仮設住宅用地確保難をクリアするためのH鋼架台上部2階式建設

2011-06-25 10:26:44 | Weblog

 

 菅仮免首相「遅くともお盆の頃までには希望者全員が入れるよう全力を尽くします」

 4月下旬、国会答弁で公約した仮設住宅8月中旬希望者全員入居達成が達成とは逆の未達成で終わることがほぼ確定的となってきたらしい。

 尤もこの公約、その舌の根が乾かぬ2日後の4月28日閣議後の記者会見で仮設住宅建設の所管官庁の大畠国交相の記者会見。

 大畠国交相「お盆までに完成できるめどがついていれば、私から申し上げている。特に津波の被害を受けた自治体では用地の確保が難しい。5月末までに3万戸を完成させるめどはついている。できるだけお盆までに仮設住宅に入れるよう、県や地元自治体とも急ぎ調整を始めた」

 多分菅仮免が大好きな大風呂敷を広げたということなのだろう。全議員、全国民に訴えたるために、いわばインパクトを与えるために大風呂敷を広げるといったことを以前言っていたが、単に訴えて終わらせるだけなら構わない。掲げた政策を着実に実現するためには計画性と実行能力を前提としなければならない。

 ところが実現できそうもない大風呂敷を広げること自体が既に計画性と実行能力の欠如を証明している。百歩譲って、計画能力と実行能力を欠いていたとしても指導力がカバーするということもあり得る。ところが菅仮免が決定的に欠いている能力は指導力、リーダーシップであって、その欠如を補う関係からだろう、言うことは立派という口先だけの能力は一人前ときている。

 このよう経緯からしても、菅仮免の大風呂敷は口で言っているだけの中身なしと断ぜざるを得ない。

 次ぎの記事が仮設住宅8月中旬希望者全員入居の未達成の可能性を伝えている。《お盆までの全員入居「困難」 宮城、仮設用地確保できず》asahi.com/2011年6月25日3時0分)

 宮城県が昨6月24日、県内4市町で約4千戸分の用地確保のメドが立たない、8月中旬までの完成は困難と国土交通省に報告したという。

 宮城県が何も8月中旬までと区切ったわけではない。菅仮免が計画性もなく言ったものだから、被災自治体は8月中旬を完成基準としなければならなくなかった。

 国が積極的に支援して何が何でも実現を図るというならまだしも、殆んど自治体任せとなっている。

 原因は津波による浸水被害を受けていない纏まった土地が殆んど残っていないこと。そのため地元以外の内陸の市町村での建設を打診してきたが、地元を離れたくないとの住民の意向が強く、自治体からの合意が得られなかったこと。

 では、地元を離れたくないという住民の意向をクリアできればいいことになる。つまり地元を離れたくないという住民の意向をクリアできる何かいいアイデアがないか、考えつけばいいことになる。

 何もないなら仕方がない。

 岩手、宮城、福島などで必要とされる仮設住宅は約5万戸。6月24日現在で3万2千戸が完成済み。

 だが、当初の必要戸数は7万2000戸。仮設住宅建設がなかなか進まないことと、建設地が通勤や通学に時間がかかり過ぎ不便なことから敬遠されるケースが生じ、この問題を解決するために自治体は費用負担で民間のアパートやホテル、旅館、あるいは自治体の賃貸住宅への入居を進めた結果、必要戸数が2万戸前後減って約5万戸となった。

 この2万戸減がなかったなら、8月中旬どころの騒ぎではなかったろう。菅仮免が如何に計画性もなくいい加減なことを言ったか、あるいはいい加減な大風呂敷を広げたかを証明して余りある。

 宮城県が必要とする約2万3千戸のうち完成戸数は約1万4千戸。残る約9千戸のうち、石巻市、気仙沼市、女川町、南三陸町で計4千戸分の用地確保が困難となっているという。

 記事。〈南三陸町の不足分については、8月中旬までの完成を目指してなお調整を続けるが、残る3市町については、目標達成はほぼ不可能な情勢だ。〉

 目標達成はほぼ不可能。 

 石巻市は必要戸数約7500戸のうち約2千戸の用地が取得できていない。

 石巻市担当者「地域のつながりを維持するため、市内で暮らしたいという住民の希望がある。8月いっぱいの完成が当面の目標」

 菅仮免は4月10日に石巻市の避難所を視察している。いくらそこで避難所生活の苦労・困難を労ったとしても、仮設住宅入居に向けて政府と自治体が一丸となって全力を上げると言ったとしても、こう遅れていたのではたいした意味をなさなかったことになる。

 気仙沼市は約1千戸分の用地確保を目指している。

 気仙沼市担当者「数十戸を建てられるまとまった土地が残っていない。お盆には間に合わない」

 一方で岩手県は7月中に1万3800戸が全戸完成の見込み。福島県は原発事故の影響で必要戸数の確定が難しいが、当面必要な1万4千~1万5千戸について7月末までの完成をめざすとしている。 

 仮設住宅は発注から完成まで5週間程度の日数を必要。入居までにさらに1週間程必要。7月上旬までに発注しなければ8月中旬希望者全員入居は間に合わない計算になると記事は書いている。

 このように仮設住宅建設は思うように進んでいない。仮設住宅建設だけではなく、瓦礫撤去も進んでいるとは言えない。陸地だけではなく、漁を行うことができるようにするための湾内の瓦礫撤去に困難を極めているようだ。

 何もかも進んでいると光景となっているのは菅仮免の頭の中のみなのだろう。

 菅仮免「私は、やらなければいけない、優先度の高いものから、取り組んできたと。精一杯やってきた中で、私は進んでいると思っている」

 菅仮免「政府一体となってやるべきことはやっている」

 指導力もない、判断能力もない、計画性もないのないない尽くしでありながら、自身の有能性に対する思い込みだけは強い。この自分は有能だという思い込みが菅を支えている核心部分なのかもしれない。菅を決然と生きさせている原動力なのかもしれない。

 「地域のつながりを維持するため、市内で暮らしたいという住民の希望」や用地確保困難をクリアする方法がないこともない。画像で示したが、既設の仮設住宅の周りにボルトで簡単に組み立てることができるH鋼の架台を構築して、架台の上に新たに建設した仮設住宅を乗っけるだけの方法である。

  この方法が有効かどうかは判断次第だろう。

 画像には描いてないが、2階の廊下と2階に通じる階段をつけなければならない。2階廊下は張り出しになるから、下の空間に関係しないが、柱自体は指して場所を取らない。階段は建物の両側面の窓のない壁部分に取り付けければ、やはりたいして場所を取らないはずだ。

 テレビのニュースを見る限り、通路はかなり広く見えたが、狭い通路では車が進入できないケースは生じる。

 また、2階部分は足の弱い高齢者や身体障害者には向かないことになるが、逆に高齢者にとって上り下りが運動になるメリットとなる。

 何よりも新たな用地確保が必要でなくなるというメリットがある。デメリットは1階式よりも2階式の方が当然日当たりが悪くなる。だが、今まで済んでいた場所にしても周囲が1階だけという場所はそんなになかったはずだ。

 それに外国製の2階式仮設住宅を発注するという記事もあった。日当たりのマイナス面は少々我慢して貰うしかない。

 架台の上で一から建設すると、時間がかかるから、空き地で建設して、大型クレーンで吊り上げる方法を採ると、従来の建設時間とさして違わない手間で建設することができる。

 但しクレーが入るだけの通路の広さがないなら、架台の上で建設するしか方法はない。

 普通土木現場等ではH鋼はリースして使用、工事が終了次第返却する利用方法を採用しているが、仮設住宅に2年3年と暮らすとなると、リース料が膨大となる。初期費用はリースよりもかなり高くつくが、買取って、仮設住宅解体後売却する方法なら、H鋼として売ることができる。

 資源高騰時代だから、買い取ったときよりも高く売ることができる可能性は否定できない。余程の不況で土木工事も建設工事も減少した場合、鉄の値段が下がり、H鋼の値段も下がることとなって損害が生じる場合もある。但し損害はリース代の総額程ではないはずだ。

 現在既に完成している仮設住宅地の上部空間に新たに仮設住宅を増やして、階段の上り下りの不便や下の住宅の日照に不便を与えるとしても、通学や通勤の利便性の確保は勿論、近隣に住んでいた者同士の住人を一つの仮設住宅地により多く集めることで地域のつながりを強化する、コミュニティをより濃密にできるメリットは、「地域のつながりを維持するため、市内で暮らしたいという住民の希望」を十分に満足させるはずだ。

 如何?


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