何もない。
すぐに連れて帰ってあげたい。
春の見切り品500円よりは200円高かったが
バルブ(茎)もまるまると太っていて背も高い。

                  

オンシジュームは黄色いドレスを着たバレリーナのように華麗だ。
花は一月くらいは咲いていて、その間ワルツを踊り続ける。


               

500円の見切りオンシーは現在療養中。
これは7月26日の写真。


                

今日の写真。
しわくちゃばあさんになってしまった親を追い越しずいぶん成長した。
植物の世代交代劇だ。
親も子を見届けるつもりなのか、ゆっくりと生から遠ざかっていくように見える。
この秋に花をつけるのか、来年の春なのかは分からない。
冬を無事に越せるかどうかも分からない。
ただ無事を祈るばかりだ。

ワルツを踊る黄色いバレリーナたちよ、どうか蘇れ。

嗚呼、ボタニカル!

音楽のような曲線 (1)

2014年09月20日 | 日記


チランジア(エアプランツ)の魅力のひとつはその曲線の美しさだ。
キセログラフィカ。
薄い葉を四方八方、天地に伸ばす。
しなやかに伸びるその形は美しい。




メデューサ。
美しい髪を蛇に変えられたという神話の美少女。
力強く奔放に伸びる葉の形、銀をまぶした色は見事だ。
花茎もだんだん大きくなってきた。
いつか花を咲かしてくれるだろうかとわくわくする。




25センチくらいに伸びた方のメデューサ。
2つ付けた子株がだんだん大きくなってきた。
親と同じ大きさになっていくのが楽しみだ。
親も同時に成長している。




やや大ぶりな方のキセロ。
左右対称ではないが、全体としてバランスする不思議。
ずっと見ていてもぜんぜん見飽きないのはその解けない謎のような形のせいだろう。
まるで音楽のような線だ。
複雑なのに明快で完結している。
しかも毎日少しずつ形を変えていくのだ。
そこに惹かれてしまう。

今日もこいつらを眺めながらビールを飲むのだ。

嗚呼、ボタニカル!


根っこが好き

2014年09月15日 | 日記
今日は連休最終日、明石の自宅から書いている。



黄色い蘭(バンダ)は見事な気根だ。
花は散ったが葉っぱと根っこをみてるだけでも楽しい。




クッカバラの根っこも面白い。
ぐるぐるになった気根は空気を求め伸びていく。




チランジアのメデューサはヘゴ板に着生してきた。
土がいらないこいつらは体を安定させるために根っこで樹や岩にしがみつくのだ。
やがて固定の針金も要らなくなるだろう。

根がつくまでには時間がかかる。
板につくまでにも時間はかかる。
ふむふむ、人も同じかと思うと妙に納得してしまう。

きれいなうろこ雲、風に揺れるクッカバラの大きな葉っぱ。
とりとめのない、ふわふわとした考え事にはぴったりな朝だ。

嗚呼、ボタニカル!

Autumn in Nagoya

2014年09月13日 | 日記


歩道のイチョウは実がたわわだ。
半年かけて自ら育てた銀杏をびっしりとつけた。
歩道に落ちる寸前、不思議とにおいは全くない。




4月、ただの枯れ木だった。
5月、小さい葉っぱが芽生え
6月、緑の大樹となった。



9月、今は子孫をたくさん備えた。

イチョウの紅葉は見事だろう。
田舎のお寺の大イチョウには目を見張るほどきれいなものが多い。
石段や石畳に黄色なイチョウの落ち葉は映える。
この歩道にもきれいに散るだろう。
それが楽しみだ。

厳しい冬を無事に過ごすために余分なものを削ぎ落し、次の春に備える。
植物界は戦略に満ちている。

嗚呼、ボタニカル!