むかし幽霊屋敷、いま幽霊マンション。
老朽化したしたり建築中止になったマンションは、バブル崩壊したころに
出現して、入り口に「立ち入り禁止」の表札が風に揺れていた。
取り壊し寸前の古いマンションは、やがては新しい建物に生まれ変わる
けど、新しく建てる途中で工事がストップして長期間野ざらしの鉄骨は、
まるで巨大な墓標のように見え、とても気になるものだ。
町内の一角に、3階建ての太い鉄骨がむき出しのまま、雨風にさらされ
ている未完の豪邸がある。
敷地いっぱいに太い鉄筋を立ち上げたまま、もう1年以上も工事を再開
する気配もなく、だんだん幽霊屋敷の様相を呈してきた。
町内会長さんに聞けば、どうも施主と施工者の間でトラブルが発生して
裁判沙汰になっているようだとか。
工事の防音壁に掲げられていた施主と施工者名、建築確認書や工事予
定表を記したボードも今は取り払われ、トラブルの深刻さを物語っている。
周りは瀟洒な住宅が立ち並んでいて、ここだけ赤茶けた鉄骨が不気味な
姿をさらし、異様な風景だ。
鉄筋は、長期間風雨さらされるとサビ防止の塗料が剥げて、酸化してもろ
くなるという。
もう1年以上の放置されているから、だんだん赤茶けてきたように見え、こ
のままでは支障をきたすことは、素人目でもわかる。
工事を止めて太い鉄筋を撤去するには、巨額の費用もかかるだろう。
双方が和解して建築再開しても、失われた時間のロスは相当なもの。
第一、一年以上も風雨にさらされた鉄筋が、今後の建設に耐えうるのか?
進むのも、退くのも地獄・・・
施主・施工者に、苦渋の選択が迫っているように思える。
他人事ながら、気になるご町内の「幽霊屋敷」ではある。
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<幽霊屋敷についての余談>
日本では古くから幽霊屋敷は忌み嫌われるが、イギリスでは逆に幽霊屋敷
が歓迎されていると言うから、面白い。
幽霊が出ると評判の古いお屋敷は、普通の家より高値で売れるそうですよ。
何しろイギリス人は無類の幽霊好きで、自分の家で幽霊を見たものなら嬉々
と触れ回るらしいから。
ロンドン塔やヘンリー8世の王宮など有名な幽霊屋敷が多く、幽霊見学ツア
ーもあるという。
米国のホワイトハウスも幽霊屋敷とか。
滞在したオランダの女王がリンカーンの亡霊を見た、と当時のルーズベルト
大統領夫人に話したところ「私も見た、見た!」と賛同したというからすごい。
やはり両国は親戚同士だね。
こんな幽霊エピソードは、なんだかユーモラスで楽しいね。
<鉄筋むき出しのまま…>



