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「吉田証言」の従軍慰安婦強制連行が虚偽物語であったとしても、強制連行の構図自体は虚偽とは言えない

2014-10-21 09:23:13 | Weblog
 

 


      生活の党PR

       《10月20生活の党雇用安定化対策本部設置》    

      生活の党幹事会は10月20日、非正規雇用の正規化を推進するために小沢一郎代表を本部長とする「雇用安定化
      対策本部」を設置することを決定しました。今後、各界からのヒアリング等を進め、議員立法案をとりまとめ、他
      党の協力を得て国会提出を目指します。

 10月18日放送のラジオ日本の番組。

 安倍晋三(朝日新聞がいわゆる従軍慰安婦問題を巡る一部記事を取り消した問題について)「(強制連行があったという)間違った日本に対する誹謗、中傷があるのは事実だ。日本は毅然として反応していく」(YOMIURI ONLINE

 大使館などの在外公館を通じて外国メディアで慰安婦問題に関する正しい情報を発信していく考えを強調したという。

 要するに虚偽の事実を内容とした「吉田証言」に基いて、それを歴史的事実とした朝日新聞の報道によって従軍慰安婦強制連行が事実あったこととして世界に発信、日本は誹謗・中傷されることとなった。朝日新聞が事実としたことを誤報と認めた以上、強制連行はなかったという事実を世界に訴えて、日本の名誉を回復しなければならない点に於いて日本は毅然と対応していかなければならないと言っている。

 高市早苗にしても稲田朋美にしても菅官房長官にしても、戦前日本国家を肯定する同じ歴史修正仲間として同じ趣旨の主張をしている。
 
 「吉田証言」とはご存知のように「Wikipedia」にも紹介されているが、吉田清治なる人物が自らの体験談として戦時中に軍令に従って済州島などでアフリカの奴隷狩りのように若い朝鮮人女性を略取・誘拐して、いわば強制連行して慰安婦に仕立てたと告白証言を行い、1983年に『私の戦争犯罪』なる著書を刊行、慰安婦狩りを自らの戦争犯罪だと断罪した。

 但し全ての告白証言と自らに対する断罪が複数の識者の調査によって真偽不詳とされ、1995年になって本本人も証言が創作であることを認めた。

 この2年後の1997年3月31日、朝日新聞は「吉田証言」の真偽は確認できないと報道。2014年8月5日に「吉田証言」に基づいた従軍慰安婦強制連行を事実とした報道を誤報だったと認めた。

 朝日のこの誤報と認めたことをきっかけとして安倍晋三歴史修正主義一派の日本の名誉を傷つけたとする朝日攻撃が火を噴き、メディアへの信頼低下を招いた報道機関としての責任を厳しくバッシングした。まるで鬼の首でも獲ったかのように。

 だがである。歴史修正主義者たちは告白や証言、著述によって成り立たせた「吉田証言」が虚偽の事実に基づいていることを唯一の根拠として従軍慰安婦強制連行の歴史的事実は存在しなかったとし、歴史的事実であるとした朝日の誤報が世界に対して日本の名誉を貶めた元凶だと非難しているが、「吉田証言」が軍令に従って済州島などでアフリカの奴隷狩りのように若い朝鮮人女性を略取・誘拐して慰安婦に仕立てたとする従軍慰安婦強制連行の構図は何も「吉田証言」特有のものではなく、従軍慰安婦にされた女性の数々の証言が共有している構図である。

 例え「吉田証言」が虚偽の事実によって成り立っていたとしても、従軍慰安婦強制連行の構図自体に共通性を見い出し得るということは何を意味するのだろうか。

 吉田清治がどこでどのようにしてこの構図を学んだのかは分からないが、自らもこの構図に基いて従軍慰安婦強制連行の物語を紡いだとしか解釈しようがない。

 当然のこと、構図の共有は、歴史修正主義者たちは常に否定してきたが、歴史的事実とされてきた従軍慰安婦強制連行を虚偽とし、否定する理由として「吉田証言」が虚偽の事実に基づいていることを唯一の根拠として挙げることはできないということを意味する。

 だが、安倍晋三以下の歴史修正主義者たちは「吉田証言」が虚偽の物語であることのみを以ってバカの一つ覚えのように強制連行を否定し、朝日新聞を攻撃している。

 ここに安倍晋三や高市早苗、稲田朋美等々の右翼国家主義者及び歴史修正主義者の歴史認識に正当性を見い出すことができるのだろうか。

 正当性を認めるためには従軍慰安婦の強制連行を認めた「河野談話」作成時に日本政府が行った朝鮮人元従軍慰安婦16人の聞き取り調査に於ける各証言が従軍慰安婦強制連行の構図を非共有としていることを、先ず第一番に証明しなければならないはずだ。

 だが、当時から現在に至っても非公開としている。非公開としたまま、「吉田証言」の虚偽物語のみを根拠として、従軍慰安婦の強制連行を否定している。

 これは正当な態度と言うことができるだろうか。

 今までブログに日本軍占領下のインドネシアでインドネシア人の未成年を含む若い女性が軍トラックに乗ってやってきた十数人の日本軍兵士に略取・誘拐の形でトラックに乗せられて強制連行され、慰安婦とされた証言や同じくインドネシアで民間人収容所に収容されていた未成年を含む若いオランダ人女性が軍の威圧に抵抗しきれずにトラックで連行されて性の慰みとされた証言を書物やインターネット記事を参考に書いてきたが、1941年に旧オランダ領東インド(現インドネシア)に生まれ、日本軍占領下に幼児期を過ごして戦後オランダに帰国した女性が日本軍に強制的に従軍慰安婦とされたオランダ人女性たちからの聞き取り証言を綴った、『折られた花』(副題〈日本軍「慰安婦」とされたオランダ人女性たちの声〉)から今までブログには取り上げなかった、従軍慰安婦強制連行の構図を共有する証言を一つ紹介したいと思う。

 ここに出てくるノールチェはインドネシア人とオランダ人の混血児で、若くしてオランダ人と結婚。夫はオランダ王国軍に召集されたが、日本軍の捕虜となり、泰緬鉄道建設のためにタイに連行されことからノールチェは実家のあるに戻って、同じオランダ人との混血児である母親と暮らしていた。

 〈少女たちの徴用

 1943年のある日のこと、トラックがに停まった。兵士数人を連れた日本軍将校が車から降り立った。将校は、女性は全員集合すべしと大声で命令した。イナとノールチェは日本人が何のために若い女性たちを求めているのか見当がついたので、一目散に家に逃げ帰り、小さい男の子と3人で箱に隠れた。その間、日本兵たちは女目当てに中をまわった。

 彼らがノールチェの母の家に来たとき、近所の誰かがノールチェの母親を指しながら、「彼女には娘が二人いますよ」と兵士たちに告げた。将校は、全員家から出てこないと懲罰を加えると怒鳴った。ノールチェとイナはとても不安になったが、母親に迷惑をかけてはいけないと思って隠れ場所から出てきた。ノールチェは小さい男の子を連れて出て、イナもあとからついてきた。ノールチェの母はパニックに陥り、イナをひっぱって将校の前に差し出して言った。

 「この子なら大丈夫です。もう一人は母親になりたてで、小さい男の子の世話をしないといけません」

 将校はイナを眺めてから、笑い飛ばした。

 「これは駄目だ、あんまり痩せとる」

 それからサーベルをノールチェの方に向けて、「これ、お前。車に乗れ。乗らんと首が飛ぶぞ」という仕草を見せた。ノールチェは息子の手を放し、すぐさま出発できる状態のトラックに恐る恐る乗り込んだ。そこにはわなわな震えているの娘たちが乗せられていた。ノールチェの母には、すぐに娘の着替えを詰めよとの命令が出た。しばらくして、そのトランクが車に投げ込まれた。

 こうして徴用された少女たちはスラバヤの将校用ホテルに連行され、そこで仕事に就かされた。彼女たちは初めのうち、せいぜい食堂で日本人将校たちに食事を出したりバーで給仕したりするぐらいだろうと願っていた。しかしほどなく、彼女たちは日本の軍人たちの性的な世話もさせられることがわかった。ホテルは四方厳重に監視されていたから、逃げ出せるはずもなかった。周囲には大きな公園があり、武装した警備兵が四六時中行き来していた。〉――

 日本軍は絶対君主的存在であり、絶対君主的に行動した。誰も逆らうことはできなかっただろう。

 強制連行の構図自体は強制性の強弱以外「吉田証言」と何ら変わりはない。そして他の元慰安婦の証言と共有する構図でもある。

 安倍晋三は「党首に問う いま政治がすべきことは」をテーマとした9月14日のNHK「日曜討論」に出演、次のように発言している。

 安倍晋三「日本兵が人攫(ひとさら)いのように人の家に入っていき、子どもを攫って慰安婦にしたという(朝日新聞の)記事を見れば、皆、怒る。間違っていたというファクトを、朝日新聞自体がもっと努力して伝える必要もある。それを韓国との関係改善に生かしていくことができればいいし、如何に事実でないことを国際的に明らかにするかを我々もよく考えなければいけない」(NHK NEWS WEB)――

 安倍晋三のこの発言を正当化するためには河野談話作成時の16人の元従軍慰安婦聞き取り調査の各証言を公開して、従軍慰安婦強制連行の構図を共有していないことを先ず証明しなければならない。

 その上で、日本軍兵士に従軍慰安婦にされた(西欧諸国が言う「セックススレイブ」にされた)オランダ人女性やインドネシア人、その他フィリッピンや台湾人の女性たちの証言が同じ性格のものとして共有している従軍慰安婦強制連行の構図が「吉田証言」と同様に虚偽の物語によって成り立たせたものであることを証明しなければならないはずだ。

 果して元従軍慰安婦たちの証言のリアルさを崩すことができるだろうか。安倍晋三の口先だけの政策よりもはるかにリアルである。

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政府・与党面々の小渕優子の「説明責任」言及は本人の問題への矮小化と安倍晋三の任命責任回避

2014-10-20 06:39:31 | Weblog


 小渕優子経産相の政治資金収支報告書に収支の金額の桁外れの不一致や不適切な支出項目が見つかって、国会で野党から利益供与が行われていたのではないかと追及を受けている問題で、政府・与党の面々が発言をしている。

 「asahi.com」記事と「NHK NEWS WEB」記事から拾ってみる。

 石破茂地方創生相「小渕氏自身がきちんと説明責任を果たすと承知している。資質については、責任感も使命感も非常に高い方と認識している」

 甘利明経済再生相「政治資金は最終的に政治家自身が責任をもって説明しなければいけない。現場の作業はどこの事務所も関係者を信頼して任せているところがあるから、本人が詳細を把握されていないと思う。いずれ説明をする時が来る」

 山谷えり子国家公安委員長「一般論として、透明性を高め、信頼性を持って政治家が活動できる状況を自らつくることは大事だ」(以上asahi.com

 稲田朋美自民党政務調査会長(NHKの日曜討論)政治資金の使いみちは、国民の政治に対する信頼、ひいては日本の民主主義の質に関わる問題だ。

  公職選挙法や政治資金規正法の疑念が生じた場合には、政治家としてきちんと説明責任を果たす必要がある。小渕大臣も今、事実を調査しているので、政治に対する信頼という意味で、きちんと責任を果たすと考えている」(NHK NEWS WEB

 石破茂は「小渕氏自身が」と言い、甘利は「政治家自身が」と言い、稲田朋美は「小渕大臣も」と含める形で、それぞれが小渕優子自身の説明責任の問題としている。

 山谷えり子の「信頼性を持って政治家が活動できる状況」とは今回の場合、説明責任の履行が可能とする「状況」のことである。それを「自らつくることは大事だ」と言っているのだから、小渕優子自身の説明責任の問題と把えていることに変わりはない。

 だが、説明責任の問題のみで片付けていいのだろうか。

 安倍晋三は2014年9月3日の第2次安倍改造内閣発足後のインタビューで、5人の女性を閣僚に起用したことに因んでだろう、自らの内閣を「女子力開花内閣」だと評した。

 当然、女性閣僚に関しては慎重の上にも慎重を期して人選を行い、人選に間違いはないという万全の自信で任命したはずだ。

 でなければ、「女子力開花」とまではいかないことになる。「女子力開花内閣」と誇った以上、その誇りに対して責任を持たなければならない。

 特に小渕優子に関しては通商政策及び産業政策のみならず、原発政策(原発再稼働や廃炉問題)、風力や太陽光等々のエネルギー政策まで所管する重要閣僚と言われている経産大臣に40歳の若さで、しかも女性初という形で抜擢・任命したのである。

 いわば職責のその重要度に応じた人選の的確性が任命責任に関わる重要な要素となっていく。

 もし小渕優子が説明責任を果たすことができずに責任を取って経産大臣を辞任することになったなら、「女子力開花内閣」と誇りながら、その一端が崩れた責任も然ることながら、重要閣僚としてその人選を行った安倍晋三の任命に関わる不的確性の責任は重いものとなる。

 行政能力は十分過ぎる程あり、そこを見込んだ人事だったが、資金管理に問題があったという弁解は許されない。第三者に任せた資金管理は人事管理でもあり、それらは行政能力に関係することになるからだ。資金・人事管理を含む行政能力と人格が一対となって閣僚としての存在性が成り立つ。

 にも関わらず、閣僚や与党の面々が小渕優子の政治資金の収支に関わる疑惑を本人が説明できるかできないかの説明責任の範囲のみにとどめるのは問題の矮小化であって、安倍晋三の任命責任に火の粉が降りかからないようにするための予防線としか言い様がない。

 いわば安倍晋三の任命責任の回避を謀っている。この上安倍晋三自身が自分から自らの任命責任に目をつぶるようでは、一国のリーダーとしてあるべき人格に欠陥を見ないわけにはいかない。

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高市早苗・有村治子・山谷えり子女右翼三羽烏が日本の戦争を正しい「日本国の国策」と認識した靖国参拝

2014-10-19 06:33:50 | Weblog

 
 安倍晋三が「女性が輝く社会」、「女性の登用促進」を成長戦略の柱に据えて、その先導的事例として2014年9月3日発足の安倍改造内閣に女性閣僚を5人も据えた中で3人が右翼国家主義者であるというのは自身が右翼国家主義者であることから、その親近性の現れとして非常に象徴的だ。

 いわば安倍晋三のホンネは「女性が輝く社会」にしても、「女性の登用促進」にしても、高市早苗や有村治子、山谷えり子といった古臭い価値観の女性にこそ担って欲しいと願っているはずだ。願っていなければ、女性閣僚5人のうち、3人も右翼国家主義者を任命するはずはない。

 そして発足後最初の靖国神社春の例大祭に3人が参拝したのは予想されたことで、別に驚きはしない。安倍晋三が外交上の理由から参拝を見送らなければならなかったその空白を3人が自分たちの参拝で補っているはずだ。

 3人の10月18日の参拝後の記者たちに語った発言を二つの「NHK NEWS WEB」記事から見てみる。

 高市早苗「国策に殉じられて尊い命を落とし、国の存立を守ってくださった方々に対して、感謝の気持ちと哀悼の誠をささげて参りました。

 (日中関係への影響について)1人の日本人が国策に殉じられた方々を思い、尊崇の念を持って感謝の誠をささげるという行為は、私たちが自由に自らの心に従って行うものであり、外交関係になるような性質のものではないと思っています」

 山谷えり子「国のために尊い命を捧げられたご英霊に感謝の誠をささげた。平和な国づくりをお誓い、お約束した」

 有村治子「国難に際し命を捧げられたみ霊に対し、心を込めてお参りをした。国難のとき、戦地に赴き命を捧げられた方々にどのように向き合うか、どのように追悼するかは国民が決める話であり、他国に『参拝せよ』とか『参拝するな』と言われる話ではないと認識している」――

 閣僚を形成する右翼国家主義者三羽烏は「国策に殉じられて尊い命を落とし、国の存立を守った」、「国のために尊い命を捧げられた」、「国難に際し命を捧げられた」と、それぞれが戦死者たちの戦争行為を正当化している。

 その正当化は戦前日本国家の国策の正当化――戦争そのものの正当化に他ならない。戦死者の戦争行為のみを正当とし、国家の戦争を否定するのは二律背反以外の何ものでもないからだ。
 
 例えば戦死者を国家が始めた戦争の犠牲者と位置づけた場合、戦死者たちの戦争行為を否定すると同時に国家の戦争を否定しなければならなくなるが、その逆を行って、両者に正当性を与えているのである。

 戦死者の戦争行為を正当と認識し、国家の戦争を肯定する認識で把えているということは、大日本帝国を国家の形として全体的に肯定する認識に囚われていることになる。

 と言うことは、高市早苗たちが戦死者を国策に殉じた、国家のために尊い命を捧げたと顕彰する靖国参拝とは、顕彰を通して戦前の大日本帝国に国家の理想を見、大日本帝国を体感する儀式に他ならないことになる。

 このことの根拠の一つとして自民党の政調会長だった当時の高市早苗が2013年5月12日のNHK「日曜討論」に出演したときの発言を挙げることができる。

 安倍晋三の歴史認識がテーマとなっていた。

 高市早苗「ただ、あの、国策を誤り、村山談話の中に国策を誤りと、ありますけれども、それでは当時ですね、資源封鎖もされて、その中で全く抵抗もせずに植民、日本が植民地となる道を選ぶのがベストだったのかどうなのか、当時の国際状況の中で何が正しかったかということを自信を持って主張できる政治家など、あの、今の日本にはいないと思います」――

 高市早苗は「当時ですね、資源封鎖もされて、その中で全く抵抗もせずに植民、日本が植民地となる道を選ぶのがベストだったのかどうなのか」と、かくこのように資源封鎖を受けた反作用として、いわば止むを得ないこととして大日本帝国の国策と戦争を正当化している。

 だが、「Wikipedia」によると、アメリカが日本に対して経済制裁を課したのは日中全面戦争の発端となった1937年(昭和12年)7月7日の盧溝橋事件以後の1937年(昭和12年)10月5日からであって、中国に対する日本の武力による領土拡大を受けた牽制であったはずだ。

 そして中国に於ける日本の領土拡大政策に対してアメリカは経済制裁を段階的に強化していき、フランス領インドシナ当局との協定に基づいていたとは言え、1940年9月の日本軍の北部フランス領インドシナ進駐と同1940年(昭和15年)9月27日の日独伊三国同盟、更にアメリカから実行に移した場合、対日石油禁輸に踏み切る警告を受けながら、1941年7月28日の仏印南部への進駐開始等の日本軍の南方進出を手段とした領土拡大政策に併行させる形で、それらを阻止する手段としてアメリカは1941年(昭和16年)6月21日の石油の輸出許可制、1941年(昭和16年)7月25日の日本の在米資産凍結令、1941年(昭和16年)8月1日の石油の対日全面禁輸を発令させているのであって、先に日本の中国侵略があり、さらに日本の南方進出という領土拡大政策があって、それらと併行させる形で経済制裁としての「資源封鎖」があったのであって、高市早苗が言うように先に「資源封鎖」があり、生存手段として中国侵略があったのでもなく、南方進出の領土拡大があったのではない。

 日本の戦争のこのような経緯を前提にした場合、もし右翼国家主義者の高市早苗が言う「資源封鎖もされて、その中で全く抵抗もせずに植民、日本が植民地となる道を選ぶのがベストだったのかどうなのか」という主張に正当性を与えるとしたら、北朝鮮が現在各国から受けている経済制裁によって国家経済が破綻して生じることになりかねない自らの独裁体制存立の危機に対するその回避策として国民の不満を外に向けるために対外的な軍事的暴発を企み、「北朝鮮が資源封鎖もされて、その中で全く抵抗もせずに国家が崩壊する道を選ぶのはベストだったのか」との口実でその暴発に正当性を与えたとしても、高市早苗はその正当性を全面的に受入れなければならない。

 高市早苗の日本の戦争に対する正当論はその程度の軽薄さしかない。

 当然、靖国参拝の正当論にしても、戦争正当論に準じた軽薄さが伴うことになる。

 安倍晋三にしても同じだが、右翼国家主義者たちにはなぜこうも軽薄さ・小賢さが付き纏うのだろうか。

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小渕優子の後援会観劇政治資金収支報告書の収支差額は収支双方からの裏ガネ作りの錬金術か

2014-10-18 08:58:48 | Weblog



      生活の党PR

       《10月10日(金) 鈴木克昌代表代行・幹事長定例記者会見要旨》

      『地方創生、地方がどうしたいのか自分たちで考える力が必要』
 
      【質疑要旨】
      ・選挙権年齢引き下げについて
      ・野党との選挙区調整について
      ・総支部長数について
      ・連合の支援について
      ・地方創生関連法案について

      《10月19日(日) 畑浩治総合政策会議議長NHK『日曜討論』》

      番組名:NHK『日曜討論』

      日時:平成26年10月19日(日)9:00~10:00(生放送)
      内容:“アベノミクス”と日本経済について
          消費税率10%への引き上げについて
            労働者派遣法改正案について
          「地方創生」実現のための具体策は等

 昨日のブログでは小渕優子の政治資金規正法違反疑惑について国会議員の後援会が観劇や野球観戦、その他レクリエーション的行事で後援会員の歓心を買い、支持者として引き止めておく昔からあった古典的手法を現在も引き継いで行われている政治後進国性を書いた。

 だが、次の記事を読んで、政治資金報告書に観劇や野球観戦に関わる収支の差額が生じているのは収支双方から裏ガネ作りの錬金術を施した結果の現象ではないのかという疑いを持った。

 但しあくまでも記事を読んだ限りの疑惑であることを断っておく。

 《小渕氏団体の観劇会、「バス27台・千人参加」と参加者》asahi.com/2014年10月17日23時08分) 

 マスコミ記事の多くが収入よりも支出が5、6倍と多い、その差額は後援会員らの観劇会費用の一部を負担した、政治資金規正法が禁止している利益供与に当たるのではないかと指摘していて、この記事も同じ趣旨を背景としている。

 明治座観劇は関係者の話として、後援会の「女子部大会」として開かれていると伝えている。今年は大臣就任後のため不参加だったが、例年は小渕氏本人も顔を見せることになっていると書いている。

 やはり先生が顔を見せるのと見せないとでは、参加の価値が違うのだろう。舞台で挨拶するという。その挨拶は熱烈な支持者にとっては有り難いお言葉となるに違いない。携帯やデジカメでパチパチと写真を撮るシーンが目に浮かぶ。

 記事は取材できた複数の参加者の言葉を紹介している。

 「1万2千円の会費を払った」

 70代の女性参加者「各地区から大型バスが全部で27台出ていると聞いた。参加者は1千人ぐらいいたのでは」

 〈女子部幹部のあいさつの後〉と書いているから、小渕優子が大臣就任後の今年のことなのだろう、〈食堂で昼食の弁当をとり、正午から天童よしみさんの歌謡ショーを見た。席は地区ごとにくじ引きで決められる。客席の1、2階部分は満席だったという。午後3時半にショーが終わり、再びバスで帰ったという。〉云々――

 1万2千円の会費を払って、1000人が参加した。12000円会費×1000人参加=1200万円の収入があったことになる。但し今年の話で、毎年参加者の人数が同じということはないはずだが、大きく変動することは考えられないから、ほぼ1000人前後の参加者があったはずだ。

 観劇にしても、出演者に応じて入場料が違うから、平均して1000円の会費で見積もることにする。

 1万円の会費×1000人の参加者=1千万円の収入。

 各新聞記事を調べた範囲では2010年と2011年の収支しか正確な金額を見つけることができなかった。

 観劇会費収入。

 2010年約373万円。2011年に約369万円。

 明治座「入場料食事代」としての支出。

 2010年契約1689万円。2011年契約1696万円。

 これが利益供与なら2010年は総額1千316万円、1000人参加と見て、一人頭1万3160円の負担。2011年は総額1千327万円の負担。一人頭1万3270円の負担となる。総額から見ても、一人頭から見ても、多過ぎないだろうか。

 1000人の参加者と見て1万円の会費とすると、1千万円の収入と見積もることができるが、2010年にしても2011年にしても400万円弱の収入の記載となっている。

 400万円弱を1万円の会費で逆算すると、400人の参加者ということになる。2014年は大臣就任ということで例年になく大勢の参加者があって、1000人も参加したことになったとしても、600人の差は大き過ぎるし、就任したからと参加するのは後援会に対する協力度とその協力度によって計測される小渕優子に対する支持の熱心度という点であまりにも現金過ぎて、新たな参加者は足元を見られることになる。

 例年参加している支持者から、「大臣になろうとならなかろうと、変わらずに協力している」と、一段下に見られるかもしれない。

 果して400人前後の参加者だったのだろうか。

 明治座に支払った2010年と2011年の金額を1700万円として計算すると、

 1700万÷400人の参加者=4万2500円の「入場料食事代」となる。

 10月24日の天童よしみ明治座特別公演はS席12,000円 A席5,000円となっていて、席の内訳はS席1304席、A席144席、合計1448席であるが、42500円の「入場料食事代」は多過ぎることになる。

 但し1000人の参加者とすると、

 1700万÷1000人の参加者=17000円「入場料食事代」となる。

 明治座に団体割引があるかどうか分からないが、父親が小渕恵三である小渕優子の現職国会議員であることの威光と年ごとのリピーターとなっている明治座にとってのご利益を考えると、常識的に考えても、大幅な団体割引がなかったとは考え憎い。

 団体割引で「入場料食事代」1万円と仮定すると、大型バスで50人乗ることができるから、20台必要となり、チャーター代が1台10万円としても、1人2000円。これも父親が小渕恵三である小渕優子の現職国会議員であることの威光と年ごとのリピーターであることから、値引きも可能であるはずで、1万円+2千円の会費とすれば、観劇は可能となる。
 
 もし1000人前後が例年の参加者で、1千万円前後を収入としていたと疑うとしたら、2010年と2011年の600万円前後の行方が問題となる。

 一番に考えることができるのは裏ガネに回したのではないかという疑惑である。

 裏ガネの錬金術に関しては実際の収入よりも報告書の収入を少ない金額にして、その少なくした分を裏ガネに回す。支出の場合は実際の支出よりも報告書の支出をより多い金額にして、その差額分の税金負担を少なくしたり、差額の中に不正に得た政治献金、その他のカネを忍び込ませて、収入を操作して裏ガネに回したカネ共々留保しておき、表に出すことのできない支出に回したりすることが錬金術の相場となっている。

 収支の各項目共に少額ずつの裏ガネづくりであったとしても、収支全体の項目は多数に亘るから、その多くで錬金術を施していたとしたら、相当の金額となる。

 但し支出として明治座に払った2010年契約1689万円と2011年契約1696万円は計算上はギリギリの数字で、裏ガネを作るには団体割引をより多くしなければならない。

 例え支出面で正確な数字を記載していたとしても、収入面で少な過ぎる金額の記載は収入面のみで裏ガネ作りの錬金術を施していたと見ないことには理解が困難となる。

 もし利益供与のために収入を少なく記載したとしたら、それだけで理解不能となるばかりかして、少なく記載した分を後援会費から補填したとすると、補填金額が膨らむことになって、なおのこと理解不能となる。

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小渕優子政治資金規正法違反疑惑から窺うことができる地元選挙対策の古典的手法とその政治後進国性

2014-10-17 09:41:06 | Weblog



      生活の党PR

       《10月14日衆議院本会議 畑浩治生活の党総合政策会議議長質問要旨》    
      安倍内閣提出の「まち・ひと・しごと創生法案」および「地域再生法の一部を改正する法律案」趣旨説明に対する質問の要旨。

   ☆『エネルギーの地産地消こそ地方創生の鍵』

 安倍晋三掲げる「女性が輝く社会」を内閣に於いて象徴する代表格の一人である小渕優子経済産業相に政治資金規正法違反の疑惑が浮上、現在国会で野党の追及を受けている。

 小渕優子。かつて首相を務めた大物自民党政治家小渕恵三の娘として、父親死去後、その跡を継いで2000年6月の衆院選に立候補、26歳にして見事初当選を果たしている。

 「Wikipedia」によると、獲得した票は16万3991票。次点の社民党候補は35769票。その差12万8222票。

 要するに父親小渕恵三の地盤・看板・鞄を引き継いだ。

 どのような政治資金規正法違反疑惑か、その一端を「asahi.com」記事から見てみる。

 疑惑浮上の発端は10月16日発売の週刊新潮(10月23日号)だそうだ。

 問題となったのは東京・明治座で開いた有名歌手らが出演する「観劇会」に後援会会員を招待したときの収支報告。

 10月16日の参院経済産業委員会での小渕優子の説明。

 観劇会は「小渕優子後援会」と「自民党群馬県ふるさと振興支部」が企画、2007年から毎年開催。会費は1人につき「1万円ちょっと」

 「1万円ちょっと」という会費設定は常識的には存在しない。まさか消費税8%を取っているわけではあるまい。「ちょっと」というところにゴマカシの意識が働いている。正確には計算させないようにしようというゴマカシである。

 2005年~2007年の後援会会員からの観劇会参加費収入は100万円台の合計300万円台。2010年と2011年は300万円台の合計600万円台。全合計1199万円。

 一人1万円の会費とすると、延べ1200人程度が参加したことになる。年に1回の観劇なら、2005年~2007年は100人程度、2010年と2011年は300人程度それぞれ参加したことになる。

 因みに明治座の客席数は1368席。明治座を借り切る程の参加者の盛況といったところではなさそうだ。

 一方入場料や食事代等明治座に支出した金額は収支報告書では、収入が上回った年もあったが、合計約6529万円で、支出が約5330万円上回っているとしている。

 約5330万円を小渕優子後援会側が立て替えて、不足分を補ったことになる。このことが有権者への利益供与を禁じた公職選挙法に違反する可能性があるということであるらしい。

 小渕優子後援会は野球観戦も主催、2005年から2011年までの7年間の参加費約196万円に対して東京ドームへの支出は約436万円。約240万円の支出超過で収支報告書には記載されているという。

 当然、ここでも利益供与を疑わなければならないことになる。

 政治資金収支報告書の支出超過が許されないケースで支出超過となって記載されていることも問題だが、より問題なのは選挙対策として地元選挙区の有権者を後援会という形で囲い込んでより確実な支持者として惹きつけておくために観劇や野球観戦、祭りや運動会といった地元行事への参加、後援会員の運動会主催、あるいは後援会員の登山その他の行楽の主催、後援会メンバーの冠婚葬祭へのこまめな列席等々で常に歓心を買っていなければならないということである。

 後援会に1000人集めることができれば、それが選挙の時、3000人4000人の票へと膨らんでいく。後援会員一人ひとりが家族や知人、親戚に「今度の選挙、小渕優子に頼む」と声をかけると、「じゃあ」という確率は決して少なくはない。

 結果、選挙に当選するかしないかは後援会にどのくらいの会員を集めるかどうかにかかってくることになる。少なくとも当選のための安心の材料となる。

 当然、こういった活動が国会議員の優先的な日常普段の地元選挙対策となる。いわば政策や自身の政治上の主義主張を訴えたりする、真の意味での政治活動は従の関係に置くことになる。

 と言うことはまた、地元支持者にしても、支持する国会議員の政策や主義主張よりも観劇や野球観戦、その他の後援会行事により関心を持っていることになって、その関心の程度が投票行動へとつながっていくことを意味することになる。

 こういった国会議員と地元支持者の関係から、国会議員が毎週金曜の夜になると選挙区に帰り、週末に地元で政治活動と言うよりも実質的には選挙対策をして国会が始まる火曜に東京に戻る「金帰火来」(きんきからい)なる、国会議員が習慣とすることになる言葉が生れることになったのだろう。

 そしてこのような地元に於ける日常普段の選挙対策、あるいは選挙活動は今に始まったことではなく、また小渕優子が始めたことでもなく、何十年も前から始ままり、全国津々浦々行われて現在に至っている、先進国の中では日本独特の選挙活動もしくは選挙対策であろう。国会議員も落選したら、ただの人と言われている。ただの人とならないために、日本で選挙で勝つための優先的な方法となっている選挙活動、あるいは選挙対策に力を入れなければならない。

 小渕優子は父親の小渕恵三から地盤・看板・鞄を受け継ぐと同時に、それらをフルに駆使した地元選挙活動・選挙対策も受け継いだのである。 

 言葉を替えて言うと、このような地元選挙対策・地元選挙活動は古典的手法でありながら、現在も続いている伝統芸と言うことができる。

 何回も当選したベテラン議員となると、地元秘書を何人も雇い、雇われた地元秘書はやれ後援会会員の観劇だ、野球観戦だ、運動会だ、桜を見る会だ、ハイキングだと飛び回る。

 そしてこういった行事で後援会員の歓心を買って会員として引き止めておくためには行事参加料の負担を可能な限り軽くすることも重要な要素となり、軽くした場合の不足を政治資金から補填しなければならないケースも生じることになる。

 但しそうなったとしても、そこは巧みな錬金術で秘書が収支の辻褄を合わせるものだし、父親の地盤・看板・鞄を引き継いで資金は豊富なはずだが、何千万円という支出超過が見つかって、利益供与の疑いが出てきた。

 よく聞く話だが、後援会費の肩代わりというのもあるらしい。誰かが個人的に行って後援会員を増やしたり、個人的な肩代わりに見せかけて、最終的に後援会資金から支払う形の肩代わりである。

 後援会員の人数も国会議員にとっては実力を示す指標の一つとなるから、それなりの人数を確保しなければならない。

 政治資金規正法違反も問題ではあるが、国会議員を取り巻く、地元のこういった古典的手法が伝統芸として罷り通る状況こそが何よりも問題ではないだろうか。

 どう見ても、政治後進国の姿しか見えてこない。

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高市早苗は春と秋の例大祭、敗戦の日のみならず、365日、毎日でも靖国神社を参拝すべし

2014-10-16 06:57:23 | Weblog

 


      生活の党PR

       《10月10日(金) 小宮山泰子国会対策委員長、野党7党共同「危険ドラッグ禁止法案」衆院提出》

      詳細は党ホームページをご覧ください。    

 安倍晋三と同根の右翼国家主義大臣高市早苗が10月月17日から20日までの靖国神社秋の例大祭に参拝する意向を明らかにしたとマスコミが伝えている。

 閣議後記者会見。

 記者「秋の例大祭には靖国神社に参拝するか」

 高市早苗「毎年、春も夏も秋も、そしてまた折りに触れ、1人の日本人として、ご英霊に感謝と尊崇の念を捧げてきた。『みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会』とは、ご一緒できないと思うが、時間の合うタイミングで参拝をさせていただきたい」(NHK NEWS WEB/2014年10月14日 12時11分)

 「ご英霊に感謝と尊崇の念を捧げてきた」・・・・・

 何てたって大日本帝国という偉大な国家に命を捧げたのだから、そのような死の奉仕に感謝と尊崇の念が自ずと湧き上がるのは大日本帝国に国家の理想を見る傾倒者としたら止み難い自然の感情と言うものだろう。

 いわば靖国神社は参拝に於ける感謝と尊崇の儀式を通して大日本帝国と対面できる、あるいは大日本帝国を体感できる舞台であり、その舞台に身を置いて遥か日本の歴史の彼方を眺めやることに意味を見い出しているということであろう。

 但し与党公明党の山口代表が民放のラジオ番組で、その参拝に反対の考えを示したと、別の記事だが、これまた「NHK NEWS WEB」記事が伝えている。

 山口代表「安倍総理大臣は来月のAPEC=アジア太平洋経済協力会議にあわせて日中首脳会談を行いたい意向で、政党や議員なども環境整備に向けて努力している。個人のいろいろな考えはあってもいいが、外交的な課題を引き出してしまうことは避けるべきだ」――

 高市早苗が中国や韓国の反対・批判を承知していないはずはなく、承知していて敢えて参拝の意向を示したのは、大日本帝国に国家の理想を見る国家主義のベッドを共にしているクローン的近親性の関係にありながら、中国・韓国に対する外交上の理由で参拝しない意向を示している安倍晋三が春の例大祭や敗戦の日と同様に秋の例大祭という大事な時期に大日本帝国と対面できない、もしくは大日本帝国を体感できない空白を身代わりで埋める心づもりでいるからであろう。

 いわば安倍晋三の代役を務めると同時に自身も参拝する二役を演じる。国家主義のベッドを共にしているクローン的伴侶として安倍晋三の姿を右脇に伴って共に頭を下げ、共に手を合わせ、共に「お国のために戦って尊い命を捧げた・・・」と顕彰して、共に大日本帝国との対面を念ずる、もしくは共に大日本帝国を体感することを念ずる。

 満足、満足。きっと報告するに違いない。

 「総理、総理の分も参拝してきました」

 「そう、私はあなたと一緒に参拝してきた。参拝して、あなたと一緒に歴史を遥か彼方まで遡って体感したのだ。中国や韓国の奴らは、そんなことにまで気づくまい」

 安倍晋三自らが直接参拝しなくても、参拝の実績とし、大日本帝国に国家の理想を見る国家主義を充足させる。

 高市早苗が山口公明党代表やその他周囲の忠告を聞き入れて参拝を中止したとしても、誰かが身代わりの代役を務めて参拝し、共に参拝した実績とし、全てを体感する。

 自らが靖国神社に足を運ばなくても、同じ国家主義者たちの参拝を通して大日本帝国に国家の理想を見る国家主義を満たすことができるというわけである。

 それを止めることができないなら、高市早苗のみならず、安倍晋三にしても、春と秋の例大祭だ、8月15日だと言わずに1年365日、毎日のように参拝して、大日本帝国に国家の理想を見る自らの国家主義を思う存分に発揮して貰おうではないか。

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10月12日「たかじん―」、長谷川、加藤、竹田の琉球独立は即中国に侵略されるが如き言うおバカさん加減

2014-10-14 09:11:33 | Weblog


 10月12日放送「たかじんのそこまで言って委員会」は「日本最悪のシナリオ徹底討論SP」と題して、「富士山噴火」、「残存左翼勢力大暴走」、「日本が世界から孤立」、「日本銃社会化」等、日本最悪のシナリオを想定、果たしてそうなるかどうか、そうなった場合、どうなるかを、例の如く辛坊治郎を司会者に、金美齢、津川雅彦、桂ざこば、加藤清隆、長谷川幸洋、竹田恒泰の面々が独善的な議論を繰り広げていた。

 そこに紅一点として山口もえ、元米国在沖縄総領事のケビン・メアが加わっていた。

 「日本最悪のシナリオ」の、なぜかトップバッターとして、「琉球独立」が名誉の席を占めていた。

 私自身は沖縄は独立すべきだと思っている。元々独立国だった。1609年、 薩摩藩が侵攻し、琉球王国は薩摩藩の従属国化させられ、厳しい搾取を受けた。そして今なお米軍基地が沖縄経済の多様化を阻害してきたという点で搾取を受けていると言うことができる。

 沖縄の米軍基地経済依存の割合はかなり減っているものの、沖縄の米軍基地経済依存の歴史が沖縄経済の多様化を阻害してきた歴史でもあって、その悪影響が現在でも相当に色濃く残っているはずだと言うことである。

 番組はもし沖縄が独立して米軍と自衛隊が撤退すれば、邪魔者がいなくなった中国が武力によって沖縄を併合して、沖縄周辺海域に眠る石油や天然ガスも尖閣諸島も全て中国のものになって、沖縄は中国人民共和国琉球自治区となるという最悪のシナリオを設定、「琉球独立はあり得るか、あり得ないか」パネラーに尋ねていた。

 山口もえ「あり得ない――日本国であって欲しいので」

 金美齢「あり得ない――ノイジーマイノリティ」

 長谷川幸洋「あり得ない――独立しても中国に侵略される」

 竹田恒泰「あり得る――中国が支援する」

 桂ざこば「あり得ない――独立してもやっていけない」

 津川雅彦「あり得る――スコットランドのように自主投票で」
 
 ケビン・メア「あり得ない――沖縄県民はそんなアホではない」

 加藤清隆「あり得ない――中国の『特別自治区』になる」

 長谷川幸洋と竹田恒泰、加藤清隆はどうしてそうなると思うのか、そのおバカな発想が理解できない。

 それぞれのおバカな発言は簡単に記すに留める。

 金美齢「琉球独立を騒いでいるのはノイジーマイノリティ(少数派だが、声高に騒いでいるから、目立っている)に過ぎない。新聞がそれに乗っかっている」

 少数派で片付けようとしている。例え現在少数派でも、気運次第で無視し難い勢力とならない保証はない。

 長谷川幸洋「この間スコットランドで、住民投票あった。独立派が結局否決されてしまったわけだが、ヨーロッパを例に取ると、一番ヨーロッパの中で独立してるのに殆ど近い国は実はスイスで、スイスを例によく考えてみなければならない。

 沖縄がスイスのように独立した時にどういうことになるかと言うと、スイスはやっぱり自分で守っている。EUにも入ってない。NATOにも入ってない。各家庭に全部、自動小銃が政府から配られている」

 竹田恒泰「シェルターもあります」
 
 長谷川幸洋「ついこの間までは手榴弾まで配られていた」

 金美齢「「国民皆兵なんです」

 長谷川幸洋「国民皆兵です。青年男子はみんな予備役ですから。スイスは沖縄と違って山の中にあって、道路の壁のところには全部爆薬が埋められている。 いざ戦闘になったら攻められないように。

 そういうスイスとこの沖縄を考えると、沖縄は海に囲まれている。あっという間に中国にやられれてしまう。そもそも各家庭で機関銃持って、人民解放軍と戦うというところまでやるのだろうか。

 スイスの場合は焦土作戦ですから。焦土作戦で沖縄は首里城も焼き尽くしてしまってもいい戦う覚悟があるのだろうか。

 こういう話をしないと、独立論は現実にならない」――

 スイスと沖縄の戦略的価値の違いを一切抜かしたおバカな議論に過ぎない。しかもスイスはフランス、ドイツ、イタリアといったNATO諸国に囲まれている。東隣のオーストラリアはNATO加盟国ではなくても同じく中立国である。スイスから見たら、軍事的脅威なき国々である。

 もし中国が本気になって独立した沖縄を侵略する気になったなら、機関銃や手榴弾で太刀打ちできる相手ではない。覚悟を言ったのだとしても、今更軍備拡大競争をしても始まらない軍事的武器を比較に持ち出すのはおバカもいいとこである。

 何も「各家庭で機関銃持って、人民解放軍と戦う覚悟」を持たなくても、あるいは軍事力に頼らずとも、独立を確保することのできる方法はある。

 加藤清隆「あまり知られてない話を紹介すると、国家主席の習近平は福建省時代、省長をやっていたとき、沖縄に4回も行っている。

 習近平は今国家主席でトップです。彼の意向が相当反映されて人民日報の記事になり、あるいは沖縄をどうしても中国が欲しがっているという厳然たる事実がある。そういうのに(沖縄の新聞が琉球独立というノイジーマイノリティというのに)乗っかってしまえば、一体どういうことになるか」

 つまり新聞が琉球独立というノイジーマイノリティに乗っかって沖縄世論を形成、下手に独立を果たしたなら、たちまち中国の餌食になると言っている。

 竹田恒泰「(既に)琉球新報が乗っかっちゃうわけですから。でそもそもですね。琉球独立って憲法違反なんですね。これあの政府解釈なんですけど。これ1997年の衆議院予算委員会で大森内閣法制局長官答弁で、『琉球独立に関しては、現行憲法にはその規定がなく不可能』というのがこれ政府見解。

 だから、それを無視して琉球が独立したら憲法違反です」

 1609年の薩摩藩の武力による琉球王国の従属国化と琉球を強制的に近代日本国家に組み込んでいき、琉球王国を廃絶に追い込んだ1872年(明治5)以降の日本政府の、いわゆる「琉球処分」という歴史的事実は侵略そのものを意味している。

 このような侵略に対して国連総会は2007年9月13日、「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を採択、第28条で、「先住民族は伝統的に所有し、または占有もしくは使用してきた土地、領域および資源に関して自由で事前の情報に基づいた合意なくして没収、収奪、占有、使用され、または損害を与えられたものに対して原状回復を含む手段により、またはそれが可能でなければ正当、公正かつ衡平な補償の手段により救済を受ける権利を有する」と規定している。

 独立国としての原状回復を求める権利を国際的に有していることになる。

 いくら日本国憲法が「国の最高法規」であったとしても、あくまでも一国の最高法規であって、日本が国際関係の中で存続している以上、日本も締結国として名を連ねている国際連合宣言を優位に位置づけなければならないはずだ。

 加藤清隆「辛坊さん、琉球独立は憲法違反でもあり、刑法違反でもある。刑法の中に外患誘致罪というのがあって、外敵を引き入れて、国内の安寧秩序を乱す行為は外患誘致罪、これは死刑ですからね」

 まるで琉球が独立したら、中国を引き入れることを決めているかのようなおバカな考えに取り憑かれている。

 もし独立した琉球が中国の支配下に入ることを望んだとしたら、中国は「外敵」ではなく、友好国となる。またそれ以前の問題として、独立した時点で日本の刑法は適用外となる。

 勿論、独立前に中国軍を呼び入れて、日本からの独立を宣言するという手段も存在する。しかしそうした時点で琉球自体の独立の保証は限りなく失われることになる。

 沖縄県民がそれでもいいと望んだとしたら、日本国憲法も刑法もクソもないことになる。

 だが、沖縄はそういった選択はしないだろう。

 番組にしても、おバカなパネラーたちにしても、琉球独立を前提に話を進めているから、当方も独立を前提とする。沖縄が住民投票なり、一方的独立宣言なりして琉球独立を獲ち取ろうと望んだなら、望んだ時点で前以てアメリカやイギリス、ドイツ、フランス、その他の主要国に対して、「独立を果たした場合という条件づきで、主権国家として承認すると声明を出して貰いたい」と要請、「承認されないままに独立を果たした場合、中国に侵略される危険性に迫られることになる。万が一、そうなった場合、あなた方の国益にプラスのなるだろうか」と問う。

 どの国もそのような要請を断ることはできないはずだ。中国侵略の想定は完璧には否定できないからだ。そうである以上、要請を断ったなら、中国の覇権主義・領土拡張政策に手を貸すことになる。あるいは貸したことになる。

 独立前の沖縄は日米安全保障条約によって守られる。独立後は西欧各国による外交上の国家承認によて守られることになる。日本も独立した琉球を主権国家として承認しなければならなくなるだろう。

 中国がただ一国取り残された形で琉球を国家として承認しないままでいたとしたら、侵略の意図を内に秘めていると勘繰られ、中国脅威論をなお一層燃え上がらせることになる。

 一旦、国家として承認した場合、西欧各国の承認に加えて、承認した琉球への侵略は不可能となる。


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安倍晋三の恒例日曜日被災地視察は訪問回数の記録が目的だから、駆け足なのか

2014-10-13 09:43:18 | Weblog



 10月12日日曜日、安倍晋三がまたまた被災地を訪問した。それを伝える記事からでは、訪問地を全て書き込むわけではないから、駆け足の訪問であるのは見えてこないが、首相動静を伝える記事からだと、否応もなしに見えてくる。

 次の記事を参考に時間割を見てみるが、分かりやすいように色付け、その他、手を加えている。時間はそのままだが、不審な点があるなら、リンクを付けておいたから、確認して頂きたい。

 《時事ドットコム》時事ドットコム/2014/10/13-00:06)   

 10月12日日曜日

 午前7時54分 東京・富ケ谷の私邸発。

 午前8時12分 JR東京駅着。

 午前8時20分 はやぶさ5号で同駅発。

 午前9時50分 JR仙台駅着。

 午前9時55分 JR仙台駅発。竹下亘復興相同行。 


 午前10時40分 宮城県亘理町の小野望美さん(小6年生)宅着。小野さんや家族と懇談。
            |
            |27分在宅。
            |
 午前11時7分 小野望美さん宅発。

 午前11時20分宮城県亘理町立長瀞小学校着。視察、同校生徒と記念撮影。
            |
            |29分滞在。
            |
 午前11時49分 町立長瀞小学校発。

 午後12時00分 宮城県山元町農業生産法人「GRA」着。視察、イチゴとトマトを試食。
            |
            |21分滞在。
            |
 午後12時21分
 
 午後12時59分 仙台市若林区の場外市場「杜の市場」着。竹下復興相、副知事、仙台市長等と昼食。
            |
            |50分滞在。
            |
 午後1時49分 同所発

 午後1時59分 仙台市若林区サンピアスポーツクラブ仙台着。視察、植樹。
            |
            |25分滞在。
            |
 午後2時24分 同所発。

 午後2時41分 仙台市宮城野区の南蒲生浄化センター着。視察。

 午後3時9分~3時13分 報道各社のインタビュー。

 安倍晋三 (視察の感想)「暮らしのためのインフラが着実に復旧し、かつての施設よりも未来型の施設に生まれ変わろうとしているのは本当に勇気づけられる」
            |
            |インタビュー時間を差し引くと、正味29分滞在。
            |
 午後3時14分 同所発。

 午後3時46分JR仙台駅着。

 はやぶさ24号に揺られて帰宅の途に。今回の視察で首相になって何回目だと、指折り数えていたのかもしれない。

 首相就任後の宮城県訪問は7回目で、福島、岩手両県を含む被災3県では19回目だと、「産経ニュース」が伝えている。

 最も滞在時間が長いのは昼食の50分。

 宮城県亘理町の小学6年生の小野望美さん宅は27分間滞在しているが、野党時代の2011年4月に避難所を訪問した際に知り合って以来、交流を続けていた関係からの訪問だそうで、西村復興副大臣が同席、家族も交えて歓談して話を弾ませなければならない性格の訪問ということになって、そのような訪問であるなら、果たして27分を長い時間と言えるかどうかである。

 少なくとも腰を落ち着けて3年6カ月の変遷を話し合うには少な過ぎる時間と言える。

 もし次の訪問もあるからと、話を打ち切ってそそくさと腰を上げたとすると、最初から駆け足訪問の予定であったことを物語ることになる。

 29分滞在した宮城県亘理町立長瀞小学校は大震災時に校舎の一階部分が2メートルを越える津波で浸水する被害に遭い、現地に新築したということだが、全校児童263名は全員無事と、「Wikipedia」に書いてある。

 263名のうち、何名かは引っ越しなどで小学校に戻らなかったり、卒業・入学の変動で生徒数に増減があるとしても、少なくとも200名以上の生徒を記念撮影のために一箇所に集めるのにそれ相応の時間がかかるだろうから、正味の滞在時間は29分をかなり少なくすることになる。記念写真の撮影以外に何を落ち着いて視察したというのだろうか。

 安倍晋三が小学校到着と同時に記念撮影ができるようにとの図らいを要請されて前以て全生徒を集めておいたとしたら、駆け足訪問であることの正体を露わにしたことになる。

 仙台市宮城野区の南蒲生浄化センターを視察時、「暮らしのためのインフラが着実に復旧し、かつての施設よりも未来型の施設に生まれ変わろうとしているのは本当に勇気づけられる」と言っているが、生徒一人ひとりに校舎新築前〈=震災前)と新築以後〈=震災以後)の授業への身の入れ方に変化があるかといった、“生徒の生まれ変わり”を尋ねることまでする時間はなかったはずだ。

 教育施設を視察するなら、建物や設備といったインフラを確かめるよりも教育内容や教育方法、生徒の教育姿勢等を尋ねてこそ、意味を持つ。教師にしても、震災という大混乱の経験を経て、教育意識に何らかの変化があるはずである。

 そうでなければ、記念撮影を含めて、駆け足ゆえの表面的な視察と言われても仕方がない。

 残る訪問場所は20分から25分程度の短い時間となっている。 往復の新幹線を使ってかかった時間を除いて、宮城県亘理町の小野望美さん宅訪問の午前10時40分から仙台市宮城野区の南蒲生浄化センター視察終了の午後3時14分までの4時間34分間の1日の訪問スケジュールが昼食先を含めて6箇所の多さである。6箇所も欲張ったと見ることさえできる。

 最初から駆け足訪問を目的にしていたということであるはずだ。

 勿論、それが駆け足であったとしても、一国の首相の訪問だからと、元気づけられることに意義を見い出す向きをあるだろうし、訪問を名誉として後々までの記念にするケースもあるだろうが、復旧・復興は安倍晋三の訪問を受けた場所だけの問題ではない。被災地全体の問題である。

 安倍晋三の復旧・復興が進んでいる場所の訪問・視察の類いが、あるいは訪問・視察を受けた側のその意義や記念が復旧・復興が遅れている個所の遅れを挽回するおマジナイになるわけではない。

 であるなら、首相官邸に関係閣僚その他を招いて、被災地全体に於ける個々の産業や地区ごとの被災住民の生活、インフラ等の復旧・復興の進捗程度を時間をかけてじっくりと話を聞き、その程度を数値化して、遅れている個所の数値を最高点に到達させるにはどのくらいの日数がかかるか、短くすることはできないか等々、議論し合って、復旧・復興の加速を促す方がより意義のある、安倍晋三がかねがね標榜している「被災地の心に寄り添う現場主義」となるはずである。

 復旧・復興が進んでいる被災地を駆け足訪問・駆け足視察しても、必ずしも「被災地の心に寄り添う現場主義」とはならないということである。

 このことは被災地訪問の度毎にほぼ何らかの農水産物を試食し、今回も宮城県の山元町農業生産法人「GRA」を視察、イチゴとトマトを試食しているが、今以て風評被害が収まっていないことにも現れている。

 安倍晋三「私も総理就任以来、49か国を訪問し、200回にわたる首脳会談を行いました」

 今年9月13日、拉致被害者家族会等の集会で挨拶した時の発言である。

 日本の安全保障に最も深く関係する韓国や中国との関係改善を果たす重大な任務を遂行もできずにその意思さえあれば可能となる国への訪問回数を誇り、首脳会談回数を誇るところを見ると、被災3県で19回の訪問・視察というのも、単なる記録が目的でしかないように見える。

 だからこそ、駆け足訪問や駆け足視察ができる。

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安倍晋三、岸田外相、石破茂、オバマ大統領、ノーベル平和賞受賞者への談話等四者四様の言葉の質

2014-10-12 08:21:36 | Weblog

 
 2014年のノーベル平和賞17歳のパキスタンのマララ・ユスフザイさんとインドのカイラシュ・サトヤルティさん60歳に決まった。

 2012年、パキスタンで女性が教育を受ける権利を訴えていたマララさんは11歳のとき、「パキスタンのタリバン運動」が女子教育を禁止していることをブログで告発、15歳のとき、中学校から帰宅途中のスクールバスの中でイスラム武装勢力「パキスタンのタリバン運動」に頭部を銃撃されたが一命を取りとめ、襲撃と威しにめげず、女性が教育を受ける権利を訴えつづけてきた。

 受賞について、イギリスで記者会見し、「私にとって新たな挑戦の始まりだ。世界のすべての子どもが教育を受けられるようにしたい」(NHK NEWS WEB)と述べて、活動への意欲を燃やしている。

 もう一人の平和賞受賞者〈カイラシュ・サトヤルティさん(60)は大学院で電気工学を学び、大学講師を務めていた1980年、社会活動家に転身。児童労働や人身売買から子どもを守る運動「子ども時代を救え」を立ち上げ、地方の町からデリー、ムンバイなどの大都市に送られる子どもたちを救出、教育や社会復帰を支援する場を提供してきた。〉と「東京新聞」が伝えている。

 救出した子供は8万人にも上ると同記事は伝えている。

 安倍晋三、岸田外相、石破茂、オバマ大統領がマララさんに対してそれぞれ談話やコメントを出している。

 《安倍首相「世界に勇気与えた」マララさんノーベル賞》スポーツ報知/2014年10月10日23時16分)

 10月10日夜。

 安倍晋三「(マララさんについて)武装勢力から命を奪うぞと脅迫を受けたにもかかわらず、女性が教育を受ける権利を訴え続けたことは世界中の人々に勇気を与えた。

 (カイラシュ・サトヤルティさんについて)人生をささげ、強制労働に苦しむ多くの子どもたちを救い出してきたことは人々に生きる希望を与えた。

 (2人の活動によって)明日の世界がより良い世界となることを信じてやまない」

 岸田外相「(マララさんについて)テロに屈することなく女性が教育を受ける権利を訴え続けてきた。勇気ある行動に敬意を表する」

 石破茂「彼女の活動は物理学や化学と違い、はっきりと目に見える業績ではないが、尊く意義深い。若いがノーベル賞に値する」(共同通信の取材に対する発言)
 
 安倍晋三と岸田外相のコメントは活動の表面をなぞっただけの、誰もが言いそうな紋切り型の言葉の質となっている。平板で月並みな表現の域を出ない。

 石破茂は「彼女の活動は物理学や化学と違い、はっきりと目に見える業績ではない」と言っているが、マララさんは16歳の若さに関わらずに命を危険に曝した襲撃に屈服せずに立ち上がって女性が教育を受ける権利を訴える言葉を発し続けているし、サトヤルティ氏は児童労働や人身売買から多くの子供を救出、なおその活動を広げている。

 女性が満足に教育を受けることができない、あるいは全然受けることができない問題も児童の労働も児童の人身売買も、搾取を基本的構造とした世界の問題であって(児童をタダ同然で働かせてつくらせた製品が回りまわって先進国に出回っていることもあるはずである)、当然、その解決は世界が果たすべき目標であり、二人がそれらの目標を世界に提示した象徴的人物となっているという点に於いて既に「はっきりと目に見える業績」を成し遂げていると言うことができるはずである。

 このことを考慮して平和賞は与えられたのではないだろうか。

 勿論、解決までの道のりは遠く、至難の技であるが、二人は世界が果たすべき目標を提示し続ける象徴的人物で在り続けるはずである。

 オバマ大統領の声明。《尊厳守る人々の勝利=マララさん「世界動かす」-オバマ米大統領》時事ドットコム/2014/10/11-06:45) 

 オバマ大統領「(マララさんについて)人間一人ひとりの尊厳の擁護に力を尽くす全ての人々の勝利だ。わずか17歳にして、情熱と意思によって、あらゆる土地の少女たちに確実に教育の機会を与えるべく取り組むよう世界中の人々を突き動かした。

 (カイラシュ・サトヤルティさんについて)児童労働を終わらせ、奴隷労働という汚点を世界から一掃することに人生を捧げてきた」――

 いわばマララさんの受賞は人間一人ひとりの尊厳の擁護に力を尽くしてきた世界の人々に力を与え、その尽力を確かなものとすると言い、教育の機会付与を世界に提示したとする言葉の質が意味するところは月並みを脱している。

 17歳のマララさんも、60歳のサトヤルティ氏も、搾取の犠牲となって“人間の尊厳”を持ち得るに至っていない女性や子どもたちの、その尊厳を持ち得ている世界の人々と等し並にする(差別をせずに同じようにする)尊厳擁護の闘いに果敢に挑んでいる。

 女性は女性であるべきだと。子どもは子どもであるべきだと。

 世界の指導者たちが二人の受賞に与えるそれぞれの言葉も、その言葉の質によっては彼らの闘いに力を与えることになるはずだ。

 以上、ノーベル平和賞賞受賞者に対する4人の談話・声明から、ない頭を絞って言葉の質を考えてみた。

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安倍晋三・菅義偉の従軍慰安婦強制連行を河野談話作成時の日韓の擦り合わせに矮小化し否定する論法の正当性

2014-10-11 10:18:52 | Weblog



      生活の党PR

       小沢一郎生活の党代表インタビュー
       《政権を狙わない政党や政治家は辞めたほうがいい》PRESIDENT Online/2014年9月30日)

 
       《10月12日(日) 村上史好国会対策委員長代理『日曜討論』(NHK)出演のご案内》  
    
       番組名:NHK『日曜討論』(生放送)
       日  時:平成26年10月12日(日)9:00~10:00  

        内 容

        ○ガイドライン見直しへ 日米防衛協力をどうする
        ○日中・日韓関係改善に何が必要か
        ○北朝鮮 拉致問題解決の道筋は等  

 辻元清美が10月3日の衆院予算委で「河野談話」について質問していた。

 辻元清美「吉田清治氏の証言がですね、河野談話の内容に影響を及ぼしていないと言っていい理解でいいですか」

 菅官房長官「河野談話の作成過程の中で政府は吉田清治氏から聞き取り調査を行っています。その結果ですね、同氏の証言は客観的事実に照らして辻褄が合わなかった。

 他の証言者の証言と比較して信用性が低かったところから、河野談話に反映されなかったと、こういうことであります」

 辻元清美「と言うことは、えー、総理がお帰りになりました。(便所からだろう。屁を我慢していて、便所に屁をしに行ったのかもしれない)どうぞ(と手を差し伸べる)。お掛けください。

 今河野談話ですので、えー、総理がいないとちょっと始まらないのです。今(菅官房長官の)ご答弁で、総理がですね、(河野談話作成過程検証の)検討会を依頼してですね、その中で吉田氏の証言が河野談話の内容に影響は及ぼしたことはないという理解で良いのかという質問に対して、菅官房長官から、それはないと、いうご答弁でした。総理と同じ認識ですね」

 安倍晋三「ま、この検討会は官房長官の下で官房長官が責任を持って開いたものです。今、官房長官が答弁したとおりだと思います」

 辻元清美「次にですね、この河野談話は今色々と言われております。16人の元慰安婦の聞き取り調査、えー、がですね、根拠になったのではなく、官房長官、よく聞いてくださいね。関係省庁に於ける関連文書、米国国立公文書の文書や、それから軍関係者や慰安所経営者と各方面への聞き取り調査、それから証言集の分析などで出た結果であって、元16人の慰安婦の聞き取りが根拠になったものではないと、いうことでよろしいでしょうか」

 菅官房長官「この16人の元慰安婦からの聞き取り調査でありますけれども、6月20日に公表した政府の河野談話作成過程等に於ける検討等、その報告書のとおりですね、河野談話の原案は元慰安婦からの聞き取り調査の終了前に、それまでに日本政府が行った関連の文書の調査結果等に基いて既に作成されていたと、このように発言をされております」
 
 辻元清美「総理も同じ認識で、16人の元慰安婦の方の証言が河野談話に影響を及ぼしていないということでよろしいでしょうか」

 安倍晋三「通常であればですね、16人の聞き取り調査をしたんだから、河野談話を作るためには聞き取り調査をしたとみんな思っているわけでありますが、(検討チームが)調査をした結果ですね、もう既にそれは日韓協議をしていたということでありまして、16人の証言を入れる前に、証言する前にですね、決まっていたということであったということであります」

 辻元清美「次にこの作成過程で事前の韓国側との遣り取りがあったことで、河野談話の内容が歪められたことはないという理解で、官房長官、宜しいでしょうか」

 菅官房長官「6月20日公表した政府の河野談話作成等に関する検討チームの報告書に明らかにされているとおりですね、当時の日韓両国政府は河野談話を発表することによって一つの区切りをつけて、未来志向の関係を築くことを目指し、綿密な調査・意見交換を行ってきたと。

 そして政府は一連の調査を通じて得られた認識が、いわゆる強制連行は確認できないという認識に立ってですね、それまでに行った調査の事実関係を歪めることのない範囲で韓国政府の意向・要望について受け入れられるものは受入れ、受入れられないものは拒否する姿勢で、河野談話の文案を巡る韓国側との調整に臨んできたと」

 辻元清美「官房長官、そういうことは、遣り取りは、直接ですね、河野談話の内容を、日本政府の意向を歪めたわけではないということですね」

 菅官房長官「この検討チームの報告から推測しますとですね、まさに日韓両国に於いてですね、まさにこの問題に一区切りをつけて未来志向の関係を築こうという中のギリギリのすり合わせの結果の文書であったというふうに考えられると思います」

 辻元は下村博文に、2014年度の中学校教科書の検定から適用とした、近現代史を扱う教科書は政府見解を尊重することを求める内容に検定基準を改正したことに関して、「河野談話」は政府の統一見解に該当するのか質問し、「河野談話は検定基準上の閣議決定により示された政府の統一的見解に該当する」という答弁を得る。

 辻元清美「総理にお伺いしたいんですが、総理はかつてですね、この問題を何回も国会で発言され、また、かつて決算委員会でそういう発言をされているんですね。『この河野談話についてですね、殆どの根拠はこの吉田清治なる人物の本、あるいは証言によっているということであります。その根拠が崩れているにも関わらず、(河野)官房長談話は生き、そして更に教科書に載ってしまった。これは大きな問題である』

 要するに河野談話は吉田清治なる人の証言が根拠で、既に崩れているけど、官房長官談話は生きているというのは問題だというようにご指摘をなさっているんです。

 今回総理自らが調査をされた結果、この吉田清治なる人物の証言と河野談話は何か影響を及ぼしているわけではないということですから、この当時の総理の認識は間違いと言うか、違っていたということになりますが、如何でしょうか」

 安倍晋三「その時の発言はまだ質問通告ございませんから、分からないので、えー、お答えをしようがございませんが、しかし河野談話についてですね、ここでは強制性については事実上認めていないと。こちら側はですね。

 韓国側との遣り取りの中でそうなのでありますが、河野洋平長官が、いわば記者会見の中でその事実をお認めになったということであります。河野官房長官談話と、河野官房長官の(記者会見の)お答がですね、合わさって、いわばイメージがつくり上げられているのは事実であります。

 それが吉田証言がどのように関わっていたか分かりませんが、吉田証言が河野長官のお答にどのように関わっていたか分かりませんが、吉田証言自体がですね、強制連行の大きな根拠になっていたのは事実ではないかと、このように思うわけであります」

 辻元清美「もう一回申し上げますけれども、正式の国会の場で総理がですね、この吉田証言を根拠にしている河野談話、これは問題だという趣旨の発言をされているので、総理自らが吉田証言と河野談話はこれは関係ないと、かなり活発に総理はあちこちで、委員会と言うか、あちこちで発言をされているわけですよ。

 ですから、関係はないということは、これをお取り消しになるか、この認識は間違っていたということを聞いているのですよ。これは韓国を含めて、世界中見ていますよ。はっきりと仰ったほうがいいですよ。今まで間違っていたということを。

 河野談話は吉田証言が根拠で、崩れていると。既に国会でおっしゃっているわけですよ。如何でしょうか。

 私はね、(安倍晋三が)朝日新聞の間違いは認めろと仰った。それは正しいと思いますよ。そうすると、ご自分の認識違い、今回の検証ので明らかになったじゃないですか。認められたらどうですか」

 安倍晋三「まあ、私はまだこの発言自体を精査しておりません。いずれにせよ、ですね。今申し上げましたように河野談話プラス、いわばその時の長官の記者会見に於ける発言により、強制連行というイメージが世界にこれは流布されたわけであります。

 つまりその中に於いて、河野談話自体がですね、事実上、いわば強制連行を認めたものとして認識されているのは事実でありますが、文書自体はそうではないと、いわば河野談話自体について今回検証したわけでありますし、我々は河野談話については継承するというように申し上げているところであります」

 辻元清美「今まで総理が仰って、先程高市さんにもお聞きしましたけども、総理が仰ってきたことを今回検証したことで自ら総理が仰ってきたことを否定されたんです。

 あの検証っていうのは、よく認識された方がいいと思います。ですから、私はお認めになっているから、これ以上言いませんけど、その点ははっきりと国際的には示されたほうがいいですよ。色んなことを仰っている。それがですね、日中・日韓の、あのー、トゲになっていますから」

 別の質問に移る。

 「私はお認めになっているから、これ以上言いませんけど」と、尊敬語の「お」を付けて言っているが、何のことを言っているのか意味不明。安倍晋三が決算委員会で発言したことが今回の政府の検証で間違いであることが判明したことは、私自身ははっきりしていることと思っているから、「これ以上言いませんけど」と言ったのだろうが、自分が明らかに間違いだと認識していたとしても、相手の安倍晋三が認めなければ何もならない。

 独り善がりもいいとこである。余分な言葉が多くて、肝心な追及ができない。あるいは的外れな追及の仕方をしている。

 菅官房長官は検証の結果、吉田証言は「客観的事実に照らして辻褄が合わなかった」から、河野談話に反映されていないことが判明したといった趣旨のことを言い、対して辻元清美は、河野談話は吉田清治の本、あるいは証言を根拠として作成されたとする安倍晋三の決算委員会でのかつての発言を持ち出して、間違いだと判明したのだから、発言を訂正しろと迫った。

 安倍晋三が間違いだと認めて発言を訂正したからといって、どうなるというのだろう。強制性を否定していることまで変えることができるわけではない。的外れな質問としか言い様がないが、輪をかけて始末の悪いことは、安倍晋三に「その時の発言はまだ質問通告ございませんから、分からないので、えー、お答えをしようがございません」と逃げられ、「私はまだこの発言自体を精査しておりません」と逃げられたとき、的確な対応ができなかったことである。

 前以て質問を用意していて、国会質疑の中での発言として取り上げている以上、正確を期すために新聞記事からではなく、「国会会議録検索システム」のサイトから発言を採録したはずであるし、採録しなければならない。

 「何年何月何日の決算委員会での総理の発言を国会会議録検索システムからコピーしたもので、総理の発言に間違いはありません。例え記憶になかったとしても、私が言った通りの発言をしたのです。もし認めなければ、国会会議録検索システムの記録が間違っていることになります。

 私が言った通りにご自身が口にした発言と認めて、検証結果と整合させて頂きたい」

 こう言えば、質問通告だとか、精査だとかの言葉を封じて、答えざるを得なくさせるはずである。 

 菅長官は「河野談話の原案は(16人の)元慰安婦からの聞き取り調査の終了前に、それまでに日本政府が行った関連の文書の調査結果等に基いて既に作成されていた」と言い、日本側は「強制連行は確認できないという認識に立って」いたものの、「韓国政府の意向・要望について受け入れられるものは受入れ、受入れられないものは拒否する姿勢」で「韓国側との調整に臨」み、「当時の日韓両国政府は河野談話を発表することによって一つの区切りをつけて、未来志向の関係を築くことを目指し、綿密な調査・意見交換を行っ」た、いわゆる妥協の産物・擦り合わせの産物だとして、強制連行の事実を否定している。

 だが、検証チームの報告書、《慰安婦問題を巡る日韓間のやりとりの経緯》によると、16人の元慰安婦に関しては1993 年7月26日から7月30日まで聞き取り調査を行っている。

 但し、〈聞き取り調査の位置づけについては,事実究明よりも,それまでの経緯も踏まえた一過程として当事者から日本政府が聞き取りを行うことで,日本政府の真相究明に関する真摯な姿勢を示すこと,元慰安婦に寄り添い,その気持ちを深く理解することにその意図があったこともあり,同結果について,事後の裏付け調査や他の証言との比較は行われなかった。聞き取り調査とその直後に発出される河野談話との関係については,聞き取り調査が行われる前から追加調査結果もほぼまとまっており,聞き取り調査終了前に既に談話の原案が作成されていた。〉と、元慰安婦からの聞き取りは事実究明を目的としたものではなく、〈日本政府の真相究明に関する真摯な姿勢を示すこと〉を主たる目的としていた。

 そのために〈事後の裏付け調査や他の証言との比較〉は行わなかった。

 いい加減なものであるが、韓国側との妥協や擦り合わせがあり、〈事後の裏付け調査や他の証言との比較〉を行わなかったとしても、16人の元慰安婦が証言している以上、強制連行されたとする趣旨の証言を行ったと考えられることから、前者のみの事実を以って「河野談話」が強制性を否定していることにはならない。

 また、検証チームの報告書は16人の元慰安婦からの〈聞き取り調査終了前に既に談話の原案が作成されていた。〉としているが、あくまでも〈原案〉であって、最終案であることを言っているわけではない。

 当然、安倍晋三が「16人の証言を入れる前に、証言する前にですね、(河野談話の内容が)決まっていたということでであったということであります」と言っていること自体は、事実誤認も甚だしいことになる。

 安倍晋三が「河野談話についてですね、ここでは強制性については事実上認めていないと。こちら側はですね」と言っていることは、菅官房長官が検討チームの報告書に基いて「いわゆる強制連行は確認できないという認識に立ってですね、それまでに行った調査の事実関係を歪めることのない範囲で韓国政府の意向・要望について受け入れられるものは受入れ、受入れられないものは拒否する姿勢で、河野談話を文案を巡る韓国側との調整に臨んできたと」と説明した文言に相当する。

 繰返しになるが、報告書には次のように記述されている。様々な調査の結果、日本側は〈いわゆる「強制連行」は確認できないという認識に立ち,それまでに行った調査を踏まえた事実関係を歪めることのない範囲で,韓国政府の意向・要望について受け入れられるものは受け入れ,受け入れられないものは拒否する姿勢で,河野談話の文言を巡る韓国側との調整に臨んだ。〉――

 いわば「河野談話」に書き入れてある「強制連行」は韓国側を納得させるフィクションだとする位置づけを行っていることになる。16人の元慰安婦の聞き取り証言の裏付け調査も行わずにである。
 
 果して検討チームの報告書自体が安倍晋三の意向に添ってある意図のもとに作成されたのではないかという疑いを持ちたくなる。

 この根拠は、安倍晋三が「河野官房長官談話と、河野官房長官の(記者会見の)お答がですね、合わさって、いわばイメージがつくり上げられているのは事実であります」と言っている記者会見発言と検討チームの報告書の謂わんとしていることがあまりにもかけ離れているからである。

 安倍晋三のいう記者会見がいつの記者会見か不明で、インターネットで探したが見つからなかった。但し「河野談話」発表の1993年(平成5年)8月4日から約4年後に河野洋平は朝日新聞のインタビューを受けている。インターネット上で見つけた。
 
 河野洋平 朝日新聞インタビュー(朝日新聞/1997年3月31日)

 ー募集については。

 政府が聞き取り調査をした元慰安婦たちの中には明らかに本人の意思に反してという人がいるわけです。つまり、甘言により集められた、あるいは強制によって集められた、あるいは心理的に断れない状況下で集められた、といったものがあったわけです。

 当時の状況を考えてほしい。政治も社会も経済も軍の影響下にあり、今日とは全く違う。国会が抵抗しても、軍の決定を押し戻すことはできないぐらい軍は強かった。そういう状況下で女性がその大きな力を拒否することができただろうか。

 ー「甘言」「強圧」とはどういうことですか。

 「甘言」とは、例えば「工場で働いてもらう」と言われて連れていかれたところが、慰安所だった。詰まり「だまされて」ということだ。「強圧」とは、植民地統治下にあって、軍が背後にいることがはっきりしている状況の中で、その指示とか、申し出とかは断れる状況ではなかった、ということだ。

 ー元慰安婦の証言が、強制性を認める心証となったのですか。

 連れていった側は、ごくごく当たり前にやったつもりでも、連れていかれた側からすれば、精神的にも物理的にも抵抗できず、自分の意思に反してのことに違いない。それは文章に残らないが、連れていかれた側からすれば、強制だ。

 ー元慰安婦の証言の信ぴょう性について疑問の声もありますが。

 半世紀以上前の話だから、その場所とか、状況とかに記憶違いがあるかもしれない。だからといって、一人の女性の人生であれだけ大きな傷を残したことについて、傷そのものの記憶が間違っているとは考えられない。実際に聞き取り調査の証言を読めば、被害者でなければ語り得ない経験だとわかる。相当な強圧があったという印象が強い。

 ー政府が聞きとり調査をした軍人・軍属の中にも強制連行があった、と証言した人はいたのですか。

 直接強制連行の話はなかった。しかし、総合的に考えると「文書や軍人・軍属の証言はなかった。だから強制連行はなかった。集まった人はみんな公娼だった」というのは、正しい論理の展開ではないと思う。(以上)――
 
 検討チームの報告書が記述している「強制連行」は確認できなかったが、韓国側との妥協でそれを認めたとする趣旨とあまりにもかけ離れている。

 河野洋平元官房長官の記者会見発言の正当性はインドネシアで日本軍によって強制的に従軍慰安にされ、強制的に売春婦にされたインドネシアの未成年を含む若い女性やオランダ人女性たちの証言、その他の国の元従軍慰安婦の証言が証明している。

 安倍晋三と菅義偉は従軍慰安婦の強制連行を河野談話作成時の日韓の擦り合わせに矮小化し、そのような事実に基いて否定する論法を駆使する狡猾な歴史修正を行っているに過ぎない。

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