早朝の北京

　朝早い飛行機で専門家のみなさんは日本へ帰国されます。
　私は今日から山西省の西隣に位置する陝西省に行ってきます。昨日、列車で６時間かけて北京に戻ったのですが、今日はまた大同より更に西に戻り、陝西省楡林市へ移動します。なんだか時間がもったいないような気がしますが、大同から楡林まで直接行ける交通手段がないので、やむを得ず一度北京に戻らなくてはならなかったのです。
　この日、北京は雲ひとつない青空。いつももやがかかっているようにくすんでいた北京の街は、オリンピック期間中の交通規制や工場の操業停止などの対策により、青空が戻ってきました。
　それにしても来るたびに新しいビルがたけのこのようににょきにょき伸びていて、毎回驚かされます。

いざ陝西省へ

　御一行を今年新しく開業した北京空港の第3ターミナルで見送った後、私の乗る国内線の出発まであと4時間もある・・。コーヒーでも飲んで時間をつぶそうと、のんびりしていたところ、これから乗る航空会社はもしかしたら第3ターミナル出発ではないのでは？と気付き、インフォメーションへ。美人のお姉さんがとても親切に教えてくれたところによると、やはり第1ターミナルとのこと。そして第1ターミナルの行き方までも丁寧に教えてくれました。第3ターミナルから第2、第１ターミナルへと無料のリムジンバスが出ていました。表示もわかりやすく、便数も多く、バスも新しくてきれいでとても便利です。中国も格段とサービスが良くなったなあ、としみじみ思います。
　それにしても北京空港全体の敷地は本当に広い！第3ターミナルから第1ターミナルまでの移動にバスで20分かかりました。そして華やかな第3ターミナルとひきかえ、第1ターミナルは地味でひっそりとしていました。
　そしてようやく出発。「大新華快運航空」と聞いたこともない航空会社ですが、大丈夫なんでしょうか？？？

空の旅① 華北平原

　そしてここから空の旅の始まりです。飛行機に乗っても、北京周辺はいつもスモッグに覆われていて、風景を見ることがなかなかできませんが、今日は快晴なので景色を機上から見渡すことができます。
　北京を出発して30分後。このあたりは華北平原の西北端です。しばらく平らな田園風景が続きました。

空の旅②

　一枚前の風景から5分後。山が現れました。昨日、車窓から見た景色と同じように北京周辺の山は緑のじゅうたんに覆われています。でも至る場所でこのように山が掘り起こされていました。大同の山と同じですね。

空の旅③ 官庁ダム

　そしてさらに５分後。風景がどんどん変わるので、見飽きないです。珍しく寝ることなく、ずっと下を見ています。おもしろい。
　今日はまた西へ向かっていますから、昨日車窓から見た風景を今日は反対方向に機上から眺めています。これはたぶん官庁ダムです。風力発電の風車が回っているのが、上空からもわかります。こうやってみると東西に細長い形をしているのがよくわかります。水もけっこうあるように見えますね。

空の旅④ 黄河

　出発から一時間後。黄河です。この黄土色の大きな川の右側（東側）が山西省で、左側（西側）が陝西省です。黄河が黄土高原を縦断しています。

空の旅⑤ 侵食谷

　黄河周辺に延々と広がる深く刻まれた侵食谷。これぞ典型的な黄土高原の景色です。

空の旅⑥ 赤い黄土？

　一枚前の写真から３分しかたっていないのに、今後は赤い侵食谷の一帯が現れました。不思議だ。どこもかしこも人の手によって削られています。

空の旅⑦

　楽しい空の旅～。

空の旅⑧

　陝西省の東北端に位置する、目的地の楡林市にすでに入っています。谷底から山頂まで、すべて耕されているのがわかります。上空から見ても、自然の状態のまま残されているところはほとんどないという印象です。森林がないどころか、ありとあらゆる山に人の手が入っています。これだけのことを、一体どのくらいの年月をかけて行なったのでしょう。

空の旅⑨ 砂漠

　出発から１時間40分後、砂漠の真ん中の空港に降り立ちました。楡林市は、黄土高原とその北側に広がる毛烏素砂漠がちょうど交わっている場所にあります。さっきまで黄土高原だったのに、ある地点から一気に砂漠に変わりました。不思議です。その境目を写真に撮りたかったのに、あっという間に通り過ぎてしまいました。

空の旅 砂漠

楡林市の中心部はこのように砂漠の真ん中に位置しています。街の中心部周辺は長年に渡り、砂漠を草で覆う緑化方法が採られていますが、その様子は4～5年前とほとんど変わっていません。緑は未だモザイク模様です。なかなか面でつながらないのですね。

空の旅⑩ 楡林空港

　楡林の空港に到着。この街にも新しい立派な飛行場ができていました。山西省とは違い、陝西省は西部大開発の莫大な資金が来たため、街のインフラ整備がここ数年で一気に進みました。
　とりあえず今日はここまで。「中国のおじいさん」の家での出来事はまた後日・・。