原題:THE MULE
監督&主演:クリント・イーストウッド
88歳になってるというクリント・イーストウッド。顔は皺くちゃだけど動作は軽快にして洒脱。
原題は「ザ頑固者」みたいな意味らしいが、いい意味悪い意味いろいろあるのかもしれない。
ストーリーは、花の栽培・販売に情熱を燃やし、外面は良いものの内面は全くダメという役、しまいには家族に無視同然にされてる。そのうち頼りの花の事業で、時流に乗り切れずに失敗し、畑は差し押さえられ、寂しい晩年を過ごす羽目になる。そこに舞い込んだのが、運び屋の仕事。広い大陸を一人、気ままにものを運んで、大金の報酬を得る。味を占めて運びも重なってくるが、さすがにどうもヤバいものを運んでるらしいことに気が付く。それでも警察に捕まらないことをいいことにずるずると運んでいたが、しかし麻薬捜査官のほうも苦心惨憺の末、ようやくこの年老いたドライバーを突き止め、検挙されてしまう。このような実話があったらしく、実話に着想を得てこの映画を製作したらしい。
派手なアクションもカーチェイスも銃撃戦もなく、家族・組織の仲間・捜査官等との関わりあいを描き、観ていて退屈しない。気の利いたジョーク、アメリカンな音楽、広々とした大地・・・
裁判にかけられて、弁護士が擁護するスピーチの最中、「自分は有罪だ。」というが、それは麻薬の運び屋だけでなく、家族へむけてのメッセージだったのかもしれない。