私の住んでいる川崎や横浜は、大きな被害をもたらした狩野川台風から今年でちょうど50年を迎えます。実は2008年は、歴史に残る大災害の○周年にあたります。
>150周年‥立山鳶崩れ(4月28日)
オランダ人技術者デ・レーケが『これは川ではない、滝だ』という言葉を残した、富山県の常願寺川の大土石流災害。土砂崩れダムが決壊し大きな被害を出した。理科年表や地理の教科書には、急流河川の日本代表として、河床縦断図が常に掲載される河川。
>70周年‥阪神大水害(7月3~5日)
いまでは震災の方が有名ですが、水害も忘れてはならない災害です。都市水害の先駆けと言われ、土石流氾濫等による死者616名を出した。谷崎潤一郎『細雪』、手塚治虫『アドルフに告ぐ』、妹尾河童『少年H』でもどりあげられた。
>60周年‥福井地震(6月28日)
戦後復興間もない福井市を直撃した都市直下型地震。死者・行方不明者 3,769名。この災害を契機に気象庁震度階7(激震)が設定された。
>50周年‥狩野川台風(9月27日)
横浜を中心に都市郊外の崖崩れ災害がクローズアップされた。死者・行方不明:1,269名。『宅地造成等規制法』『急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律』の契機となった。
>30周年‥宮城沖地震(6月12日)
丘陵地の宅地造成が進んだ斜面都市の地震災害事例のさきがけ。
>20周年‥宮城沖地震(9月11~13日)
地球温暖化、オゾン層破壊など、環境関連の国際会議が相次いで開催され、地球環境元年とよばれた。
防災といえば、ほぼ大地震がイメージされ、想定被害に壮絶な数字が並びます。また、環境に関しては「地球温暖化の防止のために」というフレーズとイメージだけが先行し、地球科学論、技術論の裏付けがどれだけあるか、疑問視されることも多い現状です。
私たち地質技術者は、徹底した現場の観察に基づき自然の力を考察することを繰り返してきています。まれに起こる大災害の現場と、いつもの風景がどのように関わってきたか、頭のなかでデザインし、そのデザインにかなった防災対策・環境保全策を考え続けることを生業としています。そう
『Design with Nature』
そして今年、四川大地震。。。『日中友好元年』となるのでしょうか。
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