つれづれ写真ノート

   カメラと写真 そして世の中の色々なこと---

幻のオオヤマレンゲ

2014年05月31日 | 

これから梅雨にかけての季節は、「森の貴婦人」と呼ばれるオオヤマレンゲ(大山蓮華)が咲くころ。昔から撮りたいと思っている花ですが、なかなか機会に恵まれません。

関東以西の深山に自生するモクレン科の白い花。名前の由来は、奈良県の大峯山から。大峯山のなかでも、弥山(みせん)から八経ケ岳にかけての自生地が国の天然記念物に指定されています。(奈良・天川村のホームページ参照。ほかにこのページにもたくさん写真がありました)

福岡・大分両県にまたがる英彦山(ひこさん)や、大分県の九重連山にも自生しており、この花を見るのが目的の登山者も多いようです。

 

平地ではなかなか見られない花。ところが、大阪・堺市都市緑化センターで先日、よく似た花を見かけました。

 

「オオヤマレンゲ」との表示。

しかしネットで調べたところ、中国・朝鮮半島原産の「オオバオオヤマレンゲ」のようです。雄しべの濃い紅色が特徴。

 

日本に自生する「オオヤマレンゲ」の雄しべは淡いピンク色。

「大峯山に登らなくても、こんな所にあった」と一瞬喜んだのも幻に…

 

とはいえ、この「オオバオオヤマレンゲ」(大葉大山蓮華)も和風の趣があり、美しい花。茶花などに使えそうですね。園芸店で「オオヤマレンゲ」として売られているのは、ほとんどこの花とか。

 

ほかに「ウケザキオオヤマレンゲ」(受咲き大山蓮華 )という花もあります。「オオヤマレンゲ」が下か横を向いて咲くのに対してこちらは上を向いて咲きます。大きな花で強い芳香があり、庭木に使われます。「オオヤマレンゲ」と「ホオノキ」の雑種。

ずいぶん前になりますが、姫路城のそばにある日本庭園「好古園」で「オオヤマレンゲが咲いた」という新聞記事を見て訪ねて行ったところ、この「ウケザキオオヤマレンゲ」で、がっかりしたことがあります。

「ウケザキオオヤマレンゲ」(2002年5月17日、姫路・好古園で)。

「オオヤマレンゲ」が清楚なのと対照的に、雄しべ、雌しべとも猛々しい感じ。

 

本物の「森の貴婦人」は、やはり山に分け入らないと会えないのかもしれません。

-------------------------------------------------------------------

関連記事

 ・『オオヤマレンゲ自生地 』(じゃらん観光ガイド)

 ・『オオヤマレンゲについて』(植田邦彦氏の論文)(抄録で「雄〓」とあるのは「雄しべ」)


ツァイス「Otus 1.4/55」は品不足

2014年05月30日 | カメラ

世界最高のレンズと評判のツァイス「Otus 1.4/55」。国内では5月29日、コシナから発売が始まり、すでに手にした人もいるようです。

しかし、コシナのホームページでは次のように、予想を上回る注文のため品不足とのお知らせが出ています。

『ご予約のお客様へ
2014年5月29日に発売を予定しております「Otus 1.4/55 ZE, ZF.2」につきまして、ご予約を頂きありがとうございます。現在、予想を大幅に上まわる御注文を頂き、発売当初は数量が十分でないことが予想され、お届けまでにお時間をいただく場合がございます。
改善に向け鋭意進めておりますが、お待ちいただいておりますお客様にはご迷惑をおかけいたしますこと心よりお詫び申し上げます。』

 

価格40万円前後、標準レンズにしては重く大きく、しかもマニュアルフォーカスのレンズ。一般の人が使うものではないと思っていましたが、注文殺到とは。

ネットの掲示板などを見ていると、買っているのはプロばかりでなく一般のカメラ愛好家も多いようです。

まあ、ボーナスをはたけば手が届く(人もいる)とはいえ…

 

このレンズで究極の解像感を追求しようとすれば、ニコンD800Eが欲しいところ。

ついでにD800Eも売れるかもしれませんね。

Carl Zeiss 単焦点レンズ Otus 1.4/55 ZF.2 フルサイズ対応 830554

 写真はニコン用のOtus 1.4/55 ZF.2 (フリー画像)

 


ビールの夏!

2014年05月28日 | グルメ

日本気象協会の「tenki.jp 」によると、5月28日から週末にかけて真夏日が増えるとの予報。

とくに、暑くなりそうなのが近畿地方。「tenki.jp 」から引用すると、

『週末は全国の約3割で真夏日か 昨年より半月も早い------28日(水)以降は、九州から北海道にかけて晴れる所が多いでしょう。日差しを受けて気温も上昇、広い範囲でこの時期にしては暑くなります。暑さのピークは土日で、最高気温が30度以上の真夏日になる所は全国の約3割と今年最多になる見込みです。昨年、全国の3割近くで真夏日となったのは6月12日。今年は昨年より半月くらい早く、広い範囲で体にこたえる暑さとなりそうです。

特に暑さが厳しくなりそうなのが、近畿地方。6月1日(日)の大阪の予想最高気温は33度ですが、6月上旬までに33度以上となれば2002年以来12年ぶり。6月上旬としては近年経験したことのないような暑さになるかもしれません。』

実は6月1日、撮影に行く予定なのですが、『近年経験したことのないような暑さになるかも』とは… オソロシイ。

熱中症に気をつけないといけませんね。

 

それはさておき、真夏はビールの季節。

大阪・天王寺公園では、ドイツビールの祭典「オオサカ オクトーバー フェスト 2014」が開かれています(6/1まで)。

オクトーバー フェストというのは、ドイツ・ミュンヘンで9月から10月にかけて開かれる大規模なビールの祭典。

本来は秋のお祭り(収穫祭)ですが、日本ではいまや全国各地、季節を問わず、さまざまな団体の主催で開催されています。

 

ついこの間もグランフロント大阪の「うめきた広場」で、「うめきたオクトーバーフェスト2014」が開かれていたので、寄ってきました。(期間は5/16~5/25。すでに終了しています)(チラシpdf)

にぎわう「うめきたオクトーバーフェスト2014」。

 

ドイツビール4つの醸造所が出店。

 

大阪初登場で「オススメ!」とあった「フレンスブルガー・フリューリングボック」を試してみました。

 

樽生、おいしそうです。

レギュラー1杯1300円。ジョッキの料金1000円とあわせて2300円を支払い。飲んだ後でジョッキを返すと1000円返してくれるデポジット制。

 

香りが良く、まったりした味わいで飲みやすいビール。半分飲んでしまってから、ジョッキの可愛いイラストに気づいて撮りました。

「PROST ! 」は「乾杯!」という意味。

 

この日(5/24)は晴れて暑かったですね。ビールを求める人が次々に…

 

このほか、大阪・新梅田シティでは「ベルギービールウィークエンド大阪」(6/4〜6/8)も開かれます。

その他、ビールの祭典については「NAVER まとめ----【イベント】オクトーバーフェスト・ビール関連イベント2014年国内の開催情報まとめ 」を参考にしてください。

 ----------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ    ソニーRX100

----------------------------------------------------------------------------

関連記事

 ・『キリン「一番搾り」店舗、全天球カメラで乾杯写真撮影 』(日経新聞)

リコーの全天球360度カメラを使用、お客さんの乾杯シーンを撮影できるアトラクション「一番搾リング」を設けたとの話。


ソニー「α77II」「α7s」「RX100III」体験会

2014年05月26日 | カメラ

5月24日、ソニーストア大阪の「新商品体験会」(5/24-5/25)に行ってきました。発売前の「α77II」「α7s」「RX100III」を手にとって試せるほか、プロカメラマンによるトークショーがありました。

 

トークショー。この日はカメラマン・小澤忠恭さんの「α77II で撮る高知・四万十川の旅写真」。立ち見ができるほどの盛況。

 

「日本最後の清流」といわれる四万十川への思い入れ。それが良く伝わってくるトークでした。

α77II のセンサーはAPS-Cサイズ 2430万画素ですが、縦位置写真を何枚も横につないだ10000画素を超えるみごとなパノラマ写真も。パソコン上での操作のコツを教えてもらいました。簡単に言うと、マニュアル露出で撮ること、つなぎ目は空や川面など単純な部分を曲線で選んで… ということでした。

α77IIの良さとしては、AFポイントが79点に広がったため被写体をとらえやすくなったこと、高感度性能がアップしたことなど。

また3軸チルト液晶モニター+顔認識AFで撮ると、ファインダーをのぞくより、地元の人の自然な表情が撮れる、というスナップのコツも。

他にも撮影の秘訣が色々。参考になりました。

 

ときどき、写真とはあまり関係のない話に脱線。

10年前にも訪ねたある集落で、昔見たスクールバスを見かけないので、住民に聞くと「子供がいなくなったから、スクールバスはない」とのこと。

年寄りばかりになり、洪水で流された橋を架け直すのも大変だそうです(上流の“流れ橋”)。

情緒のある「沈下橋」では、渡る人や車を撮ろうと思ってもなかなか来ない、という話でした。

少子化、過疎の深刻な現実…

 

トークのあと、新商品をタッチ&トライ。

α77II。オーソドックスな一眼レフのスタイル。

79点のAFポイント(中央部15点はクロスセンサー)と、最高約12コマ/秒のAF追随連写で、スポーツなどの動きものに強そう。

 

3軸チルト液晶モニター。

横位置のみのチルト液晶と違って、縦位置写真にも対応。ローアングルから撮る人物、建物、花、猫… いろいろな被写体に便利ですね。

 

これは横位置の場合。

 

次に、買おうかどうしようかと迷っている「RX100III」。

正面の外見は初代の「RX100」とほとんど変わらず、少し重くなったのも気になりません。

相変わらずポケットに入るコンパクトさ。

 

電源を入れるとレンズが伸びます。35mm判換算で24-70mm、F1.8-2.8の明るいZEISSバリオ・ゾナーT*レンズ。

センサーサイズは1インチでも、ツァイスレンズのおかげか、この「RX100」シリーズはとにかく写りが良いです。

自分が持っている「RX100」と卓上の花までの撮影距離を比べてみました。数字で何センチとはっきり言えませんが、「RX100III」はかなり被写体に「寄れる」カメラに進化していました。これで花のマクロも撮れそう。最短撮影距離は約5cm(ワイド端時)~約30cm(テレ端時)です。

 

レンズのほかのもう一つの特徴は、ポップアップ式内蔵ファインダー。

0.39型 電子式ビューファインダー(144万ドット)。

 

「FINDER」のつまみを押し下げると、ファインダーがポップアップ。「PULL」と書かれた接眼部を手前に引いて使用します。

小さすぎておもちゃのような感じもするファインダーですが、覗いてみると割に視野も広く、充分使えます。明るすぎる戸外で液晶画面が見づらい時、役に立ちます。

 

同じくポップアップ式のストロボも内蔵。小さいボディーに、あれもこれも、と欲張って詰め込んでいます。開発チームはかなり苦労したのでは…

 

自分撮りもできるチルト式液晶モニターを備え、コンパクトカメラとしては完璧。もう、これで決まり! という個人的印象でした。

 

最後にハイエンド機「α7s」。

35mmフルサイズ・ミラーレス一眼「α7」「α7R」に続く第3弾。

 

「α7」が2430万画素の手軽なフルサイズ機、「α7R」が3640万画素の超高画素フルサイズ機とすると、「α7s」は1220万画素と画素数を抑えたかわりに、思い切り高感度性能に重点を置いたフルサイズ機といえます。

最高(拡張)感度ISO409600。

これはプロ用最高級機であるキヤノンの「EOS-1 DX」(同ISO204800)を超え、ニコン「D4s」と肩を並べる性能。

さらにEV-4 という極端に暗い被写体にもAFが効きます。

 

ISO感度は409600まで。

 

試しに撮ってみたISO409600の画像は…

絞りF20、シャッター速度1/8000秒。普通では考えられない露出設定。

 

部分を拡大。当然、ノイズは目立ちます。でも最低限の色あいと被写体の外形は保っています。

 

まあ、通常の用途には画質的に無理でしょう。しかし、どうしてもこの感度が必要という場合もあり得ますから。

会場で聞いた説明では、夜間に野生動物を撮る、暗い演奏会場で撮る---ことなども想定、高感度性能に加えてシャッター音を完全に消すサイレント撮影ができるとのこと。

 

サイレント撮影、実際にやってみました。完全に「無音」です。写ったかどうか分からないので、再生画像を出してみるとちゃんと写っています。

電子先幕シャッターという、先幕を電子制御にするのはこれまでにもありました。その場合は後幕がメカニカルシャッターなので、後幕が作動する音はします。「α7s」の場合どんな仕組みになっているのか… 確かめそこねました。

 

暗所に強い高感度性能、そしてサイレント撮影とくれば、よからぬ用途も想像できます。

そのためでしょうか、ソニーのプレスリリースでは「サイレント撮影機能は、被写体のプライバシーや肖像権に十分ご配慮の上、お客様自身の責任においてお使いください。」と注釈がついています。

 

ウ~ン、でもユーザーは様々でしょうからねェ。海外で、パパラッチのようなカメラマンが使ったりして…

 

このほか、4K動画が撮れ、プロ向けの動画撮影機能も備えています。

4Kはまだまだこれからの技術ですが、ソニーらしく「尖った」カメラだと思います。

 

ちなみに、東京の銀座ソニービルでは、「α7S」専用の高感度撮影コーナーが設けられ、ほぼ暗闇に近い明るさで高感度撮影を体験できたそうです。大阪でもやってほしかったですね。(デジカメWatch『ソニー「α77 II」「α7S」「RX100 III」体験会レポート 』参照)

-----------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ    ソニーRX100

-----------------------------------------------------------------------------

関連記事

 ・『ソニー、「α7S」「α77 II」「サイバーショットRX100 III」の説明会を実施』(デジカメWatch)


Otus 1.4/55 最新作例

2014年05月23日 | カメラ

世界最高といわれるツァイスの「 Otus 1.4/55 」が、いよいよ5月29日から国内で発売されます。(ツァイス日本のページ)(発売するコシナのページ

コストやサイズなど一切の妥協を排し、ツァイスの1世紀以上にわたる光学技術の粋を集めて開発された最高級レンズ。

35mmフルサイズ対応、キヤノンEFマウント用(ZE)とニコンFマウント用(ZF.2)の二種類。焦点距離55mm、開放F値1.4、マニュアルフォーカス。価格約40万円。これを買えるのはどんな人なんでしょう。(写真はニコン用、フリー画像)

Carl Zeiss 単焦点レンズ Otus 1.4/55 ZF.2 フルサイズ対応 830554

 デジカメWatchに、『Otus 1.4/55---カールツァイス入魂のモンスターレンズ』という記事と最新の作例が出ていました。

実写に使ったカメラはニコンD800E。このレンズとカメラは、現時点で35mmデジタルカメラが望みうる最高の組み合わせ。

作例は、香港のビル群の遠景描写から始まって、植物やスナップのボケ味、逆光耐性、夜景、猫、オートバイ、点光源… と、気になるところは大体チェックしています。

それぞれ、一つずつ等倍に拡大して見て行きました。

 

香港の遠景は、天気が今一つだったのが残念。しかし、このレンズのすごい解像度は分かります。絞りF5.6~8あたりが最高の切れ味では。

が、「オッ」と思ったのが、画面左下隅に見える船の白い窓枠。ほんの少し倍率色収差が出ているような… 。さすがのOtusも収差「ゼロ」ではないんだな… と思いました。

ボケ味については「素直なボケ」。サーフボードの写真がきれいです。ただごく一部で、2線ボケの部分も。

夜景では、軸上色収差による窓の明かりや灯火のパープルフリンジが皆無! 驚異のレンズです。

 

とにもかくにも、解像度が並みではありません。これまでにも色々な作例を見ては圧倒されています。

 

Otus 1.4/55の作例としては、flickr のページにアップされているものがポピュラー。最近、渓谷の写真が追加されました。

少し前のものでは、Kristian Dowlingというカメラマンが、ニコンDfで撮ったページライカM(type 240)で撮ったページ、さらにニコンDfによるモノクロのページがあります。

 

それにしてもライカMでの作例なんて、ゴージャス!(庶民としては、ついお金の話に… )

 

買うあてはない高嶺の花のレンズですが、何とか試写する機会に恵まれたいものです。


ツアー・オブ・ジャパン Part 2

2014年05月21日 | イベント

5月18日、大阪・堺市の大仙公園周回コースで行われた、国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン2014」堺ステージの続きです。

ツアー・オブ・ジャパンとしては、午後の個人タイムトライアルだけだったのですが、それまでに午前中から色々な種類のレースが併催されており、一日中楽しめました。

 

最初に、ツアー・オブ・ジャパン出場チームが参加する「堺国際クリテリウム」。

10:45に各チームが一斉にスタート。2.7kmの周回コースを10周します。

 

一斉にスタート、競り合う選手たち。

 

カラフルなユニフォーム。

 

プロ選手のロードバイクというのは物凄いスピード(時速約50キロ)なので、大集団が駆け抜けるたびに、ブワーッと風が巻き起こります。コースのそばで撮っていると相当な風圧…

実際のレースに接して初めて、空気抵抗を実感。流線型のヘルメットや体にぴったりしたウエア、ぎりぎりに軽量化した車体の理由が分かります。

 

周回するごとに、最初はバラバラだったチームメンバーがまとまってきました。

風の抵抗が一番強い先頭。それを交互に入れ替わりながら消耗を避け、エースを温存するチームプレー。

写真の先頭に立っているのは、「ランプレ・メリダ」(イタリア)のスター、フィリッポ・ポッツァート。

 

結局、堺国際クリテリウムを制したのはランプレ・メリダ。チームのエーススプリンター、ニッコロ・ボニファジオが優勝しました(SANSPO.COM  cyclist 参照)。

 

このあと、実業団の「JBCF 堺クリテリウム」が同じコースで行われました。

「JBCF 堺クリテリウム」(E2)のスタート。

 

ゴールのガッツポーズ。沿道からは大歓声。

 

「JBCF 堺クリテリウム」(E1)のスタート。

 

E1クラスになると、プロに迫る時速40キロのスピード。

普通の人でもロードバイクに乗ると、異次元の爽快感を感じるとか。

ウ~ム、乗ってみたいような… 一度乗るとハマるんでしょうね。

 

会場の大仙公園「いこいの広場」に集結した各国のチームカーとロードバイク。

 

 模擬店のテントも賑わっていました。

 

コースにスタンバイしている機材補給車。さすがに国際ロードレース。

 

13:35から、メインのツアー・オブ・ジャパン個人タイムトライアルがスタート。93人の選手が1周2.65kmのコースを一周するタイムを競いました。

 

スタート地点ではなく、緑が美しい中間地点で待ち構えて撮影。

30秒おきにビューンと選手が走りこんできます。撮れるのはほんの一瞬。

 

ゆるいS字カーブ。いかにスピードを保ちつつ最短コースを取るかが腕の見せ所。

 

個人タイムトライアルは、3分14秒09で走った「ドラパック」(オーストラリア)のウィリアム・クラークが勝利。

この写真はドラパックの選手ですが、ウィリアム・クラークかどうかは確認が取れていません(ニュース写真を見るとそっくり…)。(日刊スポーツ参照)

 

ピントを試行錯誤

(撮影後の「写真ノート」としての個人的反省・検証。興味のない人は読み飛ばしてください)

 

タイムトライアルの写真は「置きピン」で撮影しています。

道路表示などを目安にマニュアルでピント位置を決めておき、そこに被写体が来たときにシャッターを切る、昔からのやり方。

実は「AIサーボ」とか新しい機能を試したのですが、どうも思うようにいきません。

 

下は「置きピン」の一例です。(構図が中途半端なのはご勘弁ください)

今車輪が乗っている道路表示部分に、あらかじめピントを合わせておき、少し早めから5枚連写。4コマ目がジャスピンでした。

 

ピントを確認するため、ピクセル100%で拡大。

シャッター速度優先AE  1/1000秒  F8.0  ISO800   焦点距離 300mm

 

ハンドル部分にピントが合って、ウエアの質感も出ているし、一応満足。このレンズ( EF70-300mm F4-5.6L IS USM )の解像力は良いですね。

 

ただ、こういう連写のやり方では、ピントの合う瞬間を外してしまう(手前か、通り過ぎた場面でシャッターが下りる)ケースも多く、そうなると使えるコマはゼロ。

かといって、単写で一発勝負は、レリーズタイムラグを計算に入れなければならないし、難しいです。

 

確実に動きものを捕らえようとすれば、プロが使うキヤノンかニコンのフラッグシップ機を買えばいいのでしょうけど、そこまではね… 

試行錯誤が続きます。

---------------------------------------------------------------------------

関連記事

 ・ツアー・オブ・ジャパン 堺ステージ  公式記録(PDF)

----------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ・レンズ

   キヤノンEOS 6D

     EF70-300mm F4-5.6L IS USM 


ツアー・オブ・ジャパン Part1

2014年05月20日 | イベント

国際自転車ロードレース「ツアー・オブ・ジャパン2014」が5月18日に開幕。5月25日の「東京ステージ」まで各地を転戦します。日本で行われる自転車競技の中では、大がかりなものです。

その最初の「堺ステージ」(タイムトライアル)が、大阪・堺市の大仙公園周回コースで開かれていたので、レース風景を撮ってきました。

 

新緑の中を快走する、イタリアの名門チーム「ランプレ・メリダ」の選手。

スピードは時速50kmを超えます。カッコいいなァ~

 

堺ステージでは個人のタイムトライアルのみ。仁徳陵古墳(大山古墳)前のスタート台から選手が1人ずつ出走、大仙公園の外側(2.65km)を1周し、タイムを競います。

ほぼ30秒間隔で選手が次々に出走、3分ぐらいで1周していました。100分の1秒を争う真剣勝負だそうです。

 

コースにはS字カーブもあります。

 

トップスピードで疾走。

 

あらかじめ色々な情報を集め、待ち構えていたポイント。

でも、流し撮りはとても難しかったですね。

目の前を、時速50kmなんて…

 

「ツアー・オブ・ジャパン」タイムトライアルの前に行われた「堺国際クリテリウム」。これは1日だけのレースで、「ツアー・オブ・ジャパン」参加チームが一斉に出走。大仙公園周回コースを10周します。

 チームワークや駆け引きも要求されるレースです。

 

他の写真はPart 2で掲載します。

----------------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ・レンズ

   キヤノンEOS 6D

     EF70-300mm F4-5.6L IS USM 


キヤノンEF 16-35mm F4L IS USMの作例

2014年05月19日 | カメラ

キャノンから発表されたEF 16-35mm F4L IS USM。(写真はフリー画像)

Canon 広角ズームレンズ EF16-35mm F4L IS USM フルサイズ対応 EF16-3540LIS

 

F4通しの手ごろな広角ズームなので、目下のところ購入対象。その前に実写画像を探しています。まだあまり作例が出ていませんね。

キヤノン・チャイナの公式ページに出ているサンプル画像が、等倍に拡大できて、今のところ便利です。(「点击此处查看大图」をクリックすると拡大)

氷の風景、ヨーロッパ風の夜景・昼の風景、教会の中など6枚。

キヤノン・ヨーロッパの公式ページにも、同じ画像を含めた8枚のサンプル画像があります。こちらの方は等倍にまでは拡大できないようです。

 

このレンズは、周辺画像が良くなったとの触れ込み。周辺部の色にじみは抑えられていて好感が持てます。

夜景の灯りにも色収差は感じられません。光の点は「点」として写っている印象(星景写真を見ないと断定できませんが)。

ただ教会内部の写真などを見てみると、周辺の画像がむやみに流れたりはしていないものの、周辺の解像感そのものは今一歩、中央部に及ばないですね。

周辺部までカリッとした解像感だと「おお凄い!」となるのですが、そこまでは… 

広角レンズでは難しいのでしょう。

 

広角ズームの分野では、ニコンのAF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED の性能が“神レンズ”と呼ばれるほど凄すぎて、キヤノンは分が悪いイメージがあります。噂では、ニコンに対抗できるクラスの広角ズームを年内に出す予定があるとか、ないとか…

 

まあ、そこまで最高級でなくても、EF 16-35mm F4L IS USMは、色収差の目立たない、良いレンズでは。それを裏付ける作例が出てくるのを待っています。

 

-----------------------------------------------------------------------------

関連記事

 ・『キヤノンがF2.8の16mmよりもワイドの超広角ズームを開発中?』(デジカメinfo)

 ・『キヤノン、高画素時代の手ブレ補正搭載 F4 広角Lズーム 「EF16-35mm F4L IS USM」』(ITmedia デジカメプラス )(サンプル画像2枚)

 ・キャノンのEF16-35mm F4L IS USM 特長紹介ページ(サンプル画像あり)


ソニー「RX100III」発表

2014年05月16日 | カメラ

ソニー「RX100」シリーズの新製品「RX100 III(マーク・スリー)」が5月16日、正式発表されました(ソニーの製品ページ)。

表記はソニーのホームページで「RX100M3」と混在しています。ローマ数字のIIIは機種依存文字なので、それを避ける意味では「RX100M3」の方がいいかもしれません。

ソニー サイバーショット DSC-RX100M3

         RX100M3(フリー画像)

センサーは「RX100」「RX100M2」と同じ大きさの1インチ(1型)。画素数は2020万画素から2010万画素へ、10万画素減っています。これがどういう理由によるものかは分かりません。センサー全体からみれば無視できる程度ですが。

 

「RX100M3」の目玉は、明るいズームレンズと、ビューファインダー内蔵でしょう。

 

レンズ

レンズは、これまでのツァイス「バリオ・ゾナーT*」28-100mm が24-70mmになりました(いずれも35mm判換算、静止画3:2時)。

望遠端が100mmに届かなくなったのは、個人的には残念。逆に、広角寄りとなって狭い部屋の中でも撮りやすくなったという利点はあります。

レンズ構成が6群7枚から9群10枚に。収差補正のため非球面レンズを増やしグレードアップしたようです。開放F値がF1.8-4.9からF1.8-2.8へと、明るいレンズになりました。

 

もともと「RX100」シリーズのレンズは良かったので、新開発のレンズがどんな描写をするか楽しみです。

ソニーのページの撮影サンプル作品ギャラリーを見る限りでは、解像感が非常に高く、色収差も少ないように見えます。

街灯などの明るい部分でパープルフリンジがあまり出ていません。気持ちいいですね。コンパクトカメラとしてはすばらしい描写です。

 

また、「RX100」シリーズは、望遠側にすると極端に「寄れない」という欠点がありましたが、これも改善されたようです。

私の「RX100」で試してみたところ、70mmの画角では40cm以上離れないとピントが合いませんでした。「RX100M3」では70mmの最短撮影距離が30cmになっています。

 

ファインダー

ユーザーの希望が多かったので搭載したという電子ビューファインダー。外観写真を見ると、レンズのほかファインダー部分にもツァイスのコーティングを示す「T*」マークがついています。

大阪では5月24日、25日に体験会がありますので、見え具合を確かめてこようと思っています。

ともかく、この電子ビューファインダーを小さなボディーに組み込んだこと自体が称賛に値します。

 

その他

背面液晶が180°回転して自分撮りできるようになったのは一般受けするところかも。オジサンにはあまり関係ありませんけど…

また、最新の画像処理エンジン「BIONZ X」のおかげか、ISO感度の幅が少し広がっています。「RX100M2」のISO160-12800からISO125-12800に。動画の最低被写体照度も3.2lux(シャッター速度1/60秒)から1.2lux(シャッター速度1/30秒)になりました。

「クリエイティブスタイル」の項目が増えたりといった地道な改良点も見受けられます。

 「瞳AF」もうれしい機能。

動画では、従来の「AVCHD」に加えて、新しい「XAVC S」フォーマットも採用されました。同じ「XAVC S」フォーマットのフルサイズカメラ「α7s」(5/16発表)のような4K出力は出来ないものの、50Mbpsという高ビットレートで動きの多いシーンでも高画質に撮影できるということです。カタログによると、Class 10以上のSDXCメモリーカードが必要。そして「本体もしくはPlay Memories Homeでの再生となります」と。

しかし、高画質動画をカメラ本体で見たってしょうがないのでは… 

Play Memories Homeで再生ということは、パソコンで見ることになります。「AVCHD」のようにテレビでは映せないのか、ブルーレイディスクなどに保存できるのか… (どうも分からないことが多すぎ。このフォーマットはもう少し説明が必要ですね。)

 

明るい大口径レンズを付け、ビューファインダーを内蔵、液晶のチルト角度を広げたのに、ボディーの大きさがあまり変わらないのはすごいです。

縦横の寸法は全く同じ。厚みが2.7mm、重さが9g増えただけ(RX100M2比)。

お値段は、価格.comの最安値で85,500円(5/17現在)。進化した機能から考えるとリーズナブル。

 

欲しいですね。

でも「RX100」は持っているし… 

買い替えるかなァ。

あれこれ迷うところです。

 ---------------------------------------------------------------------------

関連記事

 ・『ソニー、「α7S」「α77 II」「サイバーショットRX100 III」の説明会を実施』(デジカメWatch)

 ・『ソニー、「α77 II」「α7S」「RX100 III」の体験会 』(デジカメWatch)

 ・『ソニー、EVF内蔵の「サイバーショットRX100 III」---レンズは24-70mm相当F1.8-2.8』(デジカメWatch)

 ・『EVF内蔵でレンズも一新した『RX100M3』などソニーが新デジカメを発表』(週アスPLUS)

 


ソニー「RX100III」に期待

2014年05月15日 | カメラ

ソニーのコンパクトデジタルカメラ「DSC-RX100」シリーズの第3弾となる「RX100III」が間もなく発表されるようです。

コンパクトなボディーに1インチのセンサーとツァイスレンズを搭載、画質に定評のある「RX100」シリーズだけに、最新機種でどんな新たな機能を盛り込んでくるのか、期待がかかります。

デジカメinfoSonyAlphaRumors にスペックが掲載されています。

詳しい内容は正式発表を待つとして、個人的に興味のある項目に絞り込んでみると次のようになります(デジカメinfo より抜粋。写真もデジカメinfo より)。


・レンズはツァイスVarion-SonnarT* 換算24-70mm F1.8-2.8 (3:2の時)
・最短撮影距離はワイド端で5cm、テレ端で30cm
・ファインダーは0.39型 SVGA 有機EL144万ドットEVF、倍率0.59倍
・フラッシュ内蔵
・NDフィルター
・モニタのチルトは上に180度、下に45度
・動画フォーマットはXAVC S / AVCHD2.0 /MPEG-4 AVC(H.264)

「RX100」「RX100II」と比べると、おおざっぱな表現ですがレンズが明るくなり、「寄れる」ようになっています。

また、ポップアップ式の電子ビューファインダーを内蔵したのが大きな特長で、あの小さなボディーのどこにファインダーを詰め込むスペースがあったのかと思います。まさに驚異の技術。

ファインダーを内蔵した部分は、「RX100」「RX100II」ではフラッシュがあった部分。ではフラッシュを省いたのかと言えば、場所を中央に移してちゃんと残しています。こういうところにとことん労力を惜しまない、ソニー技術陣のすごさを感じます。

 

新たに増えたNDフィルター機能は、晴天下で絞りを開放にして背景をぼかしたい場合やスローシャッターで水の流れを表現したいときに便利ですね。

 

「RX100II」で搭載されたチルト式モニタの角度が増えて、「自分撮り」もできるようになりました。

 

動画フォーマットは、従来のAVCHDに加えて、新しいミラーレスフルサイズ機「α7s」(海外発表済み。国内では未定)にも採用されたXAVC Sも選べるとのこと。「α7s」はとてつもない高感度性能(ISO感度最高409600)を持ち、4K動画が撮れるカメラ。

では「RX100III」で4K動画が撮れるのかというと、SonyAlphaRumors の詳しいスペックを見ても4Kについては何も書いてありません。しかし新しいXAVC Sフォーマットを選択肢としたからには、動画品質の面で何らかの進化があるはず。このあたり、動画に詳しくない当ブログとしては、恥ずかしながら「ついていけない」のが実情。正式発表で説明を聞きたいと思います。

 

それから疑問点なのですが、SonyAlphaRumors のスペックの中にはマルチインターフェース・シュ―の項目があって、オプションでマイクなども付けられるという記述がありました。しかし外見写真を見た限りではマルチインターフェース・シュ―らしきものは見当たりません。これも正式発表で明らかになるでしょう。

 


緑の5月

2014年05月14日 | 風景・建物

若葉の美しい5月。

晴れた日の緑は最高。風に乗って花の香りでも漂ってくると、外に出ないのがもったいない気持ちになります。

大阪・長居公園の緑を撮ってきました。

 

長居公園入り口、クスノキの大木。大空へ入道雲がわきあがるような姿。

 

公園の中で見つけた河津桜の実。

サクランボのようにきれいな色。通りがかった女性らが「食べられるのかな~」と、見上げていました。

一見おいしそうなのですが、渋くて渋くて、とても食べられたものではないそうです。鳥も食べないとか。

 

長居植物園に来ました。

 

木漏れ日に浮かび上がるイチョウの葉。

 

大池のほとり、バラ園の入り口。バラは見ごろになっていました。

 

「桜貝」という名の優しいバラ。

 

ハート型の撮影スポットで鐘を鳴らす親子。

 

植物園を出て、再び長居公園入り口に。緑あふれる夕方の公園を、女子高生の自転車が駆け抜けていきました。

 

-------------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ・レンズ

   キヤノンEOS 6D

   EF24-105mm F4L IS USM


キヤノン新レンズ発表開始

2014年05月14日 | カメラ

いよいよキヤノンの新しいレンズの発表が始まりました。

5月13日に発表されたのは次の広角ズーム2本。6月上旬より順次発売。(ニュースリリース

EF 16-35mm F4L IS USM
EF-S 10-18mm F4.5-5.6 IS STM

 

Canon 広角ズームレンズ EF16-35mm F4L IS USM フルサイズ対応 EF16-3540LIS

EF 16-35mm F4L IS USM(左写真、フリー画像)は、実質的に現行のEF17-40mm F4L USMの後継レンズ。

スペック的には現行レンズと比較して以下のようにアップ。それに伴って全長、重量が増えています。

レンズ構成  9群12枚 → 12群16枚
絞り羽根   7枚 → 9枚
手ぶれ補正  なし → あり(4段分)
最大径×長さ  83.5mm×96.8mm → 82.6mm×112.8mm
重さ    475g → 615g

 

フラッグシップの大口径広角ズームEF 16-35mm F2.8L II USMを置き換えるものではないにしても、レンズ枚数は同じになり、絞り羽根の枚数(EF 16-35mm F2.8L II USMは7枚)では上回っています。

キヤノンの発表によると、

『大口径ガラスモールド両面非球面レンズ(第1レンズ)を含む3枚の非球面レンズの最適配置により、歪曲収差、像面湾曲、非点収差を抑制することで、現行機種の超広角ズームレンズ「EF17-40mm F4L USM」と比較して特に画面周辺部の画質を大幅に向上しています。』

とのこと。

MTF特性図を見ても画質が良くなった感じ(専門的なところは分かりませんが)。手ぶれ補正が加わったことも考慮に入れると、フラッグシップレンズに迫るか同等の高級レンズに思えます。

 

個人的には、広角ズームがなくて、思い切ってEF 16-35mm F2.8L II USMを買おうかどうしようか迷っていたところ。「渡りに船!」という感じです。広角はボケを重視するわけではないので開放F値は2.8でなくてもいいし、画質のレビューを見てからのことですが、ひょっとして買ってしまうかも。

 

問題は大きく、重くなったこと。最近のツァイスやシグマの単焦点標準レンズも光学性能を重視して大きく、重くなっています。

できれば軽いレンズがいいんですけどね(そして安く)…

 

Canon 超広角ズームレンズ EF-S10-18mm F4.5-5.6 IS STM APS-C対応 EF-S10-18ISSTM

一方、EF-S 10-18mm F4.5-5.6 IS STM(写真左、フリー画像)は、小型軽量に重点を置いたAPS-C用レンズ。手ぶれ補正も備わり、Kissシリーズカメラなどで使いやすそう。

重厚なEF 16-35mm F4L IS USMとは好対照。

 

 

 

さて、次の発表は標準ズームレンズかな?

そして標準単焦点レンズは出るのか?

楽しみです。


アンドレアス・グルスキー展

2014年05月10日 | イベント

大阪の国立国際美術館で開かれている「アンドレアス・グルスキー展」(2/1~5/11)を見ました。(東京では、昨年7/3~9/16に国立新美術館で開催済み)

国際的に有名なドイツの写真家。

その名前は知らなくても、「世界で最も高額の写真」で話題になった写真家といえば、覚えている人がいるかも。

2011年11月、ニューヨークのクリスティーズで、グルスキー氏の「ライン川 II (Rhine II)」という作品が430万ドル(当時のレートで約3億3300万円)で落札され、史上最高額の写真になりました。(GIZMODO ジャパン 参照)

ネットで作品は見ていますが「実際に見てみるとどんな感じだろう」と思っていました。また、日本の「カミオカンデ」を撮った写真も展示されているので、「行かないと、もう見られなくなってしまう」と、閉幕間際の5月9日にあわてて行ってきました。

 

斬新な外観の国立国際美術館

 

展示室は地下。

 

入場券売り場。「カミオカンデ」の写真が使われていて、スマホで写真を撮る人も。

 

グルスキー展の入り口。

 

会場内の写真撮影は不可でした。(作品は「アンドレアス・グルスキー展」のホームページで見られます)

大伸ばしした巨大な作品群。

おびただしい群衆や、繰り返される規則的なパターン、上から俯瞰した壮大な眺めといったモチーフが多いですね。

 

隅々までピントがあったように見える精細な画像。

どうやって撮ったのでしょう。

今はなくなった“場立ち”を写した東京証券取引所(1990年)のような比較的初期の作品は、大型のフィルムカメラが使われ、そのままプリントされているようです。その後はデジタルも取り入れた「スティッチング」という技法が使われているとのこと。

図録の解説によると「スティッチング」は、大判フィルムカメラで撮影、ネガをスキャナーで読み取り、モニター上で修正。さらに複数の画像をつなぎ合わせて1枚の画像を作成、プリントするというもの。2つの撮影ポイントから撮った画像を、それと分からないぐらい巧みにつなぎ合わせた作品もありました。

 

会場で買ったポストカード。上が「ライン川 II (Rhine II)」(1999年)、下は「F1 ピットストップIV (F1 Pit Stop IV)」(部分、2007年)。

 

「Rhine II」は、グルスキー氏が日ごろランニングしながら見かけた風景。背景の建物をデジタル処理で消し去って単純化。抽象画のようにも見えます。

展示されていた作品はそれほど大きくありませんでした。

「これが3億3300万円?」という感じ。

 

しかし、クリスティーズに出品されたものは、もっと大きく引き伸ばされたものだったことが後で調べて分かりました。

クリスティーズのページによると、画像の寸法は「185.4 x 363.5 cm」。横幅が3mを超える、すごく大きな作品ですね。

また同ページの記述では、世界の美術館や個人が所蔵している「Rhine II」はわずか6点(展示品は、パンフレットによると作家蔵)だそうです。

 

『「3億円を超える写真」:その理由』という記事が、WIREDに出ていました。

『Christie’sの欧州現代美術部門責任者であるフランシス・アウトレッドは次のように説明する。「この作品にはエディションが6つある。そのうち、3つは公立美術館(ニューヨーク近代美術館、テート、ミュンヘンのピナコテーク・デア・モデルネ)、1つは私立美術館(ポトマックにあるグレンストーン)にあり、2つのみが個人コレクション用となっている。今回落札された作品はその1つだ。つまり、1枚だけしかない絵画と同じくらい希少なのだ」

アウトレッド氏によると、作品のサイズと技法も考慮されたという。「前例のないスケールである上に、傑出した印刷技術を駆使し、色使いと“きめ”が絵画に匹敵する。グルスキー氏は、文化における写真の意味を再定義している芸術家たちのリーダー的存在となっている」』

 

フーム、なるほど…

 

クリスティーズのページでは作品の部分を拡大して見ることができます。ライン河岸辺の草など隅から隅まで細かく表現されています。大伸ばししてこそ価値が分かる写真といえるでしょう。

 

ほかにも「カミオカンデ」やディスカウントショップの「99セント」、「ピョンヤンI」、「バンコク」の川シリーズ、衛星写真を使用した「オーシャン」など、写真の枠を超えたアート。すばらしいものばかり。

見てよかったですね~

 

館内のレストラン&カフェ。

ここでハーブティーを飲んで一服。

 

ハーブティー(ローズヒップ)。ガラスのポットを温めながら飲め、優雅でした。

 

-------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ    ソニーRX100


シンデレラレンズ作例集(4) 中之島バラ園

2014年05月08日 | カメラ

バラ園を撮る

大阪・中之島公園のバラ園で、バラが咲き始めています。見ごろは5月中旬からになりそう。

花の写真の定番といえばマクロレンズ。しかし、あえて“シンデレラレンズ” キヤノンEF 50mm F1.8 II でどこまで撮れるか試してみました。カメラはEOS 6D。

 

「スパニッシュ ビューティ」(スペイン)。     F1.8  1/2000秒 ISO100

開花時期が早い品種なので、すでに満開。

 

「メアリー ローズ」(イギリス)。     F1.8  1/800秒 ISO100

 可愛らしくて、イングリッシュローズの中でも好きな花です。

 

これも「メアリー ローズ」。     F1.8  1/800秒 ISO100

難波橋の下の、入り口あたり咲いています。

 

鮮烈な赤。「ダスキー メイデン」(イギリス)。     F2.8  1/2000秒 ISO200

 

「スイート ドリーム」(イギリス)。     F1.8  1/1250秒 ISO100

 

「ピーチ ブロッサム」(イギリス)。     F1.8  1/1000秒 ISO100

EF 50mm F1.8 II の最短撮影距離は45cm。そのままでは、ここまでアップにできないので、約1/2にトリミングしています(横写真を縦にバッサリ)。

 

「マサコ」(別名 エグランタイン)(イギリス)。     F5.6  1/125秒 ISO100

 皇太子妃雅子様に捧げられたエレガントなバラ。開花が進むと、最初の「メアリー ローズ」と同じようなカップ咲きになります。個人的には、咲き始めのこうした初々しい姿も好き。

右側の花もあまりボカしたくなかったので、F5.6まで絞りました。すると、背景の小さな点光源が五角形に。

円形絞りではないので、絞り羽根5枚の形が出ます。このあたりは安いレンズの限界。

 

「アルシデュック ジョセフ」(フランス)     F5.6  1/80秒 ISO100

 

「オールド ブラッシュ」(中国)。     F5.6  1/80秒 ISO100

花の色がさわやかなので、何となく撮ったカット。あとで家にある「決定版 バラ図鑑」(講談社)で調べると、バラの栽培史で重要な役割を担った原種のチャイナローズと分かりました。

同図鑑によると、『スウェーデンで1752年に発見。四季咲きのバラとして中国から西洋へ導入された最初のバラ。』と書かれていました。霜が降りるころまで咲き続ける、元気な品種だそうです。

 

「荒城の月」(日本)。     F1.8  1/1000秒 ISO100

背景は「R Riverside Grill & BEER GARDEN」 というビアガーデン。

 

マクロレンズで花をクローズアップするのもいいですが、こういう標準レンズ(できればボケの美しいレンズ)で、背景を入れながら撮るのもあっていいのではと思います。

-----------------------------------------------------------------------------

撮影カメラ・レンズ

   キヤノンEOS 6D

   EF 50mm F1.8 II

------------------------------------------------------------------------------

関連記事

   ・シンデレラレンズ作例集(3)(1/24)

   ・シンデレラレンズ作例集(2)(1/22)

   ・シンデレラレンズ作例集(1)(1/20)


キヤノン新レンズ 間もなく?

2014年05月06日 | カメラ

ようやく「レンズの年」に

今年はキヤノンにとって「レンズの年」になるとか言われていました。それがいよいよ動き出しそうな気配です(キヤノンの“年度”は12月までなので、もう半分過ぎていますが)。

 

『キヤノンが2014年度に、過去最多となる10機種前後のレンズを売り出す見込み。』と日経新聞(5/6付)。

ネット版ではない日経の紙面を読んでみました。そんなに詳しく書かれているわけではなく、

『特徴などは明らかにしていないが「過去最大のレンズ本数を投入する」(真栄田雅也専務)としており、初心者向けから最上位機種まで品ぞろえを充実する。』

という程度の内容。

 

おそらく、ミラーレスのEOS M 用、EOS 7Dや70D、KissシリーズなどAPS-C 機用、プロ向けも含めた35mmフルサイズ機用それぞれ何本かが発売されるのだろう、と想像できるぐらい。

ただ、キヤノンとして「過去最大のレンズ本数」と言明したのが大きいですね。

キヤノンユーザーに期待を持たせます。

 

昨年末、デジカメWatchが行ったインタビューにも真栄田氏は登場していました。

『メーカーインタビュー2013:キヤノン編 ---来年はレンズの年か。一眼レフ、ミラーレスのどちらも強化 --- キヤノン・常務取締役でカメラ事業を束ねる眞榮田雅也氏に話を聞いた。 』(2013.12.9 デジカメWatch

このときは常務。

「オヤ、専務になられましたか… 」と、身にしみついたサラリーマンの性(さが)。よけいなことに気が付きます。

 

インタビューから、同氏のレンズについての発言を引用させてもらうと、

『EFレンズ群についてはリニューアルをより一層、押し進めていきます。光学設計の旧いものはもちろん機能の面でもアップデートが必要なものはありますので、順次リニューアルを進めます。エントリークラスのレンズはある程度揃っていると考えていますが、“遊べる”という面で楽しみ方を広げるレンズを出せればと思います。具体的に申し上げることはできませんが、いろいろと新しい光学系のレンズを計画しています。きっと“おおっ!”と唸っていただけるようなレンズが登場するかもしれないですね。

 EF-Mに関しては、まだまだこれからレンズを拡充しなければならない状況ですから、もちろん多くのレンズを出していきます。フルラインナップを目指すのか? という意味では、(EF、EF-Sの既存資産に頼るのではなく)EOS Mユーザーのニーズに合うレンズをフルラインで揃えていければと思います。』

とあり、日経新聞の記事もこの流れに沿っているようです。

 

インタビューにある“遊べる”レンズって… 何でしょう。

 

EF レンズ1億本達成 記念イベント

キヤノンは4月22日、EOSシリーズ用のEFレンズの累計生産本数1億本を達成しました(ニュースリリース)。

Canon 望遠ズームレンズ EF200-400mm F4 L IS USM EXTENDER1.4× フルサイズ対応

   写真は、1億本目のレンズ「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×」(フリー画像)。

 

1億本達成とキヤノンフォトサークル創立60周年を記念して、銀座、梅田、福岡、名古屋、仙台、札幌のキヤノンギャラリーを巡回する特別企画展「60種のレンズで彩る『私のEFレンズの世界』」が開催されます(キヤノンのページ)。

キヤノンフォトサークル会員を対象に今年2月から募集していた写真展で、日程は次の通り。

6月19日(木)~ 6月25日(水)  オープンギャラリー銀座
7月3日(木)~ 7月9日(水)    キヤノンギャラリー梅田
7月17日(木)~ 7月29日(火)  キヤノンギャラリー福岡
8月7日(木)~ 8月27日(水)   キヤノンギャラリー名古屋
9月11日(木)~ 9月22日(月)  キヤノンギャラリー仙台
10月16日(木)~ 10月28日(火) キヤノンギャラリー札幌

これと連動して、銀座・名古屋・梅田のショールームでは、プロ写真家を招いたスペシャルトークイベントやワークショップ、 “世界初”を集めた歴史的なレンズの展示などがあります(ショールームイベント詳細)。

 

シロウトの“勘”ですが、新レンズの発表はこれらのイベントに合わせてくるのではないでしょうか。マーケティングとしては、「1億本」という華々しいキャッチフレーズを利用しない手はないでしょう。

もっと深読みすると、すでに新レンズは出来上がっていて、「1億本達成」まで発表を手控えていたのでは。

となると、間もなく新レンズが発表されてもよさそうです。

 

穿ち過ぎですかね…

 

詳細なアンケート

私も一応キヤノンフォトサークル会員なのですが、先日「会員アンケート協力お願い」のメールが来ました。

軽い気持ちで記入し始めたところ、これが実に長大で詳細極まるもの。

持っているカメラ、レンズ、それらをいつ買ったか、今後買いたいカメラやレンズは何か、カメラ性能の何を重視するか、カメラライフについての考え方など、根ほり葉ほりという感じ。30分以上かかりました。

液晶モニターのクリーニングクロスがもれなくもらえるそうですが、これだけ詳細に答えたら「抽選で豪華景品」に当たってもよさそうなもの。

 

新レンズの開発計画と関係があるかどうかは不明。たぶん今後のデジタルカメラ戦略を練り直す参考にするのでしょう。

 

個人的な希望としては「(休止中の)キヤノン大撮影会復活を!」と書いて送ってやりました。

経費の問題はあるかもしれませんが、同じようなユーザーのサークルを持つニコン(ニッコールクラブ)は撮影会を継続しているのに… という思いで。