言葉のクロッキー

本とかテレビその他メディアから、
グッと感じた言葉・一文などを残してゆきたい。
その他勝手な思いを日記代わりに。

映画作家 大林宣彦

2018-03-18 | 語録
(学生のために、早稲田の映画祭実行委員会と早稲田大学演劇博物館が協力して大隈講堂にて開催)

・(肺癌で)余命3ヶ月と言われ、いま、1年と4ヶ月目を過ごしています・・
・映画とはフィロソフィー。日本人の美しさをこそ描きたい・・
   フィロソフィーとは哲学・哲理というのでしょうか 私はこういうことを考えているが故に映画を作っているんだと・・
     自分のフィロソフィー 
      自分が世界に対してどういう考え方を持つかということを映画から学ぶと、
柔軟により深く、広く自分の中にその自覚が生まれてくる
   売れるための映画など一度も作ったことがない。売れなくとも、今作るべきフィロソフィーの映画を作り続ける・・・

・「一番大事なことは何ですか?」と問われるなら
   最初に戦争体験がありました。その戦争体験を皆さんに伝える為に映画を作り続けています・・・・
   人が生きてる死んでるということは一種の映画の中にいるように虚構のようなもんでね・・
   昨日まで絶対正しいと思っていた日本の政治が、一夜明けたら間違いだったと言われ・・・これね~・・・大変衝撃的なことでしたよ。 日本が戦争終わっても誰も殺してくれない。そして生きちゃったら、大人たちは平和難民になっちゃって、「平和だ、平和だ」と言ってすき込んでる。俺たちはどうやって生きりゃいいんだ。つまり僕たち敗戦少年は戦後に迷子になっちゃった。
   どんなに残酷でひどい目に遭っても、それを涙で見て、反省した映画を見ると、良い映画を見たと・・・・     だけどそれを見ながら、そんなことってあるの?こんな映画を見出すとなにか戦争が間違った方に伝えられるぞと感じたのが僕たちの世代です。

・表現する人はね、「ゆるキャラ」だけには成るなよ と・・・
   国民が皆、ゆるキャラになってごらん。政治やり易いですね。国民は何も考えるな、権力者の言う通りやれば間違いはないぞと・・・

・皆さんは、「戦争はもう遠い過去のことではなく、もはやすぐ明日にでも来るかもしれない戦前を生きてる人たちです」

・表現者には守るべきことがある。表現者というのはプラカードを担いではいけないです。プラカードを担がないと覚悟した人が表現者になるのです。

・映画とは人類にとって大変役立つ素晴らしいものである・・・
  芸術は死後100年して理解されるもの。いま理解される映画じゃ駄目だ。シネマゲルニカだ。ウソだけどマコトが伝わる。  
 映画には力と美しさがある。映画には素晴らしさと美しさと知恵がある。それを信じてくれ。
                                                            NHK BS1 最後の講義