今日は某作品の
美術打ち合わせがあって、美術さんのところに伺いました。
美術打ち合わせはシーンごとの時間帯や欲しいイメージを背景担当の監督さんと、すりあわせる作業。
打ち合わせは順調に進み、終わった後スタジオの見学をさせて頂いて、
楽しかった~。
最近は美術も紙に描くものからパソコン上で直接描き上げるものに移りつつありますが、パソコンで背景を描いてる様をみるのは実は初めて。
以前自分のオリジナル作品の
パイロットフィルムを作った時は、背景作業を自分でやらなきゃいけない状況だったんだけど、時間的に紙や絵の具を揃えることができないので、私も
パソコンで仕上げたこともあったの。(上がりの内容はメインページのギャラリーのレポートにある、『トップページの詳細』で明らか)
当然素人なので
スキルがないのもあるけれど、とにかく
ツールをうまく使いこなせなくて、気が滅入った覚えがある。
でも
プロはやっぱりすごいな~。←当たり前
どのようにしたものか、筆で描いてるかのようなニュアンスが、目の前で表現されていてびっくり。
教えて欲しい~。
背景がデジタル化されて、格段に便利になったのは時間経過の表現。
よく、夕方から夜に時間が移動するのをワンカットでカメラ固定で見せることとかあるでしょ?この場合背景は同じアングルで夕方と夜のものを二枚用意して、オーバーラップでつなぐんだけど、二枚の背景が微妙にずれてたりすると
ものすごく目立つというかみっともないのよね。
でも、紙に描いてた時はそういうズレはよくあったし、
避け難いことでもあったのよ。
紙に描く場合、鉛筆で下書きするわけにもいかないので、
鉄筆という先の尖った道具で(写真真ん中)レイアウトの線をなぞって画用紙に
溝をつけて、それを下書き代わりに色を乗せていたの。同じレイアウトで別の色の背景を描く場合は二回その作業をする・・・
この段階でズレが生じてくる。
一番ズレが目立つのは
直線部分だと思うけど、直線も筆で描くから、微妙な力加減で太さが変わっちゃったりするし。
ちなみに筆で直線をひく時は、直に定規が当てられないので
溝びきという方法を使うのだけれど、これがなかなか難しい~。背景さんはすごいわね、ホント。
ちょっと溝びき定規が家になくて写真におさめられなかったけど、定規の平面部分に6ミリくらいの溝が彫られているものがあって、その溝に写真左の攪拌棒などを沿わせて持ち、同時に筆をコンパスのように広げて持って、棒の方を定規上で滑らせることで直線を描いてたの。これもズレが生じやすいポイントじゃないかな。
でもデジタルの場合はまったく同じ素材の上に(データをコピーして)描くことができるので、寸分違わない状態で仕上がって、オーバーラップしても狂いがでない。
なんて便利!
なんといっても
絵の具が剥げることがないもんね!
紙の時はほんの数ミリの爪傷でリテイクをお願いしなくちゃいけなかったので、背景の保管場所とか確保するのも大変だったわ。
初めてアニメがデジタル化された時にはあまりの発色の違いに
賛否両論あったのが、今は
遠い昔のよう
( ´ー`)
道具はもちろん、技術も格段に上がって、今後どんなことができるようになるのか楽しみでしょうがないわ。
自分がそこになかなか追いつけないのが玉にきず f^_^;