goo blog サービス終了のお知らせ 

つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

富貴蘭とサギソウ

2012年07月15日 | 

7月14日(土)~16日(月・祝)の三連休に、大阪・鶴見緑地の咲くやこの花館で「富貴蘭(ふうきらん)展」が開かれていました。

富貴蘭は日本に自生するランの一種、フウランのこと。変わり葉や花が美しいため古くから栽培され、江戸時代中期に将軍や大名が愛好、以来「富貴蘭」と呼ばれるようになったそうです。

とくに花好きの十一代将軍徳川家斉(いえなり)は、このランが好きで、各大名に命じて珍しい品種を集めさせていたと言われます。

江戸城で開かれた観賞会では金や銀製の網を張り、息がかからぬように懐紙を口にあてて観賞したといいます。

「これは上様所蔵の珍品とか…」「ウム、見事なものでござるな」

武士が屈みこんで拝見する様子を想像すると… いやはや、ご大層なものだったのですね。

 

「富貴蘭展」では約150点の作品が展示されていました。専用の美しい鉢にミズゴケを高く盛り、丹精こめて栽培されているのがうかがえます。

入り口に展示されていた「桃煌」。

キヤノンKiss X4   EF-S60mm F2.8 Macro USM  絞り優先AE  F2.8  1/30秒 ISO 200 

 

富貴蘭はそもそも、花や香り、葉から根に至るまで全体を観賞するものだそうです。古典園芸の奥深さですね。

こちらはそうした趣味と知識がないので、どうしても花に目が行ってしまいます。

 

 全体の姿はこちら。

「ウム、見事…」。

ソニーRX100   絞り優先AE  F1.8   1/100秒   ISO 200

 

撮影カメラについて---

RX100は撮影最短距離が広角で5センチ、テレ端で55センチ。これぐらいの近さならOKですが、もっと寄りたいと思う被写体には向きません。

その点、Kiss X4など一眼レフのマクロレンズは思う通りに寄ることができます。その結果、ピントの合う範囲(被写界深度)は浅くなり、前後は大きくボケます。バラなどを接写で撮るのに向きますね。

 

富貴蘭はというと、バラとは違って、たくさんの小さな花々の集まりが魅力。それぞれの花に、ほどほどにピントがあっているほうがいいようです。そうすると一眼ではボケすぎるので、ピントの合う範囲が深い、(一般の)コンパクトデジタルカメラでもいいかも。

RX100はコンパクトデジタルカメラといっても、絞り開放でのボケが大きいので、その中間のような感じでしょうか。

きれいに撮ろうとするとなかなか難しい被写体。一眼レフで三脚を立てて、マニュアル絞りの効果を確かめながら撮るのがいいのでしょうが、たくさんお客さんが来る展示会場ではムリ。

RX100がもうすこし“寄れる”と良かったかも…

 

「春及殿」。

キヤノンKiss X4   EF-S60mm F2.8 Macro USM  絞り優先AE  F5.6  1/30秒 露出補正 -2/3  ISO 400 

 

「天恵覆輪」。

覆輪とは葉の外側に模様が入る品種。書とともに飾られていると、いかにも和風の趣があっていいですね。

ソニーRX100   絞り優先AE  F3.5   1/40秒   ISO 200

 

「紅嚇殿」。紅をさした花。咲いている数も多くて目を引きました。

キヤノンKiss X4   EF-S60mm F2.8 Macro USM  絞り優先AE  F5.6  1/60秒 露出補正 -2/3   ISO 400 

                      ◇

富貴蘭を見た後は、館内の温室へ。涼しい高山植物室でサギソウが咲いていました。

貴重な野生のラン科植物。今や自生地も稀になってきています。

ソニーRX100   絞り優先AE  F5.0   1/50秒   露出補正 -0.7   ISO 200

 

さわやかに舞うような花の姿に、しばし暑さを忘れます。

ソニーRX100   絞り優先AE  F2.0   1/250秒   露出補正 -0.7   ISO 200