ミル姐さんのカフェ



アニメ演出家を生業にしている兼業主婦のたわいない呟き

毎度の葛藤

2010-08-14 14:49:28 | 仕事
秋番組への作業移行中。
このシーズン必ず葛藤するのが、ローテーションの入り方
私は各話コンテマンとしてのみ参加する時、いつもこれで悩みます。
コンテを切る際に、事の大小に限らず自分の思惑を入れ込んで、それを作品に反映させようとする場合、最低でも3本ローテーションくらいは必要。
3本ローテーションであれば、間のシナリオを読まずとも大体の伏線のバランスなども予測でき、コンテ打ち合わせの段階でも率先してアイディアを出せます。
また、処理の仕方やキャラクター付けなども定着させやすいので、積極的に自分の好みをぐいぐい出させてもらう事もしばしば。このパターンは『プリンセス・チュチュ』とかが結構如実に出ているかも。
別のパターンとしては、『今、そこにいる僕』なんかは、そのあたりを上手く利用したコンテ配分をされていましたね。
ヘリウッドとザリ・バースという二カ所の舞台でそれぞれのカラーが違うんですが、私はザリ・バースの部分のみをコンテするように発注されていました。
だから、話数をまたいで(話数続きで)コンテすることもできたし、たとえ多少話数が離れても、感覚的にはシーンが繋がっているように無理なく調整できました。非常にうまい分け方だと思います。
でも通常のシリーズの場合、舞台がきっちり分けられるわけではないので、まず同じことはできないでしょう。

かなり間のあるローテーションで自分アピールをしようとすると、逆に浮いてしまったりして監督さんに迷惑をかけてしまうことになるので、割と消極的なコンテになってしまうことが多いです。これが結構なストレス
かといって、1作品に三本ローテーションで入るというのはなかなか難しい・・・。
気持ちはあっても、先方の都合や、自分のキャパシティにも限界があるので、実現する事は稀です。
仕事の転換期には作品数を減らしてヘビーローテにするべきか、緩いローテで作品数を増やすかのジレンマにいつも悩まされます。
自分にフィットしている(監督さんの力に多少はなれそう)と思われる作品に巡り会えれば、確実に前者を選ぶんですけどね。
だってその方が断然楽しいから

仕事とはいえ楽しんでなんぼです。
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