一生

人生観と死生観

保健師冥利に尽きる

2009-02-16 10:51:08 | 哲学
2月16日 曇り
 心と身体はお互いに関連しあっていることはよく知られている。心が元気になれば身体も回復するし、身体が衰えれば心の健全性も陰ってくる。
 しかし世の中には回復不可能な病気もある。病を乗越えて心の思いを世に訴えて、社会に大きな波紋を呼び起こした筋ジストロフィーの患者たちの例は、自らの
生活環境を改善することに新しい地平を開いた。内に閉じこもることではなく、外に向かう方向転換が自らを救ったとも言えるのではないだろうか。
 障害者の場合も障害の原因となったものを憎んだり、恨んだりすることにとどまるのではなく、方向を変えて自分の出来ることをやってみることで、状況は変わりうる。自己実現の達成の可能性が少しずつ見えてくるかも知れないのだ。
 保健師のOさんはワクチン副作用のの被害を受けた人たちの世話をする立場にあって、長年の経験を積んできた。その最近の話。種痘のあとの神経症状で下肢の不自由な状態がつづく女性がいる。彼女はOさんには全面的な信頼を寄せてきた。Oさんのボランテアの仕事を進んで手伝うことで気持ちが晴れる。生き甲斐を見つけたと言うと少し大仰だが、人は何かに積極的に関わることで人生を開くのだ。内向きの人に外向きのベクトルを与えることは必ずしも簡単ではないが、信頼関係の上にそれが可能になるチャンスはきっと来ると信じて振舞うことが、成功の秘訣であるようだ。保健師冥利に尽きると言うものである。

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