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西東京市・北海道富良野の森林を舞台にした遺伝,育種,生態などに関する研究ノートの一部を紹介します

アカエゾマツ隠れ個体群

2006-11-24 | フィールドから
・若手職員Oくんから,施業現場でアカエゾマツが40本くらい密生しているところがある,という情報をもらった.場所は西側の奥地である.西達布流域にはアカエゾマツが非常に少ないので,こんなところに個体群が隠れていたとは驚きである.地図で見る限り,経才鶴の個体群に比較的近い.それにしても,これだけ職員が毎日山に入っているにもかかわらず,まだまだ知られていない個体群がある,というのがすごい.

・彼らは今日も現場に行くというので,現地まで案内をお願いする.一昨日からの雪で,国道は久しぶりの凍結路,圧雪路となっている.なんだか緊張して,肩が凝ってしまった.現地は,湧き水,保存林,Uくんの91林班のウダイカンバプロットをさらに超え,どんどんと奥地に入る.標高の低いところでは,まるでアカエゾマツが見当たらないのだが,この先にひっそりと隠れているのだろうか.奥地では新雪が15-20cm程度になっており,非力なアウトランダーではなかなか苦しい.

・車が登らなくなったところで,彼らの車に乗り換えて現場到着.ほほう,想像以上に個体数が多いな.大体”30個体”という話の時には,しっかりと調査すると100個体くらい出てくるものなんだが,ここは100個体どころか,200-300個体くらいあってもおかしくない.標高は700m前後なのだが,大麓山頂上と同じように遺存的に分布していたのかもしれないなと思わせる規模である.



・アカエゾマツの集団遺伝については,既に15集団のマイクロサテライト遺伝子型を決定しているので,まずは現在のデータでまとめるつもりである.が,この個体群はぜひとも調べておくべきだろう.特に,大麓山山頂なみに多様性が高いのか,また神社山の隔離個体群や大麓山山麓の集団との遺伝的関係は非常に興味深いところである.ということで,落ち着いたら,スノーモービルで現地調査&サンプリングをすることに・・・.どんな結果になることだろうか.

・帰りがけに,今年春に設定した東山のカラマツ雑種F1の試験地に行く.この材料は,道立林業試験場が母樹をグイマツの中で一般組み合わせ能力の高い2クローンに絞りこみ,父親はニホンカラマツ精英樹の自然高配による単一母樹クローン採種園産のスーパーF1である.父親鑑定は東大のTくんが行ってくれていて,父親が次代のパフォーマンスに及ぼす影響が長期で調べられる設計となっている.

・さすが,スーパーだけあって,成長がよい.生存率もかなり高そうである.しかし,試験地の付近はエゾシカの足跡があり,少々心配である.今のところ,食害はないのだが,春先が問題かもしれない.しかし,うまく成林すれば,世界的にも貴重なデータ得られる(はず)である.


岩魚沢の倒木さがし

2006-11-17 | フィールドから
・Tさん,Oさんと3名で再び,岩魚沢へ.幸い天気に恵まれて,雪が積もることもなかった.最後の1本の倒木を探すがどうしても見当たらない.これは測量の始点の座標が間違っていたのだろうということで,まずは札がなかった実生に新しく用意した札をつけていく.しばらく来ていないと,プロットと地形の関係が不明瞭になるが,昨日歩いているので,だいぶ思い出した.

・一通り,札付けが完了したところで,倒木更新の様子を改めて撮影する.何度となく,倒木更新の写真は撮影しているのだが,どうにもうまく撮影できない.今回も倒木の撮影結果はこんな感じである.



・倒木の遠近感がうまく撮影できないので,Oさんにデジタル一眼レフでも撮影をお願いする.どんな写真ができるか,楽しみだ.


・それぞれ分担作業で,当方はコーナーシステムの風向風速計のデータ回収と電池交換.電池交換はもっと簡単かと思ったが,基板ごと変えるのが意外にも難しく少々てこずる.ようやく完成したはずなのだが,電池残量がフル表示になっておらず,ちょっと不安である.

・いよいよ帰るという間際になり,Tさんがついに残されていた倒木No.47を発見してくれた!さすがである.どうやら,やはり倒木の測量始点が間違っていたらしい.暫定的な親子解析では種子散布距離が当然ながら,散布距離が過大評価されていたはずである.タイプミスとはまた違ったところだが,あぶないところだった.

・さて,追跡結果であるが,2005年コホートのトドマツ302本のうち健全が264本(87%),枯死が31本(10%)である.エゾマツ465本のうち,健全が362本(78%),枯死が83本(18%)であった.感覚的には,エゾマツの方がよく残っていると思っていたのだが,案外,あてにならないものだ.きちんとしたデータを取ることの大事さを痛感する.

・一方,2004年コホートでは,トドマツ135本のうち健全74本(55%),エゾマツ77本のうち健全54本(70%)であった.サンプル数が少ないのでなんともいえないが,やはり冬を越すのが大変なのかもしれない.もしかすると,2005年サンプリング後の生存率の高さは,サンプリングを行ったRさんの器用さに依存していたりして・・・・.ともかく,来春の再調査が楽しみだ.

生き抜く実生たち

2006-11-16 | フィールドから
・実に久しぶりに,岩魚沢にTさんと倒木上のトドマツとエゾマツの実生の生存調査に行く.事務所近くでは,昨晩から明け方にかけて雪が積もっており,もはや実生の調査は無理かと思われたが,現地では意外と積もっておらず,ぎりぎりセーフである.5haをくまなく歩き回りながら,以前,サンプリングした実生の生存状況をチェックしていく.

・岩魚沢の平坦部はクマイザサでかなり密に覆われている.もちろん,針葉樹の多さによっても異なるわけだが,広葉樹地帯ではそもそも倒木が笹の下に埋もれていたりして,見つけるのがまず一苦労である.ここで,昨日,地道に作成した倒木の位置図が早速役に立つわけだ.

・プロット中心部では,倒木もまばらで実生も少ないので,かえって効率が悪いことに気がつき,倒木も実生も集中している沢沿いから攻める.徐々に5月ごろのサンプリングの記憶もよみがえり,倒木の相対的な位置が頭に入ってくる.こうした調査は,いつもTさんとペアで行っているので,”あ・うん”の呼吸でびしびしと調査は進む.何とかお昼までに沢沿いの集中箇所を終えることができた.



・山で食べるお弁当はやっぱりうまい.これだけ,雪の季節になると,あったかいお茶が体にしみわたる感じだ.それにしても,実生たちは案外元気で,サンプリングしてから今までの季節を無事に過ごしたものが8割は超えるだろう.もちろん,雪解け時期を乗り切れるかどうかが問題になるのだろうが,わずか4本しかない子葉を1本採取された1年生の実生がけなげに生きていたのには感心した.林床では,かなりの実生が死んでいるのに対して,倒木が確かに"セーフ"な場所であることを実感する.倒木上でも,落ち窪んでいて,落葉が溜まっているような場所では枯死率が高いようにも思える.”むれ”とか,虫による被害がありそうだ.また,倒木のはじっこにぎりぎりしがみついてた実生が,コケごとずりおちているのも見られた.

・倒木上の実生をどうやってラベルをするかということが問題なのだが,北海道では雪の関係でやわな苗畑用ラベルだと簡単に落ちてしまう.そこで,標準地で使用しているステンレス製の釘(7.5cm)を幹に直接金槌で打ち付け,ビニールテープでナンバーを書くという手法を取った.今のところ,これでほぼ追跡できるが,一部,それでも釘が抜けてしまっているところがあった(コケでふかふかなためか・・・) .また,どういうわけか,ビニールをぎりぎりと食べる輩(ネズミであろうか・・・)もいて,旗が三角になっているものもあった(が,ナンバーは読めた).この方法で,ほぼ問題はなさそうだが,むしろ倒木の位置が分かりにくくなることの方が今後の調査効率上の問題になりそうだ.

・こうして,トドマツ実生の430本くらいと,エゾマツ実生の453本くらいの調査が終わった!が,わずか数本の倒木の実生調査と風向風速のデータが残ってしまった.ということで,明日も再び岩魚沢に行くのだが,今度は少しゆっくりと観察してみよう.とにかく,今夜雪が積もったとしても,掻き分けてでも実生を見つけだすべく,がんばろう.何はともあれ,たまのフィールドは楽しい!

アカエゾマツ移植試験地の毎木調査

2006-11-08 | フィールドから
・久しぶりのフィールドである.2004年に植栽したアカエゾマツ1200本の根元径と高さを測定する.本日のスタッフは,3名×2チームである.1ブロック100本,12ブロックで構成されているのだが,各個体にプラスチックのラベルが付けられており,単木混交のデザインである.昨年,ラベルのチェックをしておいただけのことはあり,今回,ラベルが紛失していた個体は非常に少なかった.



・寒風吹きすさぶ中,天気も何とか持ちこたえる.わいわい,がやがやとやっているうち,2日はかかると思われた調査が2時ごろには完了してしまった.さすが,当方のスタッフはパワフルである.個体位置図とラベルがしっかりしていたこと,ブロックの形も4列×25行と分かりやすかったことも幸いしたのだろう.ほとんどのブロックでは8割以上が活着していたが,ほとんど湿地状態になっていた一部のブロックでは枯死率が高いようだ.

・この試験地では,2箇所の採種地由来の次代苗が植栽されているのだが,1つは湿地帯,1つは高山帯と,環境が顕著であるところに特徴がある.異なる環境由来の次代を同じ場所に植栽して生育比較をする“産地試験”は,針葉樹ではおなじみの手法だが,自然選択に対する適応反応を環境変異と遺伝変異に分割できるという点では相変わらずパワフルな手法だ.どちらの産地が“有利”なのかはデータを整理してみないと分からないが,そのような観点に立つと,地味な毎木調査が急に面白く思えるから不思議なものである.

上海から日本へ

2006-10-27 | フィールドから
・長かった中国出張もついに終わり.上海から成田へ.このごろになると,飛行機にもすっかり慣れ,淡々と出国手続きやら搭乗手続きやらを済ませる.この国を語るにはあまりに短く,訪れた場所も限られているが(それでも結構移動した・・・),現時点での自分なりの感想をまとめてみたい.

・中国の経済成長について
 TVなどでは何度となく伝えられているが,実際に中国に行ってみても,肌で感じられるほどの勢いを感じる.その一方で,様々な弊害も生じているようである.例えば,環境汚染の深刻さ,また都市部と農村部の格差拡大による人々の気持ちの荒廃が心配になった.また,以前はメイヨーの国といわれた中国のサービスもだいぶ向上したとパンフレットにかかれていたが,やっぱり色んなトラブルはつき物で,サービス的にはまだまだ発展途上だ.

・言葉について
 想像以上に英語が通じないというのは,はっきり言って見込みが甘かった.これまで,なんとかコミュニケーションできるだろうとタカをくくっていたのだが,やはりそれなりに中国語の単語や簡単なフレーズぐらいは覚えていないと何もできない.訪問する国の言葉を覚えるというのは,海外旅行では鉄則だろうが,今回はサボりすぎだと反省.

・食について
 中華料理と一口に言っても,広州,海南島,武夷山,南京とそれぞれに地方色があり,まるで飽きなかった.広州と海南島はかなり甘めでシーフードが美味しく,南京,武夷山はちょっと辛くてこれまた美味である.ただし,個人的には香草パクチーがやはり苦手で,分からずに噛んでしまうと後悔するほど(ただし,それほど頻度は高くなかった).とにかく,中国の人たちは食事が好きで,骨付きの肉,かに,エビ,魚など”食べにくいが美味しい”ところには目がない.

・人について
 以前のブログにも書いたが,中国の人たちの友達に対する寛容さ,度量の広さはとても心に残った.どこの国でも色んな人がいて,たまたま会った人の印象でその国の印象は違ってしまうわけで,今回もその一例にすぎないのかもしれないが,愉快な仲間が増えたことはやっぱり嬉しい.あの度量の深さはどこに根ざしているのだろか,やはり歴史のなせる技なのだろうか・・・.

・さて,成田に到着して入国審査が終わると,あっという間に日本である.中国について様々な感想を持ったわけだが,一番の収穫は,この国に今まで以上に興味を持てたことだろう.歴史のこと,政治のこと,言葉のこと,この大きな隣国について,これからはもっともっと注目していきたいと思う.

ふたたび,ポプラに(南京から上海へ)

2006-10-26 | フィールドから
・電車に乗って,南京から上海まで移動.駅までは,Tさんが車で送ってくれた.Tさんと再会を約束して別れ,電車に乗り込む.駅はヨーロッパのような雰囲気で,非常に広い.日本のように,7号車はここに並ぶようにといった指定がないので,みんな漠然と立って待ち,電車が来ると入り口に殺到する.そういえば中国では,あまりきちんと並ぶという習慣がないようだ.



・「電車に乗り込むときにスリに注意するように」と言われていたので少々緊張したが,今回は軟車(指定席)だったせいか,待合室入口や列車入口でチケットのチェックが入り,結果的に安全な雰囲気であった.列車は,2階建ての特急である.座席は向いがけの4人席だが,日本よりも車幅や座席の間隔はむしろ広くなかなか快適である.中国の歌がうっすらとBGMでかかっているがうるさいほどではなく,乗客の多くは目を閉じている.

・本当は,車窓からの風景を楽しみにしていたのだが,5時半にはすっかり日が暮れて,暗闇に中をひた走るのみである.指定席のせいか,外国人の姿も目に付き,たまに日本語も聞こえてくる.この電車でも,車内販売があるのだが,弁当だけでなく,お茶をやかんで持ってくるのが面白かった.また,おかしや果物(ここでは,必ずスイカが含まれる)を持ってきたり,となかなか面白い.

・3時間で到着するとのことだったが,どうも着く気配がない.聞けば30分遅れているとのこと.しかし,だからといって特に申し訳なさそうな顔をしているわけでもなく,この程度の遅れは日常茶飯事らしい.9時すぎに小雨交じりの上海駅に到着.空港行きのバスターミナルを探すが見当たらない.やはり,夜になるとよからぬ輩が声をかけてきたり・・・.結局,本日のバスはもうないことが分かり,ふっかけてくる個人タクシーのやくざな運ちゃんを何とかふりきり,ちゃんとしたタクシー乗り場でタクシーを利用.

・へとへとになりつつ,タクシーのシートにもたれる.タクシーの運転手はまだ若く,聴けば31歳とのこと.ドライビング・テクニックには自信があるらしく,暗闇の上海を疾走する.上海の街では,高層ビルが競うように立ち並び,イルミネーションの彩りが美しい.それにしても,地震のこととか考えていなそうな設計が多い.広州では,ほとんど一度も地震を経験していない,といっていた人がいたが,ここでも同様なのだろうか.市街地を抜けるともはや灯りは乏しくなり,ポプラの陰が黒く映るのみである.ホテルに到着する頃にはもはや気力を使い果たし,シャワーを浴びた後,ふたたびポプラに臥す,のであった.

パーソナル・コミュニケーション能力

2006-10-24 | フィールドから
・再び,南京農業大学を訪問.国家重点課題に選ばれることが非常に重要らしく,ちょうど日本でいうところのCOEと似た形式を取っているようである.最近の中国は大学,場所,分野によっては,かなりアメリカナイズされて,業績至上主義的なところもあるなと感じる.学術論文の1ページ目を拡大コピーして額に入れて飾ってあるのは初めて見た.

・ここまで,中国を旅して感じるのは,特に田舎では想像以上に英語が通じないことである.また,同時に,自分自身は中国語のごく簡単な単語も知らないので,一人きりになると非常に強い不安にかられてしまうということも分かった.これはかなり情けない状況である.英語も決して堪能ではないのだが,断片的には会話の中からそれなりに情報を得ていたことに今更のように気がつく.もはや遅いのだが,まずは,たくさんの単語を覚えてみようかと思う.発音は勿論難しいのだが,無理やりにでも使えば,皆が喜んで直してくれるということも分かった.

・今回,こちらで会った人物の中には,わずかな日本の滞在経験にもかかわらず,日本語を話す(あるいは話そうとする)人がいる.これは,国民性の違いなどという生易しいものではなく,生きるための力(パーソナル・コミュニケーション能力)の違いだと痛感する.素直であること,人の話を聞けること,そして何よりも,生きようとする力が強いこと・・・.今日も傑出した人物に会ったのだが,あっただけで,こちらまでパワーをもらうことができる.これから先,こういう人物に何人出会えるだろうか・・・そう考えていると訳もなく楽しくなる.

南京農業大学のキャンパスめぐり

2006-10-23 | フィールドから
10月23日(月)
・朝,7:55の飛行機で南京入り.空港から市街地までは高速道路がよく整備されている.いきなりの肌寒さに驚くが,だいぶ南から北へと移動して(戻って)きたのだと実感する.

・ホテルで休憩した後,中山陵へ.ヒマラヤスギの並木が美しい.昔は背の高い建物は南京農業大学だけだったそうだが,今ではたくさんの建築物が目に付き,どれが大学かを判別するのは難しくなったそうだ.



・散策するうちに,見覚えのある風景に出くわす.実は,南京には10年前に一度来ているのだが,この桜並木は覚えがあり,たしか日本から送った桜だったと思う.のんびりと散策するうちに,少しずつ記憶がよみがえる.

・南京農業大学にマングローブ調査で一緒だったT先生の研究室を訪ねる.この大学の周囲にはプラタナスが植栽されており,その木陰が学生達の憩いの場となっている.それにしても広いことに驚くが,現在では2万5千人もの生徒を抱えているという.



・T先生の研究室は,教員7名,院生40名ほどの所帯である.果樹の育種が専門なので,ウメ,ブドウなどの組織培養,遺伝解析などが行われている.専門に近いだけに,とても興味深い.果樹の育種は,林業でも参考になるも多いのではないだろうか.少しマジメに調べてみる必要があるな,と感じるのであった.

*10月18日から10月22日までの写真をアップロードしました.ようやく,LAN接続できる環境になった,ということで・・・.

武夷山自然保護区にて

2006-10-22 | フィールドから
・武夷山自然保護区は,本日,竹の国際文化市が開催されているとのことで,大変な賑わいである.まずは,中腹の展望台に行く.兵士が管理していて,少々物々しい雰囲気であるが,彼らの見せる笑顔にほっとする.展望台では,見事なV字型の地形が見渡せる.この付近は二次林らしいが,場所によっては植えた孟宗竹が広がり,「竹の海」と表現される場所もある.竹は重要な収入資源らしく,あちこちでトラックに積み込んでいる姿を目撃する.



・自然博物館で詳しい説明を受ける.ガイドの女の子は,とてもハキハキして気持ちがいいし,よく動くし,声もよく通る.ここ武夷山は5万haが保護区となっており,300-1500mは常緑広葉樹林,1100-1600mは針広混交林,1500-1800mは針葉樹林,1700-1900mは山地矮生林,1800-2158mは山地草地と,明瞭な標高別の植生変化が認められる.そうそう,昨日,アカマツっぽいといっていた松は馬尾松(Pinus massoniana)であった(全体的に形質は優良).

・保護区内の動物相は豊富で,鳥類は18目47科256種(うち,猛禽類25種),哺乳類は8目23科71種,魚類4目12科40種,両生類2目10科35種,爬虫類3目13科73種を数える.海南島もそうだが,中国では(もちろん,場所によるのだろうが),生物多様性が極めて高いところが残されているようだ.ここでも,世界唯一のカエル(二つの小さな角がある)が分布している,という話を聞く.

・昼食後,九曲川で岩山を見ながら,竹のいかだに乗って川下りをしつつ,世界遺産となっている景色を堪能する.岩山を何かに見立てるのは,世界共通のようだ.自分達で新たに命名しようと想像をめぐらせるが,意外に動物の顔から離れられず,自由な発想の乏しさに反省(?)したり・・・.



・武夷山からXIAMENまでは,なんと11:00PMのフライト.余りにも暇なので,空港でトランプを買って,大富豪に興じる.辺りを見渡せば,みんなトランプに熱中しており,ちょっと異様な光景である.といいつつ,夢中になってやっているうちにあっという間にフライトの時間となり,長い一日が終わる.

ウーロン茶の聖地へ

2006-10-21 | フィールドから
10月21日(土)
・海南島のスタッフと空港で別れ,広州空港を経由して武夷山へ向かう.本当は22日の夕方に,武夷山から南京までの18時間の汽車旅が予定されていたのだが,取れたはずの寝台指定が押さえられていなかったとのことで,急遽,飛行機の乗換えで南京まで行くことになる.中国では,2週間以上先の予定を決めておくことは今でも難しく,このようなハプニングはよく起こるようだ.とはいえ,18時間の旅程をひそかに恐れていたので,若干,ほっとしたりする.

・広州空港で両替したり,食事をしたりしつつ,3時間ほど待ち,さらに1時間ほどかけてようやく武夷山空港に到着.ここはかつて軍事空港だったようで,とても小さな空港である.武夷山という場所はあまり馴染みがないところかもしれないが,福建省に位置する地方都市である.ここは,福建省の名の通り,まさしくウーロン茶の聖地で,最も高い値段がつくウーロン茶の原木(Ortet)があるらしい.道そばには,ウーロン茶の段々畑が続き,遠くに目をやれば,岩が剥き出しになった山々に松が生えている(アカマツっぽいが,ちょっと違うかも)という独特の景観である.最近は,風光明媚な観光名所となっているようだ.





・南国の海南島から来るとその景観の違いに驚くが,無夷山の方が日本人にとっては馴染みある風景だろう.田舎の細道を,林野局のトラックに乗ってひた進む.中国では車は右側通行であるが,かなりオーバーランする車が多く,曲がり角ですれ違うたびにヒヤッとする.貧しい暮らしをしていることが見て取れるが,夕暮れ時という時間帯のせいか,やたらと人が多い.オートバイでガンガン突っ込んでくるので,あぶなっかしくて仕方がない.

・空港から1時間も走るとゲートがあり,ここから先は外国人は許可なしでは入ることができない自然保護区だという.景色はいよいよ勇壮な渓谷となるが,山道の感じといい,渓流の感じといい,秩父の景色ともよく似ている.民家もまばらになり,宿泊するところはどんなところだろうと思っていたら,案外,普通のホテルだった.明日は孟宗竹(?)の大会があるとかで,非常に込み合うらしい.着いた時には完全に日が落ちていたので,景色をよく見ることができなかったが,明日のフィールドが楽しみである.