GEN事務局会田の大同活動日記

中国黄土高原でのGENの活動や、現地の人々の生活をお伝えします。

霊丘自然植物園

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 いよいよ今日から本格始動です。今日は朝から晴天に恵まれました。霊丘県中心部にある宿舎を朝8時半に出発し、およそ1時間をかけて霊丘自然植物園のふもとまでバスで移動。ふもとから植物園まで1時間弱歩き、ようやく植物園に到着しました。
 そして休むまもなくいよいよ植物園での山登り開始です。植物園といっても日本の一般的な植物園のイメージと違い、ここは海抜900mから1300mまで、400mの高低差があり、かなりきつい登山です。

毎木調査地(プロット)

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 霊丘自然植物園では、ここ数年で樹木が急激に生長しているので、この成長の過程を記録しようと、今春から毎木調査を始めています。日向斜面と日陰斜面にそれぞれ20m×20mの調査地(プロット)を取り、その中の樹木の胸高直径、胸高周囲、樹高を測りました。散木も含め、今春、全部で380本を計測しています。対象木にはこのように1.2mの高さに白いぺんきをぬり、目印のピンクのリボンを結び、ナンバーラベルをぶら下げています。

調査開始①

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 1時間かけて急斜面を登ってきました。最高気温はたぶん22、3℃ほどでしょうが、背中は汗びっしょり。「なんか疲れたー」といっている間もなく、早速調査開始です。
 今回の専門家調査団の最大の目的は、この霊丘自然植物園の炭素固定量を測定することです。今日は日陰斜面の調査地(プロット1)周辺から、この斜面の優占樹種であるリョウトウナラの7m、5m、3m、2m、1mサイズの樹木をそれぞれ2本ずつ切り、葉、枝、幹の重量を測定します。
 まずは樹高測定棒を使って、7mクラスのリョウトウナラを探します。かなりの急斜面で足場を確保するのも大変。この木がちょうどよいサイズのようです。

調査②

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 そして根元から木を切ります。今回は木を植えに来たのではなく、切りに来たのです・・。ごめんなさい。切ってくれているのは、植物園スタッフの孟さん。

調査③

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 切り倒したら、巻尺で正確な樹高を計ります。細い道しかなく、足場を確保するのが大変です。左の男性は、植物園スタッフの周金さん。相変わらずとってもパワフルです。

調査⑦

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 これがさっき切った木の年輪。数えると20年以上です。せっかくがんばってここで20年以上も生きたのに、切ってしまってなんだか申し訳ないですが・・。ここ5~6年で急に年輪の幅が広くなっています。放牧をやめたとたん、落葉が土壌に蓄積するようになると、土壌が肥え始め、樹木の生長も驚くほどよくなるそうです。樹木はわずかの環境の変化によってその成長具合が大きく変わるそうです。放牧ひとつやめることで、いろいろな面で効果をもたらすのですね。

調査⑧

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 このバレーボールみたいな真っ白い物体、なんだと思いますか。なんときのこです!今回の調査団には、GENに菌根菌技術を指導してくださった小川真顧問も参加されているのですが、小川顧問が植物園内できのこ探しをしていてみつけたそうです。こんな立派なきのこが植物園に生えているなんて、植物園の土もずいぶんと肥えているのですね。これはオニフスベというきのこだそうで、食べられるそうです。へー。でもちょっと勇気がない。きのこの後ろに写っているのが小川顧問です。

調査⑨

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 ようやく各種サイズを伐採し終え、樹木を抱えて植物園の管理棟まで持って降りました。周金さんが山のような木を持ってくれています。疲れた体にムチ打ってさらに大きな荷物を抱えての下山はそれでなくても大変なのに。私は幹一本持っただけでかなりの負荷を感じたのですが。やっぱり地元の人たちは超人です。

調査⑩

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 これが一本目に切ったリョウトウナラです。幹、枝、葉に分けて持って降りました。あんなに大きかった木が分解されてこんな姿になりました。

調査⑪

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 気がつけばもう14時過ぎ。遅い昼食を簡単に取った後、測定調査続行です。これは切り分けた幹の周囲を測っているところ。幹の直径、周囲、重量を測ります。左が今回の調査を指導してくださっているGEN前中顧問です。そして前中先生の大学院の院生さんがお手伝いしてくれています。

調査⑫

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 こちらは葉と小さな枝をさらに細かく分けているところ。かなりの量で作業量も多いですが、今回は人数も多いので手際よく作業がどんどんはかどっていきます。皆さまにおなじみの遠田先生もお元気です。
 それぞれを分けたら、この生の状態の重量を測ります。そしてこの後、時間をかけてそれぞれを乾燥させた後の重量を測り、炭素固定量の推定を行うのです。

植物園全景

2008年09月05日 | 南天門自然植物園
 夕方ぎりぎりまで時間をかけて、今日の調査は無事終了。天気にも恵まれ、1日目に予定していた日陰斜面での活動を無事終了しました。よかった。明日は日向斜面です。
 写真中央の山の中腹が特に緑が深いのがわかりますか。あそこが霊丘自然植物園です。毛虫や電気虫の大群をかき分け(かなりの恐怖・・)あの斜面を登るのはけっこう大変でしたよー。また明日もがんばって登ります。今日も一日おつかれさまでした。