ブログを続ける、ということ

2005-09-23 16:41:30 | Weblog
いくらカテゴリーが「日記」であるといっても、オトナである限りは、愚にもつかぬ日々の生活の話、早く言えば何時に起きて飯に何食って、テレビは何を見て、そして無事今日は終った・・・こんなことを書くわけには行かぬ。さりとて、創作する・・・つまりは世で小説と呼ばれるものを書くのは、多少のシミュレーションやってみた結果不可能であると分った。
「小説」を書くに当っては2人の人の言葉が頭に響く。一人は立花隆氏で、「小説家の想像力など現実の偉大さに比べるとものの比でもない」というような趣旨の発言である。これは実に痛烈な言葉であって、これだけで、今の世の「小説」の大半は姿を消してもいい。いや消すべきだ、とさえ思う。なにしろ立花隆氏の「小説」の中には、偉大なるドフトエフスキーさえも入っているようなので(直接そう言っているのではないが)恐れ入る。才気煥発のチェホフなど顔色無しだろう。
もう一人は私の知人で、ちょっとばかり「創作」を試してみたのだろうか、しみじみ私に語ったものだ。「ウソを本当のように書くのはえらく難しいものですな」と。これはやってみて恐ろしい真実であると分った。正確に言えばウソを本当のように書く、というよりは、無から有を造り出す作業と言うべきだろうか。

けっきょくは、地面に落ちこぼれた種粒を丹念に拾って、その種粒の正体を調べた上で播種して育てるような作業しかないわけだ。しかし、冬も近いし、落ちこぼれた種粒も多くはない。それを探す。ブログを続けるとは凡人にとっては、所詮そういう作業である。