北海道最後の夜は
札幌の北は50条の楽天舎で。
今日も天気は今ひとつの中
開演時間よりかなり前から
外でお客さんが待っている。
扉の向こうからはかすかにリハーサル中の音が聴こえ
バイオリンの音も交じって
なんだかドキドキしてくる。
北海道のファンと一口に言っても
何時間もかけてやってきている方や
泊まりがけで連日参加の方もいて
飛行機で東京から行くより大変だったりする。
東京のライヴでは「また次回・・・」がすぐにやってくるが
地方では「また次回・・・」は来年だったりするから
見逃せない!という熱い気持ちで
ライヴを楽しんでいるのが伝わってくる。
今日は磯部舞子との共演もあり
昨日の生声とはまた違うワクワク感。
ネット中継は
セッティングで思いがけない障害が発覚したが
それを乗り越え今泉さんもホッ。
楽天舎の美味しいホットコーヒーを飲みながら
あとは小山卓治の登場を待つのみ。
PCの前で中継を待つファンも
そのワクワク感は同じだろうな。
札幌最後の夜は何を届けてくれるだろうかの期待に応えて
その選曲とベチコさんと息の合った共演は最高だった。
1. 夕陽に泣きたい
2. Natural Woman
3. プロポーズ
4. 第3章
5. New Days
6. ジャングルジム (ピアノ)
7. クリスタルレインドロップ (w/磯部舞子)
8. 談合坂パーキングエリア (w/磯部舞子)
9. Gallery (w/磯部舞子)
10. はるかな故郷 (ピアノ w/磯部舞子)
11. 青空とダイヤモンド (w/磯部舞子)
12. ひまわり (w/磯部舞子)
13. 傷だらけの天使 (w/磯部舞子)
14. 最終電車 (w/磯部舞子)
E1. 魔法のギター(浅井のぶ with 小山卓治&磯部舞子)
E2. 種の歌 (w/磯部舞子)
E3. 祈り (w/磯部舞子)
新曲のNew Daysは希望にあふれた歌で
ノリのよい心地よいサウンド。
New Days
泣けるだけ泣いたら
New Days
そこからでておいでよ
New Days
晴れ渡ったら
New Days
新しい希望を描こう・・・
こんな感じで(間違えていたらごめんなさい)
明るい未来を思い描ける。
震災をはさんで出来上がった曲ということで
思いは特別なものがあるのかな。
ベチコとの共演は
回を重ねるごとに曲の深みが増している。
初めてのベチコとの〈Gallery〉には泣かされた。
この曲の持つ切なさやはかなさ
生と死
出会いと別れ
絶望と希望
愛と憎しみ
その全てが表裏一体の
そんな中で
でも生きているんだという実感を
二人は醸し出してくれた。
〈談合坂パーキングエリア〉は
聴くたびによくなっていて
ベチコの持つ力強さが
これからの旅立ちを共にする
談合坂の中の女の意思を引き出しているようで
ぞくっとさせられる。
これからの共演がますます楽しみな二人の夜で
New Daysへの期待が大きく膨らんだ。
ベチコは本番中はもちろん真剣そのものだけれど
ひとたびステージを降りると
楽しく、天真爛漫で、おしゃべりの好きな
普通の若い女の子で
でもその好奇心や探究心はやっぱりすごい。
彼女がいるだけで花がぱっと咲いているようで
心地よい空間になるのは素敵だ。
ライヴの後は楽しく飲み、語らい、笑い
そして
それぞれが
それぞれの場所へ帰っていった。
息子からは
「母の日だね。いつもありがとう」との電話。
娘からは
「たっぷり楽しんできてね!」とのメール。
夫からは
「たんぽぽは咲いていたかい?」とのスカイプ。
花を贈る母がいなくなってさみしい母の日だけど
家族に大切に思われていることに感謝の母の日でもある。
明日からまたがんばろう。
小山卓治、ベチコありがとう。
そして、皆さんありがとう。
ギャラリーを歌った小山卓治には、
強い思いを、私も感じます。
〈Gallery〉の曲の持つ哀しみは
誰もが生きて行く限り
抱えていかなければならない
葛藤や不条理や不幸の渦中で
ぎりぎりのところで踏ん張っても
やっていけない人がいて
哀しいけれども
それはそれで一つのあり方で
それでも自分はやっぱり何とか
踏ん張るしかない
という哀しみなのかな
なんて考えたりします。
バイオリンとの響きが
それは美しい〈Gallery〉でしたよ。