『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

一生に一度の花

2014年09月06日 | 日記
                         

リュウゼツランの仲間は多彩だ。
サンセベリア、ポニーテール、アガベ、ユッカ…。
中でも中南米に自生するような奴らは50年や70年は生きて
直径は2メートル超となるようだ。

花は一生に一度といわれており、30年から50年くらい経ってやっと開花するという。
近所の植物園では折しもアガベとリュウゼツランの「乱れ雪」が花を咲かしていた。
「乱れ雪」とは何ともいえない和名だが、名付けた人がたぶん演歌が好きだったのだろう。
乱れ雪は竿のような花茎を3メートルくらい伸ばし小さな花をびっしりつけている。
美しいとは言い難いが凄みはある。
花には蜜がたっぷりとあり、虫や鳥たちに大盤振る舞いだ。



                   

吉祥冠は開花の準備中だ。
花茎は150センチほど。
一日で15センチも伸びるそうだ。
こちらはこんなかわいい花をつけそうだ。
      

一生に一度花をつけると株は枯れて、根元の子株に命をゆずるという。
奴らが花を咲かすということは、そういうことなのだ。
花を咲かせ、世代を交代し、自分は枯れていく。
自分の居場所を譲るのだ。
ふむふむ。

               
うちにも先日アガベの小さいのがやってきた。
こいつの開花に立ち会えるかどうかはわからない。
花を待ち焦がれるような、違うような複雑な想いである。
しかし育てた末に子どもに譲るところも見てみたい。
つらい想いもすることにはなるが。
一生に一度の花とは、いのちそのものである。
花はいのちであったのだ。

嗚呼、ボタニカル!