『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

三月十四日

2018年03月15日 | 花鳥風月


朝の神戸港。
遠くに霞む鉄のキリンたち。
首の角度が皆同じで、一瞬何かを見上げる草食動物のよう。
対岸には、桜かと見えるものが。
早すぎやしないかな。


道ゆく人にあれは寒桜と教えていただき納得した。
満開を過ぎて若葉も顔を出している。
潮風の匂いと桜の香りに混ざる菜の花のアクのあるにおい。
身体中で春を深呼吸。
ああ、朝からいい気持ちだ。


仕事中に見つけたゴージャスなモクレン。
電柱の高さまであり枝ぶりも見事。
満開の花と咲かんとする蕾が混じる。
多分今日が一番美しい姿だと思う。
近くで作業するおじさんが
「あんたが今日で6人目やわ」と気さくに笑った。
まだ6人だけなんて、何と勿体ない。
美しいものはみんなで愛でてあげよう。
頭上ではシジュウカラが春を叫ぶ。
いい唄だ。
本物の唄。


紀伊田辺の入江に沈む夕日。


けん玉のよう。
ただ美しい。


さてさて、陽も沈み夜の部門 ^_^
ここでしか、しかもこの時期しか食べられないヒロメをいただく。
ワカメであってワカメでない、地域限定な海藻らしい。
さっと湯がくときれいなライムグリーンに。
自家製のポン酢で食べる。
美味、珍味で春そのもの。


お客様と別れ、大人の仕上げはひとりJAZZ酒場へ。
しかも年季の入った店とオヤジさん。
この店で初めて聴いたアルバムをかけてもらった。
TONU NAISSOO / トヌー・ナイソー。
曲はキャロル キングのYou've Got A Friend。
最近聞いた中では最高のピアノトリオ。
聴かせます。

と、結局何がテーマだか分からないくらいいい出会いばかりの幸福な1日でした。

これを書いている今は翌朝の5時40分。
ホオジロの美しい声にカーテンを開けると外は白み始めている。
確実に月日は巡っております。
今日もどうかいい一日をお過ごしくださいませ。