何とか修理できそうです
不具合の個所はわかっていたのですが、壊してしまう可能性があるので躊躇していました。依頼者から「壊れてもイイから・・・」、「もし壊れたら、差し上げます」。信頼してそこまで言っていただいたので、思い切って作業したら、なんとか上手くいきました。
スクリューの裏蓋を開けてリュウズを抜き、ムーブメントを取り出して針も抜きます。
ゴム製の作業ホルダーでは、ちょっと不安定なので、メタルホルダーを使います。
ちょっと大きすぎで駄目ですね。
まずはローターと一番上の上板を外します。
続いてガンギ車、2番、3番、香箱を抑えている上板を外します。中央に見えている4番車の軸と分針の軸がスレて、分針がうまく回らない状態です。ここをカシメて4番車の回転が分針に伝わるようにします。カシメ過ぎると時針、分針が上手くはめ込めなくなったり、秒針の軸と接触して回らなくなったりするので、慎重に作業します。
輪列を組み上げます。アクリルの棒で上板を抑えながら、ガンギ車、2番、3番の軸をはめ込みます。
文字盤を外して時針、分針を取り付け、様子を見ます。なんとか動いているようです。
修理を依頼されると特に高価な時計は、なかなか手が出ません。思い切りが必要です。で、壊してしまったら、もともこもありませんけど。
今日は、ここまでにします。ア~ッ疲れた。集中した作業は、1時間続きません。
追伸: しばらく動いたのですが、数時間すると大幅に遅れだしました。カシメた個所はツツカナという歯車の部分だと思ったのですが、実は4番車と分針を直結するパイプでした。修理を続行します。
また受け板を外して2番、3番の歯車を取り出さなければなりません。輪列の組直しです。
~~~~~~~~~~~ ~~~~~~~~~~