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「免疫力をあなどるな!(矢崎雄一郎)」という本はとてもオススメ!

2016年08月19日 01時00分00秒 | 
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 「免疫力をあなどるな!」という本は、医師でテラ株式会社代表取締役で、免疫治療でがん治療の発展に取り組んでいる矢崎雄一郎氏が、健康にとって最も大切なものは「免疫力」で、その免疫や免疫力が高まる生活習慣などについて分かりやすく説明したものです。

 免疫力を高める生活習慣は以下の3つとのことで、一言でいえば「食事メイン、運動サブ」の生活を送り、ストレスを取り除くことが大切なようです。
また本書ではそれら具体例も記載されています

①「ボス細胞(樹状細胞(免疫機能を操る司令官))」を活性化させる食事を摂る
②運動を「汗をかく前」にやめる
③「ストレスフリー」な環境を整える

また、以下も大切なようです。
・日に2回以上の歯磨き
・十分な水分補給
・トイレやあくびは我慢しない
・仮眠を含めた十分な睡眠
・納豆キムチや、野菜などを皮ごと食べること
・寝る前に人生で一番楽しかったことや嬉しかったことを思い出すこと

 「免疫力をあなどるな!」という本は、健康を考える上で参考になることがたくさん書かれていて、とてもオススメです!

以下はこの本のポイント等です。

・私は「一人でも多くの患者を救いたい」という想いから外科医を辞め、今では最先端医療のひとつ、「免疫細胞治療」の開発に日々明け暮れています。樹状細胞ワクチン「バクセル」の開発は幸運なことに注目を浴び、国内医療機関設備導入実績No1、国内治療実績No1、世界のがん抗原ランキングNo1など輝かしい成果に恵まれました。日々の体調から病気の治療まで、私たちが健康になるために最適な方法を、それこそ毎日のように考えてきました。そこで出したひとつの答えが「免疫力」です。

・「風邪は万病のもと」とは昔から言われていることですが、これは「風邪」が万病を引き起こす恐ろしいもの、という意味だけではなく、風邪を引くほど免疫力が低下しているということは、もっと恐ろしい病気にもかかりやすくなっている、という意味でもあるのです。病気になったあとも、免疫力が低ければ外敵をなかなか排除できず、回復に時間がかかります。

・風邪のときに熱が出るのは、身体がウイルスと闘っている証です。ウイルスを殺すリンパ球の力は平熱よりも高い体温でパワーアップします。私たちが生まれながらに持っている「ウイルスと闘う力」が、熱を出すことによって強く働きます。つまり、熱が高くても十分食事や睡眠がとれるのであれば、無理に熱を下げないほうがかえって風邪の治りも早いのです。では、熱が出るほど悪化する前に、できるだけ早い段階で風邪を治すにはどうすればいいのでしょうか。私は「風邪の引きはじめの予兆」のようなものに、いち早く気づくことができるように自分自身のバロメーターの感度を高めておくことが大事だと思っています。

・働きすぎたら休む。頑張りすぎたら肩の力を抜く。ごくごく単純なことですが、まずは一方にかたよっていると感じたら、必ず「逆のこと」をしてバランスをとることからはじめてほしいと思います。それを意識することができれば、忙しい人でも頑張りすぎる人でも、必ず今よりもずっと健康な身体を手に入れることができるのです。

・日本の食卓には欠かせない味噌汁ですが、実はこの味噌汁を飲んでいる人ほど身体は健康になることがわかってきました。味噌汁だけではありません。昔ながらの日本の朝ご飯は、とても健康にいいものだということが最近になって見直されています。それは、日本の食卓には味噌汁をはじめ、ぬか漬け、浅漬け、納豆など多くの発酵食品が登場するからです。このような発酵食品は日本食に限られたものではなく、キムチやヨーグルト、チーズやピクルスなど世界中の国々で見られ、いずれも健康食として大切に受け継がれてきました。

・清潔すぎる環境で育った子どもはアレルギーを起こしやすく、風邪を引きやすい大人になる可能性があります。免疫学では衛生仮説と呼ばれている考えですが、無菌状態に近い環境によって免疫の基礎となる機能を鍛えることができずに、弱体化させてしまうのです。子どものうちに適度に菌と接触できる環境にあれば、私たちの身体は鍛えられ、自然と抵抗力が身に付きます。子どもの頃の衛生環境が適切だったかどうかが、大人になった後の健康にまで大きく影響するのです。すべての菌を「汚い」「不潔」と排除しようとするのではなく、少しおおらかな気持ちで菌と”共存”してみることが最高の健康状態を維持するためには必要なのです。

・私たちの健康を日々維持している免疫細胞は、じつに全体の70%もの数が腸に存在しているのです。そもそも皮膚の面積と腸の粘膜の面積では広さのスケールが違います。説によって違いはあるものの、人間の身体を覆う皮膚の面積は、成人男性でもせいぜい1.5平方メートルなのに対し、腸官粘膜の面積は約400平方メートル、なんとテニスコートよりも広いのです。その大きな面積を有する腸の粘膜は、外来物である食物を消化吸収することで常に膨大な量の抗原と接触しています。腸官は体内にありながら、外界と直接触れあっているということになります。腸内にいる免疫細胞は、食物として摂取されたさまざまな栄養素とともに、最も多くの細菌やウイルス、化学物質などの異物にさらされていまう。そのような環境で、彼らは人体に必要な栄養と害になる病原菌などを正確に見分け、栄養を取り込み、害があると判断したものを正確に排除していかなければなりません。食べ物に対する過剰反応が起きて下痢や腸炎が起きないように、免疫を抑える役割も果たしています。だからこそ、全体の約7割にもおよぶ免疫細胞が腸内に集まっているというわけです。いわば、腸は消化器官であると同時に、最も大きな免疫器官でもあるのです。

・特に子どものうちにできるだけたくさんの外来物に接して、腸内の免疫細胞の認識能力を磨くことができれば、それだけ大人になってからの免疫力も高まります。だから、50種類の食物しか摂取しない人より、その10倍となる500種類もの食物を摂る人のほうが、当然ながらより多くの刺激を腸内の免疫細胞に与えることができるので、免疫力を高めることができるわけです。「好き嫌いなど偏食をしてはいけない」「1日30品目を食べるのが理想」よく言われるこれらの食の常識も、「細胞レベル」で健康を考えると、なるほどと納得できるのではないでしょうか。「腸内環境が大事」といわれるのも、腸が最大の免疫器官であり、私たちの健康を大きく左右する器官だからです。免疫力を上げるということは、すなわち全免疫細胞の7割を占める腸内の免疫細胞をバランスよく活性化させることであり、うまくそれを活性化できるかどうかは腸内環境の善し悪しにかかっているといっても過言ではないのです。

・口腔は健康のバロメーターとしても、とても優秀な働きを担っています。たとえば、免疫力が落ちたときにすぐ現れる口内炎や、味がよくわからなくなる「味覚障害」は身体の危険を知らせる「ネガティブサイン」のひとつです。風邪を引くと口がまずい-とよくいいますが、それは味覚障害を起こした舌があなたに体調不良を訴えているということなのです。

・私たちが普段食べたものの味を感じることができるのは、舌を中心に口内に「味らい」という細胞の集合体が存在しているからです。この味らい細胞は10日に1回生まれ変わる非常に新陳代謝が活発な細胞ですが、その形成には亜鉛が欠かせません。亜鉛が不足すると味らいが減少し、味覚障害が起こってしまいます。亜鉛が細胞の形成や修復に欠かせないということは、亜鉛がなければ免疫細胞もつくれないということなので、亜鉛不足は免疫力低下を招きます。つまり、味覚障害が起きたときには、亜鉛が不足しているということであり、それは免疫力もピンチに陥っているということを意味するのです。

・亜鉛不足でなくとも、口腔の粘膜免疫システムが低下することがあります。それは、口の中が不潔な状態になったときです。そうなると免疫システムの能力が十分に発揮できなくあってしまいます。一日に二回以上歯磨きする人は、1日1回の人と比べて口腔がんになるリスクが3割も低いのだそうです。歯磨きなどで口腔ケアをして、常に口の中を清潔にしておく必要があるのです。歯はもちろんのこと、口の中の大きな面積を占める舌や上あごのケアも重要です。歯はもちろんのこと、口の中の大きな面積を占める舌や上あごのケアも重要です。特にデリケートな味らい細胞がある舌のケアは、口臭防止の意味でも大切です。虫歯の予防という意味でも、口腔免疫システムの機能を低下させないという意味でも、食後の歯磨きは丁寧にしてほしいと思います。特に就寝中は細菌の増殖を抑え、歯を守る作用がある唾液の分泌量が少なくなっていますから、夜寝る前の歯磨きは絶対に欠かしてはいけません。歯周病菌が血液中にも見つかり、敗血症や心不全の原因になっている、という報告もあります。身体の弱体化は歯磨きの有無によっても生ずるのです。

・どうして「泥んこ遊び」が免疫のトレーニングになるのか-。もう一度確認しておくと、免疫とは「自己(味方)と非自己(外敵)を見分けて非自己を排除する機能です。外敵は「抗原」とも呼ばれ、主にウイルスや細菌などの病原体-免疫反応を引き起こす物質すべて-を指しています。世の中に存在する抗原の種類は10億とも100億ともいわれていますが、私たちの獲得免疫はこれらの抗原に出会うたびに、それぞれの抗原ごとに最適な攻撃方法や最も効果的な武器の作り方を学習し、記憶していきます。つまり、出会う抗原が多ければ多いほど獲得免疫のレパートリーが広がり、能力はパワーアップしていくわけです。特に、子どものうちにできるだけ多くの抗原にさらされると獲得免疫はどんどん強くなり、多くの外敵に対する「記憶」ができて、再び細菌やウイルスにさらされても感染しなくなります。自然免疫は加齢によって機能が低下していくので、その低下を防ぐことが重要ですが、獲得免疫は「強化」していくことが重要です。なぜなら、先制攻撃を担う自然免疫は生まれながらに備わっていますが、獲得免疫は生まれてから私たち自身が「獲得」して強化していくものだからです。

・みなさんはこんな話を聞いたことはありませんか?「子どもの頃にペットを飼っているとアレルギーになりにくい」「農家で育った子には花粉症が少ない」実際にオーストラリアで行われたアレルギーの調査では、牛や馬を飼育している家畜小屋に出入りしている子どもはそうでない子どもに比べて花粉症や喘息の発症率が4分の1だったそうです。同様に家畜と触れあう機会の多いモンゴルの遊牧民にもアレルギー患者は極端に少ないといわれています。これは、ペットや家畜と触れあって多くの抗原に出会っていることで、獲得免疫が鍛えられているということにほかなりません。

・学校の役割を果たす「胸腺」は、私たちが思春期の頃に最も大きくなり、その後はどんどん萎縮していき、二十歳をすぎる頃にはなくなってしまいます。つまり、きちんと教育を施された優秀なT細胞を得ることができるのは二十歳までだということです。それ以後の獲得免疫は、これまで学校で教えられてきた闘い方しか使えないので、武器のレパートリーをそれ以上増やすことができません。ですから、それまでに獲得免疫の機能を向上させることが免疫機能を向上させることになります。

・司令官は外敵となる病原体が体内に入り込んだ際、自然免疫と獲得免疫に指令を出してコントロールするという重要な役割を担っています。自然免疫や獲得免疫が十分に効率よく作用するためには、この司令官による指令がスムーズに機能することが絶対条件で、この司令官役の免疫細胞こそ最も重要な存在なのです。私たちの健康を左右するその司令官役の免疫細胞は「樹状細胞」と呼ばれています。

・樹状細胞とは、枝のような突起(樹状突起)を持つ免疫細胞のひとつです。風邪のウイルスやがん細胞など攻撃すべき相手が現れたとき、樹状突起を伸ばして、いちばん効率よく闘ってくれるのがこの細胞であり、そのほかの免疫細胞にさまざまな指示を出しているのも樹状細胞です。最近の研究で、この細胞が「がんに対する免疫システムの指令塔」として非常に重要な働きを担っていることがわかってきました。樹状細胞は数ある免疫細胞の中でも、特にほかの免疫細胞に外敵を教える能力(抗原提示能力)が優れているという特徴を持っているため、獲得免疫が効率よく働くかどうかはこの細胞が機能しているかどうかにかかっています。つまり、獲得免疫はこの司令官の指示がなければ動けないということです。樹状細胞は自然免疫だけで外敵を退治しきれないときに、自然免疫から獲得免疫への橋渡しをします。自らもウイルスを食べて封じこめつつ、警報を鳴らして獲得免疫を一斉喚起して攻略法をばらまき、最終的に第一部隊(自然免疫)も第二部隊(獲得免疫)もコントロールしていく。いうなれば、樹状細胞にはすべての免疫細胞を総動員させる力があるとことです。この樹状細胞も働きがあるからこそ、先制攻撃を担う第一部隊と、より強力な敵を倒す第二部隊が相互作用し、最大限の効力を発揮できるのです。まさに、この「樹状細胞」こそが免疫システムの指令塔の役割を果たす「ボス細胞」だといえるでしょう。さらに獲得免疫を教育して敵を記憶させることができるという点も、このボス細胞のすばらしいところです。そんな樹状細胞の特徴をわかりやすく理解していただくためにも、本書では樹状細胞のことを「ボス細胞」と呼びたいと思います。

・たとえば「味噌汁を飲む」というのも、実はボス細胞トレーニングの一つでした。味噌などの発酵食品を摂るということは、そこに含まれる微生物が腸内環境を整えるとともに、ボス細胞に刺激を与えてがんなどに対抗する力を高めてくれるまさに「腸トレ」とでもいうべきものなのです。このような食生活や運動など、さまざまな生活習慣を改善していけば、私たちの健康をつかさどるボス細胞は今よりもずっと強くなり、私たちの身体を健康に導いてくれます。

・さらにボス細胞の可能性は、鍛えれば強くなるということだけではありません。なんと、ボス細胞は「薬」にもなることがわかっています。その薬とは、ボス細胞の「体内の免疫細胞に対して外敵の特徴を教える」という能力を利用して、がん治療に応用した「がんワクチン」のことです。免疫力が弱まると、がん細胞が増えるのを抑えられず、がんを発症してしまいます。つまり、がんを抑えるためには、弱くなってしまった免疫の力をもう一度活性・強化し、攻撃力を強めてがんをやっつければいいわけです。そこで、ボス細胞の元となる細胞を患者さんの血液中から取り出し、体外で人工的に成長・活性化させる。さらに、がんの目印を認識させて確実に免疫の指令塔として働けるようにします。そうしてから患者さんに投与し、体内でがんに対する免疫反応を起こさせる。これが、がんワクチンのしくみで、「樹状細胞治療」と呼ばれるものです。このワクチンは患者さん本人がもともと持っている免疫の力を高めてがん細胞だけを攻撃するようにしているため、正常な細胞までも攻撃してしまう抗がん剤などに比べて副作用が少ないのが特長です。しかも、この「樹状細胞治療」の可能性は、がんだけに限ったことではありません。ボス細胞は、体内のほかの免疫細胞に外敵の特徴を伝えて攻撃命令を出すことができる一方で、免疫の過剰な活性化を抑える力も持ち合わせています。この働きを利用すれば、花粉や食物などの無害な異物や、自分の細胞を攻撃してしまうことで発症する病気への臨床応用ができると期待されているのです。現在、関節リウマチや多発性硬化症、潰瘍性大腸炎、クローン病などの自己免疫疾患や、喘息、花粉症、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患に対する新たな免疫療法の開発が進められています。

・スタインマン博士はある意味、ノーベル賞史上で世界中から最も多くの注目を集めた受賞者といえるかもしれません。その理由のひとつには、博士が受賞発表直前に亡くなってしまったことがあげられますが、もうひとつ注目すべき点は、博士が開発したがんワクチンを自分自身に投与して闘病していたという驚くべき事実があったからです。スタインマン博士は2007年に膵臓がんと診断されていました。そのときには、すでにがんはリンパ節まで転移していたそうです。このがんの5年生存率はわずか5%。数あるがんの中でもきわめて低い生存率です。膵臓がんは早期発見が非常に難しい上に進行も速く、極めて予後も悪いため「がんの王様」と呼ばれるほど悪名高い病気です。患者の5人に1人は1年以内に亡くなってしまうともいわれています。普通ならば、博士の場合も膵臓がんと診断されてからの余命はせいぜい1年以内のはずでした。しかし、彼は自らのがんの治療にノーベル賞受賞に至った研究対象の「樹状細胞」を用いた免疫療法などを施した結果、4年以上もの長期にわたって膵臓がんと闘い続け、自身の研究成果を世間に知らしめたのです。この治療法は「がんの情報をボス細胞に与えて、免疫の働きを高めてあげる」という画期的なものでした。つまり、スタインマン博士のボス細胞を取り出して膵臓がんを攻撃するようにトレーニングしたあと、再び体内に戻すことで免疫力を活性化させてがん細胞と闘う力を復活させたのです。自分自身の細胞をベースにしたワクチンを使う治療なので、抗がん剤のような副作用もなく、苦しみをともわない治療が可能になります。しかも、その治療効果は最後まで膵臓がんと闘うことをあきらめなかったスタインマン博士によって立証されました。彼は通常なら非常に進み具合の速い膵臓がんの進行を遅らせ、余命を4倍にしてみせたのです。その甲斐あって、いまや、ボス細胞を使ったがんワクチンは世界中で研究開発されています。その中でも日本は臨床実績で世界を圧倒しており、私もそのがんワクチン開発に携わっている一人です。私たちがんワクチンの技術提供をしている全国の医療機関では、2014年現在、世界でトップクラスとなる8000件もの症例実績をあげています。今では日本初の免疫細胞医薬品(がん治療用の再生医療等製品)の治験の実施に向けて準備を進めており、ボス細胞を使ったワクチンの承認をめざしているところです。

・たった100日ですべての細胞をリセットすることができるのですから、免疫力を高めるのは今からでも決して遅くはありません。今日からスタートすれば、100日後には今よりもはるかに健康な身体になっているのです。

・私たちがのどの渇きを覚えたときには、すでに身体は水分不足の状態になっているからです。このとき、私たちの身体は全体のおよそ2%の水分を失っている状態になっていて、脱水症状の初期段階に突入しています。だから、のどの渇きを覚える前に意識的に潤わなければ、本当の意味で水分補給をしているとはいえません。ましてや、のどが渇いているのがわかっているのに、我慢して水を飲まないでいるなど、論外ということになります。これはスポーツをしているときや、真夏の炎天下といった特別な状況に限った話ではありません。のどの渇きは、細胞が発している脱水症状の赤信号であると肝に銘じておきましょう。特に、高齢者の脱水は極めて危険なので要注意です。

・水分補給にスポーツドリンクを飲まれる方が多いのですが、やはり普段の生活における水分補給には水が一番です。スポーツドリンクは、激しい運動をして塩分やミネラルが体内から失われたときには最適なのですが、運動をしていないときに飲むには糖分や塩分が濃すぎます。断水症状を起こさないためにも、細胞を枯れさせないためにも、最も身体が吸収しやすい常温の水を、のどが渇く前にこまめに飲むという習慣を身につけることが大事です。渇いているという自覚があってもなくても、水分補給をしてボス細胞を潤わせておかなければ、免疫システムがきちんと機能しなくなってしまうということを、忘れないようにしてほしいと思います。

・便意を感じたら我慢せず、すぐにトイレに駆け込んで排泄するのが身体にとって自然な行為といえます。これを我慢していると、免疫力まで崩してしまうことになりかねないのです。みなさんは便意を催しても我慢をしてトイレに行かないでいたら、いつの間にか便意がなくなってしまったという経験をしたことはないでしょうか。これを繰り返していると腸の働きが鈍り、いっそう便意を感じにくくなり、やがては便秘になってしまいます。本来、便通は「毎日あるべき」ものです。

・では、なぜ便秘が免疫によくないのでしょうか。それは腸内環境が著しく悪化するからです。人間の腸内には100種類以上、およそ100兆個もの腸内細菌が生息しています。その中には乳酸菌に代表されるような善玉菌もいれば、悪臭のもとや発がん性のある毒素を作り出すウエスシュ菌などの悪玉菌もいます。健康な人の腸内では、これらの腸内最近がバランスをとって「善玉菌優位」になっていますが、便秘などの要因によってそのバランスが崩れると、「悪玉菌優位」の状況を招いてしまうのです。トイレを我慢すること以外にも、野菜を食べなかったり、肉ばかりを食べたりといった偏った食生活も、悪玉菌優位な腸内環境をつくる原因になります。免疫細胞のおよそ7割は腸内にいます。ボス細胞にとって居心地のいい腸内環境は善玉菌優位の状態です。逆に悪玉菌優位になってしまうと、ボス細胞の機能は低下し、免疫力は落ちてしまいます。排便に関わらず、生理現象を我慢するのは、決して身体にとっていいことではありません。尿意を我慢すれば、膀胱炎になってしまう恐れもあるし、おならだって我慢しないで出すべきです。

・よくあくびをすると不謹慎だの不真面目だのと非難されてしまいますが、これも絶対に我慢しないほうがいいでしょう。あくびのメカニズムにはまだ未解明な部分もありますが、一般的には「酸素不足になった脳に酸素を送り込むため」に起こる現象だといわれています。そうだとすれば、あくびは身体にいいことのはずなのに、なぜ無理やりかみ殺す必要があるのでしょうか。だから私は、あくびをする人を白い目で見るのではなくポジティブに捉えるべきだと思います。便意にしても尿意にしても、あるいはあくびにしても、身体が起こすナチュラルな現象は我慢しないで自然のままに任せた方がいいのです。


・疲れを自覚してきちんと休むと、今度は睡眠中に疲労因子の働きを阻害する「疲労回復因子」というものが出てきて、傷ついた細胞を修復してくれます。一方、休むことなく無理を続けてしまうと、細胞が回復できないまま壊れてしまう-。この疲労回復因子が出るのは、睡眠をとって休んでいる間です。だからこそ、仮眠でもかまわないので、とにかく寝ることが重要なのです。日中に疲れを覚えたときには、ぜひ10分でも20分でも仮眠してみてください。私自身、仕事の合間に仮眠をとることを実践していますが、その効果はてきめんで、仮眠後には頭がすっきりとします。もし、10分では寝付けないというのであれば、目を閉じて安静にしているだけでも疲れが軽減されるはずです。傷ついたボス細胞を修復して免疫力を回復させてくれる疲労回復因子は、加齢によってどんどん回復力が弱くなってしまうことがわかっています。その一方で、身体を疲れさせてしまう疲労因子の量やパワーは子どもから高齢者まで、同じように出てしまうのです。つまり、歳を重ねれば重ねるほど、人は疲れやすく、その回復にも時間がかかってしまうということになります。だからこそ、効果的に仮眠をとって疲れを残さず、免疫細胞の回復を促せるようにしたいものです。

・現代風に「身体に悪い結果となる現象」を意味するのであれば、当然ストレスは免疫システムにもよくありません。ストレスが原因で体内に発生した活性酸素が、ボス細胞をはじめとする免疫細胞に大きなダメージを与えます。働きすぎによる自律神経の乱れや腸内環境の悪化、水分不足、睡眠不足などなどこうしたストレスからボス細胞を解放することができれば、細胞が傷つけられることもなく、免疫力を高めることができます。

・自然免疫と獲得免疫をまとめるボス細胞ですが、最新の研究でボス細胞にはウイルスに対する攻撃力が、NK細胞(自然免疫)と比べて1000倍も備わっていることが証明されました。ボス細胞は司令官として免疫システムの要であると同時に、戦闘要員としても極めて優秀だということがわかったのです。だからこそボス細胞を活性化すれば、がんやウイルスとも闘える強い免疫システムが構築されます。細胞は日々生まれ変わるものですし、全身に存在しています。そのため、ボス細胞の強化は、身体の一部をマッサージするとか、特定の食品だけをたくさん摂るといったどこか一カ所を強化するような個別のケアでは決してできません。そうではなく、ボス細胞を活性化させるような生活習慣をちゃんと身につけなければいけないのです。

・具体的にボス細胞を「活性化」させるためには何を意識し、どんな生活習慣を送ればいいのか?具体的には、自分の「食」「運動」「睡眠」のバランスが乱れていないかを確認し、ボス細胞に加えられるストレスを軽減していかなくてはなりませんhん。「食・運動・睡眠が大事」というのは、これまでにも頻繁にいわれてきたことです。ただ、本書で解説している健康法がこれまでの健康法と異なるのは、何か新しいことをして身体を「改造」するようなものではない、ということです。本来身体が生まれながらに備えている防御機能である「免疫力」を高めていくものなので、身体にかかる負担はまったくありません。むしろ本来あるべき「正しい身体」「理想の身体」に近づく健康法なのです。正しい食生活で元気なボス細胞をつくるということを軸に、あとはそのボス細胞をサポートできるストレスフリーな環境を整えれば、身体は根本から健康になれます。そのために、きちんとした食事や適度な運動、良質な睡眠を取り入れて、身も心も安定した状態にしてほしいと思います。

・免疫は最高の健康法です。そしてその免疫システムは、自然免疫・獲得免疫という二つの免疫細胞たちによって機能しており、それを操るボス細胞によって成り立っています。だからこそ、
 ①「自然免疫」の機能低下を防ぐことで、無数の抗原から身を守る
 ②「獲得免疫」の機能を向上させることで、各抗原に適した能力を身につける
私たちが健康でありつづける二つの条件を、ボス細胞を活性化させるだけで、簡単に達成することができるのです。

・ボス細胞を含め、細胞を構成しているのは、主にアミノ酸(たんぱく質)と水とコレステロール(脂質)です。これらの”細胞の材料”がなければ、ボス細胞は骨格を維持することができません。特に、ダイエットをする女性はコレステロールを敬遠しがちですが、細胞膜はコレステロールでできていることを考えれば、過剰なコレステロールカットは決してよくないのです。むしろ、良質な脂質は積極的に摂るべきです。また、ボス細胞の機能を活性化するには、これらの材料だけではなくさまざまな栄養素が必要になります。たとえば、乳酸菌や「ファイトケミカル」と呼ばれる植物中に存在する天然の化学物質などが、ボス細胞の活性化に効果的であるということがわかっています。つまり、ボス細胞の材料である良質なタンパク質や脂質できちんとボス細胞をつくり、それに加えて発酵食品や野菜をバランスよく摂れる食生活をすることでボス細胞を活性化させる-そんな食生活が理想的なのです。もちろん、運動や睡眠も大切ですが、メインで考えるべきなのは正しい「食」-。もし運動にばかり集中して食事がおろそかになっているとしたら、その人はすぐに改めてほしいと思います。そういった意味では、一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは、まさにお手本ともいうべき理想的な栄養バランスを備えているといえるでしょう。

・自分の身体を守ってくれるボス細胞のためにも、「必要な栄養はバランスのいい食事で吸収する」のが基本です。サプリはあくまでも、その基本の食事で足りなかった分を補助する程度だと認識し、必要以上に頼らないことが大切です。

・朝の食欲低下は決して見過ごしてはいけません。朝食には一日の状態を左右する重要な働きがあるからです。朝食を摂ることで身体はしっかり目覚めて、夜の間に下がっていた体温が徐々に上昇し、交感神経へとうまくスイッチを切り替えることができます。ところが、朝食を抜いてしまうと、身体はしっかりと目覚めることができないので交感神経との切り替えがうまくできません。ただでさえ副交感神経優位の「リラックス状態」になりきれていないうえに、交感神経にしっかりと切り替えることもできない-朝食抜きの人に限って、午前中ずっとボーっとしているのはそのためです。朝食には自律神経のスイッチを切り替えるだけではなく、排便のリズムを整えるという働きもあります。朝食を摂ると、その刺激を受けて腸が目覚め活発に動きはじめます。このように排便を促すことで便秘の防止にもなり、理想的な腸内環境を維持できるようになるのです。私は朝食と排便を「朝の二大リラックスイベント」と呼んでいます。この二つのイベントを習慣づけることで、自律神経や腸内環境のバランスをしっかりと保つことができるというわけです。

・私がおすすめメニューの筆頭にあげたいのは「納豆キムチ」です。作り方はいたって簡単です。みじん切りにしたキムチを納豆に入れて一緒に混ぜるだけ、そのままご飯にかけてもいいし、冷や奴に乗せたり、チャーハンやパスタに応用したりすることもできます。

・納豆の主原料である大豆には、ボス細胞をつくるのに欠かせない良質なたんぱく質や便秘を防ぐ食物繊維、腸管の粘膜を強化するビタミンB群などが豊富に含まれています。さらに、納豆には乳酸菌と同じように腸内のボス細胞を活性化させる納豆菌まで入っているので、免疫力を上げるためには積極的に摂りたい食品のひとつです。そこに乳酸菌による発酵食品のキムチを加えることで、「プロバイオティクス2倍+大豆たんぱく質・食物繊維・ビタミンB群」となるわけですからまさにボス細胞をつくるうえでも活性化させるうえでも、納豆キムチは最も効果的な組み合わせだといえます。また、納豆には血液をサラサラにする「ナットウキナーゼ」という酵素も含まれていますし、最近ではボス細胞を活性化できる黒大豆も発見されたので、黒大豆による納豆を使えばさらに効果は高まります。それもあって「納豆キムチ」は最強の健康食なのです。

・実は砂糖の摂りすぎは免疫力を大きく低下させる原因になります。私たちの身体が砂糖を消化するとき、免疫力維持に欠かせないビタミンやミネラルを大量に消費します。そのため、砂糖の過剰摂取はボス細胞を活性化するのに必要なビタミンやミネラルの欠乏を招いてしまうのです。

・できることなら寝る2時間前には胃腸を休ませてあげるのが理想です。寝る前に何かを食べると、消化活動をしながら寝ることになるので胃腸に負担がかかってしまいます。そうならないように身体が寝るより先に、まずは胃腸を「お休みモード」にしてあげると睡眠の質も高まります。

・ボス細胞の活性化には「ファイトケミカル」と呼ばれる植物中に存在する天然の化学物質が大変効果的です。トマトのリコピンや人参のβカロテン、トウアラシのカプサイシンなどが代表的ですが、耳にしたことがあるのではないでしょうか。最近の栄養学界では、このファイトケミカルが”第七の栄養素”として注目されています。その理由は、これらの栄養素には活性酸素を「抑える」抗酸化作用があり、また免疫の機能を「高める」働きがあるからです。つまり、免疫システムの低下を防ぎながら、ボス細胞の活性化にも作用するのです。ファイトケミカルにはさまざまな種類があり、大別すると「プリフェノール」や「イオウ化合物」「カロテノイド」「糖関連物質」などの4タイプがあります。その効果は多種多様で、代表的なものをいくつかあげてみましょう。
【ポリフェノール系】
 ・アントシニアン・・・ブルーベリーやブドウなどに含まれ、抗酸化作用や目の機能を向上させます
 ・イソフラボン・・・大豆製品に多く含まれ、女性ホルモンと似た作用があります。
 ・セサミン・・・ゴマに多く含まれ、血液中の中性脂肪を減らします
【イオウ化合物系】
 ・スルフォラファン・・・ブロッコリーの新芽などに多く含まれる抗酸化物質です
 ・メチルシステインスルホキシド・・・キャベツに多く含まれる成分で、胃の粘膜を守り、炎症や潰瘍を和らげます
【カロテノイド系】
 ・リコピン・・・完熟トマトに多く含まれ、強い抗酸化作用があり、がん予防の効果があります
 ・βカロテン・・・ニンジンやかぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれ、がん細胞の原因となる活性酸素を抑える働きがあり、がんを予防します
【糖関連物質系】
 ・フコイダン・・・ワカメや昆布などの海藻類に多く含まれています
 ・βグルカン・・・キノコ類に豊富で、たんぱく質と結びつくことで免疫力を高め、がん予防の効果があります
これらはファイトケミカルのほんの一例です。このほかにもウイルスや細菌をブロックし粘膜を強化するものや解毒作用のあるもの、アレルギー作用を緩和してくれるものなど、様々な効果を持つものがあります。

・私は小松菜やニンジン、パセリやセロリ、リンゴやバナナなど、さまざまな野菜や果物をミックスしたファイトケミカルジュースを毎朝必ず飲んでいます。このジュースと同じ量の野菜をサラダで摂ろうとすると大変です。でも、皮ごとジュースにしてしまうとギュッと成分が凝縮されているので、多彩なファイトケミカルを手軽に摂るという意味で実に効率的なのです。ファイトケミカルの特徴としては、多くの場合、野菜の色素や香り、苦み、辛み、渋みなどの成分に多く含まれているということが挙げられます。たとえば、玉ねぎの辛味成分のケルセチン、ゴボウのアクに含まれるクロロゲン酸、ブルーベリーの色の素であるアントシアニンなどです。また、野菜の皮や種、根っこなど、普段捨てられてしまいがちな部分にこそ多く含まれていることもわかってきました。だから、ニンジンやカボチャ、リンゴなどの皮もむかず、できるだけ丸ごと食べるのが最も効果的な食べ方だといえるでしょう。ファイトケミカルは安定した物質が多いので熱にも強く、加熱調理してもそのまま食べても大丈夫です。できるだけ多様な食材を取り入れるのが理想なので、さまざまな野菜を好みの調理法で楽しんでほしいと思います。

・2000年も長きにわt、穀物依存の食生活が続いたことによ、私たち日本人の身体はいまだ肉食に慣れていないのが現実です。もともと狩猟民族で肉食中心だった欧米人と異なり、農耕民族の日本人は基本的に腸内に肉を分解する酵素を持っていません。また、肉を代謝する過程で出る毒素は発がん物質をつくり、腸内を悪玉菌優位の状態に変えてしまうのですが、その点でも、日本人の長い腸は肉食には不向きだといわれています。私たち日本人にとっても動物性タンパク質は必要なのですが、やはり食べ過ぎには気をつけなくてはなりません。

・肉を食べるときには、必ず野菜を一緒に摂るように心がけることが非常に重要です。ポイントは、その際、野菜と肉の割合を2対1にすることです。そうすると肉と野菜を効率よく摂取することができます。また、肉を食べた後にヨーグルトを食べるのも、腸内細菌のバランスを整え、腸内環境をよくするという意味では大変効果的です。

・よく「腹八分目」などといいますが、これは実に理にかなっていることといえます。腹八分目にしておけばカロリーオーバーになりにくいし、満腹にならないようにして飢餓状態に近づけておくことで、長寿遺伝子ともいわれる「サーチュイン遺伝子」が活性化します。何よりも、満腹になるまでお腹いっぱいに食べるということは胃や腸、さらには腸管免疫にも大きなストレスとなってしまうので、避けたほうがいいのです。ストレスを与えてしまうと免疫システムが低下してしまいますから、弱った身体を元に戻すことができなくなってしまいます。やはり野菜と肉をバランスよく食べ、ボス細胞にとって居心地のいい腸内環境をつくるようにしたいものです。

・具体的には「大豆製品」には良質なタンパク質が含まれていますし、卵や魚も摂ってほしい食品のひとつです。タンパク質以外にも、卵には悪玉コレステロールを下げるレシチンが入っていますし、青魚には健康効果の高いEPAやDHAが含まれていることで、更年期の生活習慣病を予防できる効果が知られています。もちろん、同じ栄養素を摂るにしてもできるだけ多様な食材から摂取するのが大事なので、肉からタンパク質を摂り入れるというのも重要です。豚肉にはビタミンBが含まれているし、牛肉にも必須アミノ酸が豊富に入っています。私が特におすすめしたいのが、疲労回復成分・イミダゾールペプチドが豊富に含まれている鶏肉です。つまり、鶏肉ならボス細胞を形成するのにふさわしい良質のタンパク質と、疲労回復や活性酸素の抑制に効果的なイミダゾールペプチドが一緒に摂取できるので、まさに一石二”鳥”というわけです。

・免疫力を高めるという視点で考えれば、私は「運動」は三日坊主でもまったく構わないと思います。むしろ、三日坊主は良いとさえ思っています。ジョギングや水泳、ウォーキング、あるいは筋トレなど、健康のために始めたとしても、三日ほどで続けるのが辛くなってきたということは、その運動がその人に向かないということにほかなりません。自分がつらいと感じているのに無理を押して頑張って続けるというのは、その人にとって大きなストレスになってしまうので、意味がありません。ストレスはボス細胞を傷づける活性酸素の原因になるので、つらいと感じるくらいなら三日で止めてしまったほうがボス細胞のためにはいいのです。確かに、適度な運動は自然免疫を活性化する効果があります。しかし、それがストレスになるのであればまったくの逆効果なのです。

・朝日を浴びるという行為には、自律神経の崩れたバランスをリセットしてバイオリズムを整える効果があります。ストレス軽減になるだけではなく、副交感神経と交感神経のスイッチもスムーズに切り替わるようにしてくれるので、免疫力向上にもつながるのです。

・健康体をつくることを考えるのであれば、有酸素運動や筋トレも、必ずしもよいとはいえません。運動をすれば必ず体内に疲労因子が出てきます。これが過度な運動で負荷が強ければ強いほど、出てくる疲労因子の量が増えてしまいます。一方、負荷の少ない運動であれば、その発生量は少なくて済みます。しかも疲労回復因子が鍛えられることで、どんどん分泌されるようになります。こうして「疲労回復因子優位」にすることで、傷ついたボス細胞の修復がそのぶん早く進むのです。軽い運動は疲労回復因子を活性化するという面でも、体力をつけるという面でも、どちらにも大変有効なのです。

・「軽い運動というのが、どれくらいの運動を指しているのかよくわからない」そんな疑問を抱く人がいるかもしれません。私は「ジワッと汗が出る程度」で運動をやめるのがポイントだと考えています。

・いい睡眠をとるために、私自身がよく実践しているのは、寝る前に「人生でいちばん楽しかったこと」「今まででいちばんうれしかったこと」を思い出すことです。この方法はうつ病の治療などに採り入れられているのですが、実際にやってみると身体と脳の緊張がほぐれ、すんなりと眠ることができます。一方なかなか寝付けないという方は、寝る前にネガティブなことを無意識のうちに考えている可能性があります。

・風邪を引いたり病気になったりする前に、口内炎、便秘や肌荒れといった形で身体はネガティブサインを出してくれます。違う形だったとしても、あなたの健康がおびやかされそうになったとき、身体は必ずなんらかの警告を発しているはずです。便秘が続いているのなら、それは細胞たちがあなたに食生活のかたよりや規則正しい排便習慣が失われていることを教えてくれているサインです。「このままでは大腸がんになってしまう」「悪玉菌優位の腸内環境のせいで免疫力が下がってしまう」こんなふうに、細胞たちは一生懸命あなたい伝えようとしているのです。不眠や食欲不振、肩こりなどのネガティブサインが出たのなら、まちがった生活習慣が、あなたの身体を苦しめていることを細胞たちが知らせてくれているということです。その声に気づくことができれば、あとは「逆のこと」をやってバランスを保ち、ストレスを取り除いてあげればいいだけです。そうすれば、免疫機能は回復できるはずです。

・肉体も精神もバランスがとれている状態が免疫力を高めてくれることは、科学的にも証明されています。
 ・おいしいものをバランスよく食べる
 ・リラックスした状態で楽しみながら運動する。
 ・心地いい睡眠をとってバイオリズムを整えておく
つまり、本当の健康とは心地よさを追求し、バランスのとれた環境があって初めて得られるものです。

・私が代表をしているテラ株式会社は、樹状細胞を用いたがんワクチンの開発を行っています。私が会社を起ち上げた頃は免疫治療について、ドクターたちの間で懐疑的な見方が多くありましたが、操業してから10年、世界中で免疫の研究が飛躍的に進み、科学的なデータも蓄積されてきました。テラ株式会社のがんワクチン(樹状細胞ワクチン「バクセル」にすいても、抗がん剤と併用することで、生存期間が延長するという結果が数多く出てきています。免疫治療は、次世代のがん治療として世界でも注目される治療法となったのです。本書で述べてきた細胞レベルで健康になる方法も、免疫細胞についての研究が進んできたからこそわかってきたものです。

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