中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の車載事業が好調だ。中国中堅自動車メーカーと共同で手掛ける電動車両は発売から50日で8万台の受注を獲得した。クラウドサービスなどの法人向けビジネスを含め、注力事業が軌道に乗り始めた。苦境に陥っていたスマートフォン事業も復活の兆しを見せている。米国の制裁から4年、完全復活が視野に入ってきた。
上海市中心部のショッピングセンターにある中国通信大手、華為技術(ファーウェイ)の大型店舗。スマートフォンやタブレットの最新モデルと並んで、来場者が熱視線を送る“大型商品”がある。 「M7」。ファーウェイが中国の中堅自動車メーカー、賽力斯集団(セレス・グループ)と共同運営する「AITO(アイト)」ブランドの多目的スポーツ車(SUV)だ。プラグをつないで充電するEV(電気自動車)に、発電用のエンジンを積んだ「レンジエクステンダーEV」で、中国の統計上ではプラグインハイブリッド車(PHV)に分類される。航続距離はEVモードで200km以上、エンジンによる発電を合わせると1200km以上に達するという。 9月12日に改良版を発売した直後から注文が殺到。11月には、発売から50日で受注が8万台を突破したと発表した。月間の販売台数が数千台から1万台前後と苦戦してきたAITOブランドにとって、最大のヒットになったのは間違いなさそうだ。