11時27分、奥大井湖上駅に着きました。駅のホームは東側の半分ほどが接岨湖上に突き出た半島状の陸地の突端に位置し、西側の半分は上図のように湖上の鉄橋の上にも伸びています。まさに「湖上駅」です。こんな地形上の駅に降り立ったのは初めてでした。
乗客の半分ほどが同じようにここで降りていました。聞く所によれば、奥大井湖上駅まで車で来て駐車場に停めておいて、列車に乗って近隣の駅へ行って観光を楽しんだ後、またここに戻ってくるという観光客が多いのだそうです。
なので、この陸の孤島のような駅に、相当数の観光客が居て賑わっていました。しかし、コロナ前に比べると三分の一以下だそうで、以前は大勢が詰めかけて大混雑となるのも珍しくなかったということです。
とりあえず、駅名標を記念撮影。
1分後、列車が発車していきました。観光客の大半がホームや鉄橋に併設されている歩道から見送り、スマホ等で撮影していました。
この列車の機関車は後尾に付いていて、後ろから押していたのでした。これで井川駅まで行って折り返してくれば、こちらが先頭になるので牽引するわけか、と納得しました。
遠ざかってゆく列車をしばし見送りました。
さて、ここから頑張って各務原なでしこの歩いたコースをたどって、上図奥の山中に見える展望所まで行くことにしました。
今回の聖地巡礼でとても心配だった案件が3つあったのですが、その二つ目がこれからたどるレインボーブリッジ展望所までの散策ルートの所要時間が不明である、という点でした。事前に色々調べたのですが、明確に書かれている記事が見当たらず、駅の北の山中を通る県道388号接岨峡線に接する駅駐車場まで片道で20分ほど、という情報しか得られませんでした。
地図で見ると、各務原なでしこが行ったレインボーブリッジ展望所は駅駐車場のさらに北東にあり、高低差がどのくらいあるのか不明でした。奥大井湖上駅を高い位置から見下ろせるほどの高さにあることは間違いないので、おそらくは登りが続く山道なのだろうと予想されました。すると片道で30分は見ておくことになり、往復で1時間近くかかる計算になります。
しかし、時刻はすでに11時35分でしたから、帰りの次の列車の時刻12時12分には間に合いません。急げば何とかなるかもしれませんが、それではレインボーブリッジ展望所からの眺望を楽しむ暇もありません。
そこで帰りの便はその次の13時16分発に決めて、約1時間40分のタイムをレインボーブリッジ展望所への往復と見物にあてることにしました。
駅への出入りは、東側の鉄橋に併設されている歩道のみで行います。奥に見えるトンネルの脇から階段で丘の上に登り、その奥にある駅駐車場へ連絡しています。レインボーブリッジ展望所へは、途中の分岐で分かれて北へ登ってゆくことになるようです。
ホームからいったん上に上がって、上図のように東側の鉄橋に併設されている歩道へと回りました。ホームの端から直接繋いだほうが楽なのに、と思いましたが、ホーム区域の安全確保の目的もあるのでしょう。
こういう鉄橋の上の線路に沿った歩道というのも、初めての経験でした。かなり高い鉄橋なので、絶対に下を見ないようにしました。歩道の床面は目の細かい網状なので、下の湖面が透けて見えるのです。ゾゾッと恐怖に包まれて動けなくなってしまうのだけは避けたいので、とにかく横や上を見ながら歩きました。
うむ、よい景色であるな・・・。
歩道の中ほどに設けられた風速計が凄い速さで回っていて、ウインドソックというのか、つまりは吹き流しが真横になびいていました。海軍マニアとしては、風速16ノット以上は出ていると分かりましたが、相当強い横風であるわけです。帽子を飛ばされないように押さえて進みました。
やっとの思いで、トンネルの手前に着きました。脇の階段で丘上に上がるのですが、一見したところかなり長くてキツそうな登り階段でした。
ですが、各務原なでしこはここから展望所まで登っていったのです。頑張らねば、と思いました。 (続く)