言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
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その他勝手な思いを日記代わりに。

映画「ドライブ・マイ・カー」

2021-08-20 | 映画 音楽
監督:浜口龍介 脚本:浜口竜介 大江崇充 音楽:石橋英子  179分  原作:村上春樹
演者:西島秀俊 三浦透子 霧島れいか 安部聡子 韓国ユニット

村上春樹作品に触発された映画。最近では「ハナレイ・ベイ」。この映画ではハワイの潮風のような後味を感じたけれど、今回のは違った。
主役は脚本家であり俳優という設定だし、物語に戯曲「ワーニャ伯父さん」の舞台演出を手掛けるシーンも多く取り入れてあって、車の中でもそのセリフをおぼえようとするシーンがあったりで、このことはこの作品の底に流れる大きな要素になってるのかもしれない。
原作を読んでないので映画だけの世界かもしれない。
ついでに本では感じられないと思うけど手話のシーンがあって、とても印象に残った。しなやかに様々に変化する手の激しい動き、身体の動き、顔の表情、目の動きなどと相まって手話も演劇に十分に耐えられるのだと知ったのは収穫だった。
いい加減途中まできて配役の字幕が流れる。あれって最近の映画のハヤリなのかな。
しかし何が言いたかったのだろうか。私小説の世界ではさほど珍しくもないストーリーのように思うけど、わからない。全体、映画というより演劇という印象だ。
主役の連れ合い、また短期契約の専属ドライバーはともに女性。二人ともどことなくアブノーマルで何かを秘めている、他人に話さないものを感じさせて、役者って凄いなと思う。
息抜きとして観る映画ではなかったな。でも長さを感じさせない緊張感と迫力のある映画だった。