一生

人生観と死生観

遠近眼鏡

2011-06-03 19:36:08 | 哲学
6月3日
 国会は荒れている。ご存知のとおりの菅総理退陣問題である。民主党内で野党の提出する菅総理不信任決議に賛成ないし欠席する議員が多数いて、可決する勢いだった。それを事前に鳩山前総理が菅総理と会談し、鳩山氏の条件を菅氏が承知して早期辞任に決し(両者受け取り方に微妙な差があった)それを菅氏が両院議員総会で報告して、民主党は野党の決議案を否決したのである。しかし菅氏の辞任時期が曖昧で来年まで粘るような気配なので鳩山氏が怒った。今後の展開は一寸先は闇の状態である。 私は菅氏を全面支持しているわけではないが、素直に考えれば、菅氏が首相としてこの国難の後始末にめどをつけたいと固く思い定め、早期の退陣には応じたくない気持ちは当然である。責任者があっさり職を投げ出す悪い前例は鳩山氏自ら示したところである。自民党にもつい先頃2人もいた。鳩山氏の仲介はあるところまではよいが、それから先はお坊ちゃんの思い込みが多分にあると言わざるを得ない。仮にも一国の首相に進言する態度ではない。前任者の長老的勧告にしてはちょっと行き過ぎだった。
 それにしても菅氏はなぜこんなに嫌われるのだろう。説明不十分にパッと思い付きを言う、そのものの言い方が気に入らないとは、あまりにも感情的過ぎはしないか。国会議員の討論を聞いていると、胸が悪くなるような話ばかりで聞きたくない。この大災害のあと苦しんでいる人が満ち溢れているのに、何という不見識だ。近くばかり見て、遠くを見ない人たちが感情的に物言いをする。多数の近視眼の小物たちには近眼鏡がいるが、遠望をしっかりものにする、遠眼鏡は真の大物に差し上げたいものだ。

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