中山前国交相が自分の失言で選挙に悪影響を与えたのでは党に対して大変済まないと自分から麻生総理に辞表を提出するような“玉”であるはずはなく、大臣のイスに居座られたのでは選挙が戦えないと自分たちの首が心配なだけの周囲の有形無形、且つ露骨・遠まわしの心理的プレッシャーを受けて暗黙的な詰め腹・トカゲのシッポ切りの形で辞表を泣く泣く提出して受理、自発的辞任という演出で一件落着・・・・
と思いきや、元々自発的辞任でない関係から反省などかったからだろう、その後も失言を繰返す始末で、そのただでさえ時代遅れの愚かしいドンキホーテぶりがマスコミのおいしい話題提供のご馳走になっているところへもってきて衆議院解散、そのまま立候補されたのではマスコミの大注目区となるのは間違いはない。遥か北の方向、北海道の新聞でさえ、日々の動向を伝えることになるに違いない。
選挙が優位に推移するならまだしも、失言が尾を引いた劣勢が面白おかしく刻々と全国に伝えられたなら、何度か自民党内閣大臣の看板を背負った分余計に始末は悪く、話題提供で済むならいいが、有権者の投票動向が本人の選挙区を飛び越えて全国に及んだ場合の情勢を否でも考えざるを得ず、災害発生時の国民の生命・財産に対しては鈍感だが、こと選挙に関しては敏感・過剰に作動する危機管理意識が再度自分たちの首だけが心配という自己保身原理を発動せしめて、立候補阻止の有形無形、且つ露骨・遠まわしの心理的プレッシャーをかけた結果、暗黙的な詰め腹・トカゲのシッポ切りの不出馬表明なのは間違いない。
理由の第一番はやはり、自分から立候補を断念するような“玉”ではないということである。「政治活動は続ける。いったん身を引くが、充電してチャンスがあれば国政に登場したい」(サンスポ)と言っていることが何よりの証明となるだろう。
「いったん身を引く」と言っても、後継が東国原で当選ということなら、同じ選挙区で再登板の可能性はゼロに等しくなって「いったん」は「いったん」でなくなり、単なる願望の「いったん」でしかないことを最初か運命づけられた「いったん」でありかねない。それぐらいのことも分からないほど単細胞だとは思いたくない。いわば「いったん」は自分から進んでの「いったん」ではないということである。
このことは中山成彬が公に不出馬を表明する前から自民党執行部が東国原英夫・宮崎県知事を後継として擁立する方向で調整に入っていたことも証明している。
2008年10月4日15時50分の「asahi.com」≪中山氏が衆院選不出馬を正式表明 東国原知事に期待感≫記事が「前国土交通相の中山成彬衆院議員(65)=宮崎1区=が4日午後、宮崎市内のホテルで記者会見し、次の総選挙に立候補しないことを正式に表明した」ことを伝えたすぐ後に続けて「自民党執行部が東国原英夫・宮崎県知事を後継として擁立する方向で調整に入っていることについて」本人に尋ねているが、4日15時50分の記事で4日午後の不出場表明、その時点で「自民党執行部が東国原英夫・宮崎県知事を後継として擁立する方向で調整に入っていることについて」尋ねているのである。
東国原擁立を前提として本人の意思によるとする中山成彬立候補断念を進めていたと考えるのが自然であろう。勿論中山成彬不人気を東国原人気で挽回しようという意図・打算の交代劇なのは目に見えている。
中山成彬は上記質問に対して次のように記事は記している。
<「私も彼(東国原氏)も旧薩摩藩。国のために一身を投げ出す気持ちは持っている。そういうことが東国原知事の日ごろの言動をみれば分かる」と語り、東国原氏の出馬に期待感をにじませた。>
東国原擁立が既にお膳立てされていたことを窺わせる返答となっている。
だが、「旧薩摩藩」を持ち出すとは、中山センセイは戦前の天皇陛下バンザイの世界に生きていると思ったら、歴史をさらにさらに遡って江戸時代の古色蒼然たる色に脳ミソを染めて生きているらしい。
そういった時代錯誤の政治家、あるいは「日教組の強いところは学力が低い」とか「日本は単一民族」といった事実と事実との関連を短絡的に結びつけることしかできない単純細胞・非合理な政治家を宮崎1区の有権者は選良として選んできた。その良識からしたら、そういった政治家の後継を演じるのは名誉であるばかりか、お笑い芸人そのまんま東の人気で東国原英夫を当選に導くことになることは間違いない。
上記「asahi.com」記事は東国原英夫宮崎県知事の立候補に関わる言葉を次のように伝えている。
「私はあくまでも県民の負託を受けて知事の職を担っている。県民、議会、県職員に国で汗をかいてこいという声があれば、話し合う」
NHKニュースでは「背中を後押しする声が上がれば」とか言っていた。
「どげんかせんといかんのは国政ですか、県ですか」との質問に、「国政です。地方切り捨ての格差社会にしたのは、国政じゃないですか。自民党ですよ。自民党をどげんかせんといかん」と答えている。
「自民党をどげんかせんといかん」――
小泉純一郎の如くに「自民党を変える、自民党をどげんかせんといかん」と内部改革を可能と思わせる聞こえのいいスローガンを掲げ、マスコミを通して一躍絵となる姿を全国に向けて提供する。
だが、「格差社会」を最悪の状態にしたのは小泉政治である。元々の大企業利害代弁・一部富裕層利害代弁の自民党政治を過度の競争原理で加速させた結果、初めからトップランナーの位置につけていた大企業や一部富裕層が遅れて走っている者との差をさらに広げて自分たちだけが今までにない記録でゴールに到達したのが現在の格差社会なのである。
いわば大企業利害代弁・一部富裕層利害代弁の自民党政治の体質そのものが日本社会に構造的に立ち塞がっているのであって、そのような体質が全国津々浦々に張り巡らされて構造化している以上、大多数の人間を変える以外に内部改革で太刀打ちできるはずはなく、いくらお笑い芸人の人気獲得術で「自民党をどげんかせんといかん」と気張ったとしても、掛け声だけで終わるだろう。
東国原は記録的票数で当選したとしても、自民党は変わらない、格差社会も変わらないと言うことである。
≪中山氏が衆院選不出馬を正式表明 東国原知事に期待感≫(asahi.com/2008年10月4日15時50分)
前国土交通相の中山成彬衆院議員(65)=宮崎1区=が4日午後、宮崎市内のホテルで記者会見し、次の総選挙に立候補しないことを正式に表明した。自民党執行部が東国原英夫・宮崎県知事を後継として擁立する方向で調整に入っていることについては「私も彼(東国原氏)も旧薩摩藩。国のために一身を投げ出す気持ちは持っている。そういうことが東国原知事の日ごろの言動をみれば分かる」と語り、東国原氏の出馬に期待感をにじませた。
中山氏は会見の冒頭、国交相就任時に「成田『ごね得』」「日本は単一民族」などと発言したことについて「心ならずも関係者の心を傷つけてしまった。改めておわび申し上げたい」と陳謝。「いったん身を引くべきではないかと思った」と述べ、これらの発言に対する批判の高まりが不出馬の理由となったと説明した。
しかし、日教組については「教育正常化のためにはこれからも火の玉となって頑張る」と話すなど、従来通り批判を繰り返した。「日教組ががん」との考えは変わらないかと問われると、「がんというと、がんの方が気を悪くされる。これ(日教組)は摘出すべき一部であり、排除しなきゃいかんと思っている」と述べた。
一方、後継については「心の中に出てほしい人はいる」と言及。報道陣から「東国原英夫・宮崎県知事を推す声があるが」と問われると、「聞いてません」「辞めていく人間が後継うんぬんを言うのはおこがましい」と述べたが、「何となく以心伝心で(相手に)分かるような気がする」とも語った。
東国原知事は中山氏の会見を受け、「大変驚いている。政治家の出処進退は、本人が決めることであるが、引き続き国会議員として本県発展のために尽力して下さるものと期待していただけに残念に思っている」とのコメントを公表した。
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『椿事件』
1993年9月21日、民間放送連盟の「放送番組調査会」の会合の中で、
テレビ朝日報道局長の椿貞良が、選挙時の局の報道姿勢に関して
「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。
今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、
なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる
手助けになるような報道をしようではないか」
との方針で局内をまとめた、という趣旨の発言を行う。
(ウィキペディア「椿事件」)