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モラモラ会社員がムラムラしながらお届けするヌルヌルアーカイブ。

「花とアリス」でXserve

2004-03-27 | シネシネアーカイブ
岩井俊二の「花とアリス」を観た。

ネットでのストリーム配信がきっかけになって映画化したらしい。実は、つい最近まで知らなかった。

生み出される経済的インパクトの規模から、どうしても予算が絞られがちなネット関連の企画が映画化までたどり着けたという事実には、隔世の感がある。

業界ゴロの秋元康がかつて今は亡きe-sekai.comで「グラウエンの鳥篭」を大ゴケさせたのとは対照的。ネスレの「KitKat」というスポンサーありきの企画でありながら、タイアップ要素を廃した良心的(高度なマーケティングと言い換えても可)な内容も功を奏したのだろう。

ストーリーは、現代ぽいんだけど今っぽくない高校生3人が織り成す三角関係を軸に、淡々と静かに、時に力強く進行する。音楽にたとえるなら、バートバカラック×カーペンターズの曲を聴いているような、なんかそんな感じ。

考えてみると、岩井俊二の映画ってなぜか今まで観たことがない。独特のセピア調の画がキレイだった。北野武「座頭市」のDVD特典で紹介されていた銀のこしと呼ばれる画調演出テクニックにも通ずるものを感じた。

味のある映画って、フォーカスがぼやけてしまう分画面のキレが無くなってしまう印象があるんだけど、この映画にはキレがあった。数学者の狂気と苦悩を描いた「π」という、画面のキレだけで勝負するようなマイナー映画があるんだけど、それのキレと似たような印象を受けた。

とまぁ、いろいろ書いてきましたが、結局何が言いたいのかというと、ナニが言いたい。

蒼井優たん萌え~~~☆彡


・追記
おもろかった花アリブログ。
http://d.hatena.ne.jp/tido/20040313
http://d.hatena.ne.jp/kaneminobu/20040328
http://www.ne.jp/asahi/hp/mastervision/archive2004b.html#hanatoalice

惜しい護る「イノセンス」でXserve

2004-03-25 | シネシネアーカイブ
押井守の「イノセンス」を観た。

び、微妙、、、。一体、何考えてるんでしょうか、あのモジャ公は。少なくとも、ジブリの鈴木プロデューサーが宣伝していた「大衆的な作品に仕上がった」ってのは大ウソ。上映途中で席を立つ人もいたし、帰り際に「始まって10分でヤバイと思った」とか「意味わかんな~ゐ」という声も聞こえた。

印象に残ったシーンといえば、セクサロイド(エロボット)が襲ってくるときの気持ち悪い動きと、中国語(?)で展開されるファイアーウォールがカッコイイと思えたことくらい。

あとは、難解なことわざや、聖書や神話からの引用、哲学的モノローグといった、最近の押井映画のダメな部分(涸れた作家のエクスキューズ)が延々とつづく。そこへさらに、日本古来のリミテッドアニメーションと欧米のフルアニメーションの間のような、いかにもプロダクションIG的な快感と縁遠いセル動画と、存在意義の希薄なCGが追い討ちをかける。美しさと、閉塞感に。

「甲殻機動隊」で世界を魅了したテクノオリエンタリズムもなければ、劇場版「うる星やつら2」の革新的アイデアもない。「御先祖様万々歳!」の職人的掛け合いもなければ、エロ同人のネタになるような萌えキャラもいない。ないないづくしのオンパレード。俺のあくび涙とがまん汁もオンパレード(が、がまん汁?)。

帰りの電車のなかで、この映画は一体誰をターゲットに作ったんだろう、という疑問符で頭がいっぱいになった。たぶん、

・哲学好きな人
・デジハリの勘違い学生
・「押井さんといっしょに成長してきました」とか言っちゃえる中年小金持ちオタ
・ウォシャウスキー兄弟
・「ムー」読者

あたりの総勢2万とんで3人くらいがコアターゲットだったに違いない、と勝手に納得。

セクサロイド(エロボット)といえば、ジャンプで先週から始まった新連載「無敵鉄姫スピンちゃん」の方が要チェックだ。これは、自分の男としての欲望を叶えるために、セクサロイド(エロボット)の研究にすべてを
賭ける科学者を装った変態じじいの物語。ジャンプの厳しい自主規制基準に果敢に挑みつつ、「中学生の妄想」という大衆性をとても大事にした、感動的な意欲作だ。

押井守には、まずこの「無敵鉄姫スピンちゃん」を読んで、己のあるべき姿を見つめなおすべし、と本ブログからXserveしておこう。

・追記
おもろかったイノセンスブログ。
http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040402
http://www.ne.jp/asahi/hp/mastervision/archive2004b.html#innocence