望月環境相の政治資金収支報告書の虚偽記載疑惑国会追及は辞任によって一段落つける以外に方法はない

2014-10-29 09:16:40 | Weblog



      生活の党PR

       《10月24日(金) 鈴木克昌代表代行・幹事長定例記者会見要旨》

       『課題山積の今国会において、政府は緊張感に欠けている』
 
       【質疑要旨】
       ・宮沢経産大臣の問題について
       ・労働法関係議員立法について    

 今問題となっている望月義夫環境相の政治資金収支報告書虚偽記載疑惑は、主として政治団体「望月義夫後援会」の新年の賀詞交歓会への支出が大会費として平成20年と21年合わせて約660万円の金額で政治資金収支報告書に記載されているということによるものだという。

 「賀詞交歓会」とは「関係者が名刺交換などを行なって挨拶を交わす新年の催し」だと『大辞林』(三省堂)が解説している。

 両年の内訳は平成20年に「食事代」や「会場使用料」など合わせて305万円、平成21年に359万円。但しこの支出が計上されているのみで、両年共収入の記載はないという。

 要するに名刺を交換し合うだけではなく、会場を借りて、支持者を集めて飲んだり食ったりした。大体が飲み食いなしの正月は考えられないから、当然と言えば当然だが、では、約600万円のカネはどこから出てきたのか。

 これを後援会活動とするためには会費を取らなければならない。一人いくら、何人の出席で合計いくらとなって、その収入が1円の狂いもなくそのまま支出となって、初めて金銭的にも後援会活動としても帳尻が合うことになって、収支報告書としての体裁を整えることになる。

 だが、収入の記載がなかった。会費を取らずに会場を借りて、支持者を集めて飲んだり食ったりした、ということではなく、会費を取らずに会場を借りて、支持者を集めて飲ませたり食わせたりしたことになって、利益供与、もしくは買収となって、公職選挙法違反に当たることになる。

 望月義夫としたら、公職選挙法違反で折角手に入れた環境相という大事な大事な大臣の椅子を失いたくないから、収入の欄に記載がないことの合理的な説明を行って辻褄を合わせなければならない。

 望月義夫の政治資金収支報告書の記載は4年前に亡くなった妻が当時、経理の実務をしていて行っていたという。

 10月28日の衆院環境委員会で、交歓会の名称が「望月義夫後援会新春賀詞交歓会」で、主催は後援会ではなく、「実行委員会」だと答弁したと「asahi.com」が伝えている。

 望月義夫「後援会の事業と誤解されぬよう、実行委に注意を促したい」(同asahi.com

 要するに実際は実行委員会形式で飲んだり食ったりして名刺交換を行ったのだとすることで、本人なりの合理的な説明とした。

 名称は「望月義夫後援会新春賀詞交歓会」とし、主催は実行委員会だという。

 実行委員会形式とは、「Wikipedia」によると、〈イベント等を実施する場合に、行政、企業、市民団体その他が資金や人的資源を出し合ってひとつの実行委員会を結成し、その実行委員会が主催者となって運営する形式のこと。〉だという。

 ではなぜ望月義夫は自身の政治団体「望月義夫後援会」の政治資金収支報告書の「政治活動費の内訳」の「支出の目的」の項目に大会費と記載したのだろうか。

 記載する必要などなかった。もし望月義夫が自身の一人分の会費を出していたなら、その金額の記載のみで済んだ。

 10月28日未明の記者会見。

  望月義夫実際には交際費に当たる別の会費や会合費だったのに、4年前に亡くなった妻が賀詞交歓会の開催費に付け替え、事実と異なる記載をした。

 当時、この種の支出が社会的に批判されていたこともあり、そのまま計上することを妻がはばかり、その額に見合う支出であった賀詞交歓会の支出を計上した。

 (別の会費や会合費に関しては領収書がすべて廃棄されていて)内容がはっきりとさだかでない。だいぶ前の話だ」(NHK NEWS WEB)(下線部分は解説文を会話体に直す)

 これ以上、調査する考えはないとしたという。
 
 同じく10月28日の衆院環境委員会。

 望月義夫「当時、社会的に国会議員が会合費などに領収書を出すのはいかがかとおもんばかって賀詞交歓会に付け替えて一括して上げたということではないか。

 自分自身に責任はないと思っている。不正なお金の使い方はしていないと信じているが、妻が亡くなったため事実関係が確認できず、法令違反の成否は分からない」(NHK NEWS WEB

 要するに賀詞交歓会は実際に行ったが、収入の記載がないのは後援会活動に関係しない実行委員会形式の開催だったからで、賀詞交歓会の代金を大会費として支出項目に記載したのは、「当時、この種の支出が社会的に批判されていたこともあり、そのまま計上すること」は憚りがある、あるいは「当時、社会的に国会議員が」「領収書を出すのはいかがかとおもんばか」られる「別の会費や会合費」を亡くなった妻が「その額に見合う支出であった賀詞交歓会」に「付け替えて一括して上げたということではないか」と推測する説明を行った。

 これらを以って合理的な説明とすることができるだろうか。非合理性しか浮かび上がってこない。

 付け替えだけ取っても、重大な虚偽記載に当たる。付け替えましたで終わりにすることはできない。

 付け替えの元となった「別の会費や会合費」が国会議員が「領収書を出すのはいかがかとおもんばか」られる性格のものであって、あるいは「社会的に批判され」る性格のものであって、そのために賀詞交歓会の支出代金として付け替えなければならなかったと言うことなら、表に出すことができない「会費や会合費」であったということになり、政治活動に名を借りて不正活動を行っていたということになるばかりか、当然、政治資金規正法に触れることになる。

 決して問題は小さくはない。

 当時、経理の実務をしていた「妻が亡くなったため事実関係が確認でき」ないと言っていながら、「当時、社会的に国会議員が会合費などに領収書を出すのはいかがかとおもんばかって賀詞交歓会に付け替えて一括して上げたということではないか」と「付け替え」の事実関係を推測できるのも辻褄の合わない不思議な話である。

 実際に実行委員会形式の賀詞交歓会であったなら、「どうして収支報告書にこのような記載があるのか分からない」と言うだろう。「望月義夫後援会新春賀詞交歓会」が実行委員会主催であることを認めるとしても、何しろ表に出すことはできないカネを賀詞交歓会の支出代金として付け替えたのではないかと推測する説明を行ったことで表面化した不正操作の疑惑、あるいは虚偽記載の疑惑に関しては望月義夫は、経理の実務をしていた「妻が亡くなったため事実関係が確認でき」なかろうと何であろうと、国民誰もが理解し、納得し得る合理的説明を尽くす責任を果たさなければ、選挙活動や政治活動で不正を行っていた色々とゴマカシのある政治家が国会議員となり、大臣になったとされても仕方がない。

 但し説明責任を果たすことができるなら、既に果たしていただろうし、できないからこその記者会見や国会答弁での矛盾や非合理的な辻褄であって、野党が国会で国民に対して説明責任を尽くせという追及を止める方法は大臣辞任によってしか一段落つけることはできないだろう。

 一段落というのは大臣を辞任したからといって、政倫審等への出席が求められて、新たな追及が始まらない保証はないからだ。

 表に出すことができないから付け替えたと説明した時点で、却って墓穴を掘ってしまったようだ。  

 菅官房長官(10月28日午前記者会見)「亡くなられた大臣の奥さんが経理を仕切っていた2008年、09年当時の問題であり、現在の政治資金、関係政治団体では適正に収支報告がなされている」(時事ドットコム

 過去に何らかの重大な犯罪を起こして、罪に服することもなく、現在は真面目に暮らしているからと、過去の犯罪を問わないような発言である。 

 立場を変えたなら、このような発言は出てこない。立場を同じくした身内に対しては目をつぶって、擁護する。選挙活動や政治活動で不正を行っていた、色々とゴマカシのある政治家が国会議員となり、大臣になった経緯とその人間の大臣職を養護することを意味する。

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