麻生首相は中山国交相の「単一民族」発言を擁護し、罷免すべきではない

2008-09-27 11:37:52 | Weblog

 麻生内閣が正式に発足したのは皇居で首相親任式・閣僚認証式が無事終了した9月24日深夜。初閣議と閣僚懇談会の開催が翌25日未明。午前中なのか午後なのか、一部報道各社とのインタビューの中で、どちらにしても就任ホヤホヤ、まだ湯気が立っている出来立てホヤホヤの肉まんといった中山成彬国土交通相の口から「単一民族」発言が飛び出し、マスコミや野党、関係団体、与党内からも批判の一斉射撃を受けることとなった。

 どういった経緯で発言が飛び出したのか、<来月1日に観光庁が発足するのに関連した観光行政の課題について「日本はずいぶん内向きな『単一民族』というか、内向きになりがちで、まず国を開くというか、日本人が心を開かねばならない」と発言しました。>(「NHK」)ということだから、直接的には日本という国の民族構成に言及した発言ではない。

 大臣の資格なし、国会議員の資格もない中山成彬が言いたかったことは、「観光客として多くの外国人を受け入れるについては日本人は外国人にもっと開放的にならなければならない、内向きであってはならない」ということだったのだろう。

 だが、日本人が外国人受け入れに後進的なのは「ずいぶん内向き」だからではなく、外国人に対してだけではなく、同じ日本人であっても、それが他処者(よそもの)である場合、簡単には受け入れずに拒絶反応を示しがちな閉鎖性を民族性としてからなのは前々から言われていることである。

 大臣の資格なし、国会議員の資格もない中山成彬は「日本人は閉鎖的」と言うべきところを「日本人はずいぶん内向き」と言ったのである。

 このような控えめな表現となったのは大臣の資格なし、国会議員の資格もない中山成彬が単に客観的認識能力に欠けていると言うだけではなく、同じ客観的認識能力欠如の働きによって日本人は優秀な民族だと思い込んでいるから、その優秀性に反する「閉鎖的」という言葉が使えずに当たり障りのない、情状酌量を働かせ過ぎた「ずいぶん内向き」という表現になったのだろう。

 例え直接的には日本という国の民族構成に言及した言葉ではなかったとしても、「単一民族」という言葉を口にすること自体、大臣の資格なし、国会議員の資格もない中山成彬が「単一民族幻想」に囚われていることをものの見事に証明していて、日本民族の優秀性を「単一民族」に置いていることは明らかである。

 「単一民族」とすること自体が他処者排除(=他民族排除)を構造としていることを意味しているが、日本人が他処者、外国人に閉鎖的なのは日本人が民族性としている権威主義性が関係した性格傾向であろう。権威主義的行動様式に於ける上は下を従わせ、下は上に従う上下関係・縦割り関係がそもそもからして横の方向からの入り込む隙を与えない構造となっているからだ。

 但し腰を極端に低くして風下に立つ姿勢を示した者に対しては簡単に警戒心を解く。風下に立つとは上下関係の最下位に立つことを意味するから、許すことができる。

 大臣の資格なし、国会議員の資格もない中山成彬は「単一民族幻想」に取り憑かれている以上、他民族排除の立場に自分を置いているにも関わらず、外国人観光客受け入れに関するどのような発言も矛盾行為となることを無視して、鈍感だから気づきもしなかったのだろう、「国を開くというか、日本人が心を開かねばならない」などとカエルの面にショウベンで言っている。

 だが、「単一民族幻想」に取り憑かれているのは大臣の資格なし、国会議員の資格もない中山成彬だけではなく、中山成彬が大臣の資格なし、国会議員の資格もないにも関わらず国土交通大臣に任命した麻生太郎首相自身が「一文化、一文明、一民族、一言語の国は日本のほかにはない」と発言したことからも窺うことができるように「単一民族幻想」に取り憑かれているのである。

 いわば麻生首相と中山国交相は「単一民族幻想」憑依者として同じ穴のムジナ同士なのである。大臣の資格なし、国会議員の資格もない中山成彬国交相の「単一民族」発言が不穏当だからと、中山国交相のみを罷免し、自分は首相職にとどまるのは自分の発言だけは許す不公平な措置となる。

 麻生首相自身が「単一民族幻想」憑依者であり、同じ「単一民族幻想」憑依者である大臣の資格なし、国会議員の資格もない中山成彬を国土交通大臣に任命した。

 このような任命責任の経緯から言ったなら、麻生首相は自分と同じ考えに立っている中山国交相の「単一民族」発言を擁護し、どのような批判を浴びようとも罷免すべきではないだろう。


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