GEN事務局会田の大同活動日記

中国黄土高原でのGENの活動や、現地の人々の生活をお伝えします。

白登苗圃

2008年09月09日 | 白登苗圃
 今日は朝からあいにくの雨です。でも大同市北部は今年は5月以降ほとんど雨が降らなかったので、この辺り一帯の人たちにとっては恵みの雨です。
 午前中、針葉樹を中心に育苗しているGEN第二の苗畑である白登苗圃を訪れました。白登苗圃の技術責任者の馬占山さんは、「一年雨が全然降らなかったのに、今日に限って雨だよ。あなたたちが雨雲を連れてきたんだな」と笑っていました。
トウヒ畑に来てびっくり。急に伸びています。2005年にだるまのような丸い苗を植えて以降、なんだかぐずぐずして上にのびていなかったのですが、今年になってぐんと成長しました。見違えるようです。

トウヒ苗の根

2008年09月09日 | 白登苗圃
 育ちがよくないトウヒ苗をひとつ掘り起こして、根を観察しています。やっぱり菌根菌がついていないようです。小川先生から馬占山さんに、通訳の王黎傑さんを介して健康な根っこについて詳しく説明をしていただきました。

アブラマツの苗①

2008年09月09日 | 白登苗圃
 先ほどのトウヒは植えるときに菌根菌をつけなかったということで、菌根菌をつけて育苗しているアブラマツの苗床を見に来ました。二年生のアブラマツの苗ですが、一部枯れています。昨冬、大同が記録的な寒波に見舞われ、一部がうまく越冬できなかったことなどを馬さんが説明しています。

モンゴリマツの苗

2008年09月09日 | 白登苗圃
 五年生モンゴリマツの苗。よく成長していますが、今年の成長はどこかおかしいようです。マツの芽は通常春先から7月ころまでが成長期ですが、今年は夏を過ぎて成長が一度ストップしてから、秋になってまだ芽が伸び始めています。こうなると伸びた部分が木質化しないうちに冬が来てしまうため、先端が枯れてしまうそうです。先ほどの二年生のアブラマツとモンゴリマツの苗にも一部このような現象が生じていました。何が原因なんでしょう。気候がおかしいのでしょうか。

かけはしの森

2008年09月09日 | かけはしの森
 白登苗圃に隣接する実験果樹園「かけはしの森」です。さきほどの白登苗圃はJICA草の根無償資金協力プロジェクト、この果樹園は自治労大阪府本部、三井物産環境基金、経団連自然保護協議会、積水ハウスから資金を提供いただいています。 このかけはしの森は、2006年秋にインフラ整備の着工を始め、2007年春から植栽を始めました。これは昨年植えた苗木です。これも伸びましたねー。昨年植えたばかりの時の頼りない苗から一変しました。ここで様々な品種のアンズを育てているのですが、特にこの「哈密杏」という品種は大きく育っています。ほとんど枯れているものもありません。馬さんの指導の下、行き届いた管理がされていることがよくわかります。今年は人件費の高騰が顕著で、下草刈りのために人を雇うだけでもかなりの資金が必要で大変なのですが、そんな困難な状況下でも苗は順調に育っています。

白登苗圃で昼食

2008年09月09日 | 白登苗圃
 お昼は白登苗圃の管理棟で食事を取りました。中国の野菜はどれも大陸サイズで大きい!ナスもピーマンもトマトもみんな大きいです。こんなに大きいと大味かなと思いますが、そんなことありません。特に乾燥地の野菜は味が濃縮されて本当においしいのです。

学習会①

2008年09月09日 | 白登苗圃
 今日はあいにくの雨で午後予定していた山まで車が登ることができないので、急遽白登苗圃で学習会を開くことになりました。まずは小川先生から菌根菌の利用方法について、詳しく教えていただきました。
 マツの仲間、トウヒなどはアルカリ土壌だとつきにくいため土壌分析をしっかりやることが大事だということ、白登苗圃はアルカリ土壌なので菌根菌にはアルカリを好むキノコを使うこと、白登苗圃にマツ林を作ればそこから自然に胞子が飛んできて菌を利用できること、小さな苗に菌をつければ成長時に根に胞子がついて丈夫な根ができ、また少量の胞子ですむこと、マツは窒素肥料が多くなるとそれに反比例して根が少なくなること等等。そのほか、キノコから菌根菌を取って土壌に撒く具体的な方法や、キノコが取れなかった際のマツ林の表土の利用方法などについても説明いただきました。

学習会②

2008年09月09日 | 白登苗圃
 今回、専門家の先生とともに参加している学生さん。二人ともとても熱心に耳を傾けています。やはり専門家の先生方は知識も経験も豊富なので、様々な分野の話を聞くことができ、とても新鮮で刺激的な日々ですね。

学習会③

2008年09月09日 | 白登苗圃
小川先生のお話の後、一番奥に座っている桜井先生からも講義していただきました。桜井先生は現在日本大学の教授ですが、以前は森林総合研究所理事、日本林学会会長などを歴任されていました。今までのご経験から、やった作業は必ず記録し、どこから種が来て、どんな苗ができて、どこにそれを出して、その結果がどうだったかをすべて記録を残せば、どこの場所の種、苗がこの地に適しているかがわかり、後に大きな財産になること等を教えていただきました。

花々

2008年09月09日 | 白登苗圃
 白登苗圃の管理棟入り口に植えられている花です。中国ではこういった「真っ赤」とか「真っ黄色」の花が好まれます。乾燥地の花は色が本当に鮮やかです。

とうもろこし畑

2008年09月09日 | 農村の風景
 勉強会が終わったころには雨も上がっていました。せっかく晴れたので、大同県に残る胡楊の大木を見に行くことにしました。道中に広がるトウモロコシ畑。土地の低い場所には大面積にとうもろこしが植えられています。そのほとんどが飼料用です。

胡楊

2008年09月09日 | Weblog
 高速で1時間弱走って、目的地に到着しました。胡楊は本当に面白い木で、一本の木に何種類もの葉をつけます。みんなで木を分析中。

マツ林

2008年09月09日 | Weblog
 大同県から大同市中心部に戻る途中、マツ林でトイレタイム!でもこれはもちろんトイレ風景ではありません。せっかくマツ林に下りたので、菌根菌として使えるキノコを探そうと、みんなで寸暇を惜しんでキノコ探しです。「アセタケ」という小さなキノコが少しだけ生えていました。
 小川先生はキノコの名前とその性質をなんでも知っている!頭の中がキノコ辞典のようです。もちろんキノコだけでなく本当に様々な分野の知識と経験が豊富でどんなお話も聞いていてすごく楽しい。先生の脳みそをそのままそっくりもらいたいです。