部門別最終エネルギー消費量の推移 折れ線グラフ

前回、エネルギー白書2015のデータから基準年を変えて部門別最終エネルギー消費量推移をグラフを作ってみました。このグラフは積み上げ棒グラフでしたが、部門ごとの増減が分かりにくいので今回は折れ線グラフで見てみます。

データ:エネルギー白書2015【第211-1-1】最終エネルギー消費と実質GDPの推移(xls)
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/data/211-1-1.xls

部門別最終エネルギー消費量の推移(1965年~2013年度)

(クリックで大きく見られます)

産業部門は1965年から1973年にかけて急激にエネルギー消費量が増加しています。その後、増減を繰り返しながらも6000~7000PJを保っています。産業部門の最終エネルギー消費量は他の部門と比べて2~3倍と高く、日本の最終エネルギー消費量の約44%を占めています。

運輸部門の最終エネルギー消費量は2000年ごろをピークに減少を続けています。

業務部門は1990年ごろに増加ペースが速まり、家庭部門の最終エネルギー消費量を抜き、部門別3位になりました。その後、2005年ごろをピークに減少していますが、2013年度は前年度に比べ約7%増加しています。

家庭部門は1965年から1995年ごろまで一定のペースでエネルギー消費量が増加しています。1995年以降はほぼ横ばい。まだ明確な減少傾向はまだ見えていません。


関連ページ
「平成26年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2015)
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/
資源エネルギー庁:エネルギー白書(2004年~2015年)
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/

部門別最終エネルギー消費量の推移 (基準年を変えてみる)
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/c520e4bcd2e7ff236a726cfbf5ef2a7b
燃料種別発電量の推移(2012年度まで)
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/ab0648f946f309532eef49a96932c6ca


2015年11月1日更新
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部門別最終エネルギー消費量の推移 (基準年を変えてみる)

最終エネルギー消費と実質GDPの推移(1973年~2013年度)

(クリックで大きく見られます)
資源エネルギー庁:エネルギー白書2015第1節エネルギー需給の概要より
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/2-1-1.html

こちらはエネルギー白書2015に掲載されている部門別最終エネルギー消費量の推移グラフです。産業部門で省エネ化が進んだ一方、家庭部門ではエネルギー消費量が増加していることを示すグラフとしてよく見かけます。エネルギー白書内でも下記のように記載されています。

1973年度から2013年度までの伸びは、企業・事業所他部門が1.1倍(産業部門1 0.9倍、業務他部門2.5倍)、家庭部門が2.0倍、運輸部門が1.8倍となりました。企業・事業所他部門では石油ショック以降、製造業を中心に経済成長する中で省エネルギー化が進んだことから微増で推移しました。一方、家庭部門・運輸部門ではエネルギー機器や自動車などの普及が進んだことから、大きく増加しました。
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/2-1-1.html

さて、このグラフでは基準年が1973年となっていますが、エネルギー白書内のXLSデータでは1965年からのデータが入っていました。

【第211-1-1】最終エネルギー消費と実質GDPの推移(xls/xlsx形式:156KB)
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/data/211-1-1.xls

そこで、上記データより基準年を変えてグラフを作ってみました。

最終エネルギー消費と実質GDPの推移(1965年~2013年度)

(クリックで大きく見られます)

産業部門での最終エネルギー消費量が1965年から1973年にかけて大きく上昇していることが分かります。2013年までの産業部門の最終エネルギー消費量のピークは1973年です。高度経済成長期でGDPを上回ってエネルギー消費量が大幅に伸びています。産業部門と業務その他をあわせた企業部門等でのエネルギー消費量は1965年から2013年度までの間に約2.7倍となりました。

最終エネルギー消費と実質GDPの推移(1990年~2013年度)

(クリックで大きく見られます)

こちらは京都議定書の基準年となっている1990年を基準としたグラフです。1990年から2013年の部門別エネルギー消費量は0.9倍から1.2倍であまり変化がありません。エネルギー消費量とGDPは1990年から2006年ごろまではほぼ一致して上昇していますが、2011年からはGDPとエネルギー消費量が乖離してきています。これは東日本大震災の影響が大きいと思われ、今後、エネルギー消費量の減少が続くのか注視していきたいと思います。


関連ページ
「平成26年度エネルギーに関する年次報告」(エネルギー白書2015)
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2015html/
資源エネルギー庁:エネルギー白書(2004年~2015年)
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/


2015年10月19日更新
実はエネルギー白書2009まではエネルギー消費量推移グラフの基準年は1965年になっています。記載されている文章もずいぶん違い、読み比べてみると面白いです。

エネルギー白書2009 第1節エネルギー需給の概要
http://www.enecho.meti.go.jp/about/whitepaper/2009html/2-1-1.html
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日本のプルトニウム保有量の推移(2011年末まで)

以前、日本のプルトニウム保有量の推移という記事を書きましたが、2011年末までのデータが出ましたのでグラフを更新します。

出典 内閣府原子力委員会 我が国のプルトニウム管理状況について(平成23年末時点) 
http://www.aec.go.jp/jicst/NC/iinkai/teirei/siryo2012/siryo39/siryo2.pdf


画像クリックで大きく見られます。

国内に保管されている分離プルトニウムは2011年末時点で9,295kgPu。2010年に比べて640kgPu減りました。この間、日本原子力研究開発機構のもんじゅ、常陽では使用量はゼロなので、この削減は一般の原子力発電所でのMOX燃料としての使用分。

日本原子力研究開発機構 プルトニウム管理状況
http://www.jaea.go.jp/04/np/archive/pu_kanri/index.html

海外保管量はほぼ変わらず34,959kgPu、使用済み燃料に含まれるプルトニウム推定量は159,000kgPuで前年より約7,000kgPu増加。

平成22年末時点の各国の自国内プルトニウム量


このプルトニウム量は自国内にあるものだけであり、日本はフランス、イギリスに保管分をあわせると未照射プルトニウムは約45tPu。こうしてみると日本は有数のプルトニウム保有国。

政府は先日、革新的エネルギー・環境戦略として2030年代に原発稼動ゼロを目指すとしながらも、使用済み核燃料の再処理は継続するとした。

革新的エネルギー・環境戦略(平成24年9月14日エネルギー・環境会議決定)
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120914/20120914_1.pdf

この中で、当面以下を先行して行うとしている。

 直接処分の研究に着手する。
 「もんじゅ」については、廃棄物の減容及び有害度低等を目指した研究を行う

高速増殖炉「もんじゅ」ではプルトニウムを増加させる増殖ではなく、削減もできることは以前書いた。プルトニウムの蓄積について国際社会で問題になることはこの時点で分かっており、実際、IAEAの天野事務局長も懸念を示している。

プルトニウム蓄積の恐れ、原発ゼロでIAEA事務局長
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGM18019_Y2A910C1EB2000/

再処理を行う以上、プルトニウムが蓄積する。しかも原発ゼロを目指し使う予定もない。では、再処理しなければ使用済み核廃棄物をどう処分するのか?最終処分や中間貯蔵を行うにしても受け入れてくれる自治体はあるのか?原発ゼロを打ち出したのはよいものの、プルトニウムの蓄積は困る。少しでも減らさなければ。この結果がもんじゅの稼動や、フルMOX炉の大間原発の建設続行につながっているように思う。ただ、革新的エネルギー環境戦略の中では「青森県に配慮」とだけ記し、核廃棄物、プルトニウムについてほとんど触れられておらず、説明もない。

問題を先送りにし続けて、積みあがった核廃棄物。原発ゼロという耳障りのよい政策を打ちたて、廃棄物の処理についてはほとんど説明もなく、とりあえず現行維持でさらに後回しにしようとしているように見える。最終処分にしろ、中間貯蔵にしろ、受け入れる自治体が必要。政府は状況をきちんと説明した上で選択肢を示すべき。また私たち国民も自らが出した廃棄物について、その処理方法を真剣に考えなければならない。


関連ページ
「夢の技術」課題山積み もんじゅ、14年5カ月ぶり運転再開
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/51001391c4aeb0bd642d1163ecafe6c3
日本のプルトニウム保有量の推移
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/34b2811acc93695576b54ba99d50dc6b
プルトニウム:日本の保有量減少 09年末時点で31トン
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/b57a1b9307fc5281b4923e01fdce3095



2012/9/26 更新
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