5月24日、ソニーストア大阪の「新商品体験会」(5/24-5/25)に行ってきました。発売前の「α77II」「α7s」「RX100III」を手にとって試せるほか、プロカメラマンによるトークショーがありました。
トークショー。この日はカメラマン・小澤忠恭さんの「α77II で撮る高知・四万十川の旅写真」。立ち見ができるほどの盛況。
「日本最後の清流」といわれる四万十川への思い入れ。それが良く伝わってくるトークでした。
α77II のセンサーはAPS-Cサイズ 2430万画素ですが、縦位置写真を何枚も横につないだ10000画素を超えるみごとなパノラマ写真も。パソコン上での操作のコツを教えてもらいました。簡単に言うと、マニュアル露出で撮ること、つなぎ目は空や川面など単純な部分を曲線で選んで… ということでした。
α77IIの良さとしては、AFポイントが79点に広がったため被写体をとらえやすくなったこと、高感度性能がアップしたことなど。
また3軸チルト液晶モニター+顔認識AFで撮ると、ファインダーをのぞくより、地元の人の自然な表情が撮れる、というスナップのコツも。
他にも撮影の秘訣が色々。参考になりました。
ときどき、写真とはあまり関係のない話に脱線。
10年前にも訪ねたある集落で、昔見たスクールバスを見かけないので、住民に聞くと「子供がいなくなったから、スクールバスはない」とのこと。
年寄りばかりになり、洪水で流された橋を架け直すのも大変だそうです(上流の“流れ橋”)。
情緒のある「沈下橋」では、渡る人や車を撮ろうと思ってもなかなか来ない、という話でした。
少子化、過疎の深刻な現実…
トークのあと、新商品をタッチ&トライ。
α77II。オーソドックスな一眼レフのスタイル。
79点のAFポイント(中央部15点はクロスセンサー)と、最高約12コマ/秒のAF追随連写で、スポーツなどの動きものに強そう。
3軸チルト液晶モニター。
横位置のみのチルト液晶と違って、縦位置写真にも対応。ローアングルから撮る人物、建物、花、猫… いろいろな被写体に便利ですね。
これは横位置の場合。
次に、買おうかどうしようかと迷っている「RX100III」。
正面の外見は初代の「RX100」とほとんど変わらず、少し重くなったのも気になりません。
相変わらずポケットに入るコンパクトさ。
電源を入れるとレンズが伸びます。35mm判換算で24-70mm、F1.8-2.8の明るいZEISSバリオ・ゾナーT*レンズ。
センサーサイズは1インチでも、ツァイスレンズのおかげか、この「RX100」シリーズはとにかく写りが良いです。
自分が持っている「RX100」と卓上の花までの撮影距離を比べてみました。数字で何センチとはっきり言えませんが、「RX100III」はかなり被写体に「寄れる」カメラに進化していました。これで花のマクロも撮れそう。最短撮影距離は約5cm(ワイド端時)~約30cm(テレ端時)です。
レンズのほかのもう一つの特徴は、ポップアップ式内蔵ファインダー。
0.39型 電子式ビューファインダー(144万ドット)。
「FINDER」のつまみを押し下げると、ファインダーがポップアップ。「PULL」と書かれた接眼部を手前に引いて使用します。
小さすぎておもちゃのような感じもするファインダーですが、覗いてみると割に視野も広く、充分使えます。明るすぎる戸外で液晶画面が見づらい時、役に立ちます。
同じくポップアップ式のストロボも内蔵。小さいボディーに、あれもこれも、と欲張って詰め込んでいます。開発チームはかなり苦労したのでは…
自分撮りもできるチルト式液晶モニターを備え、コンパクトカメラとしては完璧。もう、これで決まり! という個人的印象でした。
最後にハイエンド機「α7s」。
35mmフルサイズ・ミラーレス一眼「α7」「α7R」に続く第3弾。
「α7」が2430万画素の手軽なフルサイズ機、「α7R」が3640万画素の超高画素フルサイズ機とすると、「α7s」は1220万画素と画素数を抑えたかわりに、思い切り高感度性能に重点を置いたフルサイズ機といえます。
最高(拡張)感度ISO409600。
これはプロ用最高級機であるキヤノンの「EOS-1 DX」(同ISO204800)を超え、ニコン「D4s」と肩を並べる性能。
さらにEV-4 という極端に暗い被写体にもAFが効きます。
ISO感度は409600まで。
試しに撮ってみたISO409600の画像は…
絞りF20、シャッター速度1/8000秒。普通では考えられない露出設定。
部分を拡大。当然、ノイズは目立ちます。でも最低限の色あいと被写体の外形は保っています。
まあ、通常の用途には画質的に無理でしょう。しかし、どうしてもこの感度が必要という場合もあり得ますから。
会場で聞いた説明では、夜間に野生動物を撮る、暗い演奏会場で撮る---ことなども想定、高感度性能に加えてシャッター音を完全に消すサイレント撮影ができるとのこと。
サイレント撮影、実際にやってみました。完全に「無音」です。写ったかどうか分からないので、再生画像を出してみるとちゃんと写っています。
電子先幕シャッターという、先幕を電子制御にするのはこれまでにもありました。その場合は後幕がメカニカルシャッターなので、後幕が作動する音はします。「α7s」の場合どんな仕組みになっているのか… 確かめそこねました。
暗所に強い高感度性能、そしてサイレント撮影とくれば、よからぬ用途も想像できます。
そのためでしょうか、ソニーのプレスリリースでは「サイレント撮影機能は、被写体のプライバシーや肖像権に十分ご配慮の上、お客様自身の責任においてお使いください。」と注釈がついています。
ウ~ン、でもユーザーは様々でしょうからねェ。海外で、パパラッチのようなカメラマンが使ったりして…
このほか、4K動画が撮れ、プロ向けの動画撮影機能も備えています。
4Kはまだまだこれからの技術ですが、ソニーらしく「尖った」カメラだと思います。
ちなみに、東京の銀座ソニービルでは、「α7S」専用の高感度撮影コーナーが設けられ、ほぼ暗闇に近い明るさで高感度撮影を体験できたそうです。大阪でもやってほしかったですね。(デジカメWatch『ソニー「α77 II」「α7S」「RX100 III」体験会レポート 』参照)
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撮影カメラ ソニーRX100
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