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学ぶ沖縄戦7・辺野古米軍新基地建設の埋立工事に県民の遺骨が残る土砂を使う「戦没者への冒涜」/少数派

2022年06月09日 | 戦争を繰り返すな
少数派シリーズ/二度と戦争を繰り返すな
Okinawamanabu 毎日新聞「学ぶ沖縄戦」1945年 第7回 
辺野古米軍新基地建設の埋立工事に県民の遺骨が残る土砂を使う「戦没者への冒涜」
沖縄戦での日本軍の組織的戦闘の終結から6月23日で77年。
なぜ沖縄が戦場となり、多くの悲劇が生まれたのかを考える。

20190329_2 しんぶん赤旗の掲載図を複製

■今号は投稿者の文章から|戦没者を逆なで、沖縄県民どころか人間として許されないこと
今号は「沖縄戦」から一旦離れて、現在の辺野古基地の問題に触れます。今までの連載の中で、日米20万人以上が亡くなったと申し上げました。大半が沖縄県民で、お伝えしてきたように哀れな最期でした。今も親がどこで亡くなり、遺骨さえ見つからない遺族が大勢います。戦後、日本や沖縄が経済発展する中で、苦しんでいるのです。そんな皆さんをこともあろうか逆なでする、戦没者の遺骨が混入した土砂を辺野古基地の埋め立てに使われているのです。沖縄県民どころか、人間として許されないことです。「戦没者への冒涜」です。日本政府も日本人も、まともでなくなってしまいました。

一方、辺野古基地の建設場所は既号のように「マヨネーズ並み」と言われ、深さ90mにも及ぶ超・軟弱地盤が指摘されています。ここに、76,699本の砂の杭を打ち込む計画です。しかし国内技術・設備(作業船)では、杭は海面から70m(海底部から40m)の宙ぶらりんの状態(図・左上)が限界だそうです。杭は、固い地盤まで打ち込んでこそ効果が発揮するものです。岩屋防衛大臣(当時)は根拠もなく70mでもOKと言い出し、しかもポイントとなる箇所はボーリング調査さえしていないことが判明しました。あまりにも、いい加減です。杭の下20mも地盤改良しなければ、延々と基地が沈下し続けるのです。つまり現在の最高工法をもってしても、成し得ない地盤なのです。防衛省は4年弱で完成としていましたが、実際は2030年代前半、いやいつまで経っても完成しないでしょう。予算2.5兆円も、実際は数倍掛かるとも言われます。

■凄惨をきわめた戦野には幾万の屍がるいるいとして風雨にさらされ亡魂恨み泣く
ここからはしんぶん赤旗を活用しています/岸田政権は、戦没者の血が染み込み、いまだ多くの遺骨が眠る、沖縄南部の土地から土砂を掘り出し、名護市辺野古の米軍新基地建設の埋め立て工事に使かっています。県民の平和への願いに背く「戦没者への冒涜(ぼうとく)」を許してはなりません。沖縄戦では、日本側18万8136人(うち県出身者12万2228人)、米側1万2520人の計20万656人が戦死しました(県発表)。「それら(日本側)の死体の多くは、少なくとも死後半年から一年以上放置され、沖縄本島南部を中心とした地域のいたるところに散乱していた」(『沖縄県史各論編6沖縄戦』)と言います。

多くの県民が避難していた南部は、日本軍(第32軍)司令部が首里(現・那覇市)から撤退してきた結果、軍民混在の「地獄の戦場」と化します。このため一般住民の犠牲が大きく広がりました。「ひめゆり学徒隊」の引率教師の1人だった仲宗根政善氏は「凄惨(せいさん)をきわめた戦野には、幾万の屍(しかばね)がるいるいとして風雨にさらされ、亡魂恨み泣き、身の毛のよだつ荒野となった」と書いています(『ひめゆりの塔をめぐる人々の手記』)。

■菅官房長官時代「戦後生まれなので沖縄の置かれてきた歴史は分からない」と発言
戦後最初期、米軍収容所から南部の米須(現・糸満市)に移動を許された真和志村(現・那覇市)の人びとが遺骨収集を始めます。自身も2人の娘を亡くし、遺骨収集の中心となった金城和信村長の妻ふみさんは手記で「御遺体は…石垣のそばにも、洞窟の中にも、道ばたにも、畑の中にも、到るところに放置されてゐました」「阿檀(*)の茂みの中に、一家全員(五名)が抱き合って散華(*)した御遺体がありました。…母の手をしっかり握ったままの小さい女の子、学用鞄を肩からさげてゐた男の子、痛ましいその場の光景が、いまでもこの目に浮んできます」と語っています(金城和彦著『嗚呼沖縄戦の学徒隊』)。
投稿者補足1/阿檀(あだん)=タコノキ科の熱帯性常緑低木。沖縄・台湾に自生。
投稿者補足2/散華(さんげ)=華(はな)と散ると解し、戦死を指していう。

菅政権は20年、辺野古新基地建設の埋め立て予定海域に軟弱地盤があることを認め、その改良のための設計変更を県に申請しました。それによると、当初は本島北部地区に限っていた県内の土砂(岩ズリ)採取場所に南部地区(糸満市、八重瀬町)などが加えられました。しかも、県全体の岩ズリの調達可能量約4476万立方メートルの7割に当たる約3160万立方メートルが南部地区からとされています。これに対し沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さんが抗議のハンストを決行し、県議会や県内市町村議会も次々と戦没者の遺骨が混入した土砂を埋め立てに使わないように求める意見書を可決しています。菅氏が官房長官時代、当時の翁長雄志県知事が沖縄の苦難の歴史を語り、辺野古新基地反対を訴えたのに対し、「私は戦後生まれなので、沖縄の置かれてきた歴史はなかなか分からない」と言い放ったことがあります。新基地建設の埋め立て工事をやめさせるためには、菅政権から続く岸田政権を終わらせなければなりません。

Sankoub
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Akahatatop

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