『植物 オヤジ』

日々出会う植物たちの「たくましさ」と「美しさ」を再発見する、ハードボイルド・ボタニカルライフ。音楽、美食なども。

ロケット基地

2015年08月29日 | 日記


チランジアたちのアクセントにしようと思い6月に買って来たマダガスカル・ジャスミン。
すでに花が終わって見切り品となって身売りされていたやつだ。
「今シーズンはもう咲きませんが」と言われたがそれでよかったのだ。
チラたちには無い濃い緑色をした小判形の葉っぱが欲しかったからだ。
くねくねと茎を伸ばし葉をひねりいい感じでなじんでいたので十分満足していた。




異変が起きたのはお盆休みで帰省し1週間ぶりに戻ったときだ。
最初は葉っぱの新芽だろうと思っていた。
ところがどうも違うことがわかった。
何を思ったか知らないがもう一度このシーズンに花を咲かそうとしていたのだ。
だんだん花芽らしくふくらんでいくつぼみにオレは驚喜した。
なんといいやつなのだ。
健気だ。
それでも脇役に徹して花芽は一房だけである。
控えめだ。




花は空へ向かって飛び立つロケットである、とは いとうせいこう氏の名言だ。
ベランダはオンボロのロケット基地なのであると。
かつて空から降りてきた緑を再び宇宙へ解き放とうとして
オンボロの基地でロケットに給油し、整備し、発射に備える。
このマダガスカル君の姿を見ているとほんとにロケットみたいだ。
いつかある瞬間に空に向かって解き放たれるのだ。
炎と煙の代わりにいい匂いをモクモクさせて。
しかし発射ボタンを押す資格がオレにはないのがホントに残念である。

ベランダではそんなロケットたちをいくつもいくつも整備している。
主役はやはり植物たちなのであるなあ。

嗚呼、ボタニカル!