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もうチョットで日曜画家 (元海上自衛官の独白)

技量上がらぬ故の腹いせにせず。更にヘイトに堕せずをモットーに。

みちびき4号機の打ち上げ成功

2017年10月11日 | 社会・政治問題

 みちびき4号機の打ち上げに成功して、日本版GPSの運用が目前となった。

 これで、アメリカのGPSの停波にも耐えうる体制が整備されたものと思う。なぜアメリカのGPS停波を恐れるかというと、アメリカが北朝鮮に対して軍事行動を起こす場合、北のミサイルによる報復を局限するためにGPSの民需波を停波することが十分に考えられるからである。べトナム戦争頃まで攻撃武器は発射母体の相対位置に対して照準されていたが、現在では近接戦闘用の小火器以外は地理的位置に対して照準されるのが一般的であり、特に、地理的なピンポイント攻撃に使用される巡航ミサイルについては、ミサイル自体が自分の位置を確認・修正しつつ目標の地理的位置に到達するため、GPSの機能が不可欠であるからである。北のミサイルについても着弾前には何らかの位置情報を利用して修正を図るシステムであろうし、そのシステムを既に完成したことは、ロシアの訪朝議員団の証言からも明らかである。自前のGPS機能を持たない北朝鮮が、どの位置情報システム(中国?米国?)を利用しているか分からないが、転ばぬ先の杖としてアメリカがGPSの民需波停止を行うであろうことは十分に考えられる。日本の技術水準から考えて日本版GPSの精度を疑うものではないが、有事に他国を利することがないシステムであることを祈るものである。

 みちびき4号機の成功報道とともに日本版GPSの費用対効果を云々する記述もあったが、地震・火山大国の日本で正確な地殻変動の把握が地震や噴火の予知につながり一人でも被災者が少なくなれば、良しとすべきであろうと思う。それにしても"人命は地球よりも重い"と"費用対効果"を便法として使い分けるコメンテーターとメディアに敬服する。