EU(欧州連合)も2年前(2013年)に、フォルクスワーゲンのソフト不正を知っていた!
スイスの交通規制当局がVWの一部ディーゼル車の販売禁止
各国の当局が相次いで不正問題の調査に乗り出した。
こうなるとディーゼル車の先行きは絶望的か。
思えば日本では、石原慎太郎氏が都知事時代にいち早くディーゼルエンジンの排ガスは放置できないと、東京都内へのディーゼル・トラックの乗り入れを全面禁止した。
首都圏の千葉・神奈川・埼玉も同調しその結果、首都圏ではディーゼルトラックの走行が事実上出来なくなった。
当然運送業界からは猛反発も受けたし、運送業を辞める人も多かった。
だがディーゼルエンジンは、現在の技術を以ってしてもやっぱり大気汚染の元凶であることがはっきりした。
>EU、2年前にVWの不正把握か 規制運用問われる
2015/9/27 1:41 日経新聞
【フランクフルト=加藤貴行】独フォルクスワーゲン(VW)の排ガス試験の不正問題で、欧州連合(EU)が2013年の時点で、排ガス量を不正に操作するソフトウエアの問題を把握していたと欧州の複数のメディアが報じた。EUも以前から違法性を認識していながら厳しく追及していなかったことになり、EU側の責任も問われそうだ。一方、スイスの交通規制当局がVWの一部ディーゼル車の販売禁止を決めたほか、各国の当局が相次いで不正問題の調査に乗り出した。
欧州メディアの報道によると、EUの欧州委員会共同研究センターの調査で、ディーゼル車から試験時の排ガス量を実際の走行時よりも少なくするソフトウエアが見つかった。EUではこうしたソフトは07年から違法になっていたが、「規制当局は問題を追及しなかった」(英紙フィナンシャル・タイムズ)という。
別の科学者グループが11年の時点でVWの違法ソフトの存在を指摘していたとの報道もある。
VWの排ガス不正は18日の米環境保護局(EPA)による発表で公になった。その後、14年時点で米ウェストバージニア大学が実施した試験で確認されたこともわかっている。ただ、EUはそのさらに前から事態を把握していたことになる。
EUはこれまで燃費性能に優れたディーゼル車を推進する立場だった。域内の新車販売の約5割を占めるまでになり、さらに欧州発の「エコカー」として域外への普及も後押ししてきた。VWの不正を長期にわたって放置していたとすれば、EUの環境規制の運用そのものが問われることになる。
一方、主要各国の当局は排ガス試験不正問題を巡り、相次いで調査に乗り出した。米欧に加え、韓国などのアジア諸国も自国での車両点検の実施を表明した。英国放送協会(BBC)によると、26日時点で約10カ国が既に調査の意思を示している。
米国では司法省とニューヨーク州がVWの刑事責任を巡って調査を始めた。カナダの環境当局はVWと傘下のアウディのディーゼル車を約10万台調査する方針を示した。欧州でもドイツ、フランス、イタリアが調査開始を表明、アジアではインドと韓国が調査開始を宣言した。
http://www.nikkei.com/article/DGXLNSE2INK01_W5A920C1000000/
VWが排ガス量を不正に操作する不正ソフトを使って、規制当局を騙して来たと米環境保護局(EPA)が発表した。
その裏づけとなったのは、14年時点で米ウェストバージニア大学が実施した試験で確認されたこと。
ところが、それ以前の別の科学者グループが、11年の時点でVWの違法ソフトの存在を指摘していたとの報道もあるという。
BMWもVWと同じようなことをしていたらしいということで、ドイツのメーカー全体がパニック状態に陥った。
問題はアメリカだけに止まらず、ヨーロッパにも飛び火、欧州連合(EU)が2013年の時点で、排ガス量を不正に操作するソフトウエアの問題を把握していた。
EUではこうしたソフトは07年から違法になっていたが、「規制当局は問題を追及しなかった」(英紙フィナンシャル・タイムズ)という。
ディーゼル車がヨーロッパで普及した理由は、ガソリンより軽油の方が燃費性能に優れていると点だ。
早い話、安いということだ。
日本でもディーゼル車はトラック業界で広く使用されてきた。
ヨーロッパで普及した理由と同じで、燃費効率(安い)がいいからだ。
それに待ったを掛けたのが石原都知事だ。
理由はディーゼルトラックが大気汚染の元凶だとして、ディーゼルトラックの都内乗り入れを規制することにしたのだ。
石原慎太郎はディーゼル車規制と不正軽油(軽油に重油を混ぜる)を摘発した偉大な政治家
結局首都圏を形成する東京に隣接する3県がディーゼルトラックの走行を禁止したことで日本でのディーゼル車は事実上消滅していくことになる。
ヨーロッパがディーゼルエンジンのクリーン化で規制をクリアしようとしたのとは対照的に、日本からはディーゼルエンジンの開発をやめハイブッリト車へと変わっていく。
その結果、首都圏だけでなく日本からディーゼルトラックは消えていくことになった。
トラック業界からは怨嗟の声も上がったが、結局メーカーがディーゼル車を造らないのだから別のエンジントラックへ変わっていく他なかった。
ディーゼルトラック規制の成果で、日本から事実上大気汚染を完全に追放した。
晴れた秋の空には、東京ターからは富士山も遠望できる。
それ以上に住民の健康を考えた場合、石原都知事の決断は世紀の善政であった。
今ヨーロッパの車メーカーが造る車の半分以上はディーゼルエンジンだ。
今回の問題はヨーロッパの自動車生産国全体の問題に発展するだろう。
EUは大気汚染の元凶を、CO2を槍玉にして日本などに厳しいCO2規制を課しながら、本当は大気汚染の元凶である窒素酸化物を排出するディーゼルエンジンをクリーンディーゼルと称し、燃費性能に優れるディーゼルエンジンを次世代エンジンとして普及させてきた。
それが実はとんでもないまやかしで、ディーゼル車の排出ガスによる大気汚染が年を追うごとに酷くなっていたのだ。
パリのスモッグは北京も顔負けするほど頻繁に発生している。
これが憧れのパリのエッフェル塔だ、残念だがスモッグに覆われてしまった。
ロンドンのスモックは昔から有名で、これは燃料に石炭を使うため霧の出る季節にはスモックとなって頻繁に発生していたが、石炭の使用は減った代わりに、今度はディーゼル車の排ガスがスモックなってロンドンを覆うようになった。
こうしてみるヨーロッパは大気汚染対策で完全に遅れを取っていることがわかる。
EU基準で大気汚染をCO2規制を厳しくする反面、ディゼル車の排ガスは不正ソフトで尻抜けしている。
単にドイツの自動車メーカーの問題に止まらず、今後のヨーロッパではたしてディーゼルエンジンが存続していけるかどうか、先ず無理なのではないだろうか。
よほどの技術革新がないと大気汚染を防止することは不可能だ。
それなら電気自動車や水素自動車等への技術革新の方が理にかなっているように思う。
石原都知事のディーゼル規制以降閉ざされていた日本のディーゼルだが、12年だったかマツダがディーゼルエンジンを復活させた。
結構優れ物のディーゼルエンジンというふれ込みだが、実際今後厳しくなる規制をクリア出来ているのかどうか。
しかし、今回のVW問題発覚でディーゼルエンジンは相当なダメージになったことは確か。
ヨーロッパの自動車メーカーや国は、燃費効率を求めガソリンエンジンより安いはずのディーゼルエンジンの普及に努めた結果、却って高いもにつき、その上環境汚染を酷くした。
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