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環境を考える
小名浜火力発電 環境相が反対の意見書…温暖化対策に不備
福島県いわき市に建設が計画されている小名浜火力発電所(仮称)の環境影響評価(環境アセスメント)に対し、斉藤鉄夫環境相は26日、「最大限の二酸化炭素(CO2)排出量削減対策が講じられていない」として、建設に反対する意見書を提出した。地球温暖化対策の不備を理由に環境相が反対意見を出すのは初めて。意見書提出を受けた二階俊博経済産業相も「CO2排出削減に最大限努力するのは常識だ」と述べ、環境相意見に沿った勧告を出すと見られる
5月26日12時12分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090526-00000010-maip-pol
日本化成などが計画している小名浜火力発電所の環境アセスメントで
異例の建設反対の意見書が提出された。地球温暖化対策の不備を理由に
環境相が反対意見を出すのは初めて。
28日には経済産業省も「実行可能な最大限の(排出)削減」を図るよう
勧告した。
発電所新設に「最大限のCO2削減」勧告 二階経産相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090528-00000042-fsi-bus_all
環境相は会見で、「石炭火力の必要性は十分理解しているが、古い性能の
悪い施設と置き換えるなど真に必要なものに限定すべきだ」と述べている。
では、石炭、石油、LNGなど燃料種別でのCO2排出量はどの位なのか?
環境省の排出係数一覧によると、
石炭 0.0247 kg-c/MJ
A重油 0.0189 kg-c/MJ
液化天然ガス(LNG) 0.0139 kg-c/MJ
*同一発熱量で比較。
つまり、同じ発熱量を得る場合、石炭は重油の1.3倍、LNGの1.7倍のCO2を
発生させる。ただし、これは直接燃やした場合でタービン、発電器等の効率
は含まれていない。発電時の燃料種別の排出係数はどうなのか?
これがなかなか見つからない。ずいぶん探して、次の資料中に記載を見つけた。
電力CO2排出係数の国際比較(PDF)
http://www.env.go.jp/earth/gijyutsu_k/02/ref_03_2.pdf
P9,表4 各国の電力CO2排出係数の推移によると、2001年時点で日本の
燃料別排出係数は下記の通り。
石炭 0.819 kg-co2/kwh
石油等 0.547 kg-co2/kwh
天然ガス 0.376 kg-co2/kwh
石炭は同じ発電量に対し、天然ガスの約2.2倍、石油の1.5倍のCO2を排出
することになる。
さらに表3を見ると、日本の電力CO2排出量は1990年に比べ2001年で石油
は半減、石炭は2倍になっている。この間、ドイツ、イギリスは石炭由来
CO2を減らしている。
また、総発電量に対する石炭火力の割合は、日本では1990年が14.6%だっ
たのに対し、2001年度は、23.1%となった。
この資料は2001年までのデータ。電気事業連合会のページによると、2006年
で日本の石炭火力の割合は27%とさらに割合が高くなっている。
電気事業連合会 主要国の電源別発電電力量の構成比
http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/shuyoukoku/sw_index_03/index.html
日本では総発電電力量、石炭火力の割合共に増え続けている。
これでは、二酸化炭素排出量が増えるのも当然。
これは発電に伴う石炭火力の割合だが、国立環境研究所のデータを見ると、
全エネルギーに伴う石炭のCO2排出割合も増えていることが分かる。
GIO 温室効果ガスインベントリ
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html
日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2007年度)(XLS)
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/data/2009/n001_6gas_2009-gioweb_J1.01.xls
排出量データ、シート「7・CO2-Source」によると、1990年に比べ、2007年
の石炭由来CO2排出量は、143,275 [Gg CO2]、46.42%増えている。
1990年から2007年の温室効果ガス総排出量の増加は159,651[Gg CO2]なので
増加分の約90%が、石炭由来CO2排出量の増加によるものと言える。
これだけ大幅に石炭由来エネルギーが増えると、いくら省エネ努力をしても
追いつかない。これはもう日本のエネルギー戦略、温暖化対策のミスだろう。
ではなぜ石炭エネルギーが増えたのか。またそれを国が容認してきたのか?
長くなってきたので、続きはまた次回。
関連ページ
環境省(仮称)小名浜火力発電所環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の
提出について
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11157
経済産業省 小名浜パワー事業化調査(株)(仮称)小名浜火力発電所に係る環
境影響評価準備書に対する勧告について
http://www.meti.go.jp/press/20090528003/20090528003.html
環境省 地球温暖化対策の推進に関する法律施行令で定める排出係数一覧(PDF)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santei_keisuu/keisuu.pdf
国立環境研究所
http://www-gio.nies.go.jp/
IEA Statistics for 2006 JAPAN (Electricity/Heatで燃料別の発電量が分かる)
http://www.iea.org/Textbase/country/m_country.asp?COUNTRY_CODE=JP
<CO2排出量増加の要因は?> 石炭火力発電の増加
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/91c4f3a82427cca7252507070c3347cb
2009/6/4 更新 雨が少ない状態が続いています。水不足が心配です。
5月26日12時12分配信 毎日新聞
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090526-00000010-maip-pol
日本化成などが計画している小名浜火力発電所の環境アセスメントで
異例の建設反対の意見書が提出された。地球温暖化対策の不備を理由に
環境相が反対意見を出すのは初めて。
28日には経済産業省も「実行可能な最大限の(排出)削減」を図るよう
勧告した。
発電所新設に「最大限のCO2削減」勧告 二階経産相
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090528-00000042-fsi-bus_all
環境相は会見で、「石炭火力の必要性は十分理解しているが、古い性能の
悪い施設と置き換えるなど真に必要なものに限定すべきだ」と述べている。
では、石炭、石油、LNGなど燃料種別でのCO2排出量はどの位なのか?
環境省の排出係数一覧によると、
石炭 0.0247 kg-c/MJ
A重油 0.0189 kg-c/MJ
液化天然ガス(LNG) 0.0139 kg-c/MJ
*同一発熱量で比較。
つまり、同じ発熱量を得る場合、石炭は重油の1.3倍、LNGの1.7倍のCO2を
発生させる。ただし、これは直接燃やした場合でタービン、発電器等の効率
は含まれていない。発電時の燃料種別の排出係数はどうなのか?
これがなかなか見つからない。ずいぶん探して、次の資料中に記載を見つけた。
電力CO2排出係数の国際比較(PDF)
http://www.env.go.jp/earth/gijyutsu_k/02/ref_03_2.pdf
P9,表4 各国の電力CO2排出係数の推移によると、2001年時点で日本の
燃料別排出係数は下記の通り。
石炭 0.819 kg-co2/kwh
石油等 0.547 kg-co2/kwh
天然ガス 0.376 kg-co2/kwh
石炭は同じ発電量に対し、天然ガスの約2.2倍、石油の1.5倍のCO2を排出
することになる。
さらに表3を見ると、日本の電力CO2排出量は1990年に比べ2001年で石油
は半減、石炭は2倍になっている。この間、ドイツ、イギリスは石炭由来
CO2を減らしている。
また、総発電量に対する石炭火力の割合は、日本では1990年が14.6%だっ
たのに対し、2001年度は、23.1%となった。
この資料は2001年までのデータ。電気事業連合会のページによると、2006年
で日本の石炭火力の割合は27%とさらに割合が高くなっている。
電気事業連合会 主要国の電源別発電電力量の構成比
http://www.fepc.or.jp/present/jigyou/shuyoukoku/sw_index_03/index.html
日本では総発電電力量、石炭火力の割合共に増え続けている。
これでは、二酸化炭素排出量が増えるのも当然。
これは発電に伴う石炭火力の割合だが、国立環境研究所のデータを見ると、
全エネルギーに伴う石炭のCO2排出割合も増えていることが分かる。
GIO 温室効果ガスインベントリ
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/nir/nir-j.html
日本の温室効果ガス排出量データ(1990~2007年度)(XLS)
http://www-gio.nies.go.jp/aboutghg/data/2009/n001_6gas_2009-gioweb_J1.01.xls
排出量データ、シート「7・CO2-Source」によると、1990年に比べ、2007年
の石炭由来CO2排出量は、143,275 [Gg CO2]、46.42%増えている。
1990年から2007年の温室効果ガス総排出量の増加は159,651[Gg CO2]なので
増加分の約90%が、石炭由来CO2排出量の増加によるものと言える。
これだけ大幅に石炭由来エネルギーが増えると、いくら省エネ努力をしても
追いつかない。これはもう日本のエネルギー戦略、温暖化対策のミスだろう。
ではなぜ石炭エネルギーが増えたのか。またそれを国が容認してきたのか?
長くなってきたので、続きはまた次回。
関連ページ
環境省(仮称)小名浜火力発電所環境影響評価準備書に対する環境大臣意見の
提出について
http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=11157
経済産業省 小名浜パワー事業化調査(株)(仮称)小名浜火力発電所に係る環
境影響評価準備書に対する勧告について
http://www.meti.go.jp/press/20090528003/20090528003.html
環境省 地球温暖化対策の推進に関する法律施行令で定める排出係数一覧(PDF)
http://www.env.go.jp/earth/ondanka/santei_keisuu/keisuu.pdf
国立環境研究所
http://www-gio.nies.go.jp/
IEA Statistics for 2006 JAPAN (Electricity/Heatで燃料別の発電量が分かる)
http://www.iea.org/Textbase/country/m_country.asp?COUNTRY_CODE=JP
<CO2排出量増加の要因は?> 石炭火力発電の増加
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/91c4f3a82427cca7252507070c3347cb
2009/6/4 更新 雨が少ない状態が続いています。水不足が心配です。
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