自然、環境、エネルギー。楽しく、気軽に、時には真面目に考えています。
環境を考える
JTA機内誌 Coralway 7・8月号 特集 沖縄街路樹物語
毎日暑い日が続いているなか、沖縄に行って来ました。
この飛行機の中で見つけたのがJTA機内誌 Coralway。
機内誌は何となくいつも見ていますが、これは今までになく
面白かったです。
7.8月号の特集は 沖縄街路樹物語
沖縄って暑いんだろうと思って行ったものの、私の家の方がよっぽ
ど暑い。街を歩いていても割と快適。
よく見るとあちこちに街路樹が植えてあり、大きな影を歩道に落と
している。沖縄の街路樹には日よけとしての効果が大きいようだ。

那覇市役所 歩道の所々に大きな木々が見える。

壺屋/南窯喫茶店付近 建物敷地から道路の方まで枝が伸びている。
(上記画像、那覇ナビより)
このCoralwayの街路樹物語によると、沖縄の街路樹は昔からあった
訳ではない。戦争で焼けはて、街路樹等の緑化は72年の本土復帰後
から本格化。「でも最初は試行錯誤の連続、植えては枯らすの繰り返
し」だったという。伝統的には各家の生け垣として木を植え、これが
道にまで伸び、集落全体に日陰を作っていたそうだ。
備瀬のフクギ並木
http://www.okinawainfo.net/bise.htm
樹種は本土で一般的なイチョウ、桜などではなく、フクギ、リュウキ
ュウマツ、カジュマル、アカギなどが多いらしい。
街路樹巡りも楽しそうだ。
家に戻ってみると、燃えるように暑いアスファルト。うちの近くの歩道
では地面からの熱がもわっと上がってくるのが分かる。とても長い時間
歩けたものではない。
街路樹はイチョウが植えてあるが、過度に剪定され、枝が非常に少なく、
木陰はほとんどない。

うちの子どもが通う学校には、運動場に大きな木がある。
遊具の近くなので、日陰になり、快適に遊べていたようだが、先日、ばっ
さり剪定されてしまっていた。

何のための街路樹、校庭の木々なのか?
もちろん、このような例は沖縄にもあるのかもしれないが。。。
都市の緑化は、景観のためだけでなく、ヒートアイランドの防止に
役に立つ。暑さ対策は沖縄の事例は参考になるだろう。
魅力ある街、快適に歩ける街。そこには必ず木々が植わっている。
木々、植物は街を変える大きな力を持っているように思う。
参考
JTA 機内誌 コーラルウェイ
http://www.churashima.net/coralway/index.html
(3・4月号で更新が止まっているようです)
沖縄植物図鑑
http://www.terema.co.jp/okinawa/syokubutu/syokubutu.htm
2008/8/6 更新 旧暦では7月6日です。明日は旧暦の七夕です。

おまけ。宮古島で見た風力発電。
レドックスフロー蓄電池付きのようです。
この飛行機の中で見つけたのがJTA機内誌 Coralway。
機内誌は何となくいつも見ていますが、これは今までになく
面白かったです。
7.8月号の特集は 沖縄街路樹物語
沖縄って暑いんだろうと思って行ったものの、私の家の方がよっぽ
ど暑い。街を歩いていても割と快適。
よく見るとあちこちに街路樹が植えてあり、大きな影を歩道に落と
している。沖縄の街路樹には日よけとしての効果が大きいようだ。

那覇市役所 歩道の所々に大きな木々が見える。

壺屋/南窯喫茶店付近 建物敷地から道路の方まで枝が伸びている。
(上記画像、那覇ナビより)
このCoralwayの街路樹物語によると、沖縄の街路樹は昔からあった
訳ではない。戦争で焼けはて、街路樹等の緑化は72年の本土復帰後
から本格化。「でも最初は試行錯誤の連続、植えては枯らすの繰り返
し」だったという。伝統的には各家の生け垣として木を植え、これが
道にまで伸び、集落全体に日陰を作っていたそうだ。
備瀬のフクギ並木
http://www.okinawainfo.net/bise.htm
樹種は本土で一般的なイチョウ、桜などではなく、フクギ、リュウキ
ュウマツ、カジュマル、アカギなどが多いらしい。
街路樹巡りも楽しそうだ。
家に戻ってみると、燃えるように暑いアスファルト。うちの近くの歩道
では地面からの熱がもわっと上がってくるのが分かる。とても長い時間
歩けたものではない。
街路樹はイチョウが植えてあるが、過度に剪定され、枝が非常に少なく、
木陰はほとんどない。

うちの子どもが通う学校には、運動場に大きな木がある。
遊具の近くなので、日陰になり、快適に遊べていたようだが、先日、ばっ
さり剪定されてしまっていた。

何のための街路樹、校庭の木々なのか?
もちろん、このような例は沖縄にもあるのかもしれないが。。。
都市の緑化は、景観のためだけでなく、ヒートアイランドの防止に
役に立つ。暑さ対策は沖縄の事例は参考になるだろう。
魅力ある街、快適に歩ける街。そこには必ず木々が植わっている。
木々、植物は街を変える大きな力を持っているように思う。
参考
JTA 機内誌 コーラルウェイ
http://www.churashima.net/coralway/index.html
(3・4月号で更新が止まっているようです)
沖縄植物図鑑
http://www.terema.co.jp/okinawa/syokubutu/syokubutu.htm
2008/8/6 更新 旧暦では7月6日です。明日は旧暦の七夕です。

おまけ。宮古島で見た風力発電。
レドックスフロー蓄電池付きのようです。
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本 マイクロ風力発電機の設計と製作―出力数百Wのダイレクト駆動型を手作りで実現する!
![]() | マイクロ風力発電機の設計と製作―出力数百Wのダイレクト駆動型を手作りで実現する!ブレードや多相発電機の設計・製作 (ハードウェア・セレクション) 久保 大次郎 CQ出版 2007-03 by G-Tools |
本の紹介です。
今までも小型の風力発電機を手作りする。という本は何冊かありましたが、
ブレードだけを作って、自転車のライト用発電機等を回すというのがほとんど。
自転車のライトの発電機というのは回すのに非常に力が必要で、小型の風車
では役に立たない。この本は、発電機、充電制御装置の作り方まで記してあり、
画期的。
発電機の作り方では、コイルを巻いて、磁石を配置、700Wのコギングのな
いコアレス3相交流モーターを製作。
しかも、強風時の上方傾向装置も付いています。
ローターは設計手法、FRPを使った製作方法など。
充電制御装置では、最適な出力を得られるようDC-DCコンバーターを製作。
トランスもポリウレタン線を巻いて自作しています。
その他、安全対策にタワーの設置方法まで。とても細かく記述されてい
ます。使う材料も特殊な物はなく、比較的手に入りやすい物ばかり。
ネオジウム磁石、コイル用の巻き線を除けば、ホームセンターでほとんど
揃いそうです。
工作が得意な方ならこの本だけで十分風力発電を始められるかと思います。
私は風力発電が好きですが、風車の魅力は自然エネルギーの利用。という
点だけではないと思います。風が可視化できること。比較的簡単な装置で
エネルギーを作り出すことができるということ。太陽電池は自分で一から
作るのは無理ですし、今発電しています~というのは目に見えない。
実用レベルでは大型風車にかないませんが、自分で小さな風車を手作りして
電気を作る。これはとてもわくわくする楽しいこと。
私もいつか自宅用に作ってみたいと思います。
もちろん、安全対策だけは忘れずに。
参考
太陽電音株式会社
http://www.tydo.co.jp/この本を元に製作した風車の発売。
発電機だけでも販売可能とのことです。
手作り風車の本
![]() | 風との対話 手作り風車ガイド―楽しさの玉手箱 (サイエンス・シリーズ)松本 文雄 牛山 泉 パワー社 2006-07by G-Tools | ![]() | だれでもできる小さな風車の作り方―20分で組み立てる学習キットから実用小型機まで松本 文雄 合同出版 2005-01by G-Tools |
![]() | 手作り風車ガイド―風との対話 (サイエンスシリーズ)松本 文雄 牛山 泉 パワー社 1995-12by G-Tools | ![]() | 自転車の発電機でマイクロ風力発電に挑戦 (サイエンス・シリーズ)三野 正洋 パワー社 2003-10by G-Tools |
2008/3/16 更新 旧暦では2月9日です。
今年はまだ花粉症の症状が出ていません。このまま済めば良いのですが。。。
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新エネルギー施設見学ガイド(四国地域) あっ!こんなところに新エネルギー

こちらは、近くの図書館で見つけた冊子。
経済産業省 四国経済産業局 発行の新エネルギー施設見学ガイドです。
見学、案内、説明ができる(受けられる)施設が紹介されており、なかなか
面白い冊子です。(見学のみで案内、説明がない施設もあり)
ホームページもありました。
http://www.shikoku.meti.go.jp/soshiki/skh_d2/5_houkoku/060116/index.htm
新エネルギーの種類は下記のように分類されています。
太陽光発電
風力発電
バイオマス発電・熱利用・燃料製造
廃棄物発電・熱利用
クリーンエネルギー自動車
この中で、見学して一番面白そうなのは風力発電。
掲載された写真も美しく、一度行ってみたいと思わせます。
特に私が気に入ったのは
梼原町風力発電所
http://www.shikoku.meti.go.jp/soshiki/skh_d2/5_houkoku/060116/DATA_22.pdf
(注意:pdfファイルです)
牛と風車がのんびりとした雰囲気
甫喜ヶ峰風力発電所
http://www.shikoku.meti.go.jp/soshiki/skh_d2/5_houkoku/060116/DATA_20.pdf
夕焼けと風車が美しい
この冊子では30件以上の施設が紹介されています。
見学ができる施設がこんなにあるとは知りませんでした。
一度、どこか行ってみたいと思います。
他の地域にもこのような冊子はあるのでしょうか?
ありましたら、ぜひご一報下さい。
6/2 更新 旧暦では4月17日です。
昨日九州南部が梅雨入りしました。雨の季節はもうすぐです。
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本 森林はモリやハヤシではない―私の森林論 四手井 綱英
![]() | 森林はモリやハヤシではない―私の森林論 四手井 綱英 ナカニシヤ出版 2006-05 by G-Tools |
森林生態学者 四手井 綱英 氏の本。1911年生まれで現在95才。
戦前から戦後にかけての林業に詳しく書かれている。
なぜ日本の山が、杉、ひのきの人工林だらけになったのか?
戦前は、植林・伐採といっても、山全体に一斉に植え、一斉に刈る
皆伐人工造林はあまりなかったらしい。木が必要になった場合は、
山の地主の所に行き、気に入った木を切って買っていた。
少しずつ木を利用していたので、森・山林の生態系などは維持されて
いた。
これが、人工林一色になったのは、戦後、住宅供給のため木材の
需要が増え、価格が高騰したためのようだ。木が高くなったので、
山持ちは今ある木を切り、杉、ひのきを植林した。
政府も植林事業を後押し。国有林も切り、特別会計まで作った。
これも木を植えると儲かると思ったため。
いわば、木材バブルだったのだろう。
結果、同齢、単純林ばかりになり、災害に弱く、多様性も失われ、
花粉症をもたらした。
外材の輸入により、国産材が売れなくなり、山が荒れている。と
よく言われているが、森林の保水、災害防止、自然環境への影響を
無視して植えまくった木材バブルは外材の影響がなくても、いつか
崩壊したのではないかと思う。林業はとても手間がかかる。
しかも、戦後の植林は間伐材も利用しようとしたため、木と木の
間隔が狭い密植林業。間伐をしないと、森林全体が荒れ果ててしまう。
天然更新という言葉も初めて知った。植林するのではなく、
天然に稔った種子が自然に散布され自然に生えてきた子苗を育て次の
森林を作る
という方法。
杉、ひのきの一斉林では樹種・樹齢は同じで天然林のような不斉林では
ない。このため、天然災害に弱く、台風などの際、大面積倒れてしまう。
ただ、天然更新の為には周囲に天然の木が必要だと思うので、皆伐跡地
には種子を蒔いたり、植林をしたりしなければいけないかもしれない。
(もちろん、いろいろな種類の)
国産材の利用で、がんばっている林業を応援するのは異論がない。
吉野など、戦前から続く林業の地もある。だが、現在荒れ果てた植林地、
放置林は天然林に戻していくべきだろう。
さらには、国有林の特別会計を撤廃し、原生林は特に保護する必要がある。
現在は国有林を刈り、売ったお金が特別会計に入っている。
これでは、貴重な国有林を毎年切っていかなければならない。
戦後の植林政策を反省すると共に、借金を棒引きし、新たな森林政策を
考える時期だろう。
風車の建設でよく言われるのが、森林伐採による環境破壊と鳥類への影響。
森林伐採は、確かに貴重な天然林・原生林は残すべきだが、前述のように、
人工林は伐採しても問題ない。
鳥類への影響は、生息環境への影響と風車にぶつかってしまう、バードス
トライクがある。
この本の中で、タカやワシの保護についても書かれていて、これが興味深
かった。
ダイビングして生きたウサギ等を採るこの鳥も密林では採食は難しいら
しい。
それで、皆伐跡地、新植地、林道の近くなどで採食するようだ。
だから、タカ・ワシの為に営巣地だけを守っても保護にはならない。
積極的に餌のウサギを増やし、皆伐地を進んで造る必要がある。
と書かれている。
私は、なぜ目がよいはずのタカが風車にぶつかるのか?いつも疑問に思って
いた。これを読んで少し分かった気がする。
周りは密植林で餌をなかなか見つけることができない。しばらく飛んでいると、
ぽかんと開いた広場があり、餌もいた!狙いを定めてダイビングキャッチ!と
思ったら風車にぶつかった。。。つまりは、風車の周りが餌場になっており、
餌を目指して集中しているので、風車が目に入らないのではないか?
もちろん、これは私の想像でしかないが、そうだとしたら、風車の建設で
餌場が増え、鳥類も住み易くなっている可能性もある。
本でも触れられているように、林道開発、風車の開発をやめさせる運動が
ワシ・タカの保護にはなりそうにないだろう。
この本は著者の過去の文献、本をまとめたもので、繰り返しの話が多いのが
少し難点だが、森林・植林・自然保護などについて詳しく、非常に参考にな
った。「里山」という言葉も著者が広めたものらしい。95才の著者。
おそらくこれが最後の本。と言われているが、ぜひ今後の自然保護、環境に
ついての本を書いて欲しいと思う。
お勧めの本です。
4/23更新 旧暦では3月7日です。旧暦ひな祭りも過ぎました。
長崎伊藤市長のご冥福をお祈り致します。
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多自然型護岸工事を採点 Be-Pal 4月号
![]() | BE-PAL (ビーパル) 2007年 04月号 [雑誌]小学館 2007-03-10by G-Tools |
以前にも書いた、多自然型護岸工事の問題。
Be-Palの「雑魚釣りニュース」というコーナーで特集されています。
「多自然型」という名の下に工事されたものの、その9割が不適切であり、
中には自然豊かだった川がコンクリート護岸に変えられていた。。。
環境に配慮したコンクリートを使ったので良い。というのが言い分らしい。
Be-Palでは、いろいろな事例が写真入りで紹介されている。
なんだかよく分からないのが、河川敷一面がコンクリートで固められ、
石がのオブジェ風(?)に所狭しと並んだもの。なんなんでしょう、これ?
その他、コンクリート壁で覆われ、申し訳程度に階段がついているもの。
これが、親水護岸らしい。でも、河原もないのにどうやって遊べというのか。
記事の中にも書いてあったが、競争入札で業者を決めているのが一因かと。
業者は当然、安く抑えたいので、コンクリート等で簡単に作れる工法に偏る。
いや競争入札でもよいから、工事方法は指定して、施工会社は入札にしたら
良いのかも。工事方法・設計はコンペで決めるでも良い。
私は、子供の時によく川で遊んでいた。
メダカ、タニシはいっぱいいたし、蛍も飛んでいた。
今思うと、自然豊かな川だった。
現在、住んでいる場所の近くの川は、3面コンクリートで、上流にダムが
あるためか、ほとんど水は流れていない。
子供が遊んでいる姿は見たことがない。川で遊ぶのは、とても楽しい。
今でも子供にかこつけて、自分も遊んでみたいと思う。
子供も大人も水に触れて遊びたくなる川。
無駄な工事をするんじゃなくて、そういう川を再生して欲しい。
4/8 更新 旧暦では2月21日です。
桜はほぼ満開です!

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本 相剋の森、邂逅の森
![]() | 相剋の森熊谷 達也 集英社 2003-10by G-Tools |
![]() | 邂逅の森熊谷 達也 文藝春秋 2004-01-28by G-Tools |
直木賞をとった「邂逅の森」は大正時代のマタギ(熊猟師?)の話。
「相剋の森」は現代の女性フリージャーナリストがマタギを取材する話。
邂逅は以前に読んでいたが、相剋~の方を読んでみた。
女性ジャーナリストを通じて物語は展開するが、小説というよりも作者の
自然保護に対する考えを述べているような本。
民家近くにも出没するようになった熊、熊の殺処分、熊狩りに反対する自然
保護団体、苦悩する地元など。
現在の自然保護、環境保全に対する問題をあらわにしている。
作中の大学教授の言葉
「自然との共生という言葉が大嫌い」
「いかにも耳あたりがよい部分に胡散臭さとまやかしを感じてしまう」
もう一人の登場人物の「人間が狩猟によって動物をとってもびくともしないだ
けの豊かな自然の実現。これが私の理想」
これが、作者の主張だろう。
私にとっての環境を考える意味、理想の環境とはなんだろう。読んだあと考えている。
なかなか難しくて考えがまだまとまっていないが。。。
小説としてははっきりいって「邂逅の森」の方が面白い。
「相剋の森」は作者の主張が強すぎる。(それでも面白い本です)
相剋の方は自然環境を考える上での教養書としてお勧めします。
10/4 更新 旧暦では8月13日です。10/6は旧暦で8月15日。中秋の名月です。
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本 環境問題のウソ 池田 清彦
![]() | 環境問題のウソ池田 清彦 筑摩書房 2006-02by G-Tools |
読んだ本。地球温暖化、ダイオキシン、外来種、自然保護の4つのテーマをとりあげている。帯には「京都議定書を守るニッポンはバカである!」と刺激的な言葉が。。。
4つのテーマのうち、ダイオキシン問題はほぼ既知の内容。
以前にも紹介した中西準子氏の環境リスク学―不安の海の羅針盤と被っていますので、省略。(一言いうと、ゴミ焼却由来のダイオキシンはほとんどなかったという話。これは日本の政府、マスコミの大失敗でしょうね)
さて、今、最も話題なのが地球温暖化問題でしょう。
著者がこの本で言いたいことは、温暖化の事実はないということ。(特に人為的原因では)
温暖化抑制の為のコストが莫大かつ効果が明らかでないこと。この2点に尽きる。
温暖化の事実、証拠は確かに(私には)分からない。抑制のコストがかかりすぎる。
これも一理ある。
ただ、それを述べるために出したこの著者のデータも鵜呑みにして良いのか、疑問。
特に、ロンボルグ 著の環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態の本からの抜粋が多いこと。これが気になる。
この本を実際に見てみたが、経済面を強調して環境問題を論じられている。
納得できる部分もあれば、そうでない所も。
(もちろん、環境問題でもコスト意識は大事だと思いますが。。。)
その他、外来種、自然保護の問題点についても、ちょっとデータ不足で、著者の思い入れが強すぎる気がします。(特に昆虫採集について)
また、わざと刺激的な言葉を選んでいるのでは?と思える点が多々ある。
これでは、環境問題をあおっている人々と同じではないでしょうか?
外来種問題は、私には議論できるほどの知識がないのですが、ニホンザルとタイワンザルの混血をDNA鑑定までして区別、殺すのはやりすぎだと思う。アライグマの問題も同じ。でも、ブラックバスは広まりすぎか。
(この感覚もほ乳類に対する優遇というか、魚類に対する差別か?)
どうであれ、外来種移入の全てが悪いというのではなく、程度の問題だと思う。
この本が正しいとは思わないが、環境問題に取り組んでいる人たちは、こういう意見もあると言う点で読んで見てほしい。
どんな問題にしろ凝り固まって人の意見を聞けなくなった状態は危険だと思う。
問題を熱狂的、盲目的に機器を煽るのではなく、客観的に考える必要がある。
日本には、ダイオキシン問題という失敗例があるのだし。
追伸
amazonのこの本のレビューもぜひ読んでみて下さい。
賛否両論、いろいろな意見があります。
関連書
![]() | 環境危機をあおってはいけない 地球環境のホントの実態ビョルン・ロンボルグ 山形 浩生 by G-Tools | ![]() | 環境リスク学―不安の海の羅針盤中西 準子 by G-Tools | ![]() | これからの環境論―つくられた危機を超えて渡辺 正 by G-Tools |
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本 環境リスク学―不安の海の羅針盤
7/25更新 旧暦では7月1日です。旧暦でも7月になりました。梅雨明けはまだでしょうか?
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本 風車博士のやさしい風・風車・風力発電の話 牛山 泉
![]() | 風車博士のやさしい風・風車・風力発電の話―「どこでもエネルギー」の時代がやってくる牛山 泉 合同出版 2004-07by G-Tools |
風車の本の紹介。
足利工業大学 牛山教授は風力発電界では有名だと思う。
私も何冊か牛山教授の本を持っている。
他の本は専門書が多いが、この本は著者の「はじめての子ども向けの本」
「できるだけやさしく、しかしかなりの思い入れをこめて書いたもの」との
前書き通り、丁寧で、優しい(易しいでもある)文章で読みやすい。
内容はエネルギー問題から気象的な風の話、それから風車の歴史、しくみなど。
この本を読むと、一通り風車、風力発電のことが分かった気になれます。
私が興味深かったのは風車の歴史。
揚水用風車のしくみや図面は、単純なしかけで風の力を利用していて面白い。
初期のアメリカの144枚も羽のある巨大な風車もアメリカらしくてなんとも面白い。
さらには、日本の本岡、山田両風車。
特に山田さんは独学で風車を開発したとか。
弱風でもまわり、強風にも耐えられ、価格が安かったらしい。
ぜひ実物を見てみたいですが、もうないのでしょうか?
つくば&早稲田の風車関係者に見せてやりたいです。
山田風車の開発者の娘さんのブログがありました。山田風車のカテゴリーもあります。
http://divarei.blog59.fc2.com/blog-category-3.html
こちらも紹介ページ。恵風は変わった形の風車ですね。
http://mariarei.hp.infoseek.co.jp/YAMADAWindmills.html
風車のしくみでは、抗力、揚力の違い、風況調査の必要性、風のパワー(風速の3乗)
パワー係数Cpのことなど、分かりやすく書かれています。
ページ数は少ないので、私としてはもっとここにページを割いて欲しい所ですが、
子ども向けでは十分でしょうか。
個人的には揚力の説明で、ベルヌーイの法則が出てこないのが良いです。(当然?)
全体に分かりやすい上、温暖化問題なども断言せず、「二酸化炭素の増加が原因と考え
られている」という書き方で、丁寧に慎重に書かれており好感が持てます。
著者の風車への愛が込められた本という印象。
風車好きな方も、風車に否定的な方も一度読んでみることをお勧めします。
その他の牛山教授の本
![]() | 風車工学入門―基礎理論から風力発電技術まで牛山 泉 by G-Tools |
![]() | 手作り風車ガイド―風との対話松本 文雄 牛山 泉 by G-Tools |
![]() | 風力発電マニュアル〈2005〉日本自然エネルギー by G-Tools |
7/1更新 旧暦では6月6日です。7月に入りましたね。梅雨明けはいつでしょうか?
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本 100年住める家のつくり方―住宅の価値は「安心」にある
![]() | 100年住める家のつくり方―住宅の価値は「安心」にある 中田 清兵衛 |
日本の住宅の平均寿命は26年らしい。これは、アメリカ44年、イギリス75年と比べ極端に短い。35年のローンを組んで、必死で支払いを終えた頃には建て替えとは悲しいかぎり。環境にも良くない。
どうすれば100年持つ家が出来るのかということを期待して読んだが、そういう事は最終章だけ。しかし、その他の章でも間取りの考えかた、災害に備えるなどは参考になった。
実際に100年住める家を建てたという例はあまり載っていないが、「スケルトン・インフィル」というシステムは興味深い。外側、構造部分は100年持つような頑丈な作りとし、内部の内装、設備部分は自由に変更可能な物。家族構成、その時々のニーズに合わせて内部は変えていこうという考え。無印良品の住宅でもこの考え方に沿った住宅を販売中で、好感が持てた。
http://www.muji.net/infill/
安い住宅メーカーの2x4住宅でスクラップ&ビルドを繰り返すというのは、もうそろそろ終わりにして上質な家を大事に使いたい。マンションの耐震強度偽装問題はこの経済性ばかりを考えた結果だろう。そのためには、中古住宅の価値を高め、流通させる事も大事だと思う。例えば、建築家の作った家、大工の技を駆使した家が数十年後にアンティークとしてより価値が出るような家。土地だけに重きを置くのではなく、建物自体の価値を考えたい。
今回のPSE問題が大きく取り上げられたのも、中古品に対する価値観が変わってきたからだと思う。どんどん新しい物を追い求めるのではなく、古い物の価値も見直されてきている。家に対する考えも変わっていく必要があると思う。
今まで紹介した本のリストはこちら。
3/29 更新 旧暦では3月1日。今日から弥生三月です。
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雑誌クロワッサン2/25号 無駄なく心地いい、小さな暮らし方

Penに続き、環境特集の雑誌。デンマーク取材がメインです。
Penがエコ商品の紹介だったのに対し、こちらはデンマークの人の暮らし方が
テーマになっているようです。リサイクル品などを購入し、あまりお金を使わ
ないようにしているのに、部屋の中はとてもシンプルで、おしゃれです。
無駄のない生活はもちろん、美しさを重視しているようです。
ガラス、アルミ等のリサイクルでは、デポジットが掛けられ、スーパーなどに
ある回収機に入れるとレシートが出てきて、これをレジに持っていくとお金を
返してくれる。また、町中には紙とガラス用の巨大なゴミ箱がある。
前にドイツ、フランスに行ったときにもこれはありました。
いつでも捨てられて便利なので、日本でもあったらいいのに。と思ったのですが、
ちゃんと分別するかどうか、住民のモラルが試されます。
リサイクルショップも紹介されていますが、これも、とてもおしゃれです。
教会等のボランティアで運営されており、商品は無償で提供された物だとか。
これは、日本でも生かせるのではないでしょうか?
障害者の作業所ではほとんど収益が出ていません。そういう障害者等の団体が
運営するお店や、福祉目的だったら、不要品を無料で提供してもいいと言う人は
多いはず。
デンマークなど北欧の福祉大国は、消費税などが高く、あまりお金を使わずに
自分たちで出来ることは自分でするのが当たり前になっていると思います。
これを日本でそのまま当てはめられるかは分かりませんが、あまりに物を持ち
すぎて、経済的発展を追い求める生活は本当に正しいのか?そういうことを、
考えるきっかけになりました。
1つ印象に残ったこと。家庭のテレビが何枚か写真に写っていました。
23年前の物で何度も修理して使っているとのこと。
アンティークのようで、今見ると新鮮なデザインのテレビです。
前にも書きましたが、こういう古い家電をPSEマークがないという理由で、
販売できなくする日本の「電気用品安全法」はやっぱりおかしいと思います。
今まで紹介した本のリストはこちら
2/21更新 旧暦では1月24日です。
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