THE BOOKハンター!

~〈本の虫〉の痛快読書日誌~

「パーク・ライフ」(吉田修一/文春文庫)

2006年09月16日 | Weblog
 本書は、第127回芥川賞受賞作。
 公園で目にしたのは、地下鉄で「ぼく」が話しかけてしまった女だった。なんとなく見えていた景色がせつないほどリアルに動きはじめる……。日比谷公園を舞台に、男と女の微妙な距離感を描いた作品です。

「しょっぱいドライブ」(大道珠貴/文春文庫)

2006年09月16日 | Weblog
 今年7月の第135回芥川・直木賞では、芥川賞に伊藤たかみさんの「八月の路上に捨てる」、直木賞には三浦しをんさんの「まほろ駅前多田便利軒」と森絵都さんの「風に舞いあがるビニールシート」が選ばれました。私もさっそく読んでみたいと思っていましたが、単行本は値段が高いので、文庫本になるのを待つことにしました。そんな中、過去の受賞作を2冊読んで見ました。
 まずは、128回芥川賞受賞作。さびれた港町で生活する34歳の「ミホ」が、60代のへなちょこ老人と同棲するまでに至る顛末を、哀しくもユーモラスに描いています。