本:仮設のトリセツ―もし、仮設住宅で暮らすことになったら

4072825182仮設のトリセツ―もし、仮設住宅で暮らすことになったら岩佐 明彦 主婦の友社 2012-02-29by G-Tools


本の紹介です。
地震、洪水などの災害時に建設される仮設住宅。東日本大震災の影響で、まだ多くの方が仮設住宅で生活されています。もし、仮設住宅で暮らすことになったとき、どうすれば少しでも快適に生活することができるか。その知恵が詰まった本です。

仮設住宅の特徴と間取りなどの解説。そして、仮設住宅を住みこなすためのカスタマイズ事例が多数掲載されています。

玄関前に作られた風除室に日よけ、物置。それぞれに工夫して作られており、見応えがあります。一般的な賃貸住宅には原状回復義務がありますが、仮設住宅には次の入居者もおらず、不便な仮設住宅では自分たちで工夫して生活することが重要。この点は柔軟に対応している自治体が多いようです。

狭さ、寒さ、暑さなど様々な対策が施されていますが、これらは普段の生活にも役立ちそうなものもあります。暑さ対策としての日よけやテラス、緑のカーテンも見事。また、車が入ってこない仮設の通路で子供がのびのび遊び、大人が宴会を行っているというのもとても興味深い。

http://kasetsukaizou.jimdo.com/どこで-部位別/通路/

不便で厳しい生活と思われる仮設住宅での暮らしですが、いろんな知恵を持ち寄り、それぞれに工夫して生活されている。人のたくましさと強さも感じられます。今、仮設住宅で生活されておられる方にはもちろん、普段の暮らしにも役立つヒントがこの本の中には詰まっていると思います。


関連ページ
仮設のトリセツ -仮設住宅を住みこなすための方法-
http://kasetsukaizou.jimdo.com/
この本の元になったホームページ。新潟大学の研究室が主催。中越沖地震などの体験談を元にこのホームページを開設。印刷用冊子のダウンロードもできます。


2012/7/9 更新
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本 エアコンのいらない家

4767811759エアコンのいらない家
山田浩幸
エクスナレッジ 2011-07-02

by G-Tools



本の紹介です。
震災の影響から、エネルギーの使い方、特に節電に注目が集まっています。ですが、節電の方法では「我慢の節電」が多い。空調は1℃下げて(上げて)など。もちろん、必要のないものも多数あるのですが、快適性はどうなるのか?

この本では、まず、ほんとうの快適とは?から始まります。「快適」を決める4人+2人、温度さん、湿度さん、気流さん、放射さん + 活動量と着衣量。専門的な話をイラストをふんだんに使って、分かりやすく面白く解説しています。熱は言うことを聞かない用心棒(夏は来なくていいのにやってきて、冬はいて欲しいのに出ていってしまう)気流は常に上を目指します。などなど、なるほど!と思う内容。

発電、節電についても同様に分かりやすいのですが、「売れ残る大量の電気」というのは誤解を生じる表現だと思います。発電量の調整について書かれていないのが残念。節電はリストラ。高給取り(消費電力が多い)からリストラ断行というのも面白い。

後半は、「エアコンのいらない家のつくりかた」。図面を交えて、日射の取り込み方、通風、換気についての実践的な内容。遮熱や通風など、普段の生活にも役に立ちそう。

空調に頼らずに、快適な家を作るにはどうすればよいか。ヒントがたくさん詰まった本です。


2012/1/12 更新
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本 電気をつくろう!―つくって、ためて、使ってみよう

4798030023電気をつくろう!―つくって、ためて、使ってみよう高橋 隆雄 秀和システム 2011-06by G-Tools


本の紹介。
震災以来、電気に対する関心が高まっています。災害等の停電に備えるため、少しでも自家発電したい。電気を溜めたいと考える方も多くなっているようです。

 本書では、なるべく簡単なシステムで自分で電気をつくってみることをテーマにしています。いわば電気のDIYです。(はじめにより)

というように、この本では電気の簡単な知識から始まり、太陽光でバッテリーに充電、実際に使う方法を初心者向けに解説しています。 

直流と交流、バッテリーの容量、消費電力の計算、インバーター、シガライタープラグの使い方、そして実際にソーラーパネルとバッテリーを使ってパソコンを動かす。という流れ。イラストや図が多く、文章も平易で分かりやすい内容。

小型のソーラーパネルでバッテリーに充電し、この電気をパソコンやLED照明に使う。こう言うと簡単そうですが、実際にやろうとすると何を用意すればいいのか。どのくらい発電できて、どのくらい使えるのかが分からない。そんな方にお勧めです。

 電気を自分でつくるというのは、あまり馴染みがないかもしれませんが、やってみると面白く、やりがいのある行為です。
 ぜひ電気づくりにチャレンジしてみて下さい!(はじめにより)



関連ページ
出版社の書籍情報
http://www.shuwasystem.co.jp/products/7980html/3002.html
*注意*この本の「12Vから5Vを作る」回路図に誤りがあります。下記の訂正情報をご確認下さい。
http://www.shuwasystem.co.jp/support/7980html/3002.html

当ブログ内
住宅用・独立型太陽光発電システム見学
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/6f0755c47f3918bcfcdac7adfddb0ec7
再生可能エネルギーの発電量はどのくらい? 設備容量と設備利用率について
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/59744c907c59d5d0db00800c5318a625
本 太陽電池のしくみがわかる実験と工作・事典―自分で作るソーラーシステム
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/1c8f0c2d1277a9f6a6fd0ac037c617d8
本 マイクロ風力発電機の設計と製作―出力数百Wのダイレクト駆動型を手作りで実現する!
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/50803d4ff5a540ffdd381cf0031ad3a0



関連書
だれでもできるベランダ太陽光発電―身近な自然エネルギー入門だれでもできるベランダ太陽光発電―身近な自然エネルギー入門自然エネルギー推進市民フォーラム by G-Tools

パネル1枚で遊ぶ太陽電池工作実例集―実体配線図付き (サイエンスシリーズ)パネル1枚で遊ぶ太陽電池工作実例集―実体配線図付き (サイエンスシリーズ)増永 清一 by G-Tools




2011/11/17 更新
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本 環境リスク学―不安の海の羅針盤

*2011/4/16 福島原発事故に関連して再掲・加筆。元記事は2006/2/28に書いたものです。*

環境リスク学―不安の海の羅針盤中西 準子by G-Tools



横浜国立大学教授の最終講義を元にまとめられた一冊。
「環境リスク学」という専門書のような題名だが、読み物として面白かった。

水処理、ダイオキシン問題など行政と戦い。その結果、20年以上という長い間万年助手という立場におかれ、嫌がらせを受けながらも信念を貫き研究を続けていく。
白い巨塔のような大学内部の確執、行政の態度、研究費の持ち出し等スリリングな展開で小説を読んでいるようだった。

環境リスクという言葉はあまりなじみがない。我々の環境にはさまざまな環境がある。ということ。それを定量的に見定め、リスクの大きさを比べリスクを受け入れなければならない。
数年前に熱狂的に話題となったダイオキシンなど一つのリスクが出てくると非常に不安になるが、実はそれほどのリスクではなかったりする。
それを対策にかかる費用や健康に及ぼす被害の程度、自然環境における被害などを比べる。ダイオキシンの場合は、ゴミ処理施設の大型化、環境ホルモン物質の代換えなど多額の費用をかけたが公表された環境ホルモン物質にはほとんど毒性を確認できないという。このような無駄を出来るだけなくし、もっと大変なリスクに対応するために環境リスク学が必要だろう。

最近話題のBSEについても述べられている。日本では全頭検査をしているが、それに一体どの位の費用がかかっているのか、はっきりしない。もちろん、食への不安を取り除くという意味はあるのだろうが、費用とその効果を明らかにしてもらわないと、判断のしようがない。

アメリカでは政策決定時にこのような費用対効果の計算は一般的に行われているという。
それに対し、日本では非常に場当たり的な対応をしていると思う。
さらに、行政は建築業者との癒着からか大規模な開発を行い、多額の資金を使おうとしている。ダム建築、下水道、ダイオキシンの時のゴミ処理の大型化など。それに反対した著者に嫌がらせを行ったのだろう。
増税等負担だけを大きくする前にこうした体質を変える事が大事だと思う。

日本の行政を批判するばかりではなく、最後には理解する若い官僚が現れ、著者も教授となり、大規模な研究をまかされるようになる。
行政に理解者ができたこと、最終講義でこういった暴露話ができるということで日本も少しずつ変わってきているのだろう。

自分の利益ばかりではなく、いろいろな立場、リスクを考えること。全てのリスクを取り除くのは無理だということ。ある程度のリスクは受け入れなければいけないということ。当たり前だが、今までなかった考えだと思う。
それを受け入れる為に、情報を隠さずに開示すること。これが前提条件だろう。


*2011/4/16 加筆*
今回の福島原発の事故、放射能漏れに関し、様々な数字が公表され、原発周辺の住民はもとより、日本中、世界中で不安を抱える事態となっています。放射能のリスクはいったいどのくらいなのか。専門家の間でも、閾値の存在、低線量のリスク等判断が分かれていますが、線量によりリスクの確率が上がるということは共通しているようです(低線量は除く)。

問題は、そのリスク(の確率)を理解するのは難しいということ。リスクコミュニケーション、環境リスク等をご専門の皆様は、ぜひ一般に分かりやすく解説をお願いします。



関連ページ
環境リスク学の著者 中西準子氏のホームページ
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/
http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak551_555.html#zakkan552

環境省 化学物質に関するリスクコミュニケーション
http://www.env.go.jp/chemi/communication/9.html
経済産業省 リスクコミュニケーション
http://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/law/risk-com/r_index2.htm


2006/2/28 初掲
2011/4/16 加筆・再掲
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<本>風をつかまえた少年 ウィリアム・カムクワンバ

416373080X風をつかまえた少年ウィリアム・カムクワンバ ブライアン・ミーラー 池上 彰(解説) 文藝春秋 2010-11-19by G-Tools



本の紹介。高嶋哲夫氏の小説「風を捕まえて」とよく似た題名で、同じく風車を作るという話。ただし、こちらはノンフィクションです。

アフリカのマラウイに住むカムクワンバ少年。学費が払えず中学校を中退したものの、図書館で見た本を参考に、がらくたから集めた材料を使って、風力発電機を作った。

以前にも書きましたが、風力発電は比較的簡単な仕組み、材料で作ろうと思えばモーターでさえも自分で作れる。そして、実際に風で風車が回り、発電している様子が分かるというのも風力発電の魅力の一つだと思う。

カムクワンバ少年は、廃材置き場から必要な材料を探し出し、友人の助けも借りながら風車を作った。工具やブレーカーも自分で作った。電気が来ていない村で、自分で作った風車で、風から電気を起こす。夜にも本が読める。ポンプで水を汲める。電気が希望を与える。電気があって当たり前の生活をしている私たちは、そのありがたみをすっかり忘れてしまっているのかもしれない。。。

ノンフィクションですが、物語としても面白く読める本。お勧めです。


リンク
<本> 風を捕まえて 高嶋 哲夫
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/6e37d9717e437333b5c1c0bf72ba9e91

本 マイクロ風力発電機の設計と製作―出力数百Wのダイレクト駆動型を手作りで実現する!
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/50803d4ff5a540ffdd381cf0031ad3a0


実際風力発電機を作ってみたくなった方へ
手作り風車の参考書

マイクロ風力発電機の設計と製作 (Hardware Selectionシリーズ)マイクロ風力発電機の設計と製作 (Hardware Selectionシリーズ)久保 大次郎 by G-Tools


風との対話 手作り風車ガイド―楽しさの玉手箱 (サイエンス・シリーズ)風との対話 手作り風車ガイド―楽しさの玉手箱 (サイエンス・シリーズ)松本 文雄 牛山 泉 by G-Tools


自転車の発電機でマイクロ風力発電に挑戦 (サイエンス・シリーズ)自転車の発電機でマイクロ風力発電に挑戦 (サイエンス・シリーズ)三野 正洋 by G-Tools


風力発電機製作ガイドブック (自然エネルギーガイド)風力発電機製作ガイドブック (自然エネルギーガイド)金綱 均 松本 文雄 by G-Tools




2011/1/11 更新
ちょっと前にiPadを買いました。触るほどに面白くなってきています。
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<本> 風を捕まえて 高嶋 哲夫

4140055618風をつかまえて
高嶋 哲夫
日本放送出版協会 2009-03

by G-Tools



高嶋哲夫氏の小説。今年の読書感想文コンクール、高校生部の課題図書でした。小さな町工場が風車を作るという話。

ネタばれになってしまうのであまり内容は書きませんが、北海道のとある町で、小さな町工場が独力で風車を作る。これは良い。しかし、何分急ぎすぎです。1200kwの風車を設計から始まり、候補地決定、資金集め、制御システム・風車製作、建設工事、これら全てを約1年で終えるというのはいくらなんでも無理。もっとゆっくりじっくり書いて欲しかった。

つっこみ所は満載ですが、それでも小説のテーマとしてみると町工場が風車を作るというのは面白いと思います。あくまで小説として読むことをお勧めします。


関連リンク
本 マイクロ風力発電機の設計と製作―出力数百Wのダイレクト駆動型を手作りで実現する!
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/50803d4ff5a540ffdd381cf0031ad3a0
本 風車博士のやさしい風・風車・風力発電の話 牛山 泉
http://blog.goo.ne.jp/fun_energy/e/66a340db9f10e75479353e7a0a1cb3ec


2010/9/29 更新
暑さもやっと治まり、急に秋がやってきました。
過ごしやすくなったと思ったら、花粉症で苦しんでいます。。。
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本 奇跡のリンゴ

4344015444奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家・木村秋則の記録石川 拓治幻冬舎 2008-07by G-Tools


本の紹介。NHK「プロフェッショナルー仕事の流儀」で紹介された
農家・木村秋則さんの話。

リンゴ栽培というのは、農薬、化学肥料がなければ成り立たない。
というのが常識らしい。農協からの防除カレンダーに基づき、
化学肥料、農薬を施していく。
野菜では無農薬、有機栽培も増えて来たが、品種改良されたリンゴは
害虫、病気が多発し、無農薬では栽培できない。
この常識に挑んだのが木村秋則さん。

無農薬を志したきっかけは奥さんの体調。
農薬の調合、散布すると奥さんの体調が悪くなり翌日からは寝込むこと
になる。リンゴ栽培では、年に何度も農薬をまかなければいけない。
なんとかしたい。と思っていた所で目に入ったのが福岡正信氏の本。
福岡正信氏は、農薬も化学肥料も有機肥料さえも使わず自然に即した農業、
自然農法を提唱。その方法は日本よりも海外で高く評価されている。
これに飛びつき、リンゴの無農薬栽培に取り組み始める。

しかし結果は散々だった。家族総出で手作業で虫を捕り、草を刈り、
良いと思われることは全てやった。しかし5年経ってもリンゴは実らない。
出稼ぎ、バイトでなんとか生活していた。
6年目の夏、絶望の末、自殺しようとさまよった山で見たドングリの木。
だれも農薬も肥料も与えないのに、ちゃんと育って実っている。。。
これだ!木村氏は死を決意したことも忘れ、興奮して家へと帰った。

木村氏が見つけたこと。それは、山の環境を再現すること。
害虫を殺し、雑草を抜くのではなく、いろんな生物、植物が存在する
環境を作る。化学肥料のみならず、有機肥料もやらない。
そうして2年後、無農薬を始めて8年目にやっとリンゴの
花が咲いた。

今までは単一の作物を大規模に作ることが良いとされていた。
大量の肥料と農薬を使い、水を使って効率よく作物を作る。
しかしそれでは土の成分は偏り、特定の病害虫が多発する。
いろいろな生物、植物が生存する環境での自然農法は大量生産に
は向かないかもしれないが、とても魅力的な農法だと思う。

日本の農業も捨てたもんじゃない。
自然の力、偉大さ。それに実りの喜び。
農業の魅力、可能性を感じられる良い本です。



関連ページ
NHK「プロフェッショナルー仕事の流儀」農家・木村秋則
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/061207/index.html

自然農法 わら一本の革命福岡 正信
木村氏が感銘を受けた、福岡正信氏の本

奇跡のリンゴ訪問記
http://www.cheziguchi.com/kimura.htm



12/15 更新
今年も残りわずかになって来ました。
急に寒くなり風邪気味です。体調管理にお気をつけ下さい。
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本 太陽電池のしくみがわかる実験と工作・事典―自分で作るソーラーシステム

4416308019太陽電池のしくみがわかる実験と工作・事典―自分で作るソーラーシステム (技術チャレンジ)小林 義行誠文堂新光社 2008-02by G-Tools



本の紹介です。
太陽電池の工作の本は何冊かありますが、その中ではちょっと変わった本です。
なんと言っても一般的な「太陽電池」を使った工作は1点のみ。
では、何があるのか。というと、スペクトルを作る分光器、太陽熱利用の
ソーラー風車、スターリングエンジンにヘリオット。それに太陽追尾のソーラー
システム。なかなか面白いラインナップです。


工作、実験はもちろんなのですが、この本は解説がとても詳しく、面白い。
私が一番気になっているのが、太陽熱の利用。
ソーラー熱発電はアメリカなどで大規模なシステムが建築されています。
太陽電池のように高価な原材料、高度な製造行程が必要なく、簡単な仕組み。
ただ、難点は広大な土地が必要。ということでしょうか。

工作では作り方もとても詳しく書かれています。
どれも簡単にできそうで、材料も入手しやすいものばかり。
(唯一、ガラスの注射器はどこで手にはいるんでしょう?)
子どもにも出来そうですが、大人の方がやっても面白そう。
太陽追尾のソーラーパネルは実用になるかも?

太陽電池だけではなく、太陽のエネルギー(熱や光など)を知ることができる
良い本だと思います。工作をしない方にもお勧めします。


関連ページ
ソーラータワー発電
http://www.spaceref.co.jp/news/5Fri/2005_02_25tec2.html
太陽熱利用
http://www.repa-npo.com/index0-5.html
カリフォルニア トラフ式集光発電
http://en.wikipedia.org/wiki/Solar_Energy_Generating_Systems
http://www.fplenergy.com/portfolio/contents/segs_viii.shtml



2008/9/25 更新
彼岸花が咲いていました。



最近、本気で環境に関する仕事に就きたいと考えています。
風力発電関連、自然再生、都市計画などなど。
どこか雇ってくれるところはないでしょうか?
その前に勉強しなければ。。。
興味があること、勉強したいことも山ほどあります。
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本 ヒートアイランド 尾島 俊雄

4492800700ヒートアイランド
尾島 俊雄
東洋経済新報社 2002-07

by G-Tools



本の紹介。
今年の夏は本当に暑かった。私の地域では50日以上真夏日が続き、
最高気温35度以上の猛暑日も7日間。最高気温は37度以上でした。
すっかり秋めいてきましたが、この暑さを忘れる前にと読んだ本。

地球温暖化が大きく取り上げられているが、温暖化による影響は
この100年で0.6度程度。しかし、日本の都心部では平均気温は
2度以上上昇している。これはヒートアイランドの影響だろう。

1章、2章はヒートアイランドの原因とそのメカニズム、影響などを
データを用いて示している。
原因としては、緑地の減少、コンクリート等の人工被覆の増加、
粉塵などによる大気の温室効果、それに冷房等の排熱など。
よく知られたことだが、これをグラフで表されると一つ一つの影響の
大きさが実感できる。

心配される現象として挙げられている、雨量の増加、集中豪雨は今年の夏
顕著になった。

 湿った海風が都心から発せられる熱による上昇気流にぶつかって停滞。
 大気中の粉塵が凝結核となり積乱雲が発生し局地的な豪雨になる。

もちろん全ての集中豪雨がヒートアイランドの影響ではない。
だが、今年の豪雨はヒートアイランドが疑われる例が多いようだ。
(個人的には8/5の東京、7/28神戸豪雨はヒートアイランドの影響が強い
 ように思う)

ではどのような対策を取ればよいのか。
第3章では、自然の循環を生かした「クールアイランド」の仕組みとして
川の流れ、緑地、池などの冷却効果が述べられている。

川の流れに沿って、海風が内陸部に入り、周辺部の気温上昇を抑える。
また、緑地の場合は単に太陽光の反射率が下がるだけではなく、植物の
呼吸に伴う蒸発散(蒸散効果)により気温降下が引き起こされる。
東京都の緑被率が50%になった場合、最高気温が27度になるという。
(これはかなり大げさか?)
要するに、川で風の道を作り、緑地で気温を下げるという方法。

これに対し、第4章は技術的に都市を冷やす方法。
緑地を増やし川で風を通すというのは3章と同じだが、緑地面積を
増やすために超高層ビルを建て、大深度地下を利用するという。
正直言って、これにはあまり賛成できない。そこまで都心部に人口を
集中させる必要があるのだろうか?

未利用エネルギーの活用、地域冷暖房、排熱システムは効果があるだ
ろう。但し、大規模な事業になるためコスト面、維持方法などが課題
になる。地域冷暖房に加入するよりも個別の冷暖房の方が安ければ、
当然個別にするだろう。大規模なシステムは一度導入されると最新式
に改修しようにもなかなか出来ない。寒さの厳しい地域以外では必須
とまでは言えないと思う。
やっぱり、基本はできるだけ冷暖房を使わずにすむ街づくりだろう。

前にも書いたが、地球温暖化は対策が難しく、すぐに効果は現れない。
しかし、ヒートアイランドは比較的簡単に対策ができる。
ひとまず、木を植え日陰を作り、駐車場のコンクリートを剥がし、
植物を植えててみる。これだけで暑さが違ってくるはず。
すぐに効果を実感でき、ひいては温暖化の対策にもなる。
温暖化対策ももちろんだが、ヒートアイランドの対策が急務だと思う。


関連書
B000JA18SY熱くなる大都市 (1975年)尾島 俊雄日本放送出版協会 1975by G-Tools


1975年に発行された同じ著者の本。
約30年前には警告として書かれた内容が今現実になっているという。
ぜひ読んでみたいが、絶版になっているよう。


関連ページ
気象庁 過去の気象データ
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php
災害をもたらした気象事例
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/data/bosai/report/index.html
過去の特定地域の気象状況(気温、湿度、風向き等)が検索でき大変便利

資源エネルギー庁 熱供給事業関連情報
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/dhc/hpver1/index.html
東京都 地域冷暖房のページ
http://www2.kankyo.metro.tokyo.jp/dhc/index.htm


2008/9/5 更新 日中はまだ暑いものの、朝晩はずいぶん涼しくなりました。
9月14日(旧暦8月15日)は中秋の名月です。

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本 オキナワの家 くうねるところにすむところ―子どもたちに伝えたい家の本 伊礼 智

4757302762オキナワの家 (くうねるところにすむところ―子どもたちに伝えたい家の本)伊礼 智インデックスコミュニケーションズ 2004-12by G-Tools


本の紹介。沖縄出身の建設家が書いた本
子ども向きの絵本で、豊富なイラストと写真、
やさしい言葉で沖縄の家の特徴、魅力を伝えています。

魅力的な沖縄の家の紹介はもちろんですが、機能面も見逃せません。
まずは、暑さ対策
雨端と呼ばれる軒下空間。大きな軒を出す事で夏の強烈な日差しを防ぐ。
大きな小屋裏を持つ厚みのある屋根で熱が室内に伝わることを防ぐ。
また、開放的な間取りで通風をよくする。
現在の高気密高断熱住宅とは逆ですね。

また、風速が高く、台風がよく通る土地ですので、風対策も重要。
寄せ棟の重い屋根は風圧をかかりにくくし、建物が風で壊れるのを防ぐ。
台風の被害を防ぐために屋敷林としてフクギの木を植え、それが集落全体を
覆い、森の中に家が点在するように見える。
フクギ並木は通路の日よけにもなっていたでしょう。

とても魅力的な沖縄の伝統的な家ですが、現在は新築住宅のほとんどが
コンクリート造りだそうです。理由はシロアリ、台風に強いこと。
コンクリートの方が安いこと。でも作者はこのコンクリート建築に疑問を
呈しています。
ヒートアイランドの影響、開放性、呼吸する住まい、土地の持つ魅力、
街との関係。
「コンクリートを否定するわけではなくて、木のよさをもっと取り入れて
 いくことで沖縄の住環境はよりよくなるのです」
と作者は述べています。

最後に現在の住宅の例が載っています。その中の屏風(ヒンプン)ハウス
は家の内と外が緩やかにつながり、なんとも心地よい家になっています。
敷地面積いっぱいに家を建てるのではなく、少し引いて半戸外空間を作る。
そして空いたスペースに木を植える。そうすることで町単位でよい環境が
でき、ヒートアイランドの対策にも有効。

今年の夏は異常な程に暑く、私の地方ではもう40日近く30度を超す
真夏日。最高気温は37度にもなりました。夜にも気温が下がらず熱帯夜
が続いています。先週は最低気温27度なんて日もありました。
暑くてとても眠れません。(うちは寝室にクーラーはない)
温暖化対策というと、大きな問題で簡単に解決はできませんが、ヒート
アイランド対策は可能です。地面のコンクリートを少なくし、木を植える。
道路、歩道にも木を植え、日陰を確保する。風通しの良い家、町並みを作る。
美しい街と過ごしやすい環境を得られて一挙両得。

子供向けの絵本となっていますが、とても分かりやすく沖縄の家の特徴、
沖縄の歴史、現在の住まいなどについて書かれており、大人の方が楽しく
読める本です。あまりにも暑い今年の夏。昔から暑さ対策をしてきた、沖縄の
家はこれからの住まいを考える上で参考になるでしょう。


参考
著者 伊礼 智 氏プロフィール
http://irei.exblog.jp/138756/
気象庁 過去の天気、気温データ
http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/index.php


2008/8/17 更新
暑い暑いと言い続けていますが、あと2週間で9月。もう少しの辛抱です。

おまけ
B000066ISNビギンの島唄~オモトタケオ2BEGINインペリアルレコード 2002-07-03by G-Tools


沖縄に行って以来のお気に入りが、このCDに入っている「オジー自慢のオリオンビール」

 金がないなら海にが行くさ
 魚があればいきられる
 なんくるないさ やってみれ
 働くからこそ休まれる

この歌詞がまたいい。なんとかなるさ、と本当に思えてきてしまう。
元気になる曲です。
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