健康を科学する!

豊橋創造大学大学院健康科学研究科生体機能学のつぶやき

仕事や家庭のストレスで糖尿病リスク1.5倍

2013-03-11 08:30:35 | 研究
肥満や遺伝、運動不足など2型糖尿病の危険因子はさまざまで、ストレスもその一つと考えられています。こうした中、男性を対象にした研究から、仕事や家庭に関係する長く続くストレスで糖尿病になるリスクが1.5倍上昇するとの研究結果が発表されました(あなたの健康百科)。これまで、仕事のストレスで女性の糖尿病リスクが2倍になるとの報告があったそうですが、この研究では男性の糖尿病リスクは高まらないとされていたそうです。今回、47~56歳で糖尿病や心臓病、脳卒中にかかったことがない男性7,251人を35年間追跡し、登録時のストレス状態と糖尿病発症との関係を検討したそうです。追跡中に糖尿病を発症したのは899人(1,000人当たり年間5.2人)、15.5%が登録したときに仕事や家庭に関係するストレスを抱えていたそうです。その結果、ストレスがないと報告した人の糖尿病発症率は31.2%、断続的にストレスを感じると報告した人で31.0%だったのに対し、長い間ストレスを感じていると報告した人では42.6%。ストレスがない人と比べ、糖尿病リスクが1.52倍に上昇していたそうです。年齢や運動不足度、BMI(肥満指数)、血圧などの影響を除外しても、糖尿病リスクは1.45倍と高かったそうです。気をつけましょう。
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クローンマウス大量繁殖

2013-03-10 08:30:16 | 研究
遺伝子が同じ生物を人工的に作り出すクローンの技術を使って、1匹のマウスからクローンマウス600匹を作り出すことに神戸の理化学研究所のグループが成功したそうです(NHK NEWSWEB)。研究グループは、絶滅が危惧される野生動物や優れた特徴を持つ家畜などを増やす技術につながるとしているそうです。このグループは、マウスのクローンを何世代も作り続ける実験を6年間にわたって行ったそうです。その結果、マウス1匹から26世代、598匹のクローンマウスを作り出すことに成功したというのです。これまでのクローン技術では、皮膚などの細胞の遺伝子を、受精卵の遺伝子に似た状態に戻す作業を繰り返すと異常が起きてしまい、クローン動物を何世代にもわたって作り出すことができなかったそうです。ところが、「トリコスタチンA」という物質を加えると、異常が起きる確率が大幅に減ったそうです。
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悪夢の耐性菌

2013-03-09 08:30:32 | 研究
抗生物質が効かない細菌「カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)」の感染が広がっているとして、米疾病対策センター(CDC)が医療機関に対策を呼びかけているそうです(CNN.co.jp)。この細菌に感染すると、最大で半数が死に至るそうです。同センターによると、CREは過去10年で感染が広がり、強い抗生物質に対しても耐性を持つようになったそうで、2012年上半期だけで、約200の医療機関でCRE感染者が確認されたそうです。ただ、米国の医療機関でCREはまだそれほど頻繁に見つかっているわけではなく、健康な人の間で感染が広がっている様子も見られないとも。米国では年間約170万人が院内感染し、9万9000人が死亡。CREに血流感染した患者の致死率は最大で50%に達し、似たような耐性菌の致死率約20%を大幅に上回るそうです。
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運動による筋肉痛にはマッサージ

2013-03-08 08:30:02 | 研究
マッサージが、筋肉の痛みを緩和することは経験的に知られていますが、細胞レベルでどのように作用しているかということについてはほとんど知られていません。この仕組みを解明を目指して、マッサージの効果を調べるため、運動のために筋肉痛を起こしている11人の男性を対象に、調査が行われましたそうです。マッサージをする前、10分のマッサージ直後、そしてマッサージ終了後2.5時間の3回にわたって、筋肉の組織を調査した結果、マッサージによって、細胞間の信号伝達がスムーズに行われるようになることが分かったそうです(Qlife Pro)。また、筋肉を過剰に動かし筋肉が傷つくことによって生じる、物質の核内蓄積も抑えられるとも。筋肉のメタボリズムには影響を起こさないまま、炎症に伴って増加した物質を減少させるという結果も。つまり、マッサージは筋細胞が傷つくことによる細胞のストレスを軽減するということに。本当でしょうか?論文(Sci. Transl. Med. 4, 119ra13 (2012))を読んでみます。
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卵子老化は修復能力の衰え

2013-03-07 08:30:50 | 研究
女性が年齢とともに妊娠しにくくなる原因の一つである「卵子の老化」は、DNAの損傷を修復する遺伝子の働きが低下して起きるらしいという研究結果が発表されたそうです(47NWES)。女性は未熟な状態の卵子を約100万個持って生まれるそうです。しかし、一生に排卵するのは500個程度で、30代後半から排卵しにくくなり、50代初めには卵子がほぼなくなって閉経するそうです。なぜこれほど急速に減少するのかは謎だったそうです。研究では、マウスと人で、高齢になると卵子のDNAの損傷が増えることを確かめたそうです。次に「BRCA1」など、遺伝子損傷の修復に関わる数種類の遺伝子に着目したところ、マウス、人いずれの卵子でも、高齢になるとこれらの遺伝子の働きが落ちていることが分かったというもの。さらにBRCA1遺伝子が働かないようにしたマウスをつくって調べたところ、排卵する卵子が少なく、妊娠能力が低いことも確認したそうです。BRCA1遺伝子に変異があると、乳がんや卵巣がんになりやすいことが知られているそうです。そこで、同遺伝子に変異がある女性とない女性で、卵子残存数の目安になる血中ホルモンの値を比較したところ、変異ありの女性は、ない女性の半分程度の値しかないことが明らかになったそうです。DNA損傷が蓄積した細胞は、がん化などを避けるため「自殺」する仕組みが生体には備わっていますが、卵子も同じ仕組みによって減っている可能性が高いということになるようです。損傷した遺伝子の修復能力を保つ方法が見つかれば、年齢が進んだ女性の妊娠率向上につながる可能性があるとも。
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チンパンジーも“顔色うかがう”

2013-03-06 08:30:32 | 研究
チンパンジーに、感情をあらわにした別のチンパンジーの画像を見せ、その際の脳波の変化を測定することに成功したというニュースが先日報道されました(MSN産経ニュース)。研究グループによると、ヒト以外の生物が、別個体の表情を見たさいの脳波測定に成功したのは世界で初めてとのことです。研究では、実験当時11歳だったメスのチンパンジー「ミズキ」の頭部に、脳波計を取り付けて、別のチンパンジーが口を大きく開けたり歯をむき出しにしたりして感情をあらわにした画像3枚を、エサを食べている画像など日常的な画像12枚にまぜ、0・8秒ごとに80回見せ脳波を計測したそうです。その結果、チンパンジーが感情をあらわにした画像3枚を見せると、平均0・21秒後に特徴的な脳波の変化が見られたが、その他の画像では大きな変化はなかったそうです。チンパンジーがどう感じているかはわからないそうですが、他のチンパンジーの表情から何かを感じ取っているのは確かだそうです。したがって、チンパンジーが音声や接触に限らない高度なコミュニケーション能力を持っている可能性を示せたとしています。
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睡眠不足の影響

2013-03-05 08:30:32 | 研究
睡眠不足が炎症や免疫機能、ストレス応答などに関係する数百の遺伝子に影響を与えるという研究結果が発表されたそうです(QLife Pro)。どのくらいの遺伝子が慢性的な睡眠不足により影響を受けているのかが研究されたのは初めてだそうです。研究は26 人(男性14人、女性12人)を対象に行われ、被験者らは、まず1 週間の間、6時間以下(平均5.7時間)の睡眠をとったそうです。その後、同じ被験者に1週間、10時間の睡眠をとってもらったそうです(平均8.5時間)。それぞれの週の終わりに、被験者らは40時間寝ずに起きていてもらい、その間3時間ごとに血液を採取、遺伝子の活動を比較したそうです。その結果、1週間の睡眠不足で711の遺伝子に影響があったことが判明したというもの。睡眠制限後、444の遺伝子の活動が下方制御され、267の遺伝子の活動が上方制御されたそうです。これはヒトの遺伝子数約2万3000個の3.1%に相当。影響を受けた遺伝子は炎症や免疫応答、ストレス応答に関与していたそうです。また、睡眠不足は慨日リズムを乱し、代謝を制御する遺伝子の働きをも低下させたとも。過去の多くの研究で、睡眠不足が、心臓病、糖尿病、肥満などに関係することが示されていますが、今回の研究で、明らかに、睡眠は身体の再構築と機能維持に重要であることが分かったそうです。わずか1週間、睡眠を規制しただけで、遺伝子活動に影響があるとなると、慢性的睡眠不足の人のダメージは計り知れないですね。実際に新しい細胞や組織を補充し、置き換えることができなければ、変性疾患につながるかもしれないということと記事では指摘しています。
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体内時計の仕組み

2013-03-04 08:30:50 | 研究
内時計を「速める」「遅らせる」という正反対の働きを持つ2種類のたんぱく質が、細胞内でバランス良く働くことで約24時間周期が保たれることが明らかになったそうです(YOMIURO ONLINE)。約24時間周期で増減を繰り返すCRYというたんぱく質に作用する「FBXL3」「FBXL21」という構造の似た2種類のたんぱく質に着目し、それぞれのたんぱく質を作れない遺伝子組み換えマウスを暗闇で生活させて調べたところ、CRY分解作用を持つFBXL3は体内時計を速め、CRYを蓄積させるFBXL21は時計を遅らせることが分かったというものです。両方のたんぱく質ともない場合は、数週間後に行動リズムが完全に崩れたとも。面白いですね。
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ドラゴン宇宙船打ち上げ

2013-03-03 08:30:42 | 研究
米国宇宙ベンチャーのスペースX社は3月1日(日本時間3月2日未明)、国際宇宙ステーションに物資を輸送する無人のドラゴン宇宙船を、米フロリダ州のケープカナベラル空軍基地からファルコン9ロケットで打ち上げたそうです。ドラゴンは約10分後に予定の軌道に入ったが、同社はその後、宇宙船に何らかの異常が出た可能性があると明らかにしました。物資は600キログラム近くあり、マウスの胚性幹細胞(ES細胞)に宇宙放射線が与える影響を調べる大阪市立大学による初の宇宙実験器材も含まれているそうです。
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花粉の飛散量

2013-03-02 08:30:21 | 研究
花粉情報を提供するNPO法人花粉情報協会の調査によると花粉の飛散量はこの30年で最大5倍になった地域もあるそうです(アピタル)。今年は中国の大気汚染物質が花粉症を悪化させる可能性も指摘されており、つらいシーズンになりそうだというのです。いや、恐ろしいですね。何とかならないものでしょうか。対症療法ではなく、根本的な対策が・・・・・。花粉を作らない杉も開発されているようですが、それらに置き換わるまでにはまだまだ長い年月がかかりそうですし・・・・・。つらいシーズンがまだまだ続きます。
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