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Go To Zeroを聴きながら

小山卓治を聴きながら夢の国
今日が終わってまた明日

雨の週末にできること

2009年07月22日 | 小山卓治
卓治さんのeyesのVol.19夏号の詩
「雨の週末にできること」
画面いっぱいの蒼
そして時を刻む時計

小さな頃
家には大きな柱時計があった

大きな部屋にあったものは
大きな柱時計と
叔父のつくった
石膏の顔のレリーフ
それ以外覚えていない
ただただ広かった

小さな私は
そのレリーフが怖くて
見ないようにしていた
まるでそれがそこにないように
近くを通るときは眼をつぶって走った

大きな柱時計は
いつも変わらず時を刻み
私はその音に安心できた
音を聴きながら
飽きずに眺めていた
それは確かなものだった


「雨の週末にできること」
蒼の世界

音声を消して
ずっと眺めている
そこにある蒼の世界に引込まれていくように

深い蒼の向こうに美しい横顔
静かに浮かび上がり
そして消えていく
気のせいだったように

あとには時計だけが残る
蒼の中で時を刻み続ける


小さな私が見上げた
あの柱時計の刻む時は
今よりずっと遅かった気がする
そんなはずはないのだけれど
確かにそうだった気がする


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