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楽学天真のWrap Up


一語一句・一期一会
知的遺産のピラミッド作り

聖書について

2009-12-26 08:21:08 | 人間
ぼくたちが聖書について知りたかったこと
池澤 夏樹
小学館

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イスラエル、ユダヤ、キリスト教、人間理解、平和、死
永遠不滅の殺し合い
そのような思いにつられて本書を手にした。
私は池澤夏樹小説のファンでもあり、実はカデナを探していて本屋へ行ったのであるが、これが目に飛び込んだので買っておりた。
断続的ではあるが、ようやく少し読む時間ができて読んだ。
池澤夏樹の小説がなぜ、こころに響くのかちょっとわかった気がした。
誤訳から生じたマリア処女伝説、
ユダの福音書を巡る議論、
悪者がいていっそう引き立つというパラドックス、
矛盾に満ちた聖書と弁証法のはじまり、
イスラエルとユダヤ

少し分かった気がしたが、3000年以上も続く人類の苦悩
それは、人類が滅亡するその時までなくならない、という昔からの確信だけは一層強くした。
滅亡までの時間、短くて1万年、長くて200万年
それが最新染色体分子時計の予想だ。
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恋の手紙 愛の手紙

2009-12-24 06:58:04 | 人間
恋の手紙 愛の手紙 (文春新書)
半藤 一利
文藝春秋

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一年振りのこのサイトへのup
生きていました。どうも表サイトで忙しく。人間、二股はむずかしいですね。
でも、たまにはここにも。
この間、忙しくはあったのですが、航空機の中で読んだのがこの本。
忙しいほど、無関係なところで心を休める。


昔の人は、どのように愛の手紙をしたためたのか。ふと、本屋で手にしてあったこの本を持って旅に出た。

本の前半は、歳も離れた男の不倫が主体。
その思いは、私も男だから分かるのだが、どうも女性の側の熱い思いが見えない。
著者も男だから仕方がないのか、と。
でも後半は、少しはその逆もあり、ややバランス回復。
いずれにしても、人生が短い時代、生き急ぐ男の情念だけが、目につく。

その中でも、私がこれは哀れだ、その思いを抱えて死んで行ったとして心が動かされたのは、「岡倉天心」だ。
絶世のインドの美人に魅せられてしまった一期一会。

私は、なぜか彼の破天荒な生き方にあこがれがあった。
それもあって、字は異なるが、「楽学天真」のペンネームをつけたのだ。
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望みは何と訊かれたら

2008-10-04 22:10:34 | 人間
望みは何と訊かれたら
小池 真理子
新潮社

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いつだったかNHKの週刊ブックレビューで紹介されているのを見て、
「お!読んでみたい」と思った。
小池真理子は私と同世代の女流作家。名前は知っていたが読んだ事はない。
学生運動を経験し、その最中の人間模様を描いているらしい。
私は、小説などはほとんど読まないが、昔、学生運動の経験もあり、引きつけられた。
そして、本屋で見つけて買ってあったが読む暇がなかった。
しかし、休みが取れたらこの本を読もうと決めていた。
(そのような本が、実は、山とあるのだがーー)

最後まで、読者を引きつけてやまないサスペンス調で展開しつつ、終わりはない。
なぜなら、まだ続いているからである。小池真理子が八十にになれば、更に書けるのかもしれないが。

貫かれていることは、
日常の安定の安堵と、非日常の不安定の緊張の恍惚の狭間で強く揺れる人間の性である。
この生き様は、あの時代に青春を経験した者でなければ理解不能かもしれない。

読んでいて私はふと、第二次世界大戦の時に青春を過ごし、いま人生を終えようとしている世代のことが頭をよぎった。
それは命を強制的に中断させられるという、非日常の中で過ごした青春、そしてその後の時間的には圧倒的に長い安定的な日常の人生(もちろん相対的にという意味でしかなく、私には想像でしかないのであるが)の対照があった。
そして、いま本当に命の灯火が消えようという時に、その非日常の青春の意味を確認し、後世に伝えたいという叫びが心を打つ。

あの揺れ動いた時代の青春は、このような世代に比べれば、ひよっこ程度のものでしかないかもしれない。
しかし、人生の中の、命をかけた非日常であったことだけは間違いない。

そういえば、私も「日常性から脱却せよ!」には引きつけられたな。いまでも、「非常識」が好きだ。






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悩む力

2008-09-19 20:09:24 | 人間
悩む力 (集英社新書 444C)
姜尚中
集英社

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私は彼が、「朝までテレビ」に出演していた時から、その論理の明晰さに注目していた。
差別される在日であることによる卑屈さ、差別への憤りなどから、誇りへの脱皮。
そして、自らの立ち位置こそ、日本も韓国も、そしてアジアを、世界を変えていくことの出来る、という崇高さ。
それは、祖国の独裁時代に立ち上がり、闘った青春時代から既に蓄積されている。
日本でも学生運動の嵐が吹き荒れた。一切の既存の価値観を否定せよと。
人は悩み、苦しむほど人生が輝く、という一つの例だ。
私は、昨今横行する日本、韓国、中国での偏狭な民族主義を唱える人たちに、彼の生き様を見て欲しいと思うばかりである。

ちなみに、彼は私と同じ歳。
その時は、今と違い、在日の人たちは国立大学への入学資格すらなかったのだ。
極めて優秀な、人格的にも優れた私の友は東海大学だ。

私学はどんどん受け入れた。早稲田はその先頭にいた。
だから、早稲田大学は韓国に多くに人脈を持っていて、私たちの分野では最もアジアで信用のある大学だ。





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自己管理

2008-02-27 17:16:20 | 人間
フロイトで自己管理 (角川oneテーマ21 B 104)
齋藤 孝
角川書店

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斉藤孝氏は超多作である。
ホームページでチェックすると実に月1冊以上書いている!
原稿用紙にすると1日平均で10枚以上は書き続けている勘定になる。

論文は本を書き出してからはない。
文系であるから本と著作との区別はないのであろう。
ブログなどというものもやってはいない。
すべてのエネルギーを著作に費やしているかに見える。

では、中身は乱作か?
というとそんなことはない。
極めて実践的であり、ストンと落ちる。
これもそんな1冊である。
「生き方how toもの」の様でもあるが、役に立つ。
私も、<なるほどなるほど>と引き込まれた。

もんもんと悩める諸君、これは役に立つかもしれないね。
自分を見つめるのに。

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