ある年のクリスマスの少し前。
母に布団を敷くように言われて押入れを開けました。
するとそこには、私がサンタさんにお願いしたはずの「こえだちゃんのパノラマハウス」が入っていました。
「あーっ! パノラマハウスだ!!」
と大喜びする私に
「えっ!? ほんとだ、サンタさん早かったねぇ」
と慌てて取り繕う母。
またある年のクリスマス少し前。
道を歩いていたら、会社帰りの父に遭遇しました。
その手には私がサンタさんにお願いしたはずの「キキとララのおうち」が。
「あっれぇ、お父さん、もうサンタさんからプレゼントあずかってきたの?」
と聞けば
「う…うん…」
と曖昧にうなずく父。
どうやらこの時の私は「サンタさんのプレゼントは親が預かってくるもの」
という設定にしていたようです。
そういえば、いつから本物のサンタクロースの正体を知ったのでしょう。
でもなんとなく親の手前「子供はサンタさんを信じていなければいけない」と思っていたように思います。
そして母はなまじ私がサンタクロースに会ったことがあるためにいつまでも本気で信じていると思ったのでしょう、
ある日真剣な顔で私にその正体をバラしました。
(サンタクロースに会った話はこちらから)
対する私の反応はひどく淡白だったように思います。
その時なんと答えたのかは覚えていませんが、
「これでサンタさんごっこは終わったんだなぁ」
というようなことを感じた気がします。
甥っ子は今年小学5年生。
流石に本物のサンタがプレゼントをくれるのだとはもう信じていないでしょう。
大人に付き合ってこのある種滑稽なお芝居にのってくるのか。
または妹の手前信じている振りをするのか。
プレゼントをもらえればどうでもいいのか。
サンタクロースについて聞いてみたいような気がします。
でもやっぱり聞けないんだろうな。
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