明日への道標~みんなが幸せになるために

さあ、また書き始めよう。どうしても伝えたいことがあるから。

下山事件/森達也

2004-12-04 | 読書日記
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4104662011/qid=1102179708/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/249-6148002-7823529

下山事件って言っても知らない人も多いと思う。
1949年に国鉄の下山総裁が常磐線で轢死体となって
発見された事件だ。

結局、自殺ということになっているが、
実際には他殺説が強く、またその背景にも謎が多い。

実際、この事件と三鷹、松川事件という一連の鉄道事件が
共産党との関係を取り沙汰されることで、
戦争終結と共に、一時、容共に大きく振れていた世情が
大きく揺り戻されたという。

この本は事件から50年以上経った今、
この事件に関わったと見られる人達や
この事件を追いかけて来た人達に取材し、
事件の背景を探っていく。

もちろん、今さら驚愕の新事実が提示された訳ではないが、
情況を繋げて行くと他殺の線が極めて強いという方向性で、
相当の説得力があるのものになっている。

また、この事件の背後にはアメリカの
キャノン機関等の関与が取り沙汰されている。
戦後の日本の弱体化のために容共路線をとったアメリカが、
アジアのドミノを阻止するために反共路線に転じるタイミングと
一連の事件とのタイミングも一致している。

もちろん、この事件をアメリカと結び付けるのは
陰謀論だと片付ける人もいるだろう。

しかし、前に本頁で紹介した「戦争広告代理店」を読み、
また、最近の一連の米国を利するだけの奇妙な経済政策が
マスコミを覆い尽くす情況を見るにつけ、
決して、荒唐無稽と言い切れないものを感じてしまう。

結局、民主主義というのは論理で動くのではなく、
雰囲気で動くものであり、その雰囲気は事件等で簡単に変わる。
その影で蠢いている人はいつの時代でも
居なくなることはないのだろう。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿